キャラシートの作り方:実践編


ここでは初心者がキャラ作成の際に詰まりやすそうな場面について、
具体的な対応例を示していきたいと思います。
初心者の方でなくても、何かの参考になれば幸いです。


ダイスの出目に合わせたキャラクターづくり

ダイスの女神は気まぐれです。セッション中はもちろんのこと、
キャラ作成の際もこちらの願いなどお構いなしに出目を引っ掻き回してくれます。

たとえ自分の中に「こういうキャラクターを作りたい」という願望があっても、
それを叶えてくれるような能力値がすぐ出てくれることはまず少ないと言ってよいでしょう。
「その場の出目に合わせてキャラを組み立てる」能力を養うことは、
振り直しの手間を減らすだけでなく、あなたの想像力(INT)を豊かにすることにも繋がります。

キャラの出自や職業設定に悩むことの多い方も、
是非こちらの対応例を参考にしてみてください。

対応例1:高STR低CON型

ダイスロールの結果
STR 15 APP 14
CON 7 SIZ 15
POW 10 INT 15
DEX 8 EDU 13
STR(筋力)は15と高めですが、CON(体力)はその半分しかありません。
DEX(敏捷)もあまり良いとは言えませんが、SIZ(体格)などは平均以上のようです。

CONは生命力の他に、キャラクターがどの程度の持久力を持っているかも表します。
そのため、低CONであるこのキャラクターは
「人並み以上の優れた筋肉が付いているが、持久力を要するスポーツの経験は乏しい」
と考えることができます。
DEXも高くないので、「機敏な動きを必要とするスポーツ」もあまりしたことがなさそうですね。
持久力も機敏な動きもいらないスポーツ、となると、だいぶ選択肢が狭まります。

したがって、このキャラクターの高STRはスポーツの経験というよりは、
むしろジム通いとか、あるいはボディビルの類によって得られたものと考えられるでしょう。
これらと合わせて、体格をよりよくするためにプロテインとか常飲してるかもしれません。

EDU(教育)は高卒+α程度ですが、INT(知性)は高めなので工夫への意欲、好奇心もありそうです。
身体を鍛えるための自己流の特訓メニューとか、そういうのを作っていることも考えられます。
通販番組で妙なトレーニングマシンを買ってしまっていそう、なんて考えることもできますね。

さて、こんなキャラクターの職業はどうなるのでしょうか。
STRが高いのでつい力仕事系を選びそうになってしまいますが、力仕事は体力仕事でもあります。
低CONで引越し業者や建設業者が務まるか、というと、あんまり務まらない気もします。

ただ、筋肉がついているのは確かです。体格がいいのも確かです。ついでにAPP(容姿)が14なので、
初対面の第一印象は「イイ顔、イイ筋肉、イイ体格」といったところでしょうか。
これはちょっと威圧感がありそうですね。威圧感が役立つ職業が第一候補になりそうです。
筆者は「消費者金融の返済催促担当」が浮かびました。読者の皆様はどうでしょうか。

対応例2:バランス取れすぎ型

ダイスロールの結果
STR 13 APP 10
CON 10 SIZ 12
POW 13 INT 13
DEX 11 EDU 13
どれもこれも平均前後に収まってしまい、能力値だけでは没個性なキャラになってしまうパターンです。
下手に値が偏るよりもこっちの方が困る、という方は多いのではないでしょうか。

ここまでくると、いっそのこと極端な凡庸を目指してしまってもいいかもしれません。
が、それではここに書くことが無くなるので、頑張って設定面で特徴を出してみます。

対応例1と同様こちらもEDUは13なので、学歴は高卒+αと考えて大丈夫でしょう。
とりあえずは、このキャラクターが高卒である理由から取っ掛かりを作っていくことにします。
高卒であるからには、「家庭の事情で大学に行くことができない」とか、
「大学に行けるだけの能力がない」といった理由があることが考えられます。

しかし大学に受かる能力がないなどと断じてしまうのはちょっとかわいそうなので、
ここは「家庭の事情で大学へ進学できなかった」ということにしておきましょう。
では、このキャラクターが大学へ行くことのできない「家庭の事情」とは何だったのでしょうか。
「ひとつの疑問に答えを与え、そこから新たな疑問を見出す」はキャラ作成の基本手法です。

まず「家計に余裕がないので早く就職してほしい」というものがひとつの事情として考えられますね。
あるいは「大学なんか行くくらいなら家業を継いでほしい」という事情も考えられるかもしれません。
前者はあまり笑えないので、後者を選ぶことにします。

さて、子供を跡継ぎにすることを急がないといけない家業とはどういう職種でしょう。
跡継ぎ不足な職というと、都会の町工場や、田舎の農家、牧場などが考えられますね。
日本には丁度よく工業高校、農業高校といった職業高等学校があるので、
こうした仕事ならば高卒で従事することも不自然ではありません。

これらを総合するとどうでしょう、こんなぼんやりとした能力値からでも、
「家業を継ぐ人がいないからと、親の圧力によって進路を決められた」という来歴が出来上がります。
後は実家で家業をさせながら冒険心を鬱積させるもよし、あるいは親との喧嘩の末に家を飛び出させ、
適当な探偵事務所に転がり込ませるもよしです。いずれにしてもクトゥルフ向けの展開には違いありません。

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最終更新:2017年11月18日 20:54