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らき☆すたクエスト第三章(前編)

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匿名ユーザー

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━━━ドガァァァァァァァン!!!!

 前振れは無かった。
 突然、目の前が真っ白になって、強烈な轟音と熱風と黒煙が、私達に降りかかってきた。


『かつて糟日部は全ての世界を治めていたのじゃ。
 しかし、戦争が起こって、多くの人々が死んだ。
 そして、海の向こうに通じる、旅の扉を封じ込めたのじゃ』


 糟日部の城下街で、あるおじいさんに聴いた話。
 その話に出てきた“旅の扉”を解放する為に、私達はそれはもう頑張りに頑張って、
 その為に必要なアイテム、“魔法の珠”をゲットした。
 そんで早速、旅の扉のある“誘いの洞窟”に来て、
 魔法の珠を、行き止まりの壁にぽっかり開いてた穴に填め込んだまでは良かったんだけど…。

「げほっ、げほっ……。あー…みんなだいじょぶ?」
「まあ、一応ね…。服とか髪とかは凄い事になっちゃったけど…」
「び、びっくりしたぁ……」
「本当ですね…」

 まさか、壁に埋め込んだ珠がいきなり爆発するなんて思わなかったヨ。
 こーゆー時のパターンって言えば大抵、眩い光を放ちながら壁が開いていくとか、
 突然何処とも知れない場所に飛ばされるとかなのにさ。ホント参っちゃうよねー。



「うわ。何これ、あちこちボロボロじゃない」

 解かれた封印の先にあった階段を降りると、そこには方々に枝分かれした通路と、
 それを形作る、だけど、あちこちが崩れた石の床と、ヒビ割れた緑色の壁があった。
 緑色の壁……クズ翡翠か何かかな? 何か殺人事件のトリックに使われて、逆に犯人を特定する決め手になりそうな感じがする。

「長い間封印されていましたからね……最短距離も通れなくなってしまっています…」
「ゆきちゃん、道知ってるの?」
「ええ。だいぶ小さい頃の記憶ですけど、ごく簡単な道程でしたから。…ですがこれでは…」

 そう言いながら、みゆきさんは少し先の空間に広がる、長い地割れに視線を落とした。
 地割れはご丁寧なコトに、みゆきさんの言う「最短距離」の通路左右の壁を繋ぐ様にできっちり続いていて、
 オマケに、その幅も飛び越えれそうに無い程にあった。

「迂回するしかないってコトだねー。みゆきさん、他の道は分かる?」
「残念ながらそこまでは……申し訳ありません」
「虱潰しに回り道を探すしか無いって事ね……って!」

 溜め息を吐きかけたかがみが突然、何かに気付いた様に、横手に鎖鎌の鎌の部分を投げ付けた。
 慌ててその先を見ると、通路の陰から覗く派手な羽が、鎌の刃で壁に縫い付けられていた。
 どう見ても人面蝶です。本当にありがとうございました。

「おお、かがみんお見事!」
「ありがと。でも、やっぱりモンスターもいるのね…」
「昔はいなかったんですが…」
「うぅ……大変そう…」



「後は、右の通路の扉を開けて、真っ直ぐ進むだけです」
「いやぁ、長かったネー。私ゃもうヘロヘロだよ……もうホイミの1回も唱えられないや」

 長い間人の手が入ってなかったせいか、洞窟の中はモンスターだらけだった。
 バブルスライムやアルミラージとかだけならまだしも、
 今まで見た事の無いモンスター達はどれも手強くて、私達はすっかり消耗しちゃってた。

「まあ、私のMPと薬草のストックはまだ余裕があるし、何とかなるんじゃない?」
「そうだね。もしいざとなったら、外に出てすぐにキメラの翼使ったらいいし」
「ここを抜ければロマリアは目と鼻の先ですから、キメラの翼は使わなくても大丈夫だと思いますよ」
「あ、そなんだ。どんだけー?」
「祠を出れば、もう城下街が見えるぐらいの、本当に近くですから、
 モンスターと遭遇する事もまず無いと思います」
「そりゃありがたいねー。流石にもう眠いし、着いたらすぐに宿屋に行きたいヨ…」
「そうね。んじゃ後一息、さくっと行っちゃいましょ」
「ハイハイ、それではご開帳といきますか」

 目の前の一際デカい扉の鍵穴に、盗賊の鍵を差し込んで回す。
 すぐにカチリと音がした。

「じゃ、開けるよ~」

 古びた扉がギイィと軋んだ音を立てて、ゆっくりと奥向きに開いていく。
 すぐにもわっとカビっぽい臭気が漂ってきて、目の前には───モンスターの御一行様がお待ちでした。








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  • 戦士がいないとキツイよね…つかさが足引っぱりそーだし -- 名無しさん (2011-04-13 00:58:11)

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