三つの匣の外側に プレイログ:個別・全体エンディング

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事前交流会:ソル・シエール組
事前交流会:メタ・ファルス組
導入~Lv1開始
A卓 B卓 C卓 D卓 E卓
(本編は卓ごとのログを参照) ボス戦~ゲーム終了
A卓 B卓 C卓 D卓 E卓
エンディング卓
前半 後半 個別・全体ED



文字色説明

GM GM発言・描写など 雑談など
PL/PC アイラ: PC発言・PL発言・雑談など
ゼロ: PC発言・PL発言・雑談など / アルフレート
レドル: PC発言・PL発言・雑談など / ガレット / ネウ
リッカ: PC発言・PL発言・雑談など / ライカ
ルーファス: PC発言・PL発言・雑談など / ベアトリーヌ
シグレ: PC発言・PL発言・雑談など / マスター
ターフェ: PC発言・PL発言・雑談など / ジェード / サフィ
ケント: PC発言・PL発言・雑談など
サテラ(エンハンブレ): PC発言・PL発言・雑談など
留禰: PC発言・PL発言・雑談など / セナ / ヴァン / ヴェントゥス




  session: DS-F-6 2023/09/04




> 今日の流れですが 最初に個別エンディング、それが終わったら全体エンディング
> 以上です
> それじゃ聞きますが 個別エンディングやりたい人挙手ー
> ノ
> ノ
> ノ
> ノ
> まにあったら……(かいてる)
> ノ
> 私はまぁどのタイミングでも良いのでな

※編注:以下の各個別ED+ヤグシャの印象のところは当日はchoiceで順番を決めていた
  公開ログでは組別に掲載するが、実際に行った順番は以下の通り:

  ケント
  留禰(ヤグシャの印象のみ)
  エンハンブレ
  ルーファス
  アイラ
  レドル
  リッカ
  ターフェ
  ゼロ
  シグレ
  留禰(個別ED)(これだけ次回)






BGM: デスクトップ
  from .hack//G.U.(バンダイナムコゲームス/サイバーコネクトツー, 2006)
  Composed by 福田考代

――ゲームプレイの日の翌日――

日はすでに高く上がっている。
ヤグシャの朝は普段から遅いが、今日は輪を掛けて遅かった。

ヤグシャ:「……眠い」

ヤグシャは豪華なベッドから這い出て、寝ぼけ眼を擦る。
顔を洗い、カーテンと窓を開けると、やや埃っぽい風が吹き込んだ。

> 歌姫の朝は遅い――。

ヤグシャ:「そういえば、今日はどこかの建物のオープニングセレモニーに呼ばれてたっけ」

窓の開き具合を調整して、ヤグシャは部屋の中に向き直った。

確かにベッドやその他の家具類はそれなり以上の品が揃っている。
ただ、家具類を差し置いて目を引くのが、部屋の奥のほうに据え付けられた個人用ダイブマシンと、
それに接続された大きなサーバーだ。いずれも彼女の「趣味の品」ということになっている。

> ああーここからだったのか……

それらが視界に入った瞬間、昨日のことがよみがえり、
彼女は今日のスケジュールを確認するという次の行動を忘れた。
……外に出る予定を午前中に入れるわけがないからまだ今のところは問題はないが。

その代わり、彼女は机に置いてある5枚の紙片を手に取った。
電飾された木の前で“3人”が写っている写真、どこか玩具っぽさを隠せない巨大な人物像の写真、
木の葉のカードと杖のカード、そしてプレイヤーズカード。
昨日はこれらがプリンターから出たのをほったらかしにしてゲームに熱中していたせいで、
たまたま入ってきた使用人に見つかり、いろいろばれてしまった。

ヤグシャは穏やかな笑みを浮かべながら思い出に浸っているようだ。
やがて、何かに気付いたようなしぐさを見せ、机の前に座った。

ヤグシャ:「……普通に考えれば、人にもよるけど、皆に実際に会う機会はたぶんないのよね。
  だから忘れないように書いておこう」

ヤグシャは机に置かれた端末を操作すると、文書ファイルを作り、
10枚ぶんのページにまずそれぞれの名前を記入し、思いつくままに書き込み始めた――





[A卓/アイラ/個別エンディング]
BGM: 小さな冒険
  from エルクローネのアトリエ(アイディアファクトリー(オトメイト), 2012)
  Composed by ZIZZ STUDIO

むかしむかし あるところに うつくしいおひめさまがいました。
おひめさまのおかあさまは いいました。
「あなたは ただ ここに いるだけでいいのですよ」
おとうさまは いいました。
「おまえは ただ いうことを きいているだけでいいのだ」
おうじさまは いいました。
「あなたは ただ ほほえんでいるだけでいいのですよ」

だから、おひめさまは ただ そこにいるだけ。
ただ いわれたとおりにするだけ。
ただ ほほえんでいるだけ。
みんなが それでいいのだと そういうから そうしているのでした。
ずっとずっと そうして ひびをすごしているのでした。
こころのどこかで くるしさを かんじながら。

> 最初のひらがなのところ見て「ああー」って思った



アイラ:「……ん」
  (あら? いつの間にやら寝てしまっていたようですわ)

アイラが机から顔を上げ、窓の外を確認すると夜になっていた。

アイラ:(確か最後に見た窓の外の風景は夕方だったはずですわね)

時計を確認すると時刻は深夜を示していた。どうやら夕飯を食べ損ねてしまったようだ。
アイラは「まあ二、三日食べられなかった時と比べればこれくらいどうってこともありませんわ」と体を伸ばす。
流石に数時間も机に突っ伏して寝ていれば体もバキバキと音を立てた。

アイラ:(それにしても何か夢を見ていた気がするのですけれど……思い出せませんわね)

伸びを終えると机の上に散らばっている資料に再び目を通す。
そこにはアイラがプラティナにいた頃に歴史についてまとめたメモ帳を頼りに、
第一塔にまつわる歴史的事象が並べられていた。

アイラ:(うーん。私が調べていたのはいわゆる第二紀と呼ばれる頃の事が中心ですし、
  第一紀の頃の事がだいぶあやふやですわね。
  やはり一度プラティナに戻って、シュレリア様かレアード様に資料室への訪問を許可してもらおうかしら?
  あっ、どうせ資料室に行くなら魔導サービスについても
  専門家を連れて行って調べなおした方が良いかもしれませんわね。
  リーシャさん……はプロジェクトに関わっていないから誘っていいものか分かりませんわね。
  やはりここは同じプロジェクトに在籍する……確かルーファスというお名前の方を誘うべきかしら?
  師匠とどこかで会えるといいのですけれど、まああの人は気まぐれですしね……)
> 呼んだ?

プロジェクト<E=B>に参加してまもなく、アイラはまず亜耶乃社長に頼み込み給金を前借りして
拠点となる部屋をほたる横丁の一角に借り、そしてその部屋で第一塔の歴史について手を伸ばしていた。

歴史とは過去の人々が営んできた日々。そこには成功もあれば失敗もある。
その土地に住まう人々の風俗や気質も示してくれる。

『だって、私は……私は、クラスタニアでも浮いてたけど、メタ・ファルスにも馴染めなくて……
こっちに来たけど、それでも結局…… だから、だから……ヤグシャのやりたいことはよく……』

それにプロジェクト<E=B>が発足した先の会議での際の樒の言葉が心に引っかかっていた。
ヤグシャも確か『気風や文化に馴染めない人が出てくる』と言っていなかっただろうか?
もし、ヤグシャが馴染めなかった人々の為の国を作ろうとしているならば。
そしてそんなヤグシャが背負い立つ国に働きかけようとするならば、
そういった自らのバックボーンをしっかりと自覚することも必要なのではないか?と思ったからであった。

アイラ:(人の居場所は色々とあることに越したことはないでしょうし、
  それに周りから取り残されたり周りと馴染めないというのは辛いものですしね……)

なお現在アイラが思い出しているのはバイト先を出禁にされた日々のことである。
> w

ヤグシャや樒が言ったそれとだいぶ質が違うと思うし、
そもそも器物損壊の罪を重ね続ける人間がいても許される場所など未来永劫作られることなどないと思うのだが……
悲しいことにそんなアイラの脳内にツッコんでくれる者がこの場には誰一人としていなかった。
まあそれは横に置いておくとして。

先に『人々の居場所は色々とあることに越したことはない』と思ったように、
バイナリ野でのヤグシャのやり取りや、先の会議での
ヤグシャが『これから行おうとしているであろうと予測されていること』自体にはアイラは賛同している立場だった。
彼女のシンパであると言っても過言ではない。
もっともそのことをアイラ当人がどこまで自覚しているのかは定かではないのだが。

そもそもこの世界は長らく閉じ、更に閉じた世界もごく一部分の土地に集中しすぎていた。
土地が広がった今、ヤグシャのように国、もしくは国とまではいかないまでも
新たな自治区が立ち上がるのは時間の問題だっただろう。ただ予想外に早すぎただけで。

ただ、懸念されている“新たな争いの火種”を撒くことを防ぐためには、
まずこのプロジェクトを“良き最初の前例”とする必要があるだろう。
ヤグシャは争いの火種を撒くことを、既存の社会から取りこぼされた人が争いで傷つくことを望まない人だ。
――少なくともアイラが知る、アイラの中のヤグシャは、だが。
そしてアイラも争いの火種を撒くことを望んではいない。
望んでいたら父親とエイベル家生家、そして元婚約者の家も潰してなどいない。
だからアイラはこのプロジェクトに参加した。

ヤグシャに言われた通り“政治家”が抜けきっていないかもしれない。この惑星に住む一人一人が見えていないかもしれない。
でもどうか、ヤグシャのやることで誰かが傷つかないように。
彼女が、あの優しい人が誰かを傷つけたことでこれ以上自身を傷つけることがないように。
そして何より、“目的の達成”によって彼女が命を散らすことがないように。
まだ若く、様々なことが分かっていないアイラでも、
せめてバイナリ野で話してくれたヤグシャの想いだけでも護りたいと思ったのだ。
そしてそうやって突き進んでいった先にアイラが漠然とではあるが望んでいる
『全ての人が屋根のある家で過ごすことができ、飢えることのない生活』に
わずかでも明確性を持ち、近づくことができればいい。
とは言ってもまだこの想いを抱いてから日は浅いし、プロジェクトを突き詰めるのもまだまだこれからだ。

……あとこれはアイラ個人の話だが、これから給金が支給されることが確定した今、
散々迷惑をかけたあちこちの元アルバイト先に菓子折りを持って謝罪行脚にも行かなくてはいけないと思っている。
やることは山積みだ。まず今やらなければいけないことは。

アイラ:「明日のためにしっかりとベッドで睡眠を取らなければいけませんわね。
  今日の作業はひとまずこのくらいにしておきましょう」

そうして欠伸をしながらアイラはベッドへと向かったのであった。



おひめさまは あるひ とうとうくるしさに たえられなくなり おしろをとびだしてしまいました。
「わたくしは もう おしろのひとの いうことなんて きかない! じゆうになるのよ!」
そうして おしろのそとの ひとびとのように はたらきはじめました。

けれど いままでなにもしてこなかった おひめさまは しっぱいばかり。
おりょうりをすれば たべものを こがしてしまいますし、
おりょうりを テーブルにはこぼうとすれば おさらをおとしてしまい、
おそうじも ほこりをおとそうと ハタキではたこうとすると ものをこわしてしまいます。
いろんなひとに たくさんたくさん おこられて おひめさまはたいそう おちこんでしまいました。
> ああー(take2)

あるひ そんなおひめさまのまえに べつのくにのおひめさまが あらわれます。
べつのくにのおひめさまは たいそうなしっかりもので、
たくさんきずついても まえをむいて りん としたすがたで たっているひとでした。
そしてそのおひめさまは いったのです。
「わたしは くるしんでいる ひとびとのために くにをつくるのだ」と。
おひめさまは おもいました。
「わたくしも あのひとのように つよいひとに なりたい!」と。

しばらくして べつのくにのおひめさまは とおくにいってしまいましたが、
おひめさまは べつのくにのおひめさまを おてほんに がんばりはじめたのでした。



このおはなしはここでおわりです。
おひめさまが りっぱなおひめさまになれたのかは まだわかりません。
けれどいつかどこかで あなたは りっぱになったおひめさまと あえるひが くるのかもしれませんね。



> はー……
> 全然怪文書じゃなかった すごい
> とても良い
> GREAT
> 泣きそうになった
> 凄くよかった
> すてき
> よかった……
> おひいさまぁぁぁ
> 「良」





[A卓/アイラ/ヤグシャの印象]



アイラ。ゼロと同組、ソル・シエール、女、無職というかアルバイトというか。水→心。
口調に経歴に学識はいかにもなお嬢様。行動だけはそれっぽくなかった気がする。たぶんアメーバ好き。
後からプラティナの政治家の娘だと聞いた。ただし家は没落したっぽい。

> アメーバ好き?????????
> ヤグシャの誤解なんだけどね()
> 第二階層に到達してエンブレムを調べた際に、命のマークがアメーバっぽい的な話になって、
  アイラさんが楽しそうにしてたんですよ()
> なるほどw

歴史の知識がけっこうあるようで、シルヴァホルンの件とか、あと本のタイトルを解読したのは驚いた。
ソル・シエールの人は全体として歴史には疎いと聞いていたけど、プラティナに関しては例外なのかしらね?

ただ、知識はあっても、それを自らの道具として、あるいは立脚点として使いこなせていない気がある。
彼女は理解力や洞察力はあるのに、本当にもったいない。
それを思ったのは、最初にシルヴァホルンシステムの話題を出したとき、
魔法の力を「ここに来る前は、魔法の力があったら便利だと思っていた」と言ったこと。
あれだけの歴史の知識があり、さらにプラティナで政治家としての教育を受けていたというなら、
人間が魔法を使えるようになる意味、それによってレーヴァテイルの地位がどう影響されるか、
そして今はシルヴァホルンがそうなっていないことが意味することをもっと前に考えているはず。
だからその発言はちゃんと考えられている人なら出ないだろうと私は思う。

それから、おそらく政治家教育の一環で、自分の感情をコントロールする術を教え込まれているのだと思う。
で、不幸なことに、それを完全に内面化してしまっている節がある。
闇の試練のとき、最初あれだけびくびくしていたのに、いざ歩き始めるとあっという間にそれを隠してしまった。
血痕を見ても、死体を見ても、その反応は一瞬で終わる。逆に大したものだわ。

確かに、どんな事態にも動じない強い指導者の姿には需要がある。特に、弱い人は強い指導者を好みがち。
でも、強い指導者は、強さを誇示し続けるために何かを壊す必要がある。
アイラはそういうことをするには優しすぎるし、私もアイラにはそうなって欲しくはない。
ならば、違うリーダーの姿を目指すしかない。

だから私は言った。アイラには心の動きを感じられないと。
彼女が“政治家”として内面化してしまっているものを打ち破らないと、彼女は政治家にはなれない。
でも、逆に言えば、それをクリアすれば彼女は十分な素質を持っている。
父のような人が罰せられるといいとか、政治家の伴侶としての役割だとか言っていたように、
彼女は政治家につきまとう現実をすでによく知っている。
あとは「そうだとしても私は理想のためにやるんだ」という力強さがあればいい。
そのために心を動かして、鍛えて、やがては隠そうとしても隠しきれないほどの雄大な心になればいいと思う。

……ところで、実際、アイラは政治家を目指すのかしらね?
そこは本人次第とはいえ、ソル・シエールの政治家に友人ができたとするなら、私にとっても心強いから。



> 政治家の伴侶として、かぁ
> はーヤグシャさんから見たアイラはこんな感じだったのか
> ですねー
> もっと評価が低いかと思ってました
> 感情コントロールの件とかはキャラシにも出てなかったし 完全にヤグシャの印象
> 実際コントロールはしてたんですよね
> ルーファスさんのところでも言ったけど ヤグシャはアイラがしたたかに生きていると思ってますよ
> バイナリ野に潜る頃にはだいぶ表情に出るようになってたんですけど
> なるほどね?

  (アイラ後日談1 『三つの匣のイロカタチ』
  (アイラ後日談2 『元お嬢様と過去の苦悩』





[A卓/ゼロ/個別エンディング]

BGM: ヴェントのテーマ
  from アンリミテッド:サガ(スクウェア, 2002)
  Composed by 浜渦正志

微かに残る夏の夜風が薫る。
砂のような浅い夢からゼロは目を覚ます。頭痛を感じるが、大した問題では無いと判断したようだ。
夜の宿の外へ、夜風を浴びに繰り出す。

アルフレート:「ゼロさん、眠れませんか?」
> おっアルフレートさん
> あら

いつも徹夜で仕事を片付けている事務員のアルフレートが声をかけてきた。
スーツから普段着に着替えていたため、恐らく仕事を終えたばかりだろうと感じる。

ゼロ:「アルか。……いや、考え事が多過ぎてな」
アルフレート:「ゼロさんが考え事、ですか。やはり、トライボックスで起きたクラッキング事件のこと……ですか?」

ゼロは頷く。

アルフレート:「突然通信機器を貸して欲しいと言われましたから貸しましたし、
  口外禁止も徹底しますから敢えて深くは追求しませんが……
  そうなると本格的な調査を行う場合、仕事に影響が出る恐れがあります。
  一度に二人も抜けられると、人事不足が深刻になりますし、影響は小さくありませんよ」
ゼロ:「分かっている。俺はあくまでトランスポーター、調査はそのついでだ。
  だが、活動範囲に制限が出るのは否めない。もしかすれば、かなり長期化する危険がある。
  命の保証があるわけでもなければ、解決の糸口が見つかる保証も無い。
  俺はただ、やることをやるだけだ」

アルフレートは溜息を衝いた。

アルフレート:「分かりました。私も出来る限り業務契約と斡旋について、社長に確認を取ります。
  まぁ、私も近々有給休暇申請を取るので、上司と社長の采配が少々心配ではありますが……
  念には念を入れて置くので、その点はご心配せず、ゼロさんは役目を担って下さい」

ゼロが機嫌良く微笑んだ。

ゼロ:「あんたが仕事仲間でよかったよ。 そうじゃなかったら、今頃運び屋トランスポーター業は
  ただの破落戸の集まりになっていたからな」
アルフレート:「此方の台詞でもありますね。
  黒い狂犬に手を噛まれたどころか腕まで持って行かれた愚昧な輩にはなりたくありませんから」

二人揃って静かに笑う。

アルフレート:「そう言えば、最近少しずつ笑顔が増えてきましたが…… やはり、何か自分の中で変化がありましたか?」
ゼロ:「……あるな。視野は幾分か広がった気がする」
アルフレート:「それは良かった。猟牙も今日は機嫌が良いみたいですね」

ゼロが背負う機械の箱、『猟牙』から覗く緑と赤のランプが点滅する。
ゼロ曰く、『猟牙』の機嫌がとても良い時は凡そこの二つの色が光るらしい。

ゼロ:「また『相棒』の定期メンテナンスと解析が必要になったら、呼ぶ」
アルフレート:「えぇ。此方も遺物の情報交換はかなり重要なことなので、御協力宜しくお願いします」

遺物。ゼロの背負う機械の箱と、アルフレートが左腕につけている腕輪『ロスト・フォニム』。
これ以外にも発掘されている、アルシエル史のどの時代にも該当しない技術の結晶。

二人は運び屋トランスポーターの仕事と性質を活かし、新鋭トランスポート会社『レイヴンアイ・トランスポート』社長に進言し、
遺物研究機関との協力関係を締結。半ばごたごたを強制収束させる形ではあったが、
定期的な遺物の研究レポートを提出することを条件に遺物の使用を許可されている。
最も、『猟牙』は武装以外の機能はほぼ無いし、『ロスト・フォニム』に至っては通信機扱いと化しているが……
少なくとも、二人の身を常に守っていることに代わりは無い。
その分、経験故の荒事鎮圧依頼が舞い込んでくる事も多いが、それはそれ、これはこれだ。

> なんかいろいろ出てきた

その後、少しだけ談笑を交わし、二つ月も高く上り、地平へ向けて旅立つ頃合いになった。

アルフレート:「さて、私は戻ったらホムンクルスたちの給料含めて経理を纏めなければならないので、
  これにて失礼します」
ゼロ:「嗚呼。過労で倒れてくれるなよ」
アルフレート:「そちらこそ、変なところで野垂れ死なないようお気を付けて」

憎まれ口を叩き合いながら、彼らは別れた。

ゼロ:「……さて、どうする? 『相棒』」

微かに感じる殺意に、それは応えるように『猟牙』は黄の明滅を繰り返す。
ゼロは機械の光を見ずとも、そのを理解し、

ゼロ:「往こうか、『相棒』」
> うおびっくりした (※編注:ここでゼロさんの新しい立ち絵差分が出た)
> 草
> あのタッパでこの表情してたら普通に接していたアイラとヤグシャが強すぎんだろ……ってなってたな

静かな声で、不気味に嗤った狂犬が誰の目にも耳にも届かぬ場所へと足を踏み出す。
眼前の荒事掃除もまた、彼の仕事でもある。



――数日後、レイヴンアイ社本部にて――

ゼロ:「……社長、乱心でもしたか?」

これは、社長の怒号が聞こえてくる廊下を通りがかったゼロの一言である。

アルフレート:「今までの上司と同僚と部下の発言を録音並びに少々お痛の過ぎる行動の証拠を撮影、
  資料に添付して有給休暇申請と一緒に社長に提出しまして」

涼しい顔で粗茶を一口飲むアルフレート。

ゼロ:「……敢えて聞かないで置く」
アルフレート:「そうして下さると助かります。
  嗚呼、あと少ししたら外に出た方がよろしいですよ。 労働基準監督官がいらっしゃるそうなので。
  なお社長はかなり厳格な方なので、沙汰についてはお察し下さい」
ゼロ:「お前一体何者なんだ」
アルフレート:「遺物とホムンクルスとお菓子が好きなただの事務員です」
ゼロ:「……ふっ、そうか」
> 意外と笑うというか笑えるのか……感

その言葉にゼロは少し笑う。その笑顔は歪みによって見えるものではなく、純粋なものであった。

アルフレート:「私はまだ仕事が残っているので片付けて来ます」
ゼロ:「嗚呼、分かった」

立ち去り際、ゼロは相棒のを感じ取る。

ゼロ:「……嗚呼。俺は大丈夫だ。さて、今日は何処へ向かう?」

足元を駆け回る小動物……ホムンクルスたちの邪魔にならぬよう、場を後にするゼロ。
足取りは少し軽い。遠出をするか、ぐるっと今の街並みを眺めるか。
悩みながらでもいいな、と考えながら陽光の注ぐ外へと踏み出す。

喧騒は、止まない。





[A卓/ゼロ/ヤグシャの印象]



ゼロ。アイラと同組、メタ・ファルス、男、トランスポーター。虚→無。
開始直後から露骨に警戒してた人。だいたいいつも態度が業務的というか、遊びに来ている感じが乏しい?
体格がでかい。謎の武器持ち。巻き込まれ体質らしい。あとときどき発言が気障ったらしい。

全体的に厭世感というか諦観が漂ってる。
荒事に慣れているとか盗賊に遭遇するとか言ってたし、闇の試練の死体にも動じなかったから、
仕事上で人を殺すタイプの人に特有のある種の気質を持っているのかなと思っていた。
他人をとりあえず敵に位置付けるような態度はいかにもそれっぽい。けど、実際には違うらしい。

詳しいことは言ってなかったけど、おそらくは孤児。
そして、彼が「相棒」と呼ぶ武器みたいな何かを偶然見つけたから生き残れたんだという自覚を持っている。
だからこその運命論信者ね。「力」は生死を左右するもの、人生を狂わせるものという考え方もおそらくここに発する。

この意味では彼は、彼自身との言葉とは裏腹に、今回会った他の誰よりも比較にならないほど信心深いと思う。
予定説的な神を持つような信仰から神の要素だけうまく取り除いたらこうなるわけだから。
そう考えると、これは私がゼロに反感を覚えた理由の一つにも思える。
ハーヴェスターシャはまさに計算で未来を見通す“神”とも言えるので、
ゼロにクラスタニアの“普通”のレーヴァテイルの姿が重なって見えたのかもしれない。

ただ、彼がクラスタニアのレーヴァテイルたちと決定的に違うところもある。
彼は初めて地表に下りたときの興奮を語った。一言だけではあったけど。
本当にこの世界をどうにもならない存在とかくだらない一時の幻想とかとして見ている人ならば、
あるいは本当に無力に苛まれている人ならば、この発言はあり得ない。

そう、彼は本当は「希望」や「理想」を欲している。
だけど、彼なりの合理主義で理想そのものが理想化され、希望そのものが希望化された結果、
彼にとって理想や希望とは無理筋で想像上のものでしかないと見えるようになった。
だから私はいろいろ言ってみたけど……彼の一つに凝り固まってしまった“理想”を解きほぐすのは簡単じゃないわね。
まあ、このくらいはよくあること。ゲーム内の短時間でどうこうできるものでもない。

それはそれとして、おそらく、ほっといてもいずれこっちに来る可能性が一番ありそうなのがゼロなのよね。
運び屋だし、エンハンブレと違ってあちこち行ってそう――というかそういう仕事を受けやすそうだから、
なにかの依頼で前触れなしに突然来ることは十分にあり得る。
街を歩いてていきなり出くわしたりしたらどうしようかしらね? 想像するとちょっと怖いわね。
あといろいろ言い過ぎちゃった気もしないでもないから、どう声を掛けていいかちょっと困る。



> ヤグシャ評、おもろい
> ゼロくん、仮にコスモスフィアがあったとしたら相当やばそう……ってかやばい(ヤグシャさんの感想を見つつ)
> 確かにCSシナリオあったら面白そうなキャラではある
> 信心深いかぁ
> ヤグシャさんの評価の中で一番深刻そうというか深刻なんだろうな 現に同卓で見えた範囲でも深刻だったわけだし
> アイラの胡乱でその場は薄れはしたけど()
> それはそう
> 宗教か……
> てっきり無神論者かと思ってたけどその実、ってのは興味深い
> 無神論は宗教の一種なので……

  (ゼロ後日談 『個体未満の鏡写し』





[B卓/リッカ/個別エンディング]
BGM: 大草原の風
  from シャイニング・レゾナンス(セガ/メディア・ビジョン, 2014)
  Composed by 藤田淳平

会議から数日後……
時刻は昼過ぎ。 春を感じさせる暖かい風が木々の間を流れていく。
そして、その風に乗せ、どこからか響いてくる音がある。
鳥のさえずりのように高い音だが、それは楽器の音色のようだ。
爽やかな空気に似合う軽快な曲や、懐かしい曲が聞こえたかと思いきや、
“楽器から出る音そのもので遊んでいる”といったほうが適切な音も聞こえてくる。

> (何曲か演奏してるけど、うち一曲は謳う丘EOLIAだと思って欲しいです
  アルトネ以外だと、deemoのAtlantis Loveとかのイメージ……
  曲というより、鳥とか虫の鳴きまねしてるだけのフェーズもありそう)

何曲か演奏が続いた後、やがてその音は止まる。

ネモの街が見渡せる、小高い丘に伸びる小道の脇。
林が開けてちょっと石垣で高くなっているところに、リッカは座っていた。
胸元には、先ほどまで演奏していたコカリナが揺れている。

リッカは空を、そして目の前にそびえたつアルトネリコの塔を見上げる。
塔のふもとにある空港から飛び立ったばかりの飛空艇が、空に白い線を描いていった。
見慣れた景色ではあるが、今は少し違った印象を与えている。

他の塔に行ってみたい。広い世界を見てみたい。
というのは以前からぼんやり考えていたことではあったが、それはあくまで憧れや想像の域にとどまっていた。
しかし、先日バイナリ野ゲームを遊んで以来、いやあの会議に参加して以来、
他の塔や地域の存在が、急に身近に感じられるようになった気がしている。
それどころか、「世界」とか「国」とか「戦争」とか、今まであまり考えたことのない話も出てきて、
会議が終わった今でも、まだまだ理解が追いついていないのであった。

リッカ:(う~ん、難しい話はあとあと。それより今は……)

と、荷物をまとめると、石垣の上からぴょんと飛び降りて、リッカは次の目的地へ向かっていく。

最初は道端に草が茂る小道を歩いていたが、次第にその足元は舗装された道路へと移り変わり、
いつしかネモの中心地から少し離れた住宅街へとたどり着いた。
やがて、ある家の前でリッカは足を止め、玄関のチャイムを鳴らす。
手に持った小包をゆらゆらさせながら待ってると、ふいに横から声がかかる。

???:「あら、リッカもう来てたの?」

一軒家の裏から出てきたのは、20台前半くらいの女性で、
セミロングの髪をクリップで簡単にまとめ、手には小さな籠を下げている。

リッカ:「あ! お姉ちゃん!!」 ぱぁっと笑顔になる

> お姉さんいたのかー
> お姉ちゃんだ!
> リッカさんのいたずらの被害者()
> ええw
> そうなんですか
> 簡単に言えば髪に芋けんぴを付けた(微妙に違う)
> なんじゃそりゃw
> 髪に芋けんぴついてたよ、の積極的につけたverか……

リッカ:「遊びに来たよ~! これね、今日食べるお菓子」 袋をぐっと持ち上げます
ライカ:「あら、ありがとう。今日は夕方まで私一人だから、ゆっくりしていってね」

そう言いながら、玄関の扉に手をかける。
後ろで待っていたリッカは、ふわっと爽やかな香りを感じる。 恐らく姉が持っている籠に何か入っているのだろう。

リッカ:(わぁ~いい匂いがする~。果物かな? それともハーブとかスパイスかな?)

籠の中身を見れないかとちょっと背伸びをしていると、再び声がかかる。

ライカ:「そういえば、バイナリ野ゲーム終わったらすぐ感想聞かせるって言ってた割には遅かったね」

リッカは一瞬考えるように目を上の方にやったあと、うん、と返事をして、

リッカ:「なんか、ゲーム中にトラブルがあったみたいで~
  天覇の偉い人とか同じゲームに参加した人と会議に出ることになって、バタバタしてたら遅くなっちゃった。
  でもさ、おかげで参加費無料になったんだよ!! すごいでしょ?
  やっぱり私ってついてると思うんだ! えへへ」
ライカ:「はいはい」

> だからそういうところがw(感覚が違う)
> www
> なるほどこういうことかw
> やっぱりどこかずれてるんだよなぁ
> ズレてる……
> ほーリッカさんもズレてる人だったのか

ライカ:「まーとりあえず、上がって上がって~今お茶準備するから」
リッカ:「はーい」

と、リッカも姉に続いて玄関に上がるのだった。



> 普通にしっかり書いてきたなー よかった
> 緊張した
> 思ったよりしっかり書いててすごいと思いました。まる!
> GOOD
> うんうん よかった
> (お姉さんをネームドキャラにするか直前まで迷っていた)
> w
> お姉ちゃん設定も卓やってる最中に出てきてた記憶が
> ひょっとしたらお姉様にも菓子折りを持っていかなければいけないのかもしれない
> ええw
> 行脚が長くなっていく……
> はたして終わるんですかね……





[B卓/リッカ/ヤグシャの印象]



リッカ。レドルと同組、ソル・シエール、第三世代、工芸家? 火→命。
もちろんリッカリョーシャとは全く関係ない。
語尾を伸ばす癖がある人。そのせいでのんびりしているような印象を受けるけど、実際にはちょっと違う。

レドルに比べると発想のぶっ飛んでいるところが際立つ。芸術家の性なのかしら?
箱を血染めしそうにしたのはもちろんなんだけど、よく考えたら一番最初っから、
金の試練でボールの入っている籠をひっくり返そうって私が言った時に
即答で「いいね」って返ってきた時点で疑うべきだったかもしれない。
他にもオボンヌを飛ばしてみたり、いたずらの話もあったし、ちょっと常人とは思考が違う感じがする。
ターフェも発想は奇抜だったけど、ターフェと違ってこっちには脈絡がないのでよけいぶっ飛んでる。
大事なのはイメージだと言ってたけど、そのイメージが普通の人と乖離してそう。

で、そのオボンヌに命の魔法を使って動かした件については……ごめん、言い過ぎたわ。
「意思や感情を持つものを作ることの責任」について話した直後のできごとだったから、
リッカはそこまではしていないことに気付いていたにもかかわらず、ちょっと厳しく当たりすぎた。
実際にやってしまったシグレと同じくらい怖がらせたのは不公平だった。本当にごめん。

> めっちゃ謝ってる……w
> 生命を創造したPCがいたのか……
> (めをそらす)
> w
> こわかったね()
> ターフェは命取ってたら絶対生命創造やってただろうしにゃぁ

まあそれはそれとして、なにかを作ることに並々ならぬ想いがあるってのはよく伝わった。
考えてみれば、料理に始まって、松明、木箱……
その工程に魔法を使っているかどうかに関わらず、なにかを作るときにはたいていリッカが活躍してた。
最後に大きな木を作ったのはすごかった。わざわざ3人でできるような方法まで考えて。
小物やアクセサリーを作って売っているって言う話だけど、実際にどんな物を作っているのか興味はあるわね。

全体的に、だんだん慣れてきたというか、ゲームが進むほど積極的になってきてたと思う。
いちばん最初はちょっと様子を見てるような雰囲気もあったけど、
後半になるといろいろアイディアを出してくるし、会話でもわりとずけずけ聞いてくるようになったし、
自由にのびのびとゲームに参加してたなあという印象に変わってきた。

> 本当に前半と後半で印象が全然違うんだよなぁ、リッカさん

そういうリッカを見て、ソル・シエールのレーヴァテイルの姿を思う。
彼女が言ってたけど、ソル・シエールのレーヴァテイルは教会か天覇の2つしか生きる道がなかった。
そしてリッカ自身も前は教会の学校に行っていたという。
ここは想像でしかないけど、教会の学校だからたぶん、従順は美徳だとか教わるわけよね。
そもそもソル・シエール自体がレーヴァテイルに不利な社会だったわけだし。
で、そういった窮屈な価値観をいったん内面化して、しかしそれがどこかで爆発しちゃって、
いまの“芸術家”になった……とも考えられなくもない。

この意味では、リッカの変容は、むしろ好ましくさえ思う。
願わくば、ソル・シエールの他のレーヴァテイルたちも、より自由に生きられますように。





[B卓/レドル/個別エンディング]
BGM: It's my dream
  from 大図書館の羊飼い(葉月(オーガスト), 2013)
  Composed by スミイ酸

会議から帰宅した時、玄関で父親が待っていた。

ガレット:「レドル、どうだった?」
レドル:「ただいま、父さん。あまりゆっくりはお話できなかったけど、社長は面白い人だったよ」
ガレット:「そうか。俺もじっくり腰を据えて話してみたいものだな」
レドル:「あはは……」
ガレット:「夕ご飯ができている。先に荷物を片付けてくるんだな」

と、背を向けてリビングに向かう父に疑問を問いかける。

レドル:「……何も聞かないのか?」
ガレット:「もしかしたら大ごとになるかもしれないと言っていたな?」
レドル:「ああ」
ガレット:「お前の疲れた顔を見て、実際にそうなったんだろうと思ったさ。
  それが天覇にとってなのか、天覇に限らずなのか、俺には分からんがな。
  だが、どちらにせよ無関係の者においそれと話せるような内容でもないのだろう。
  口止めされてても不思議じゃあないさ」
レドル:「……」
ガレット:「そいつが前者ならしっかり止めておくべきだし、後者ならいずれは公表されるに違いない。
  ソル・シエールか、はたまたそれよりも大きな範囲に影響をもたらすのなら、
  遠からず御子様の耳にも届くだろうからな。
  だから、今は聞かない。ほら、ぼさっとしてないでさっさと片付けを済ませてこい」

そう言ってリビングへと向かう父に、これ以上何も言えなかった。

言われたとおり、荷物を自室に片づけてリビングに入ると、鼻をくすぐるような香ばしい匂いが空間を満たしている。
食卓の準備のためキッチンの方へ向かうと、ちょうど母も出てくるところで少しだけびっくりした。

ネウ:「おかえりなさい、レドル。タイミングが良かったわね」
レドル:「ただいま、母さん。タイミングはまぁ……偶然だよ」
ネウ:「ほらほら、座って座って?」
レドル:「いいよ、オレも手伝う」

既に完成している料理をテーブルに運びつつ、テレモに映っている情報番組に目を向けた。
そこでは、ちょうど天覇の新サービスについて語られていた。

ネウ:「レドルはこれを体験したのね」
レドル:「もっと純粋に楽しめれば良かったんだけどな」
ガレット:「別のゲームもあるんだろう? 今度はそれをやればいいじゃないか」

程なくして、全ての料理が並べられた。
今日の晩御飯はミートローフに葉物野菜のサラダ、それにロールパンがついている。
> どっかで見た献立
> ああー火の試練

ガレット:「それじゃ、頂くとしよう」
レドル:「いただきます」
ネウ:「いただきます」

次々と紹介されていくサービスを見ながら、レドルは今後の展望に思考を巡らせていた。



> これとは別にちゃんと長い(?)EDも用意してるので、終わった後にでも公開します
> そっちも楽しみ
> 優等生
> レドルさんは(変な言い方だけど)普通の家庭って感じだなあ
> ルーファスさんのところも何年かしたらこんな感じになるのだろうか
> かもしれない





[B卓/レドル/ヤグシャの印象]



レドル。リッカと同組、メタ・ファルス、男、学生。金→時。
快活な好青年。ときどきちょっと雑だったりぶっきらぼうだったりするのは学生っぽい。
詩魔法のコツを聞いてきた人。そのあと実際にそれを実践してたところから誠実さも感じる。

今回会った人の中では、いちばんオーソドックスに課題を解いていった人だと思う。
調査は抜け目ないし回答も王道、このゲームに適性がありそう。
ルーファスもそうではあるんだけど、あっちのほうは妙に危なっかしく感じたのはなぜだろうか?
リッカの血染め案を止めてくれたのも良かった。年齢が近そうなほうが圧迫感がないから。

> 血染め案
> www
> 危なっかしいで吹いた 残当なので何も言えぬ

オーソドックスに解いていたぶん、変わった発想はあまり見なかったかもしれない。
時の魔法を取っていた人のうち、レドルだけは変な使い方をしていなかったから。
リッカのオボンヌ飛ばしのときはもはや何も言えず完全に唖然としてたことも含めて、
良くも悪くも、常識人だということなのかもしれない。

……とはいえ、武器には慣れていないと言いつつもノコギリを使ってノリノリで攻撃してたから、
状況によってははじけるのかもしれない。もしくはストレスでも溜め込んでいるか。
元からはじけてるリッカが協力してたせいで余計にそう見えただけかもしれないけど、
ついでに、最後の戦闘ではちょっとサディスティックに見えるシーンもあったわね。
> のこぎり

親がどうもメタ・ファルスでは知られた流通関係の会社の人らしくて、
レドル自身も学生として流通や経済を学んでいるって言っていた。
つまり、将来的には親と同じ仕事をすることを志望しているってことになるわけだ。
関係するニュースに目を通しているのか、空賊が原因で物流が滞っていることも知ってたけど……
ついでにメタ・ファルスでの失踪の件まで聞いてきたのは驚いたわね。
あのタイミングで聞かれてしまっては、こっちも正直に答えないと、ただの誘拐犯に疑われてしまう。
ここの組に関しては、アルフマンの話まで出したのは失敗だったかもしれない。

あと気になったのは、レドルが我を出すところはあまり見られなかったと思う。
血染めを止めるところでちょっとあったくらいで、他は……土の試練で石を運ぶときにため息一つついたくらい?
リッカが変な行動について弁明した時に「それを示す証拠が見当たらない」って言ってたのもあったか。
とにかく、露骨に嫌がったり、食い下がったり、そういう態度が少なかった。
エンハンブレや留禰でももうちょっと我を出してたと思う。
これは、なんでも一通りできるから特に拒絶する理由がないという優等生的なあれなのかしらね? それとも……

まあどっちにしろ、全体的には好青年だという印象は変わらない。
空賊崩れやらなんやらで荒っぽい男が周りに多いと、こういう人が逆に新鮮に見えるわ。



> 全体的に好印象なようで安心(?)
> まあ何事もなくーって感じだから 遅からずともそうなるかなぁ
> 可もなく不可もなく、みたいな評価になるのはまぁ、家庭がほぼ普通だから、としか言いようがないか
> 安心できるご家庭
> でもその普通が貴重じゃない?
> それはそう
> 普通って難易度高いねえ
> 今回はそこらへんにいる学生の趣旨で作ってたし、そう見えてたなら万々歳である
> ヤグシャのところを考えれば分かるけど 普通の人って逆に来ないんですよ
> 衣食住が揃っている 一緒に安心して過ごせる家族がいる それだけで充分幸福で幸運なことではある
> 会社と家を持つ親元で丁寧に育ってきたいい子ってことじゃん
> レドルくん気に入ったわ
> リム時代からそれなりに環境が整ってたことを考えると、充実度は高めなんだろうねぇ

  (レドル後日談2 『友の激励~レドルの決意~』





[C卓/ルーファス/個別エンディング]
BGM: やがて訪れるとき
  from シグマ ハーモニクス(スクウェア・エニックス, 2008)
  Composed by 浜渦正志

ルーファス:「――そういうわけで、ひょっとしたら出張があるかもしれない」
ベアトリーヌ:「そう、ですか……」

会議から帰宅し、夜も更けようという頃。
夕餉に入浴と疲れを癒して落ち着いたルーファスは、事の顛末と今後のことを妻・ベアトリーヌに伝えた。

ソル・シエールに越してからもう数年が経つ内装はほたる横丁の住宅街で購入した一軒家のものであり、
一階に置かれたダイニングテーブルを挟んで夫婦は対面している。

ひとしきり話し終えたルーファスは洋酒――
あまり飲まない性分ゆえ、数年ほど放置していたかも分からないものを本日ついに開けた――を呷ると、溜め息を吐いた。
そんな彼の空となった杯に彼女は二杯目を注ごうとするが、それを手で制して結論を続ける。

ルーファス:「まだ公にはできないが、重要な案件に関わるプロジェクトだからな。万一の備えは確約してきたとはいえな……まあそうなったら、帰れない日もあると思う」
ベアトリーヌ:「……」
ルーファス:「……すまない。この二週間もそうだが、何も告げずにいてしまって」
ベアトリーヌ:「いいえ。いいですよ」

くすりと笑う彼女に、ルーファスは少し驚いた顔を返した。
多少窘められるかとは思った、そんなことを語る夫の表情を見て彼女はますます笑う。

ベアトリーヌ:「だって、あの日帰ってきた後のあなたは、なんだか思いつめたような顔をしていたもの。
  どこかぼんやりとしていて、気になって自室を覗いてみればもう夜も遅いという頃に色々と調べ事もしていて……
  ほんとうに、心配していたんですから」
ルーファス:「……すまない」

かといって予感は半ば外れず、なるほど言い返せないと、ばつが悪そうに目を逸らす。
確かにまあ、疲れていることを度外視してネット上での情報収集や
知り合いにそれとなく聞き込みなど、個人的な調査に乗り出してもいた。
理由は、あれからもどうしようもなく気になったからに他ならないが、顧みれば迂闊な行動だ。
ろくに事情も話せていなかったわけなのだから当然だろう。

二度目の謝罪に対し、しかしベアトリーヌは首を振る。だけれど、と前置きして。

ベアトリーヌ:「そういうことなら、わたしも特に責めませんから。そう謝らないで、ね?」
ルーファス:「…… 分かったよ、トリネ」

出かかった謝罪を引っ込めて、肩をすくめながらルーファスはそう笑い返した。

穏やかに笑う目の前の少女は、やはり出逢った頃と変わらないかたちのまま、
それでも変わったこころのままに感情を謳っているようだった。
そんな彼女に心配をかけたことが申し訳なく、けれども多少嬉しいような、なかなかずるい男の性を再確認しつつも、
重苦しい話は終わりというように自ら酒を注いで一口のみ呷る。

ベアトリーヌもそれに遅れて、先程から手付かずでいた自らの杯へと口を付けた。
ゴールド・ラムの甘やかな香りを楽しみながら、すでに多少頬を朱くしている夫に、
自分にとっては感じられない「酔い」というものを目で受け取っていく。

ベアトリーヌ:「それにしても……クラスタニアですか。
  樒さんがそちらの出身というのはもう聞いていたけれど、一緒に参加したその人も、なんて」
ルーファス:「やっぱり、気になるのか?」
ベアトリーヌ:「はい、少しだけ。職種……システム周りについてわたしは畑違いですから、
  具体的にこうと思っているわけではないけれど。
  わたしが製造されるより前にそういうことがあったと聞くと、なんだかしんみりしてしまって」

元々の出身に思いを馳せているのだろう。目を伏せて告げるベアトリーヌに、
ルーファスは久方ぶりに会った彼女のことを思い出した。

ヤグシャとは師弟関係のようだったという、樒。
そんな彼女が、会議の途中で危うく一触即発となった空気の中で涙ながらに叫んだこと、
横聞きながらに聴いた思い出の話を回想する。そこから連鎖して、ヤグシャを探しに行くと吼えた少年のことや、
何かと高圧的なれど我を通していた青年、これまたちょうど見合わせた以前の“仕事”の同行者に、
ゲームプレイヤーとして同じ盤上を立った彼のことなど……今後、チームを組む上で世話になる面々の顔も浮かんだ。

しかして思えば、あの会議にて集合したプレイヤーの殆どが若い年頃だった事実だ。
大なり小なりは抱える彼ら彼女らの“熱さ”にこそ、今回のように助けられることもままあるかもしれない。
ある程度の人生を生きてきた自分にはもう「眩しい」と思えるようなそれに、さて、自分はどんな助けができるか――
そう思案するも、現状はまだ詮無き話だと止めることにして二杯目を呷る。

ルーファス:「もし、機会さえあれば同郷の士として会えるかもしれないが」
ベアトリーヌ:「まさか。会ったところで積もる話もないですし……
  今のわたしは研究者でなくて、ただの主婦ですもの。振る話題だなんて限られちゃうから、あんまり。ね」
ルーファス:「そういうものかなぁ……?」
ベアトリーヌ:「それよりも、今後出張をするなら事前の準備は必要でしょう?
  確か物置に、以前あなたが使っていた装備や備品を置いていますから。
  もし必要なら、そっちも忘れず持っていってくださいね」
ルーファス:「ああ……ありがとう。助かるよ」

いつだったか。世話になった“これら”も、やがて埃を被るばかりになるのかと寂しく思う日があった。
そんなことを思い出し、どうやらそれはもう少し先になるぞと過去の自分に内心告げる。

第三塔にいた頃は鉄火場に身を置き、地表に降りてからは危険度含め未知数のフィールドワークに同行するなど、
こと肉体労働コンバットに欠かなかったのがルーファスという男だ。
もう暫くが経過してしまっているが、あの頃に用いていた道具のいくつかは半ば記念として取っておいていた。
その中には以前と同じように役立つものもあるだろう。
万一の備えとしてやや過剰かもしれないが、頼もしさについては使用者のルーファス自身が誰よりも信用を置いている。
ある程度の手入れがあればまた機能するはずだった。

しかしながら一方で、心配事もある。それは、寄る年波には抗えないというべきか、長らく研究を詰めていたからか、
あの頃よりも体力は落ちている上に身体能力も人並程度には衰えつつある事実。
何があるか以前に、年若い少年少女についていく気があるならそれ相応の構えは必要かもしれない。
様々な理由で満ち溢れたエネルギッシュな彼らに置いていかれたくなくば、いよいよ最近ぼんやりと考えていたジム通いも厭わないか。

そんなふうにだんだんと脱線していく思考を見抜いたのか、それとも微妙な沈黙を察したのだろう、
ベアトリーヌが再び口を開いた。

ベアトリーヌ:「あっ、あとそうそう。もう一つ訊いてもいいですか?」
ルーファス:「うん? いいけど、何を?」
ベアトリーヌ:「ルーファスさんが参加したゲーム……ええと、トライボックスだったかしら。
  そのときの話を聞きたくて」
ルーファス:「……あー。そういえば、まだちゃんと話してはいなかったな」
ベアトリーヌ:「そうですよ? 子供たちにせがまれて話してたのは知ってますけど、
  わたしはまったくもって聞けていなかったんです。
  今だから言いますけど、ちょっとずるいって思いましたからね? あなた」
ルーファス:「う……それは、まあ。ごめん」

言うか否か、迷って結局会議の日まで待たせたとはいえ、そんな大人たちの事情を幼い子供が分かるわけもない。
秘していた二週間の間、休日に入って新作ゲームとやらに参加した父親の話を息子にせがまれてしまい、
ひとまずプレイ内容だけを話したことを思い返せば、なるほど確かに申し訳なかった。
そういう楽しい話を聞きたいのは何も、子供たちだけではないのだ。

> パパーあのゲーム買ってー
> だめよバグだらけだもの
> 斬新な理由だw 某社のゲームを勧めない理由じゃないんだぞ(?)

今頃は寝室で仲良く夢を見ているだろう我が子らのことが一瞬よぎり、ルーファスは苦笑するのがせいぜいだった。
そんな反応にくすりと笑うベアトリーヌは改めて彼の杯に酌をすると、自身のにも次の分を注いだ。

ベアトリーヌ:「ですから、よかったら今晩教えてください。どんなことをして、どういうことがあったのか。
  ご一緒したシグレさんという方のことも、ヤグシャさんと話したことも」
ルーファス:「ああ、もちろん。とはいえ、どこから話そうか……
  そうだな、普通にダイブした直後から追うか。まず、揃った三人で簡単な挨拶をしてから、
  協力プレイのチュートリアルとして、不思議な台座を一緒に叩いて――」

そうしてルーファスは、トライボックスでのプレイ体験を語る。
あの日に起きた沢山の出来事に一笑、一驚を返してくれる妻の表情のことも楽しみながら、
ふと「バイナリ野体感ゲーム」というものについても考える。

今回こそ異なことに巻き込まれはしたが、当日はルーファスにとっても非常に興味深い、
なによりも楽しい経験を提供してくれた。
バイナリ野を使用した新しいゲームコンテンツは今後、多種多様な展開を見せて、
そのたびにまた人々を歓ばせるに違いない。
たとえ一般的なものとして落ち着いても、根強く残って新境地を開いてくれることもあるだろう。
それはいち娯楽として魅了された消費者プレイヤーとしてこの上ない期待でもある。

また、次の有給が取れたなら彼女のことも連れていこうか。
それにもう少し大きくなればの話にはなるが、子供たちも一緒に連れて遊ぶというのも楽しそうだ。
きっとどれもが、かけがえのない思い出になってくれるだろうから。
そんな、遠くない未来のことにも夢想しては、ルーファスは肴代わりの話題に次々と花を咲かせていく。

こんな魔法を使った、こういうふうに謎を解いた、誰々がこうしたおかげで――あれやこれやと話は盛り上がっていき、
やがて相当な夜更かしをしたと夫婦が気付くまで、真夜中の内緒話は続くのだった。



> 思ってたよりずっと仲いいっすね
> ですよー 仲良し夫婦
> > ところで、年齢的にはまだ無理だろうけど、もし2人の子どもと一緒にこのゲームに参加していたとしたら、
    あるいは配偶者と一緒だったとしたら、あの姿を見せるのかしらね? 興味深いわね。
> どうなんです?
> ……どうなんだろ
> 多分変わらん気がするな……父親補正かかってるから落ち着くかもしれないけど
> 自分が楽しむよりも、家族が楽しむことを優先しそうだなって
> ベアトさんにもオリヒュム披露すると
> www
> 子供の前で魔法使いの言語使ってキャッキャするのか……
> しそうだなぁ!





[C卓/ルーファス/ヤグシャの印象]



ルーファス。シグレと同組、ソル・クラスタ→ソル・シエール、男、天覇の研究職。子が2人。金→時/鳴。
ヒュムノス語らしきなにかを自作している変わった趣味の人。それを詠唱に使ってすごくはしゃいでた。
いちおう程度にヒュムノス文字を読むこともできるらしい。

研究者ということなんだけど――あるいは、むしろそのせいで――変なところが抜けている雰囲気があった。
常識が微妙に足りてないような感じ? あるいは考えが固定されがち?
例えば戦闘のとき、炎の色と属性と敵の行動を結びつけられるまで時間がかかってた。
なにぶんあそこは私が仕掛けている部分だったから、つい笑っちゃいそうになるのを堪えるのが大変だったわ。
あと、時の試練でオボンヌ類について語ってたり、シグレの使っていた武器に変な期待を寄せたりしてたのも、
よく考えればこのパターンに属していた件なのかもしれない。

後半あたりから急に魔法を使うのが上手くなってた。なにかコツを掴んだのかしらね?
いちおうあのゲームも、仮想的にとはいえ「想いを読み取って効果を返す」処理をしているわけだから、
自己流の詠唱が成功したことで気分が乗って、より想いを出しやすくなっていたのかもしれない。
だとすると変わった趣味も一定の役割を果たしたことになる。
ところで、年齢的にはまだ無理だろうけど、もし2人の子どもと一緒にこのゲームに参加していたとしたら、
あるいは配偶者と一緒だったとしたら、あの姿を見せるのかしらね? 興味深いわね。

で、その配偶者というのが、実はクラスタニアのβ純血種だったというのはちょっと驚いた。
ルーファスよりもずっと上、いま生きてれば80歳か90歳とかの年代ならば、
アルキアがクラスタニアを占領していた時代だから、人間とクラスタニアのβの夫婦は珍しくなかった。
だけど当時のそういう夫婦って、実態としては人間の男がレーヴァテイルを隷従させているだけだったりする。
でもルーファスからは、いかにもそうしそうな強圧的なものは感じなかった。独占欲はありそうだけど。

ちょっと気になったのが、二人が知り合ったきっかけが「ルーファスが相手を助けた」のだということ。
クラスタニアのβには従順だったり義理堅い性格だったりを設定されている人も多いから、
ルーファスに恩義を感じてそうしているだけ、みたいなことも想像できなくもない。
ただ、これを言ってしまうと結局、私たちに自由意思はあるのかといういつもの問いに戻ってきてしまう。
だから言わないでおいた。本人を見ないで話だけで判断するのは早計にもほどがあるとも言える。
まあ、あの言葉が正しいならそこまで心配しなくてもいいけど……
人間って求婚の言葉を本当に一言一句まで間違いなく覚えるものなのかしらね? 私には判断できない。

> そうです C卓ではルーファスさんのプロポーズシーンが(ry
> はえー
> プロポーズシーンよかったなあ
> あ~被造物との結婚における温度差~

ゼロはアイラのことを幸運なやつだと言っていたけど、私にはルーファスのほうがそうだと思える。
恵まれた立場と人生の波乱については確かにアイラとルーファスに共通している。
でも、アイラはなんだかんだでしたたかに生きているけど、ルーファスはそこまででもなさそうだから。

天覇所属とはいえ子持ちだから、仮にこっちを見つけたとしても、留禰と同じくあまり来そうにない気はする。
……いや、興味本位でいろいろ突き抜けてしまう人だから、逆に来るのかしらね?

> 何気にアイラの話題が出てて驚いた





[C卓/シグレ/個別エンディング]
BGM: 夕暮れの風
  from 夏空カナタ(ユノス(ゆずソフト), 2008)
  Composed by Famishin

シグレ:「それじゃあ、気を付けて。……本当に大丈夫?」

そう心配をすれば、少し……いや、かなり赤い顔で「へーきへーき」とピースした本日最後のお客様に、
シグレは眉を下げる。

ちゃんと帰れるだろうか。何度か止めはしたものの、今日は祝いの日だからとグラスを傾ける手を止めなかった彼。
途中まで送ろうかと伸ばしかけた手をやんわりと押し返されれば、それ以上何をすることもできないのだけれど。

:「大丈夫だよ、こう見えて頭はすっきりしてるんだ」
シグレ:「それ、さっき転びそうになった人が言うセリフ?」
:「げっ、見てたのか」
シグレ:「当たり前でしょ。やっぱり途中まで……」

いや、それはいいよ。さっきまでの緩んだ顔から一変して、彼は続ける。

:「俺に構う前に、自分に構ってやれよな」
シグレ:「……は? 何そ――」

言い切る前に、彼は歩き出してしまう。
言葉の意味を考えることもできず、ひらひらと手を振る姿が遠くなるまで見送ってから、シグレは店内に戻った。
それと同時に、マスターが奥のキッチンから出てくる。

マスター:「お見送りありがとう。外はもう閉めてくれたかい?」
シグレ:「あ、はい。……ちょっと心配ですけど」
マスター:「はは、まあ大丈夫だろう。彼の家ならそこまで遠くはないからね」

そう軽く笑うマスターが手早く店仕舞いの続きに取り掛かるのを見て、慌ててシグレも作業に移る。
しばらく、グラスが鳴る音や、木のテーブルが拭かれる音が響く。時計は静かに、精密に、止まることなく時を進めていく。

マスター:「そういえば、シグレ君」
シグレ:「? はい」
マスター:「ここ最近で、何か考えることが増えましたか?」

え、と口をついてでた音とともにシグレの動きがぴたりと止まる。マスターは自分の手を止めることなく、続ける。

マスター:「まあ、浅い付き合いではないですから。顔を見ればわかりますよ」

シグレは深く息を吸い込んでから、はあ、と大きくため息をつく。

シグレ:「ばれてたかー……」
マスター:「それを表に出さないように振舞っていたことも含めて、ですね」
シグレ:「……そんなに分かりやすかったですか?」
マスター:「いえ? 気づいたのは僕と……さっきの彼くらいでは?」

微笑みを絶やさずにマスターは答える。手の中で磨かれたグラスがやさしく光る。

マスター:「何か心のうちにあるのなら、相談するのも一つの手ですよ。もちろん、強制ではありませんが」
シグレ:「……」

心当たりはある。もう、なんというか、めちゃくちゃある。
けれど、これをそのまま言えは……しないだろう。いきなり国が戦争がだなんて、可能性の話であったとしてもだ。
自分の意志だけではどうにもならないかもしれないもの、けれど自分の意志をしっかりと持ち
立ち向かわなければならないものにぶつかったとき、何から考えればいいだろう? どう動くべきなのだろう?
過去の自分は逃げ出した。でも、今度は?

マスターの表情は変わらない。片付けの手も止まることはない。
ただ、急かしているわけでも話を止めたわけでもない。ゆるりと、時間が過ぎる。
その間、シグレは手を止めてぐるぐると考える。何を言うべきか、聞くべきか。
それすらも海の底の波のようにぼやけていて、うまく言葉にできない。

マスター:「何やら、相当に悩んでいることがあるようですね」
シグレ:「う゛……まあ、はい」
マスター:「ふむ。まあ、年寄りからひとこと言うとすれば」

ぱたん、とちいさな音を立ててグラス棚の扉が閉まる。

マスター:「目を背けることは、簡単です。直視することは、時に苦しみをもたらすでしょう。
  けれど、道は前に続いているのですよ」

少し抽象的すぎましたかねえ、とのほほんと付け加えるマスターに、シグレは慌てて返す。

シグレ:「そんなこと……そもそもオレが何も言ってない、のが」
マスター:「おや。僕は先ほど強制ではないといいましたよ。
  それに、こう言いはしたものの。君はすでにそれを実行せんとしているようだ。
  これは予感というか、予想というか、わかりませんが。君はきっと自分で答えを見つけられると思いますよ」

そういうと、シグレの返事を待たずにくるりと踵を返してキッチンに戻っていく。
残されたシグレは、ほんの一瞬ののち、はっとして片づけを再開する。いつものように。

夜が更け、朝が来る。
彼がどんな答えを出すのかは、また、別のお話。



> 駆け抜けた感
> いい感じにしっとりしてる
> 準備なかった割にはいい感じに書けてる そういうところはやっぱ文章うまいなーと
> いい締めだった





[C卓/シグレ/ヤグシャの印象]



シグレ。ルーファスと同組、メタ・ファルス、男、バーテンダー。火→物/命。
闇の試練で2階から飛び降りた人。したがって今回の10人の中でいちばん身体を張った人ということになる。
バーテンダーとはいってもお菓子作りのほうが得意らしい。勤めている店の名前はヴェント。

仕事として料理を作っているわけだから、デザインのセンスもそれなりにあるとは思うんだけど、
物の魔法を使うといまいちうまくいってなかった。持ち手のないティーカップとかデコボコのオボンヌとか。
さすがに実際に作っているケーキはあんな感じじゃないことを願いたい。
火の試練の結果とか時の試練でちょっと作ってたオボンなんとかはまともだったし。

> お料理美味しかったねぇ

一方で、世間話に応対するのが得意そうなのはいかにもバーテンダーっぽい。
表面だけ適当に取り繕って流すんじゃなくて、少しでもちゃんと受け止めてから返事していたように見える。

親が大鐘堂の騎士で、その関係でシグレも騎士になるための訓練をしていたらしい。
本人的には違和感があって家を飛び出して騎士にはならなかったわけだけど、
その騎士の訓練のために、身体能力も高いし度胸もある。補助したとはいえ飛び降りて全く無事だったし、
戦闘では敵を恐れず剣を使って普通に戦ってたし、あとボールを力ずくで割ってたりもしてた。
……逆に頭を使うほうは苦手なのかもしれない?
棚を普通に燃やしてたのと、警備ロボを電気で壊そうともしてた。後者は失敗したからああなったけど。
いろいろ考えるような話の時には急に口数が減ってた気もする。

しかし、ちょっと思い出しちゃったわよね、いろいろと、ほんとうに。
あの危うさは、まるで昔の私を見ているようで。

木のオボンヌを命の魔法で動かしていた件もそう。つい口うるさく言ってしまったけど、
リッカの場合とは違って、おもちゃ的なものだとは言えなかったんだから、あれじゃ私だって譲れない。
あの力は、仮に現実で行使できたとするならば、間違いなく悲劇を生むものだから。
これ自体はゲームの中の出来事だったかもしれない。でも、現実では絶対にできないかというと、
そんなことはないというのは歴史が証明している。その結果どうなったかまで含めて。
そして、私自身にも……

アルシエルは生まれ変わった。これから人は世界中に拡散し、新たな需要と新たな技術が山ほど生まれる。
その過程の中で、暴走する欲望、道義を無視する事業者、人どころか国すら凌駕するような資本、
そういったものも間違いなく出現するようになる。それらは歴史を繰り返す原動力となる。
人から生まれ出て、同時に人の手に余るこれらを、どうやって抑え込むか?
結局、それでもどうにかして人が止めなければならないのだから。自分の中ではなあなあにして
権威に任せっぱなしにしておくのが許されないことは多いんだということを皆がまず認識しなければならない。

さて。シグレについてはつい具体的にヒントを出して誘っちゃったのよね。
実際、来るのかなあ…… 来て欲しいとも思いつつ、来たらどうしようとも思いつつ。
助けようとしてくれたのはとても嬉しいけど、ただ、これ以上“騎士”を求めるのも酷よね。どうしたものか。





[D卓/ターフェ(ジェード)/個別エンディング]
BGM: nostalgia
  from 紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ, 2014)
  Composed by めと

ジェード:「さて妹よ、今こそゲームの顛末を語ろう」
サフィ:「おー待ってた。ずっと気になってたんだよにぇ」
ジェード:「まず俺が参加したゲームはクラッキングされていたわけだが」
サフィ:「うん。 ……うん???????????????????」
ジェード:「まぁどんな事があったかは置いておこう。重要なのはそこで会った人物とその後の被害者の会だ」
サフィ:「まって????????」
> 話の入りで草
> 妹さん困惑してて草生える


―― 説明中 ――


サフィ:「……お兄、だいぶはっちゃけたね!? いや陰鬱なお兄よりはマシだけどやってることは最低だよ!?!?」
ジェード:「はっはっは…… いや、ノリと勢いで。あと意味深ムーヴは楽しい」
サフィ:「それで人様に迷惑かけちゃダメでしょうに」
ジェード:「御尤もなことで。んで妹よ、一つ頼みがあるんだ」
サフィ:「お兄が頼みなんて珍しいね。いいよ」
ジェード:「そうか、助かる。じゃあターフェの事は頼んだ」
サフィ:「うん。 ……うん??????????????????? 説明!!!」
ジェード:「いやな、旅に出ようと思ってな」
サフィ:「旅ね。えっまって旅? その体で??? 死ぬ気か?」
ジェード:「死にたくはないが…… まぁ、どうせ無理って不貞腐れるのはよくないと思ってな」
サフィ:「お兄のその言葉は家族全員の悲願だけど、だからっていきなり旅?? もう少し段階踏まない???」
ジェード:「……悠長な事してたら美味しい所を見逃すかもしれないからな。
  それに死ぬ気でやってみたところで人間意外と死なないって言うだろ」
サフィ:「いやお兄の場合割とすぐに死ぬイメージが……ひとまず置いておこう、後で家族会議ね」
> 「死ぬ気か?」は至極全うな考えである((((
> それはそうなんだよなあ
> ひっきーからいきなり旅は死ぬ
> 体力云々とかヤバいからの

サフィ:「それで、旅に出るから何だって?」
ジェード:「いやな、旅に出るとE=Bへ協力できなくなるだろ? だから代わりに頼む」
サフィ:「……えっ何お兄、あのロールをこんな可愛い妹に引き継げと仰る?」
ジェード:「まぁ元はお前が渡してきたゲームだしな。それに安心しろ、声質はお前でも出せる範囲でやってたはずだから」
サフィ:「難易度ルナティックのデスゲームを強制コンティニュー状態で帰ってくるなんて想定してないよにぇ!?」
ジェード:「既に了承してるんだから諦めろ」
サフィ:「ぐぬぬ…… まぁやるけども」
> ゲーマー視点の説明面白みがある

サフィ:「しっかしお兄、変わったにぇ? むしろ変わり過ぎたというか……はっ!?!?」
  お兄! もしかして、好きなの!?!?!?」
ジェード:「何がだ? あと急に叫ぶな煩い」
サフィ:「ぁー…… うん、その、なんだろ、自棄にはならないでね?」
ジェード:「よくわからんが……無理はしな……いやするわ。無理しないとまともに動けないしな」
サフィ:「身体はどうしようもないもんにぇー。まぁこっちからもできる限りのアシストはするよ。
  ターフェとしてプロジェクトへの協力の時に意見仰いだりすると思うし、ついでに」
ジェード:「助かる…… よし、旅に必要な物とか調べて用意するか」
サフィ:「やっぱ最初から諦めて無気力でいるより、そう目標持って動いてる方が100倍かっこいいよ、お兄」
ジェード:「お、おう、そうか、ありが――」
サフィ:「0に何掛けても0だけどにぇー」
ジェード:「――ンだとこのミジンごっふぉ…… げほげほ……」
サフィ:「最後まで言えてないでやんのー。ざーこざーこ、ねぇいまどんな気持ち?」
> wwwww
> 妹の煽りが強すぎる
> NDK? NDK?
> これはひどいwww
> このアバターでざあこって言われるのは正直とても……いえなんでも
ジェード:「あ゛? 明らかに最後まで、げほ、言えてただろうがよォ、ごほごほ……」
サフィ:「あれを言えてるなんて無理があるんじゃなーい?」
ジェード:「水取ってくるわ……後でぜってー泣かす」
サフィ:「――死ぬなよ」



> 仲いいっすね()
> うん、これは仲良い
> 兄妹って感じ
> 好き云々は普通に妹の勘違いです
> 次のシナリオにジェードで参戦する場合は一行の道中に行き倒れてる形で参戦しようかなとか()
> えぇーw
> そいやけっきょく身内とはいえ極秘プロジェクトをゲロった奴ジェード以外にいる?
> はい
> 言ってはないけど、悟られはしてそう





[D卓/ターフェ/ヤグシャの印象]



ターフェ(たぶん本名じゃない)。ケントと同組、ソル・シエール、女(外見)、職業不明。虚→鳴/闇。
(本名じゃない)とか(外見)とかについては後述。
ソル・シエールからアクセスしているのは確実。職業というか何をしている人かは全く分からなかった。

自称「挑む者を助くレーヴァテイル」。でもそんな助けてたようなイメージはない。
どっちかというと人を煽って楽しむ愉快犯なイメージがある。人間大砲とか。
……書いてて思ったけど、「挑む者」を「助ける」ってつまり、背中を押して突き落とす的な意味?
あとは変なところで細かい。魔法の効果をいろいろチェックしてたりとかグリッチを探してたりとか。
そういう感じだから、謎解きはなんなく解いてた。別解を探していたまでありえる。

見た目は小さめの女の子なんだけど、知識の量とか発言の内容とかは外見年齢に不相応だった。
一緒にいたのが子どもっぽいケントだったからその対比で余計そう見えた、と説明するにも限度がある。
ついでに運動能力もちょっとあれかもしれない。何度か転んだり躓いたりしてたのを見た。
それから、たぶん、知識があるとは言っても、本を読んで頭で知ってるだけのパターンが多そう。
だとすると魔法でいろいろ試してたのも分かる。

さて、歌えないの件に関して、ターフェは実験個体だったという話も聞いたけど……
ゲーム中はターフェがβだということはそんなに疑わなかったけど、今から考えるとちょっとおかしい気がする。
そのような実験があったかという疑問については横に置いておくとしても、他でもいろいろ考えられる。

まず外見年齢と発言や行動が合わない件については、βだからとも考えられるけど、
そもそもこれはアバターが使えるゲームなのでどうにでもなる。
ヒュムノス文字を読めたことについても、ルーファスという例が他にあった。むしろあっちのほうが異常。
魔法行使のうまさについても後半のケントとどっこいだった。

気になったのは、ちょいちょい転んだりしてたほう。自分の動ける限度を把握できてない感じがした。
私も身体を動かすのはとても苦手だからあえて断言するけど、
運動がだめな人は無理をしない習慣が身体に染みついてるから(なんたってそれですら身体を痛めるので)、
無意味に急に走り出して転んだりとかはしないと思う。
つまり、本当の身体とは運動能力が吊り合わないアバターを使っていた可能性がある。
ふだん運動はできる人が運動ができない設定のアバターで無理をしたか、
あるいは運動ができない人がアバターで動けるようになってついはしゃいじゃったか。

そして「歌うのは好きだけど歌えない」とか「完璧で究極なアイドルになりたい」の発言、
絵に描いたようなアイドルっぽさがある外見、を総合して考えると……
実は中身はアイドルに憧れる人間の男性、という可能性がある。
まああくまで可能性の話だけど。でも陰謀論に近い実験個体の話と比較するなら悪くないとも思う。

> ネカマ見破られてーら

いずれにしろ、ある種のコンプレックス持ちだということは間違いないわね。
ああいうゲームでも少しでも自信をつけられるのなら、そういうのも悪くはないとも思う。





[D卓/ケント/ヤグシャの印象]
BGM: 陽の熱情
  from 英雄伝説 零の軌跡(日本ファルコム, 2010)
  Composed by 園田隼人

ケント。ターフェと同組、メタ・ファルス、男、騎士見習い。土→物/時。
たぶん今回会った10人の中では最年少だと思う。少なくとも現状ではただのアレクセイバカ。
アレクセイが何者なのかはそのうちアルフマンに聞いてみようと思う。

> アレクセイバカw
> アレクセイバカ、言い得て妙というかなんというか
> アレクセイバカ言われとるでw
> アレクセイ馬鹿わらう

ことあるごとにうるさい。何にでもいちいちアレクセイを絡めるというのではなく――
いやそっちも大概だけど――単純に声が大きすぎる。戦う時に気合いを入れる声の音量がデフォルト。
ただ、その声で気合いを入れたかどうかが行動の成功率に影響している気がする? 気のせい?

> そりゃそうだわという評価

自分で「類人猿知能テストをジャンプでクリアした」って言っていたわりには、そこまで脳筋でもない。
相手がターフェだったから目立たなかっただけで、いちおうちゃんとまっとうな回答のパターンを出せている。
例えば土の試練なら、何も考えてない人ならひたすらトンネル掘って解決しそうな気もするけど、
実際にはそうはしなかった。例の“伝説”がそれだけ大量に変なエピソードを持っていたってことかしらね?

知能はともかく注意力は不足してそう。私の像を作っておいて像と本物の区別がつかなくなってたところとか、
ロープが挟まって動けなくなってたところとか、思い出しても笑えるシーンがあった。
まあ、その程度ならいいんだけど(よくないけど)、騎士見習いだし、注意散漫なせいで怪我したりしてそう。
実際、土の試練で崖を降りるときにどう見ても足を滑らせてたわよね?
うまく回転して着地したけど、失敗してたら砂利に頭から逆さまに突っ込んでいた気がする。

いろいろ書いてるけど、ただ、想いの強さは本物なのよね。下手なレーヴァテイルを上回っていると思う。
後半になると想いを乗せるのに慣れてきたのか、魔法の行使がとんでもなく上手くなってた。
像にしろ、滑車にしろ、違和感なくちゃんと作るのはレーヴァテイルの詩魔法でも簡単ではないはずなのにね。
それどころか、玩具みたいな剣……というか完全に玩具なんだけど、で尻尾を受け流したのは凄かった。
ちょっと刃こぼれはしたけど、普通だったらそれ以前にどう考えても剣が折れてる。
「アレクセイの剣が折れるわけは絶対にない」って想いが入ってるからこそだと思う。

> 折れるわけがない 強い
> ケントの意思の強さはPC十人中最強だと思うの
> ケントくんの想いの強さ、そこんじょそこらのRTに引けを取らないどころか、トップクラスでしょ

ケントは「アレクセイ伝説がなければ兄の死を乗り越えられなかった」と言っていた。
それがいつのことだったのかは知らないけど、ケントは現状でもまだほとんど子どもみたいなものだから、
事態にあたってなにか心の拠りどころを必要としたのは実際にありそうな話ではある。
その兄の言葉として、ケントは「覚悟とは未来を定めて死に向かうこと」だと言っていた。
一方で、ケントはアレクセイを不死身の騎士だと思っているような節がある。
これが何を意味するのかを考えると、ちょっと胸に来るものがあるわね……

> 「死なない」象徴ですからね

結局タイミングを逃して言えなかったけど、覚悟とは死に向かうものではない。
生に向かうからこそ覚悟が必要になる。なぜなら、覚悟とは何があってもやり遂げる意志のことなのだから。
彼はまだアレクセイの背後に隠れてアレクセイの言葉に従っているだけでしかない。
だけどいつか遠くないうちに、自分の足で歩まなければならなくなる。
そうなったとき、現実に幻滅してアレクセイを見なかったことにして逃げていくよりも、
それでもなお“前”に進んでアレクセイを超えていくための覚悟をケントが持っていることを、私は願う。



> ありがてぇ~~~
> ヤグシャさんの願い通りのこと言ったんだなぁケントくん
> ほんとにね





[E卓/留禰/個別エンディング] (※編注:この部分のみ実際には次回に行ったもの)
BGM: 平原の地平
  from ブレイブリーデフォルト2(スクウェア・エニックス/クレイテックワークス, 2021)
  Composed by Revo

少しばかり、過去のことを思い返した。

私は、何も知らない子供だった。何も知らない子供なりに、がんばったというわけでもない。
父様と母様はにこやかで、お祖父様も、身体はよくなくても心は元気だった。
何より、他の人達に比べたら、私には大きな余裕があった。
だからなんだかすんなり周囲と軽く交わって、気がついたらレーヴァテイルになっていたんだと思う。

それでも、私は人よりも花のほうが好きだった。草や木が強く育つ姿が好きだった。
憧れの原型は思い出せないけれど、その時の情熱が、私をソル・シエールに運んだんだ。

全く知らない景色の孤独は、暴風にもみくちゃにされる日々に変わった。
将来のためなんて言いながら彼の夢に乗っかって、魔物も、立ちふさがる敵も、なぎ倒していった。
重ねた実績がお金になるのは面白かった。最も、私はそれほどこの時間を楽しめるわけじゃなかった。

子供は、人生のステージを変えてしまう。実際、私の生活は様変わりした。
野山を歩きたがった強靭な足腰は、毎日の家事の助けになった。
ただ好きな物事だけを考えて回していた頭は、周囲の人々との雑談に用いられるようになった。

そんなだったかなぁ、私のやりたかったことって。とか思ったときには、
もう息子は、新たな働き手としての習い事をしている子だった。
まもなく子供が仕事を初めてからは、ぽっかりと隙間が空いてしまった。

自分の好きなことを、新しく仕事にし始めた。彼も第一線を退いて、私のやりたいことを手伝ってくれた。
近所付き合いが高じて、孤児院の手伝いをするようにもなった。この生活も、もう十年はやっている。

まずは自由に暮らして、次に必要なタスクをこなして、余った時間は好きなことをして。
それでも空いたリソースを周囲に配って。
――正直、私の人生はやるべきことを終えたといっても過言じゃない。
そうだったはずなのに。どうしてこんなことを急に考えだしたんだろう?

多分それは、あの時の体験を咀嚼し終えた合図であって。
多分それが、これからの災難を受け取った瞬間でもあった。



===============================



……生み出した風が吹く。ロープに貼られたシーツがなびく。
こうやって詩を用いるのだ。あの人は、知ってるんだろうか?

洗濯は、家事だ。毎日すること、変わらないこと。こなすべきタスク。
揺れるシーツと、時折漏れ出す陽光を日陰から眺めていた。

留禰:「自由って、何かしら」
セナ:「どしたのおばさん、急にそんな事言いだして」

ふと口をついたら、セナくんがそこにいた。
今日もVボードの練習をしにいくんだろう、すでに小脇に挟まれている。
> 自由とは……躊躇わない事さ

留禰:「……セナくん。ひとりごとよ、気にしなくていいから」
セナ:「こういう時、普通は気にするもんでしょ。ヴァン兄ちゃんだってそうだし、おばさんもいつもそうじゃん」
留禰:「お話、聴いてくれるの?」

セナくんは頷いてこちらを見てくる。まっすぐな目。遠くを見渡す目。……若い目。
> ヴァンさんが兄ちゃん呼びされるのか……w いや年齢的にはそうだろうけど
> ヴァンくんてあのヴァンくん?
> ですよ 〈地下戦争〉の

留禰:「……私、これでも四十年も生きてきてるの。もういい年じゃない?
  それなのに、どうしてかしらね。まだやることがあるみたいなの。
  ヴァンもあんなに立派に育って、自分のことも十分やってきたはずなんだけどね。
  ――えっと、嫌ってわけじゃないんだけど。ごめんね、急にこんな話して」
セナ:「やることあるの、いいじゃん。ボクもこれやるまではなーんもやる気でなかったし」

叩かれたVボードが軽いプラスチックの打音を上げる。

セナ:「もしかしてだけど、やる気になってるんじゃない?
  やる気が出始めたときって、なんかソワソワするんだよね。ボクも初めて浮いた時のこと、今でも覚えてるもん」

言われたことをそのまま自問した。なぜか、あの人が笑ってる残像が見える。

火が点ってる。ちいさな火だ。吹き消そうと思えば、きっと消える。
そうだ。吹き消しちゃえたんだ。なんであの時、私はこの火を消さなかったんだろう。
当たり前だ。この火は大事な火だ。消しちゃいけない、そんな気がする。
点けた火は赤く揺らめくのに、点ったこの火は、なぜだか透き通るような青い色をしている。
あぁ、誰かからもらったモノだ。もらったモノだから――

セナ:「――おばさん?」
留禰:「あっ……え、えぇと。どしたの?」
セナ:「こっちのセリフだよ、唐突に考え込んじゃってさ。なんか忘れ物でもあったの?」
留禰:「そうかな。――そうかも」

笑みが、自然にこぼれた。

セナ:「うわー、急ににやけてどしたの……」
留禰:「別にいいじゃない。ありがと、気も晴れたわ」
セナ:「それならいいけど……じゃ、ボク練習しにいくから。じゃね」

思えば、セナくんは、母親を亡くしてからずいぶん塞ぎ込んでた。
彼がそれを吹っ切るきっかけになったVボードが唸りをあげて、一人と一つを共に空へと舞い上げる。
父親がいるのに毎日のようにここにくるのは、彼なりの気遣いと、孤児院の居やすい雰囲気があるからだと思う。
なんだかそれが、ちょっとだけ、羨ましくなった。



================================



留禰:「私、天覇に再就職しました」

息子ヴァンと旦那のヴェンを交えた一家団欒の時は、その瞬間に凍りついた。
酒の並ぶ席ではあるが、誰も口をつけようとしない。
ヴェンが腕を組む。何を考えてるかわからない、いかつい顔だ。
ヴァンは手に持ってたナイフとフォークを一度皿の上に戻した。

ヴァン:「――母さん。説明をくれ」
留禰:「とある機密のプロジェクトに関わることになりました。
  その時はなんか胸糞悪い気分だったので報酬は盛ってあります。
  孤児院のスポンサーももらってきたから、私が抜ける分はそのお金で人でも雇ってね」
ヴァン:「……」

大きな呼吸の音。

ヴァン:「説明、ありがとう。ただ唐突すぎだろ? ていうか、もしかしてあの電話、母さんの伝手?」
留禰:「どっちだかわからないけど、多分それであってる」
ヴァン:「どっちってなんだよ……勘弁してくれ……」

ヴァンがうなだれている。この年で白髪を入れそうなため息の深さだ。
> ヴァンさん苦労人ポジだったからなあ……

留禰:「何言ってるのよ。急になんて言い出したら、
  ヴァンだって孤児院の管理人継ぐなんて言い出して半年経ってないのよ。
  しかもそれまで地上の探査プロジェクトに関わってたんじゃなかったの?
  他所様にめちゃくちゃに迷惑かけちゃってるじゃ……」
ヴェントゥス:「あー、留禰、落ち着け」
留禰:「ヴェン、止めないでよ」
ヴェントゥス:「いや、止まっとけ。オレぁ別にいいんだけどよ、コレ、事後報告だろ?
  天覇でそれやったら始末書じゃねぇか。オレの手伝い毎度してたの忘れたのか?」
留禰:「ぐっ……」
> 始末書の達人

この男は本当に事務作業全般が壊滅的に苦手だ。
チームを組んでいた頃は、全て私が担当していた。
もちろん、彼が個人的に抱えてくる厄介事の処理も、私が手伝いに入った。
人間関係のいざこざなら、筋骨隆々の肉体から放たれるパンチ一発でどうとでもなることもあるのだけど……

ヴェントゥス:「先に頭下げるのが筋だろ。な?」
ヴァン:「だよな。相談の一つぐらいはしてほしかったよ、まったく……」

親子が目の前で意気投合している。この場においては2対1だ。

留禰:「……すみませんでしたっ」
ヴェントゥス:「ハイ、ケンカはこれで終わり。で、なんでそんな急に手伝うことになったんだよ?」

事の流れを、黙した方がいいこと以外は全て語った。最も、それで経緯の説明になったかどうかはわからない。
ただ、ヴェンはジョッキ一杯になみなみと注がれたビールを、一気に半分飲み入れた。

ヴェントゥス:「あのババァ、おもろいことしそうじゃん。オレも呼べってんだ」
> シャッチョサンをババァ呼ばわりw
> ??「よし始末書一枚追加な」
> 草
留禰:「頭脳労働できないでしょ、アンタは。荒事が起きたら引っ張りだすからその時に頑張ってよね」
ヴェントゥス:「へへっ、そうだな。……なんだ、留禰。楽しそうじゃねぇか」
留禰:「ちょっと、ね」

それ以上は、あえて言わなかった。

ヴァン:「……母さん、俺からもいい? 流れでウチの孤児院にスポンサー入れてくれるのは嬉しいんだけど、
  一応ウチさ、MWEもスポンサー入っちゃってんだよ。いやこれも俺のせいなんだけど。
  ただ、こうさ。競合先がこんな辺鄙な事業所みたいなとこを、なんて状態になると……
  いろいろ、めんどい手紙とか。電話とかもさ、来るんだよな。
  まぁ、次は、ちゃんと報告してから実行してほしい……あと胃薬ある?」
留禰:「胃薬? ちょっとまってね」

常備薬はキッチンの近くにおいてある。
……ヴァンは最近、いつもこんな調子だ。孤児院の後を継いだはいいが、
そもそも内輪の協力があって成り立っていた孤児院なものだから、それを運営するというのは非常にやっかいだ。
近所周りの謝礼をたまに付きそうことがあるが、常に頭を下げ続けている。

お手伝いさんたちとヴァンとの距離はかなり近い。
何せ協力してる内輪さんの中で、最も近いところに住んでいた家族の子供だ。
昔から交流もあったし、孤児院の面々とも仲良く遊んで成長してきた。
小さい頃はガキ大将、今となっては管理人。協力する方々との人間関係などに手を焼いてるのだろう。

留禰:「あと、それなら専属の事務係さんでも雇ったらどう? 電話対応できるのがヴァンと私だけじゃ大変でしょ。
  流石にあの社長も人一人雇えるぐらいの献金はしてくれるでしょうから、そうしなさいな。はい、これ」
ヴァン:「ん、サンキュー……って、こりゃ酒はやめといたほうがいいな。
  ともかく。自分一人だけの身体じゃない……いや、一応俺ら家族だろ?
  ついでいうと俺は、親父みたいに二つ返事しかしないバカじゃない。
  だから頼むよ。これ以上気苦労を増やさないでくれ……」
> w
ヴェントゥス:「あ? 親に向かって何言ってんだオメェ。オモテ出るか?」
ヴァン:「や、ごめん、そういうんじゃなくて……」
> 大変だなぁ息子さん
> 本当に苦労人だぁ
留禰:「はいはい。心配ありがとね。あと、二つ返事しかしないのはいつもそうでしょ?」
ヴェントゥス:「だって、何をダメっていうことあんだよ。悪いことするんじゃねぇなら、好きにすりゃいいじゃねぇか。
  その分俺も好きにする。いっつもそうしてきたろ」
留禰:「……確かにそうね」

笑顔は絶えない。
自分が今まで過ごしてきた時間が、そこにはあった。これから過ごすだろう時間の一部も、ここにある。
だから、ここでは埋まらないもう一部を、どこかしらの助けの求めに寄りかかってみるのも、悪くないかもしれない。
いつでも、帰ってこれる。望んだ時に、この場所に。

そういう場所があるからこそ、人は遠く旅をするんだろう。
私も、もう一回旅をする。久しぶりの、ちょっぴり老獪な旅を。



================================



……でも、その前に、考えなくちゃならないことがある。
いや、これは後悔と言ってもいいかもしれない。

ヤグシャさん。あるいはヤドヴィガさん。あの人は何を考えてたんだろう。
そして、それはエンハンブレさん――サテラさんも同じだ。

他の人には、多くのことを語っていたみたいだった。
私がもたらすことのできた情報よりも、数多くの彼女の欠片を、他の人達は持っていた。
ゲームを共にする人に対して、他の人達は興味を持ってたのかもしれない。
私は、興味を持ってなかった。だって私の中では、ただ通り過ぎるだけの人の一つに過ぎなかったんだから。

> 何も考えてないとおもうよ(サテラ嬢)
> そうだよ
> www

それが、そうでなくなってしまった。
こんなことになるなんて、思ってなかった。
そうやって、過ぎ去って初めて気づくこともあるんだ。
あの時、芯を食った返しができなかったことが、なんだか妙に心に残っている。

国造りを考えるなんて、突飛な考え方をする人。そう言ってしまっても問題ない。
でも、そう断ずるには、私に関わりすぎてしまっている。

――もう少し、話をしてみるのもいいのかもしれない。
そう思うと、これも旅だと、気づくことができる。
次に会うときには、もう少しおおらかな話ができそうだ。



================================



翌日。珍しい二日酔いに苛まれながらも、普段遣いのメモアプリを起動した。

《Project E=B》というタイトル。アウトラインを書き出して。
点った火は、きっと簡単には消えない。



> なるほどなぁ
> 読みやすかった&良かった
> GOOD
> ヤグシャのほうももうちょっと留禰さんにいろいろ聞くべきだったなあーって思うかもしれない これ見てたら
> 多分 ちょっとだけ若返ってると思います
> いいね
> お肌がちょっと巻き戻ったのか
> 時魔法ではうまく行かなかったのにね
> w
> 草
> 草
気合と根性H波フル回転によるものだから多少はね
> 独りよがりじゃそうもなろう って感じがする
> 留禰さんくらいの年齢だとあれだけど もっと上の歳で実際の年齢より若く見える人ってたいてい活動的だからねえ
> あー
> ほんそれ
> 新しい火をもらった分だけ頑張ってくれると思います ありがとうございました
> うん よかった





[E卓/留禰/ヤグシャの印象]



留禰。エンハンブレと同組、ソル・シエール、第三世代、農学者? 金→時。夫と子どもがいる。
孤児院の先生とか傭兵とかも言ってたから実際の職業が微妙に錯綜してる。
ついでにちょっとだけこのゲームの製作に関わっているらしい。
あと自分の肌を巻き戻そうとしてた人。そりゃ無理でしょ。

> 自分の肌を巻き戻そうとした人www
> そういえばカードにもそんなこと書いてたw
> 無理でしょ言われてて草
> まあ気持ちはわかる
> 時を巻き戻せるならやっぱ身体は巻き戻したいもんでしょ

ソル・シエールとは書いたけど、もしかしたらメタ・ファルス出身なのかもしれない。
「メタ・ファルスで人気の少女向けアニメ」をけっこうしっかり見てた感じなので。
まあ別に“大きいお友達”だったとしてもいいけど……彼女はあまりそういう感じには見えないわね。
少なくともソル・シエールに住んだ経験があるのは確かだと思う。

職業については、少なくとも研究者であることは間違いないと思うんだけど、
ただ残念ながら、やや研究者としての適性は足りてないとも思わなくもない。
明示された問題を解く能力は十分にある。だけど、明示されていない問題を考えるのが苦手な感じ。
現実世界にある問題って、往々にして全く明文化されていない。
だから自分で問題を定義する必要があるけど、留禰にはそこのセンスは欠けているんじゃないかな……

彼女は時代をリードするサイエンティストではなく、それを支えるエンジニアのほうに向いたタイプよね。
時の試練で何も工夫せず時間を微調整し続けてたのもそれっぽい。おかげでめちゃくちゃ待たされた。
その意味では、品種改良については根気よく続けてればそのうち成功するでしょ、と思う。工学分野だし。
改良できたらこっちにも恩恵が及ぶのでぜひ頑張ってほしい。

ちょっと陰気な印象を受けた……けどよく考えたら、もう一人がエンハンブレだったせいな気もしないでもない。
あれを横に置いたらたいていの人は陰気に見えるでしょ。
ケントは例外だけど、エンハンブレとケントを一緒に置いたらたぶん事故る。

> たいていの人は陰気に見える
> 事故る!?
> たぶん事故るw
> 事故w
> いやそりゃどう考えても事故るでしょ()
> 合体事故みたいな扱い
> 陽キャと陽キャを一緒に置くと相乗効果が働いて制御不可になる
> これは事故を起こしていかないと(?)

ただ、それはそれとして、全体的にはパッシブな人だとは思う。人付き合い浅そう、経験も乏しそう。
「人間の言葉でいう育ちの良い『奥様』」って、半分皮肉のつもりだったんだけどなあ。
どうみても溜め込むタイプ。言いたいことはあるけど言えない、みたいな様子が何度かあった。
あの程度で「こんなに話が盛り上がる」って言うくらいだから。
近所の人としか話してないって言ってたけど、正直、その近所づきあいすらおざなりになってそう。
他の人がいろいろ喋っているのにうんうん頷いているだけみたいな感じで。
自分の興味ある話題になった時だけ急に早口になるパターンにまで染まってなければいいんだけど。

これは直感でしかないけど、留禰はゼロ以上の諦観の持ち主な気がする。
全体的に切り替えが早すぎる気がするのよね。切り捨てるのも早いし粘れない。
この種の諦観は伝染性、周囲の人にまで悪い影響を与えがちだからちょっと怖いわね。
孤児院では少なくとも子どもたちに見せる姿だけでもそうなっていないことを願いたいわ。



> あぁ……(PLの経験点不足でPCのバックボーン等を活かしきれてない)
> めった刺しじゃん
> まあこれはヤグシャとしての感想なので……
> おいしかったです ありがとうございます





[E卓/エンハンブレ(サテラ)/ヤグシャの印象]
BGM: ある夏の日に
  from 那由多の軌跡(日本ファルコム, 2012)
  Composed by 園田隼人

エンハンブレ(本名は別)。留禰と同組、メタ・ファルス、女、運び屋。火→命。
別のゲームと間違えて登録しちゃった人。とはいえしっかり楽しんではいた。趣味は食べること。
謎の「銀河カウガール」。忘れてと言ってたので忘れても大丈夫なようにしておく。

> 忘れても大丈夫なようにしておく()
> 書いてる時点で忘れる気ZEROでしょこれ()
> 記憶力いいから案外忘れなさそう(小並感)
> まぁ忘れても書いてあれば見返した時思い出せるもんな…… 気兼ねなく忘れられるな……
> 実際なんなんでしょうねー 銀河カウガール
> わいもわからん

アバターを使ってて、本人の本当の姿とはかなり違うらしい。実際どうなのかは知らない。
知り合いとは一緒にプレイしたくないって言ってたけど、あの性格だしノリもいいし、
実際には一緒に遊べる友人もちゃんといると信じたい。休日=ひきこもりとかじゃなくて。
……まあでも、あれはどう考えても引きこもりができる性格じゃないわね。
完全に、言葉より先に行動になるタイプ。本人的にはマイペースなのかもしれないけど、そのマイペースが速すぎる。

見てて楽しい。掛け声が変。表現もいちいちおかしい。ついでに、何かを説明するのが壊滅的に下手。
とはいえケントほど声がうるさくないのはいいところ。ついでにケントより体力ありそう。
たぶん中の人はおっちょこちょいだと思う。ボールを無理やり割ろうとして見事に失敗してたし。
粗削りと力業で強引に合わせていくところが何度もあった。
合格点が70点のテストなら70点より上は目指さない、腹に入れば皆同じとか考えてそう。間違いなく。
そして結果が69点になるところまでがお約束。

> はい
> すげえ比較対象にケントが使用されててウケてます 声デカ

あと、今回の参加者の中ではゲーム慣れしていたほうな感じもした。
火の試練とかで目的をすぐ把握してたし、フレンド申請とかそういうシステムも知ってたし。
いろいろ試してたターフェと組んだら速攻でバグをほじくり出しそうでちょっと怖い。

> バグ掘りェ
> この軽口混じりのまとめ、本人の本懐が詰まってていいな……

そういえば、エンハンブレが魔法を使った時はたいてい、
課題に合わせて魔法を使う時はたいてい失敗か効果が低い、逆に自由にやっていいときはうまくいく、
って感じで二極化していたような気がしないでもない。
自分の興味のあること以外は目に入らないし集中できない、興味があれば驚異的な集中力を発揮する、
そういうタイプの人だと思う。これが運び屋の職に向いているかどうかは私は知らない。
まあ体力や器用さで勝負するところは問題なさそうではあるけど……
喋ること以外はたぶん優秀……なのかな……?

仕事といえば、ゼロと同地域でたぶん同業なわけだけど、二人は知り合いなのかしらね?
もしそうだとするならば、二人が組めばバランスが取れそうだと思う。凸凹コンビ的に。
凸も凹も尖りすぎて棒と筒にしか見えないけど。

> 棒と筒ってwwww
> つまりすっぽり収まるやつだ
> ちょっと最後のは色々アウト((((
> アリだな 二人がほどよく場の綱を引き合うビジョンが見える
> もしかしてあの2人身長差最大になるコンビでは?
> 確かゼロが一番でけぇ気がする
> エンハンブレさん意外とがっちりしてるんですよね

全体的には、14歳という年齢相応の、ありあまって出口が行方不明になってるエネルギーの持ち主だと思う。
彼女が作ったダンシングフラワーの無駄に陽気な姿が重なるわね。囮にするために投げられてたけど。
ゼロとは違って、エンハンブレはもしこっちに来たとしても気軽に友人として迎えられそう。



> はっきりした人物評だからイメージも容易だわ いいまとめ
> 好き
> ダンシングフラワー、オジギソウから着想したから最初はそういう草を作るつもりで提案してた
> へー






BGM: デスクトップ

ヤグシャ:「……よしと。思ったより長くなっちゃったわね」

書き終わるともうすぐ昼食の時間だ。
起きてからまだ着替えてないことに気付いたヤグシャは、使用人を呼ぶついでに額縁を一つ持って来させた。

着替えて使用人をいったん退出させると、先ほど書いた文書をプリントアウトし、
元から机にあった5枚の紙とまとめて手に取った。
彼女はしばらく思案し、巨大な人物像の写真が先頭に来るように並び替えて、まとめて一つの額縁に入れた。

緑の草に、文字通り絵に描いた空に、誇張が過ぎて違和感がある像。
壁に掛けてみると、どこを見るかで印象が変わるこの部屋と、妙な調和が取れている。

しばらくの間、それを満足そうに眺めると、ヤグシャは会議を兼ねた昼食のために部屋を出ていった。



+ 9/4セッション終了後雑談
> さて 今回出したのはヤグシャから見たそれぞれの人の印象なので
  GMから見た感想について言っていきたい



> アイラさん
> 最終的な感想としては、今回まともでしたね?
> えっ???? 今回まとも?????
> PLは存分に胡瓜だったけどPCまであまり波及してない感じ?
  わりとバックボーンしっかり作ってそれに基づいたRPしてたし
> そういう意味では、今回は「ちゃんと理由があって皿割ってる」感じがすごくした
  リーシャさんがとりあえず機械を舐りに行くのとは違って見えたと思う
> >>>ちゃんと理由があって皿割ってる<<<
> 他はだいったいヤグシャの言った通りになるかなー 心の動きを感じられない件とかしたたかに生きてることとか
> まあ皿割らせたのはシリアスに行き過ぎるとあれかなーってところはあったわね
> つまり計画的皿割り
> おかげでリッカさんとの繋がりもできたよ! やったね!!
> まあそういうところまで含めて GM視点では、今回はまっとうにやってたなあと思う

> ゼロさん
> こっちもだいたいヤグシャの書いた通りなんだけど
  ヤグシャのほうは割と踏み込んだ判断しているのに対して、自分はもうちょい保守的というか判断を保留しているところはある
  >そう、彼は本当は「希望」や「理想」を欲している あたりがそれ
> >この意味では彼は、彼自身との言葉とは裏腹に、今回会った他の誰よりも比較にならないほど信心深いと思う
  これについてはGMでもこういう判断になるかなー
> ゼロさんはあのままでも普通に生きていけるとは思うけど その過程がどうなっていくのかは気になるところ
> 個別の最後のやつはなんだったんだろうなあ……
> 割とゼロに対して恨み持ってるチンピラとか、ゼロを危険視してるが故に暗殺依頼出してる奴とか、
  兎に角ゼロは何かと喧嘩を売られやすい一幕がアレです
> なお街中でドンパチするのは色々不都合だからゼロは敢えて人目のつかない場所に移動してるという



> リッカさん
> ヤグシャとしても言ってたけど 後半はほんとのびのびとやってたなーって感じ
> www
> こっちとしても嬉しい
> はじめての卓だとどうしても様子見とかに終始しがちなんだけどリッカさんについてはそんな感じにならなかったので
> >よく考えたら一番最初っから、金の試練で~ 即答で「いいね」って返ってきた時点で疑うべきだったかもしれない
> これは今回のやつを書く時にログを見返して始めて気が付いた
> 私も忘れてました
> w
> そう考えるとあながち最初からこの路線だったのかもしれない(?)
> ヤグシャが触れなかった点としては 自然が好きなこともけっこう伝わったと思う
> >語尾を伸ばす癖 これ中の人もそうなんです? ここの雑談でもわりと書いてるけど
> テキストだと、雰囲気和らげるために多用しがち
> なるほど
> 今回それで雰囲気が和らいだかというと……まあ和らいだけど、それと共に「ちょっとずれてる人」という印象もつくよね
> そうなのか……
> うん 天然キャラ的なアレ
> 天然の方向性もまたよく見るのとズレてる気がしないでもない
> えーと とにかく
  あれはあれでしっかりキャラが立ってていい感じにできていたと思います

> レドルさん
> >快活な好青年 まずこれに尽きますね
> わーい
> この枠はシグレさんもそうなんだけど どっちかというとレドルさんの印象のほうが勝った
> 属性があれでよかったかの件とかについては難しいかもしれない
> しゃーなし
> まあとりあえずそういうことなので レドルさんは実直とか誠実とかそういう言葉にふさわしい人だったと思う
> 自分が見れた範囲でも良き家庭で育ち良き人格に育った人って印象あるなあレドルさん
> >我を出すところ についても、そういうシーンがあれば出ることはエンディングで出た通りなので
  ここはヤグシャとは明確に感想が違うかな
> 我を出すのはそうですね……あまり得意とはしてないけど出るとこ出るって感じかな
> あのシーンをヤグシャさんが見てたらどうなってたんやろなぁ
> ケントくんを嗜めてそう
> とりあえずケントさんには満足すると思う それでいいんだって
> あら
> レドルさんへもちょっと印象変わるかもね
> ケント:「アレクセイ・バーゾフは! 俺の目指す騎士は! それぐらいやってのける!!!
    なら、俺はそれを超えるぐらい、やってやらないといけねえ!!!!」
  このセリフに対して雑談で「それが聞きたかった」と言ったけど ヤグシャとしても同じ答えになる
  その理由はケントさんへのヤグシャの感想で書いた通り



> ルーファスさん
> まずごめん GMとしても「はしゃいでたなー」って感想になる
> でしょうね
> 楽しそうで何より
> 今回めっっっっっちゃくちゃ楽しんだ自覚ある
> 合法的に詩魔法が使えるんですよ?アルシエルで 男のままで
> 魔法少年ルーファスでしたね 中年じゃなくて
> えぇw
> いやこれ褒めてるから(?)
> プロポーズの言葉のところ 無茶振りしちゃってすみませんね
> しっかり覚える人なんだなーと(?)
> いえいえ楽しかったです
  見返してみると「お前こんなキャラだったの??????? いやこんなキャラだったか……」になったけど
> wwwww
> あるある
> 研究者らしさはあまり感じなかったかもしれない その点は留禰さんのほうがまだあった
> がんばってるのはわかるんだけど……ちょっと滑ってる……?みたいな
> 研究者ロール分からんかったので……
> その意味も込めて、ヒュムノスで遊んでる時のほうがよっぽどそれっぽかったんですよね
> まあヤグシャとしては「変な趣味」としか言ってないけど
> まあ本業(?)だからね
> 研究者というよりはマニアって感じがよく出てたと思う
> いうてヒュムオタなのは確実なのでまあよかったのかな……?って感じ
> てかマジでシグレさんの武器に何を期待してたの()
> えっ!? メタ・ファルスの人たちの武器は質量無視した超変形しないんですか!?
> w

> シグレさん
> まあこっちも大体安定してたなあと
> 好青年であるのは間違いない ヤグシャが直接誘っちゃった唯一の人でもあるし
> ヤグシャとしては >あの危うさは、まるで昔の私を見ているようで となるけど
  GMとしてはそういう心配はしていない
> 騎士なー 最初に思ってた以上に騎士要素はガンガン出てましたねー
  ヤグシャはちょっと申し訳なさそうだったけど GMとしてはおいしかった
> >表面だけ適当に取り繕って流すんじゃなくて、少しでもちゃんと受け止めてから返事していたように見える
  これは本当にそう思う ルーファスさんに隠れがちではあったけど、でも答えるところはいつもしっかり答えてた
> すんごい丁寧にRPしてた印象ある
> いままで(シグレPL)さんが自分の卓に参加したキャラは3人いるけど 似てるようでちゃんと違ってるなあとも思った
> あ、そういえば アミューレさん(※編注:〈青の地平のトーラ〉C卓)はリッカさんと同じくネモの雑貨屋なんですよね
> もしかして:知り合い?
> アイラさんも巻き込んでみんな知り合いにしよう
> また皿が割られるのか……行脚ポイント追加
> 器物損壊罪から繋がる交友関係とかそんなことある???
> 実際にいかなくても噂が出回ってるはず
> 騎士要素は自分でも思った以上に出す(?)ことになって個人的にはニコ……!となりました
> アミュとリッカさんにもしかしたら何かあるのかもしれない……しんぱしー……



> ケントさん
> まあ印象としては間違いなくいちばん強い ほんとたのしかった
> それはそう
> あれを超えられるのはそうそうないぞ……
> シグレ君主人公っぽさ確かにあるんだけど ケント君がヤグシャCS攻略班筆頭候補では?????
> いつもこっちの掌で転がってくれてありがとうございます
> アレクセイ伝説捏造事件について
  GMとしては3割くらい苦笑しながらも楽しく見てた てかよくあれだけないことないことポンポン出てくるなと
> あることがない!?
> 実際そうしてたんだからしょうがない
> 無から有を生み出す男ケントくん
> 本まで書いてたのはさすがに予想外だった
> 13歳やで 黒歴史ノート書くのとはちゃいまっせ
> >ケントは「アレクセイ伝説がなければ兄の死を乗り越えられなかった」と言っていた からの件
> 闇をあまり翳りなく出してくるよね まあ本人的にはあまりよく覚えてないだけかもしれないけど
  それはそれとして、こういうキャラいいなあといつも思ってる
  この点はいつものクオリティだった とてもおいしかった

> ターフェさん
> 今回はいつもにもまして(別の意味で)慎重なプレイでしたね なっかなか切り込めなかったというか
> ヤグシャはいちおう最後にああいうふうに仮説は立てはしたけど GMとしてそこまで踏み込めるかというと自信はない
> 最近仮面付きのキャラよく出してるけど ターフェさんもその類型かもしれない
> つまるところ道化
> ただ自分にとっては(ターフェさんPL)はやっぱりロバートさん(※編注:〈集うは御子の旗の下〉)の人なので
  その意味ではちょっと物足りなかった感はある(あくまでGMとしての感想)
> 戦闘ないシナリオだからしょうがないのか……?
> ケントくんを立てるムーブをしてたからああなった可能性があるんじゃないかなっていう説です
> あー それはある
> 実際、巨大アレクセイ像作るところとかは悪乗りしてたし 今回は調味料に徹する役を選んだってことかな……
> どう考えても普通につつきにくい属性だし
> 相手が(ケントPL)さんとたかゆきさんじゃなければもっとまともな属性になってました(訳:メンツに甘えた)
> ぶっちゃけるとあの系統(編注:ロバートのこと)のがロールプレイは楽なんですが
  一歩踏み外すと拗れる子になりやすいので想定外の不確定要素が想定されると出てこない
> ロバにきも仲間内の模擬戦とはいえ
  相手が好敵手と認め全力でぶつかってきた所を普通に判断ミスで死にかけた というので
  自分とのペアを危険に晒した事と これぐらいならなんとかするだろうって信頼を裏切った事で 死ぬほど落ち込んでたし
> 一本筋というか信念あるほうが演じる上では圧倒的に楽だけど折れたときのリカバリがちょっとね
> 自力で立ち直れってのもできはするけどRP上でのある程度の時間経過はくださいってなる
> ロバートさんのことは知らないけど、ロバートさんのRPの方がイレギュラーだったってことか
> いやロバさんの方を基本メインで回してるのよ
> トリスタは何が飛んでくるかわからない警戒の時に生まれる形だから
> ……たかゆきさんのところだとトリスタ型が増えてるだけ
> w
> つまりたかゆきさんのシナリオのせいと()



> 留禰さん
> とりあえずヤグシャからはけっこうボロクソ言っててごめんなさいね()
> いえ そうでもないと思います
> 今回はちょっとキャラが引き立たなかった感じがしてる
> それはマジでそう 完全にゲームしてたわ()
> 本来はそれでいいはずなんだよなぁ
> これについては、事前情報(脱出ゲーム)と実際(ヤグシャの正体当て)がずれてたのが理由の一端なので
  あまり強く言えない 失礼しました
> まぁしゃあないですねって感じ
> でもこんなシナリオならもっと思想強い子連れてきたかったなぁ~~~~~~~~!!!!!!!!! って思いはある
> w
> なんていうか エンハンブレさんとの間のジェネレーションギャップが悪い意味で目立った感じもある
> ヤグシャとしても言ったけど 留禰さん、奥様ムーブは大してできてないんですよね
> にも関わらずそう感じるくらいだったので
> (いちおうフォローしておくと 奥様ムーブってめちゃくちゃムズいですよ
  実際に奥様とよっぽど付き合いしないとあの感覚はなぞれないと思う)
> シミュレートが足りなかった これに尽きる
> 家にアップライトピアノあるお宅の奥様はわしには難しい

> エンハンブレさん
> いつもの味がした
> w
> 底抜けに明るい 闇そのものが最初からない
> 清涼剤ー
> (エンハンブレPL)さんのキャラもなんか奇行持ちだったりするけど今回は台詞がわりとそうだった気がする
> ダンシングフラワーの作り方の説明は笑ったわ
> あれは擁護不可
> しかも今日オジギソウだという新事実まで発覚して なぜそこまで具体的なものがあってあの説明になるのかw
> w
> 大草原不可避
> オジギソウを模したダンシングフラワーがこれ……??
> そもそもオジギしてねえよ! 「ヘイ! ユー! ダンシング!」しか言ってない
> 情報量がねえ!!!!!
> マジでそれ すき
> いやマジでこれ憧れるのよ
> セリフに情報量を載せたくなる病にかかってるんだけどそれを乗り越えた神の一手でもあるのか……そう考えるとすごいな
> >全体的には、14歳という年齢相応の、ありあまって出口が行方不明になってるエネルギーの持ち主だと思う
> 昔はこれを「箸が転げても可笑しい年頃」って言ってた
  最近の14歳女子はそういうことなくてちょっと疲れ気味な印象あるけど その意味ではちょっと懐かしさもあったなあと
> そう言われると年相応だな
> 吾輩説明する気ゼロで適当に文を書いてたから伝わらなくて当然っちゃ当然なんですよね
> なんならダンシングフラワーの説明すらしてない
> 結果だけを出力するな()
> 結果すら出力してないんだ これが
> 何を出力しているの……?
> 虚無……?



> ヤグシャのコスモスフィアをクリアするのは誰か みたいな話出てたけど
> まあ最有力はケントさんなのは間違いないとして 二番手に入ってくるのはシグレさんだと思う
> わかる
> それはそう
> その次は……レドルさんかルーファスさん
> ふぁっ
> えっマジで? 割とワーストから数えた方が早いかと思ってた
> ゼロは絶対無いとは個人的に思う
> まあアイラもダイブにはあんまり向かんかもね
> んー なんていうかね
> まずヤグシャの話を理解できるだけでけっこう高得点なんですよ 本人のやっていることがまずあれなので
> アイラさんが真ん中くらいに落ちてるのはこの辺の理由
> まあこの辺は第三塔出身だからというのもあったかもしれない
> むしろ理解できてなかったらお前何のためにレジスタンスしてたんや……になる 流石に
> そうかもねw
> レドルくんはちゃんと歴史学んどる(なおほぼメタファルス史)から、全部とはいかなくても理解はできるんやろなぁ
> ケントさんは理解できてないかもしれないけど あれは別のところでめちゃくちゃポイント稼げるので……
> ヤグシャより「強い」キャラはそうそういないと思うけど ケントさんだけはしっかり超えてきた

> ところで個別EDで >アイラはまず亜耶乃社長に頼み込み給金を前借りして ここを自分で書いておきながら
> 「社長に給料前借りの交渉とか、こやつ心臓に毛でも生えとんのか」って思った話をしていいですか
> ゼロやヤグシャと対等に会話できてる時点でその気は感じてた アイラさんメンタル激強では
> いや政治家として感情を切り替える術を得ていたのだし それぐらいはやるでしょ
> まあ政治家の娘としては社長クラスと交渉しても抵抗はないんだろうけどさあ なにせ中身が小市民だからネ





  session: DS-F-7 2023/09/05




> ではあとは全体エンディングとなります (※編注:実際にはこの前に留禰さんの個別EDが入っていた)
> おー
> 所要時間20分ほど
> うお~
> わー
> はいな
> あい
> わー とうとう
> わーー
> これが楽しみでやってきた
> では……
> ずんどこずんどこ
> うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

BGM: Easiness at time
  from BALDR SKY(エンターグラム(戯画), 2009)
  Composed by Little Wing

――事件から2か月後 ソル・クラスタ――

他の地域よりひと月半ほど遅れて、天覇の新しいサービスはソル・クラスタでもようやく開始に漕ぎつけた。
延期によって事前のプロモーションこそ控えめだったものの、それでも直前までには注目を集めることに成功。
一週間ほどの間は、ダイブ屋には事前予約制だと知らなかった客が押しかけたり、
あるいはこのサービスに対応していないダイブ屋にまで客が来るというちょっとした騒ぎにもなった。

他の地域と違うのは、「β純血種でもある種のダイブができる」という受容のされかたがあることだ。
ここはβの人口が桁違いに多いソル・クラスタならではの現象だろう。

もちろん現時点では、ゲームの客をさばくのに手いっぱいで、
まだβがダイバーとしてコスモスフィアへダイブするサービスは始まっていない。
しかし、天覇の新型ダイブマシンそれ自体はβのコスモスフィアダイブが可能であることは一部にはもう知られていて、
同じβをパートナーに持っていてダイブに興味があるβたちを中心に、ややそわそわした雰囲気が感じられるようになった。

アカネ:「……アオト殿に休日の過ごし方を聞かれた時のことを思い出しますね」

空港の近くにあるカフェのテラス席。
クラスタニア総統・アカネは、斜向かいにあるダイブ屋の様子を眺めながら無表情に呟く。

> アカネ将軍だーーー
> キャーアカネ将軍ー!

第三塔が消滅して以降、クラスタニア――ソル・クラスタと言っても同じことだが――の臨時政府は、
メタ・ファルスのインフェリアーレに間借りしている。
その後、新しい町の建設が軌道に乗ってきたため、ソル・クラスタへ戻ることを検討しているところだ。

今回アカネが来た目的は、各種行政機関を置く候補地を確認するためというのが一つ。
もちろん町の状況を視察するというのも一つ。そして――

アカネ:「新しい国、ですか。個人的には、空賊のアジトをそう呼んでいるだけにも思えるのですが――」

インフェリアーレにいたアカネの元にシュレリア名義の文書が届けられたのは半月前のことだ。
それは、アルフマンとヤドヴィガが何やら策動していることの情報だけではなく、
ソル・クラスタ側の地表調査が滞っていることへの注意と、
そしてもし構わないのであればソル・シエールで調査に助力してもいい、という旨の内容だった。
無用に刺激しないよう全文にわたって持って回った言い回しがされた文言は、
まさに官僚作文技術の精髄と言っていいだろう。

> 官僚作文技術w

もちろんアカネは助力については丁重に断りを入れた。
ただ、こうなってしまった以上は、何もしないわけにはいかない。

ソル・クラスタの工業生産力の回復具合、特に飛空艇の製造がどこまでできるようになったかを確認し、
凍結状態にある地表探査をいつごろ再開できるか見極めるのが3つめの目的。
そして、4つめは――ヤドヴィガに関する調査だ。

アカネ:「『元大鐘堂総統』にして『空賊狩り』のアルフマン、そして『救国の英雄』で『狂人』のヤドヴィガ。
  確かにそういうことをやりそうな役者と言えなくもない、ですか」

アカネ自身は、ヤドヴィガについては伝聞以上のことはほとんど知らない。
ハーヴェスターシャが失われた今、当時の記録はすでに散逸している。
だから当時を知る者に話を聞きたいわけだが、このような事態になってしまった今となっては、
大っぴらに聞き込みをすることすらはばかられる。

信用できる少数の者に聞くとしても、おそらく最もよく事情を知っていたであろう
3727年のクラスタニア解放当時の将軍――アカネの3代前に当たる――は、
アカネが将軍に就任する少し前に不審な死を遂げている。
2代前についてもやはり存命ではない。これらも今から考えれば、稼働年齢わずか6歳のアカネを
無理やり将軍に据えるための絢胤紅葉の謀略だったのかもしれない。

結局、先代将軍であるリッカリョーシャに一縷の望みを託して、
こうやってソル・クラスタまで来たのであった。

アカネ:「……正直、私はリッカはちょっと苦手なんですよね」

ごく小さな声でそうアカネはこぼし、薄すぎて色と味のないお茶を一口すする。

この町でもまだまだ物資は不足している。もともと他地域から隔絶している不利はあったが、
遠くメタ・ファルスで発生した物流の乱れはその隔絶をものともせずにここまで到来し、
この地の食糧生産にまで若干の影を落としている。

アカネ:「国の運営がそんな簡単だったなら、私はここまで苦労していません。
  国を作って、一時的にでも民衆の支持を得たとして、それが順調に続くでしょうかね?
  私にはすべてが絵空事のようにしか思えません」

ちょうどその時、ダイブ屋から一人の客が浮かれた表情をしながら出てきた。
β純血種と思われる女性が一人だけ。例のプレイヤーズカードを手に持っている。
その様子を見て、アカネは改めて思う。

アカネ:「好むか好まざるかに関わらず、望ましいかそうでないかにも関係なく、
  経済は世界を一つであることに強制しようとする。
  ついにこちらにまで進出してきた世界最大の企業、天覇……
  我々はこれにこそ、ソル・クラスタの全力を結集して、対抗しなければならない」

アカネは座ったまま視線を上に向けた。
かつて塔があった空には、当時アルキアと呼ばれていたものが小さく浮かんでいるだけだ。
それを細い花びらのように囲む大牙だけが往時の影をとどめている。

アカネ:「新しい国、そういうものが本当にあってうまく存続しているというなら、
  場合によっては天覇に対抗する手駒として使いたいところですね」

> グローバル企業の闇
> 争おうとしてる……








――さらに半月後 ほたる横丁 天覇本社・社長室――

亜耶乃:「……そうか、意向は変わらないか」
:「はい。ソル・クラスタのほうでは特に不具合は起きていませんから」
亜耶乃:「あい分かった。短い間ではあったが、樒は本当によく努めてくれた。天覇全体を代表して感謝しよう。
  もちろん、我々はまだ樒の力を必要としている。その気があるならいつでも開発に戻ってきてくれ」
:「こちらこそ、大変お世話になりました」

あの一件のあと、樒の決心は速かった。
しかしながら、ヤグシャから与えられた山のような宿題――もちろん不具合修正のことである――があり、
それらを終えるまでにはひと月を要した。

樒がゲーム開発からの離脱を申し出たとき、天覇は当然彼女を慰留した。
ソル・クラスタでの立ち上げを見届けるという理由を挙げられて、さすがに断り切れず、彼女はそれを了承。
その期間でついでにさらに一本のゲームの製作に関わり、今に至る。

> むしろよく1ヶ月で直したな???
> おおう……お疲れ様だぁ……
> めちゃくちゃ働いておる、樒さん

亜耶乃:「退職金というわけではないが、私のポケットマネーから少々用意したので受け取ってほしい。
  これだけの結果を残せたというのに契約の金額だけというのはさすがに気が引けてな」
:「いいえ、その気持ちだけで十分嬉しいですよ。
  ……というより、お金をもらうよりは、少々協力してほしいことがあるのですが」
亜耶乃:「……そうか。やはり自分の足でヤグシャを追いたいのだな。
  チームがあったとしても彼らに任せるのではなく」
:「はい。ですから、少しでも情報が欲しくて。
  天覇のほうで分かった情報、もちろん機密情報もあると思いますが、
  そのうちのひとかけらだけでもいただければと」
亜耶乃:「大丈夫だ。そのためにプロジェクトはあるのだから」
:「ありがとうございます」

概ね天覇の目論見通り、新しいゲーム事業は成功を収めた。
特に対戦シューティングの「ウォーフレーム」では早くも“ゲーム廃人”が現れ始め、
天覇がメディアを掌握していないメタ・ファルスでは、これまた早くもゲーム有害論が出てくるまでになっている。

> 廃人w
> 闘争を求めすぎているw
> 草

ソル・クラスタでは、思惑とはやや違う形で効果が現れた。
β純血種がダイブできるダイブマシンとして、天覇のダイブマシンがオーダーされるようになったのだ。
ダイブマシンの技術を主に持っていたのが硬直的なクラスタニアだったことがここで有利に働いたとみられる。
いずれにせよ、ダイキリティで一敗地に塗れた天覇の反攻は成功したといえる。

亜耶乃:「ところで、この金の行き先がなくなってしまったな。
  せっかくだから、開発チームの皆で、豪勢に会食にでも行かないか?」
:「いいですね。私もそれならば喜んで」
亜耶乃:「よし! そうと決まればさっそく準備しよう。
  私の好物にドッコイ定食というものがあってだな……」
:(……定食って豪勢なのかな?)

> ジェードはヤグシャねきの目的を達成する為に死をも厭わない精神性とか他諸々に触れなかったら
> ゲーム廃人になってたよ
> そうなのか()
> ここにも人生がだいぶ変わってる人が
> むしろゲーム廃人にするために持ち込んだPCなんよ なんでお前旅に出てるの???
> www
> 何でやろなぁ
> ほんと不思議なことが起きるゲームであった
> いろんなところで変化が起きている……
> こっちはゲーム後の職をどうしようかなあと思ってたら就職がスムーズに決まったしさあ







それから4日ほど経った夜、ソル・シエール地表のとある村の一軒家にて。
仕事を終えて帰ってきたこの家の主人は、昼間に届いていた手紙をポストから取り出し、テーブルに置いた。

手早く夕食の支度をしてから、彼女は手紙を開封した。
差出人の欄にはただ「樒」とだけ書かれている。

BGM: 慶雲の彼方
  from 信長の野望 覇王伝(光栄, 1992)
  Composed by 菅野よう子
> アッッッッッッッ
トーラ:「……樒がソル・シエールに来たとき以来ですね、こうやって彼女から手紙をもらうのは。
  急に改まってどうしたんでしょうか」
> あっ
> あーーーーーーーー!?
> やっぱりじゃん
> あら
> おあっ

怪訝な顔をしつつ、トーラは手紙を読み始める。

> え、もしかして、今までたかゆきさんシナリオで出てきたNPCが出まくってる?????
> いえす
> 卓に参加せずともログを見ずとも知っている顔……!!
> この方はCSシナリオの「青の地平のトーラ」のトーラです
> 今んとこたかゆきさんとこの軸で最古参のβ
> ああーそっか、年齢的に情報源としては一番有力だもんな 生き証人が一人かもしれない
> 希少な三桁β
> そもそも来歴に絢胤戦争で戦闘したって書いてあるのだ





『前略 その節は大変お世話になりました。トーラさんはいかがお過ごしでしょうか。
 突然ですが、近いうちにソル・シエールを離れることになりました。
 詳しいことはここにはとても書ききれないので今は書きませんが、まずはメタ・ファルスに向かおうと思っています。
 こちらに来たときにあれだけお世話していただいたにも関わらず、わずか1年で出ていくことになるのは
 大変申し訳なく思っています。ですが、それだけの事情があるのです。
 そして、その事情について、今一度トーラさんの力をお借りしたいのです。

 トーラさんは、「ヤドヴィガ」ないし「ヤグシャ」という名前について、心当たりはありますでしょうか?
 3727年のクラスタニア解放の英雄だった人です。そして、ご存知かもしれませんが、私の先生であり先輩です。
 近年は行方不明になっていたと思われたのですが、最近、彼女に関連してある事件が起きました。
 彼女は生きている。でもどこにいるのかは依然として分からない。
 そして、私は彼女に会いに行きたいのです。

 彼女に関するどんな情報でも知りたいのですが、特に知りたいのは次のことです。
 3727年から3738年、つまり私がヤグシャに初めて会うより前における、
 ヤドヴィガと、それから当時「セドナ」と呼ばれていた人のこと。

 もしご存知ならば……いえ、そうでなかったとしてもご挨拶にはぜひ伺いたいので、
 会っていただけるならと、ご返信をお待ちしています。
 草々 樒』





読み終えたトーラは、やや困ったような表情だ。両手で頬杖を突いている。

トーラ:「ヤドヴィガとセドナ……つまり最初のレーヴァテリア・クルセイダーの件ですよね。
  レーヴァテリア・クルセイダーは私にも縁があるから何も話さないわけにはいかないのですが、
  ただ、あのころは私はだいたい上帝門にいたんですよね。あまり力になれなさそうな気が……
  でも、一年くらいだけクラスタニアに戻ってて……確か……」

考えに沈み始めたトーラの意識を、火にかかった鍋の音が引き戻す。

トーラ:「あっ、いけない」

慌ててトーラは席を立つ。そしてそのまま再びしばらく台所での作業に入った。



やがて、テーブルには温かい料理が並んだ。
食べ始める前に、彼女はもう一度手紙をざっと読み直す。しかし、今度はそれ以上のことはしなかった。

トーラ:「考えるよりは、思い出せたことを都度ノートに記録していったほうがよさそう。
  思ったより時系列があやふやになってますね……ちゃんと整理しないと」

手紙を封筒にしまって机に持って行く。そこで、使っている日記帳が目に留まる。

トーラ:(ところで、これって今日の日記に書いちゃっていいような内容なんでしょうかね?
  別に他人に見せるものではないですが、込み入った事情がありそうですし……)

> にっき……
> 日記はC卓のあれかな
> ですね
> CSシナリオのあれこれがしっかりばっちり繋がってる……美味しい







(※編注:この動画は終了後しばらくしてから作成・公開したもの 実際の卓内でのものは以下)

+ 卓内エンディング
BGM: アズライトの棺 (piano version)
  from 水葬銀貨のイストリア(ウグイスカグラ, 2017)
  Composed by めと














再び、あの日の夜。

「――重ねて言いますが、姫様、次はありませんからね。では、おやすみなさいませ」

反省の欠片もなさそうな生返事の応答を背に、従者はドアから出ていった。
薄暗い部屋の中、この部屋の主は窓から外を眺めている。

見下ろすのは街の灯。二つの通りが煌びやかに輝いている。
今宵も多くの人間やレーヴァテイルが繰り出して、小さな町の仲間として共に酒食を、
あるいは人によってはギャンブルを楽しんでいることだろう。

地表の他の町と同様、この賑わいも一から作り上げてきたものだ。
違うのは、ここは国家やそれに類する組織のプロジェクトとして建設されたわけではないということ。
流れ者が集まった吹き溜まりの町というのが最もよく創立の経緯を表している。

ヤグシャ:「“姫様”、“即位”できれば“女王様”。体の良い呼び方よね。
  私の仕事は命を狙われることであって、統治することではないのに」

しかしながら、このような“自由都市”は、三地域の取り決めによって存在が許されていない。
まだ発見されていないのか、それとも泳がされているだけなのか……
いずれにせよ、遠くない将来のどこかの時点でいずれかの勢力に介入されることは確定事項とみなされている。

ヤグシャ:「『本当の自由は、三つの匣の外側にある』……
  実際に外に出て自由を手に入れてみたのはいいものの、自由とはなんて束縛が多いものかしらね。
  ……そして、それでも、命を懸けて戦って得る価値があるものだとも」

そう呟くヤグシャの表情は優しい。彼女は今のこの街をとても気に入っている。
この街は自由だ。もちろん犯罪や差別をする“自由”はないが、それに何の問題があろうか?
とはいえ、出自も経歴も様々、加えて脛に傷を持つ者も多く集まったこの場所をここまで作り上げるのには
街そのものの建設よりも遥かに困難を伴った。

ヤグシャ:「私はもう十分に生きた。
  レーヴァテイルの自由のために戦い、でもそのために作られてその通りにした私に自由意思はあったのかと、
  思い、悩み、逃れて……ようやくここまで来られた。
  だから、この街のため、ここで見つけた本当の自由のために死ぬのが最後の役目というなら本望。
  私には、未練なんてもう無いから。――」

ヤグシャの顔が憂いを帯びる。
痛む胸を押さえるがごとく、彼女は右腰のインストールポイントに手を当てる。

ヤグシャ:「――在ってくれれば、よかったのに」








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> 888888888888888
> ふおおおお
> 88888888888
> よかった……実に……
> 以上 〈三つの匣の外側に〉でした!
> ありがとうございました!
> 相変わらずの高火力
> お疲れ様でした~~~~~
> うわあああああああありがとうございましたああああああああああ
> ありがとうございましたー!!
> やはりよい
> お疲れ様でした!!!!!!!
> ありがとうございました
> ありがとうございましたあ
> お疲れ様でしたーーーーー
> ありがとうございましたー!
> とりあえず忘れてもいい件を忘れる前に
> 今回のシナリオの経験点は10点です
> 忘れても構いません
> おつかれさまでした
> あい
> 忘れた
> はやい
> はやいなあ
> まあログに乗ってるからええやろ!
> だって経験点とか空気だもん



+ 9/5セッション終了後雑談
> ということで 〈三つの匣の外側に〉完走となります おつかれさまでした!

> 最後のヤグシャさんの呟きを聞いたらそれだけでアイラの心が動いて殴り込みに行くわよ
> ヤグシャさんの最後のセリフでしんだわたし「あればよかったのになんていうならづぐり゛に゛い゛ごう゛よ゛」
> それな~~~~~~~~~~~~~~~~~
> 未練が在ればというのなら俺たちのことを未練にしてくれ……

> まあここまでは開示できるな
  
(※編注:ここでヤグシャの自由設定が追加されたものを開示)
> というわけで詳細情報が追加された版です(なおこれでもまだ半分非開示)
> 設定資料集じゃん
> あ~~~~~~~~エル・ブレクト~~~~~~~~~~~~~
> 外見 実 自称
> あれ着せられてるものだったんかい!!www
> 仕掛け人お前の方だったのかぁ~~~~
> 仕掛け人とは
> アルフマン氏
> 新しい国を作ってたのはもともとはアルフマンだった ヤグシャはそこに後から乗った立場
  なんだけど ヤグシャはいろいろ特殊な能力があって、アルフマンにとっても利用価値があり、この地位になった

(※編注:googleフォームで取ったアンケートのまとめを発表 内容は公開ログでは割愛)

> 皆の感想見てて思ったこと
  ごめーん! ヤグシャが戦争を視野に入れてなくてもソルクラスタ側がやらかしそうだと感じてたから
  嫌でも戦争の臭い感じてしまいました!!(爆散
> いやそれは意図通りなのでw
> アルシエル復活後、2大勢力と言えるのが天覇とクラスタニアだと思ってて 天覇vsMWEはまだ前哨戦に過ぎないって感じ
> 国としていちばん大きいのはまちがいなくメタ・ファルスなんだけど
  あそこはあまり戦争には関わらなさそう というかそういう発想をしなさそう
> せっかく理想郷を生み出したのに、それ以上に何か望むかって言ったら、現政府ではまずないでしょうな
> クローシェに戦場を駆ける力を感じない の方がでかい
> その点だと、天覇は国ではなく企業だってところが一つのポイントになる
> 企業の論理で経済活動を続けるだけで、国によっては脅威になりえる アカネが危惧しているのはそういうところ
> 企業国家天覇の可能性を見てもいいのか……?
> ただ、亜耶乃はそれを見越して、やりすぎを止めるべきだとは思ってるんですよね
> これについては〈箱舟の下〉のラストのほうの発言
  >亜耶乃:「まだまだやっておくべきことはある。レーヴァテイルの件もそうだし、分社化も進めなければならんし……
> でもワンマン社長だしなぁ~
> 分社化すれば少なくとも(全体としては)当然ワンマンではなくなる
> まあそういう感じで、亜耶乃としては天覇を大きく改革するつもりでいるけど、
  その動きはまだ外からは見えないので当然ソル・クラスタからも見えない
> 現状ソル・クラスタは人口が他地域の1/10くらいしかない おまけに全体が再建中
  ほっとくと飲みこまれてしまうんじゃないか、って危惧するのはある意味当然と言える
> ただ、ソル・シエール側としてもソル・クラスタを危険視する理由は一つある
> 東大陸はソル・シエールとメタ・ファルスで分かれてる でも西大陸は全体がソル・クラスタ
  風土も豊かなところだし、将来的に大きく成長する見込みは十分ある
  人によっては「西大陸南側を切り崩せないか」なんて考えてたかもしれない
> まあそんなわけで ヤグシャはありとあらゆる意味で「歩く国際問題」なんです
> その西大陸南側を占領している可能性大ですからねぇ……
> いやまだそこまでは行ってないけどねw
> まあはいw
> さっきも言ったけど もともとはアルフマンが自分たちの拠点を作ろうとしたことに始まる
  なのでこの点についてはアカネの見通しは正しい
> なんだけど まあ野望値が高いアルフマンのことなんで「せっかくだからちょっと国作ろうぜ」くらい考えるわな
> まぁそうだろうなぁ はいここ俺の土地しがちなやつだったわ
> 元総統なので実務経験もあるし、国を作ろうとしたら何が必要なのかはよく分かってるやつ

> >3727年のクラスタニア解放当時の将軍 ~ 絢胤紅葉の謀略だったのかもしれない
> これについては原作には記述が全くないんだけど
  これの元になったのは「なんで将軍(リッカリョーシャ)をアルキアに潜入する役に選んだの?」って疑問で
  普通こういう仕事は最高責任者はやるわけないじゃないですか
> そんでもって、絢胤紅葉ってムノフですよ
> 予知か
> 捕まることくらい予知してておかしくない
> と考えると、むしろこれは最初っから謀略で、リッカが捕まることを前提としていたんじゃないかなと
> なぜそうするか? アカネに早く継がせたかったんじゃないかな?
  でもまだ6歳だよ? それだったら先任の将軍を呼び戻したほうが……っていうふうに考えていった結果



> 大体はリッカさんのお手柄だけど、他の卓の雑談で
  「〇〇のところ、B卓だともうちょっと話しているんですよね(意訳)」がちらほらあって、うめ……うめ……になっている
> そこまで行って回答に辿り着けないんかい、という指摘は甘んじて受け入れる所存
> 全卓の雑談読んだんだけどこんなに情報開示されてたん?ってなった
> アルトネリコの世界で国って概念を持ってくるのだいぶ難易度高いからしゃーないのでは
  大きくても都市ぐらいのイメージがある
> それはそう。国としての行政があるのメタ・ファルスくらいだし、他はほぼ街・都市単位だからなぁ
  (あとPLが流石にその規模はないやろ、って思考から閉め出してたのはあるけど)
> なんとなくだけど、塔ごとに国の概念があるところって要はグラスノインフェリアからずるずるっと
  構造が続いてたからなのかなぁって ソル・シエールどうだったのかは忘れたけど
> Dはずっとアレクセイ伝説のこと考えてました()
> w
> こうして振り返ってみると焦点がそもそもとっ散らかってたんだなぁ
> 直接的にヒントになる部分が
  「居場所が不明瞭(少なくとも簡単に連絡が取れない)」「アルフマンが関係している」「政治の話をしている」
> それ以外の情報もあって錯綜してたかもしれない
> そうねぇ
> いざ答えを見るとかなり繋がりやすかったというのが分かるんですけどねぇ その答えを得るまで色々と点が多かった印象……
> 点があっても線が見えなきゃどうしようもないわけでありまして
> 周辺情報が多くてかえって本命が見えなくなるのは結構よくある
> 情報の整理ヘッタクソすぎて「お披露目で何をするのか」にしか目が行かんかったなって……
> まぁでもPLがウロウロしちゃうのはある程度しょうがない 頑張った方だと思う
> 合同でなければ死んでいた
> それな
> 明確に言われてもあれぇ~ってなったりするもんだから、ちゃんと答えはこれですって言えたのはよかった
> そういえばこれPL全員が答え分かってなかったらどうなってたんでしょうね
> ジャクリさんが回答出してたんじゃないかな 一番発想に至る可能性が高い
> なんせ世界を変えようと躍起になったレベルで言えばあの場の中で彼女が一番高いからな
> そういえばそうか
> 裸で練り歩く悪癖さえなければ……
> >PL全員が答え分かってなかったら そのときはこっちからヒントだす予定だった
> ジャクリのセリフで 「そのヤグシャ、他に、なにか気になることを言ってたりはしないかしら」 を用意してて
> ここからもう一度ヤグシャの台詞を精査して、冒頭のやつ(「本当の自由は~」)に気付いてもらう流れ






事前交流会:ソル・シエール組
事前交流会:メタ・ファルス組
導入~Lv1開始
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(本編は卓ごとのログを参照) ボス戦~ゲーム終了
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エンディング卓
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