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愛が怖くて

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匿名ユーザー

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  愛が怖くて


 学校は楽しい。
 気の許せる友達が居る。
 勉強も、大変だけど嫌いじゃない。
 まだぼんやりだけど、目標があるから。
 そんな学校は好き。
 でも、時々学校が怖くなる。
 嫌なのとは違う。
 ただ、怖い時がある。
 そして、家でも…。

「お姉ちゃん」
 つかさがひょこっと私の部屋に顔を出す。
「どしたの?」
「あのね、宿題で分からないところがあるの…」
 ドアの隙間から、猫が顔を覗かせる見たいにして上目遣いのつかさ。
 本当、お願いがある時のあの子の顔は分かり易い。
「また? まぁ、いいけど。どこ?」
「うん、ちょっと私の部屋に来てもらえるかな?」
 つかさが言う。
「え…」
 体が震えたのが分かった。
「いいでしょ?」
 赤ちゃんみたいな微笑みだった。
「え…うん…」
「それじゃ早く早く! お姉ちゃん!」
 つかさは満面の笑みで私の手を取る。
 柔らかくて、温かい手。
 でも、私の躯は強張っていた。
「どうしたの?」
「な、なんでもないわ」
「そう?」
 ちょこん、と首をかしげるつかさ。
 本当に可愛い。
 それなの、私は躯も、心も正直強張っていた。
「…だから、ここはこう」
「んー…難しいよう…」
 つかさの部屋で勉強を教えてから暫く経った。
 緊張がほぐれた私はいつもの調子に戻り、時々寝ちゃいそうになるつかさにつっこみを入れつつ、ようやく宿題を終わらせる
事ができた。
「うーん…。終わったぁ…」
 つかさが背伸びして、晴れ晴れとした表情で微笑んだ。
「はいはい、良かったわね。もうちょっと授業を聞いていればもっと簡単に解けるのに」
 私はいつもの調子でやれやれ、とジェスチャーする。
 油断していた。
 いつものつかさだと思っていた。
「うふふ。それじゃ、お礼…しちゃうね」
 つかさの言葉に私ははっと息を止める。
 つかさを見ると、微塵の躊躇いもない動作で右手が横に大きく振り上げられていた。
 まぎれもなくひっぱたく動作。

 私は瞬間的に身を縮め、きつく目を閉じた。
 まだ叩かれてもいないのに頬がしびれた錯覚を起こし、目を瞑った瞬間に瞳の端に涙が浮かぶ。
「なんちゃって」
 悪戯な声。
 視界が暗転したまま、私はつかさに押し倒された。
「それ! んーっ…!」
 つかさが馬乗りになり、そのまま私の唇を奪う。
「…!」
 きつく閉じた私の瞳から、今度こそ涙がこぼれた。
 また、つかさに唇を奪われてしまった。
「お姉ちゃん…」
 唇を噛み合う様に重ねたままつかさが呟く。
「好き…好き…」
 むしゃぶりつきながら呪文の様に繰り返して呟くその言葉。
 口の中に入ってきた唾液が溜まり、我慢できずに飲み込む。
 それは、不味くはない。
 だから余計に嫌。
 やめて! 双子の姉妹なのに…!
 そう言いたいのに口はふさがれ、怖くて目を開けられない。
 涙がぽろぽろとこぼれているのが分かる。
「お姉ちゃん、こういう時は本当に泣き虫さんだね」
 つかさは唇、歯、舌や頬の裏まで、くちゅくちゅと音を立てて嘗め回しながら楽しそうに呟いた。
 本気で泣いているのに。それなのに、つかさはその涙を見てさも嬉しそうにくすくすと笑う。
 屈託のない、その笑いが私は怖い。
「うれし涙だね…。私も嬉しい…。もっともっと気持ちよくしてあげる」
 つかさが上着の隙間に手を入れ、ブラの上から胸に触る。
 とっても暖かい手なのに、私は背筋が凍る様な錯覚を一瞬覚え、堪らず体を仰け反らせる。
「あ、感じてくれた? 嬉しい…」
 口元から飲みきれない涎が流れても一向に唇は解放されず、私の舌もつかさの唇に誘導されてそっちの口の中に入ってしまう。
「おいひい…おいひいよ…」
 ブラの上で胸をなぜていた手はブラを押し上げ、直に触りはじめた。
 柔らかな手の感触と堅い爪の刺激が胸の先端にいきなり襲いかかる。
 痛い!
 私は魚みたいに身をのたうつ。
「ふふ、お姉ちゃん、気持ちいいんだ…」
 違う、違うよ…。
 止めて欲しい。
 それを言いたくて、一層多く涙がこぼれる。
 それなのに、つかさはその涙を舌で舐め取り、そのまま私の頬やまぶた、耳や首筋を嘗め回した。
「おいしいよ…おいしい…」
 もうやめて!
 でも、その一言は、例え口が自由でも絶対に言えない。
 言ってはいけない。
「あむ…」
 私の胸につかさがかぶりついた。
「ああっ!」
 思わず声が出る。
 それはまた、私が堕ちた瞬間。
 つかさがいよいよ歓喜にむせぶ合図だった。

 始まりはあの日。
 初めてつかさに襲われた日。
 いつもの様に勉強を教えに部屋へ行った時、その時、突然つかさが私に抱きついて、唇を顔中に押しつけてきた。
 勿論私は力一杯抵抗した。


「あ、あんた! 悪ふざけもいい加減にしなさいっ!」
 つかさの力なんてたかが知れている。
 私はだだっこの様に無我夢中で抱きつこうとするつかさの手をふりほどき、思わず勢いでつかさの頬を叩いてしまった。
 乾いた音が響き、つかさが止まる。
 流石に正気に戻ったと思った私は深呼吸してつかさを睨んだ。
「いっ、いくら双子の姉妹だからって巫山戯すぎは許せないわ! 罰として一週間は勉強みてあげないから!」
 私としては充分優しい罰。
 勉強を見ない以外は普段通りに接するつもりだったから、それで充分と思った。
 何か甘えたい衝動でもあったんだろう。それがちょっと暴走しただけ。
 明日からはいつも通り甘えさせてあげよう。
 そう思っていた。
「分かったわね!」
 私はねじが切れたみたいに黙ったままのつかさを残して部屋を出ようとした。
 頭を冷やせばいつも通りのつかさに戻る。
 そう思った。
 その時。
 今でも耳から離れない、小さいけど、はっきりした嫌な音が聞こえた。
 私は反射的に振り返り、目を見開いて絶句した。
 そこには、カッターを手首に突き立て、ぎりぎりと動かしているつかさが居たから。
「つかさっ!」
 その音は肉が切れる音。
 私は体中に鳥肌を立てながらも、つかさに跳びかかってカッターをはたき落とす。
 血の玉が幾粒も弧を描いて宙に飛んだのを、スローモーションで見た様に覚えている。
 腕を掴むとぬるりとした感触の血が手に付いたが、もちろん気になんてしない。
「な、何しているの! は、早く消毒して、止血…」
 突然、私は言葉が止まる。
 掴んでいた筈のつかさの手が、いつの間にか私の手を掴んでいた。
 傷口から、血はまだ出ている。
 肘を伝い、床に血が落ちている。
 それでもつかさは血まみれの手で私の手を包み込む様にして握った。
「お姉ちゃん…」
 私は背筋を凍らせた。
 その声が痛さではなく、嬉しさで震えているのが分かったから。
 私を見上げるつかさの目がまるで死人の様だと思ったから。
「私を、本気で助けようとしてくれたね…。やっぱり私のお姉ちゃんだ…」
 つかさは握っていた手を自分の頬にあてがい愛おしそうに頬ずりし、キスしていた。
 手が離せない。私の力が抜けているせいもあるけど、つかさが、つかさじゃないみたいに力が強かった。
 血まみれの手が触った頬はそのまま血にまみれ、つかさの白い頬を、ピンクの小さな唇を不規則に紅く染めた。
「つか…」
 私は名前を呼ぼうとしてまたも言葉を遮られた。
 つかさの唇が、私の唇を塞いだから。
 唇をルージュみたいに染めていた血の味は忘れない。
「お姉ちゃんに嫌われたら…私、死んじゃうよ?」
 その微笑みは狂気美だった。

 あの日から、私はつかさのこの行為だけには絶対に逆らえなくなった。
 それ以外は依然と全く変わらないつかさ。
 甘えん坊で、優しいつかさ。
 でも、あの行為の時だけは本当に人が変わったとしか思えない変貌を見せ、私の体にむしゃぶりつく。
 文字通り、本当にむしゃぶりついてくる。
 唇はもちろん、体にも、手足にも。
 手はおろか足の指先すら一本残らず舐め尽くされた。
 そして、あれだけ泣いて止めてとお願いしたのに、「嫌」の一言で一蹴され、私の…私の…その…あ、あそこと…それと…
お…お…おしりの………も…べとべとに…なるまで、舐められ、いじられた…。


 意地悪は止めてと泣いてお願いした。
 するとつかさは驚いた顔で言った。
「まさか! 私は、お姉ちゃんをいじめたりなんて絶対にしないんだよ? お姉ちゃんは優しいから、そんなことしなくていいの」
 どういう事? 問いかけにつかさは恐ろしい返答で応える。
「お姉ちゃんを傷つける真似なんか絶対にしないよ。だって、私を傷つけさえすれば、お姉ちゃんは優しいからお願い聞いてくれるもん」
 つかさは、あのときの手首の傷跡を舐めながらえっへん、と自慢げに言った。
「それにお姉ちゃんにやっている事はみぃんな気持ちいい事だよ。お姉ちゃんはああいう風にするのが気持ちいいんだもんね。
だからあんなに泣いてうれしがってくれるんでしょ?」
 何も言えなかった。肯定じゃない。つかさが私にする行為は、全て私が気持ちいいと思ってやっているんだ。
 つかさの全ては私への愛なの?
 そう思うと何も言えなかった。
 つかさは、初めて私を抱いた時に付けた手首の傷を、勲章の様に愛おしげに撫でる。
 力が弱いせいか、出血量の割には傷跡は浅く、注意しなければほとんど見えないくらいに治っている傷。
 でも、私にははっきり見える。
 つかさは、私にはかすり傷一つ付けずに、自分だけを、私が言う事を聞くまで傷つけると言った。
「駄目! そんなことしちゃ駄目!」
 後先考えられなかった。
 つかさがそんな事をまたしたらどうしよう。
 それだけで私はつかさを抱きしめていた。
「…お姉ちゃん…ぐす…」
 抱きしめたつかさが嗚咽を漏らしていた。
「本当に…優しいよぉ…。嬉しいよぉ…」
「自分を傷つけるなんて真似しないで…」
 その時、私はただただつかさに傷ついて欲しくないと思っていた。
 つかさも反省してくれたと思っていた。
 でも。
「好き!」
 次の瞬間、つかさは私を押し倒し、驚きで声も出ない私の下着を強引にはぎとり、あそこにむしゃぶりついた。
「つか…さ…」
 私は満面の笑みで股間に顔を押しつけるつかさを、泣きながら見守る事しかできなかった。

「どしたの? かがみ」
「…えっ?」
 昼休み。
 何となく屋上で空をぼーっと眺めていたら、いつの間にかこなたが横にいた。
「い、いつから居たのよ?」
「心配して来てあげたのにつれないねぇ」
「悪かったわね。…ありがと」
「素直になれないけどお礼は忘れないかがみん萌え」
「うるさいの」
 こなたがねこくちでにやにやとチェシャ猫みたいに笑い、私もそれに吊られてくすくすと笑った。
「で、どったの?」
「…たいした事じゃ…ないわよ」
 私とこなたは壁により掛かって座りながら話す。
 青い空が痛いくらいに目にまぶしくて、涙が出そうになった。
「へくちっ!」
 …いるのよね、空って言うか太陽見るとくしゃみする奴。
「メイはサツキと違って将来美人になるタイプじゃないけど、いいお母さんにはなるタイプだよね」
 心を読むな。そしてメイに謝れ。
 こなたはそんな私の心を、また読んでいるぞとでも言いたげににやにや笑いで私の顔を、と言うか瞳を見詰めていた。
 なんか恥ずかしいわよ。
「私はね」
 こなたが突然話し出す。
「黙ってかがみを取られる気はさらさら無いよ」
「なんのはな…」
 こなたの唇が、私の唇を塞ぐ。
 この時から、私は学校も怖いと思う様になった…。

 続くっぽい













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コメント:
  • 俺得すぎる -- 名無しさん (2013-11-09 09:54:21)
  • つかかが、こなかがとか超俺得 -- 名無しさん (2012-06-24 20:26:03)
  • つかさは死ぬほどかがみを愛してるんだ -- 名無しさん (2010-08-14 16:25:09)
  • かがみがんばって -- 名無しさん (2010-06-01 17:23:18)
  • ヤンデレつかさ -- OP (2008-06-03 06:49:32)
  • 途中からみゆきさんも出てきたり……www -- 名無しさん (2008-05-11 19:42:49)
  • 黒い‥そしてかがみが‥‥‥‥ -- フウリ (2008-04-26 17:11:19)
  • 早く続きが読みたっすvv頑張って下さい。 -- DJ (2007-10-17 23:23:00)
  • 続きが気になる(´ω`) -- 名無しさん (2007-10-16 21:34:17)
  • 脳裏に何度もあのつかさの笑顔が浮かんでかなりヤバかったです。 -- 名無しさん (2007-10-16 02:27:58)
  • つかさの狂気が怖くても可愛くて、怖いながらも最後まで読んでしまった。
    今後の展開も楽しみにしています。 -- 名無しさん (2007-10-15 22:39:06)

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