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『えす☆えふ』番外編 ~ こなたが『こな☆フェチ』を発症したでござる の巻 ~

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        『えす☆えふ』番外編
こなたが『こな☆フェチ』を発症したでござる の巻
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 ……さて、前置きが長くなったがそれはさておき。
 完璧超常生物・高良みゆきの手によるシミュラクラ・アンドロイドであるこなつーは、基本的にフリーメンテナンスである。
 自己修復、冗長構成、機能代行、縮退再構成。さまざまな概念や機構を駆使し、外的要因による破損、あるいはその頭脳が「老衰による死」をエミュレートするに至らない限り、最低限の機能維持が保証されているのだ。

 とはいえ、設備や時間が許すのであれば、メンテナンスはするに越したことはない、とみゆきは言う。
 メンテナンスにかこつけて、こなつーさんにあんなことやこんなことを……だばだば。との事である。
 一分の隙もない、実に説得力に満ち溢れた理由だと思う。


  ☆


「……ふむふむ、ステータスインジケーターは全部緑……っと。うん、問題なさそーだネ」
 ベッドにうつぶせに寝た、こなつーの背中。肩甲骨に沿って設けられたハッチから、内部機構を覗き込む。
「……あのさ、こなた姉さん」
「んー、何?」

「……なんで私のお尻撫でてんのさ」
 ジトー、という音が聞こえてきそうな、こなつーの視線。こなたは慌てて手を引っ込める。

「あ、あれ? あれ~?」
「まさか、姉さんにそーいう趣味があるとは思わなかったよ」
 ちょっと意地の悪い、こなつーのニヤニヤ顔。
「いや、わざとじゃないんだって! 自分でも何がなんだか……」

 そうしよう、という意思があったわけではない。
 全く無意識に……ごく自然に。まるで吸い寄せられるかのように、こなたはそうしていた。

「ん、んじゃ今度は前ね」
「……ホントに大丈夫かな……」
 仰向けになり、視界の右下からメニューを開く。メンテナンスコマンド発行。柔らかい胸の皮膚が瞬時に硬化し、パネルラインから大きく開いた。

「どれどれ、……」
 ペンライトで照らしながら、お腹のほうから頭に向かって、肩まわりの機構を覗き込む。
 故障ではない異常……たとえば異物の噛み込みなどがないか。そういった日常の点検が、日々の快調な動作を約束してくれるというわけだ。

「……ところでさ、姉さん」
「何?」
「それなんて『銃夢』?」

 こなたの右手は、こなつーの左胸のあたり……空冷式熱交換ユニットの滑らかなカバーをナデナデしている。無意識に。

「おほわっ!?」
 素っ頓狂な声をあげて、こなたは思わず飛び退った。
「いや、悲鳴あげるのはこっちの方だって」

 こなつーは基本的に原作準拠なので、アニメ版準拠のこなたと違い、リアクションはあまり派手なほうではない。
 したがって、こういう場合でも反応は比較的冷静である。以上、楽屋ネタでした。

「……あ、ありのまま 今起こったことを話すぜ!」
「次にお前は、『俺はこなつーのメンテをしていると思ったら、いつのまにかお尻や胸をナデナデしていた』と言う!」
「俺はこなつーの……はッ!?」

 ……ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 って、遊んでる場合じゃないだろ常考。


  ☆


「……ほい、おしまい。いろいろあったけど、こなつーは元気です」
「ありがと。でも私は元気でも姉さんが変です」
「う、釈明の余地もございません」

 (=△=.;)←こんなカオのこなたを横目に、そそくさと着衣の乱れを直す。

「ホント、どしたのさ? 昨日なんか変なもの食べたとか?」
「いや、私にも何が起こってるんだかさっぱり……」

 右手でこなつーをかき抱き、深い藍色をたたえた髪を撫でる。

「気づいたら身体が勝手に、って、んに゙ゃっ!?」
「ちょ、エスカレートしてるーー!!」
「い、いやホント、私リアルでそーいう趣味ないからハァハァ」
「……ハァハァ?」

「そーいう趣味はない……ないんだけど…………ふっふっふ、せっかくだから、かわいがってやろうでわないか~」
 どうみてもエロゲー攻略中の顔です。本当にありがとうございました。

「はっ!? まさか……そーいう事?」
 事ここに至り、こなつーはようやく事態を理解した。

 だが、事態を理解したのは、こなつーだけではなかったのである。

「なるほど、泉さんが『こな☆フェチ』を発症するなんて、実に興味深い臨床例でつねだばだば」
「自分自身には萌えなくとも、類似の存在であるこなつーさんがその対象となる……とだばだば」
「次回の『世界こな☆フェチ学会』で発表する必要がありますねだばだば」

 それにしても、『☆』と『学会』って死ぬほど不似合いだな。どうでもいいけど。

「み、みゆきお母さんにみつきさんっ!? いつの間にっ?」
 天井の羽目板を外して現れた、ピンクと赤の超常コンビに気を取られたその隙に。こなたの顔がぐぐーっと迫ってくる。

「ちょ、ねーさんっ! 『自分には萌えない』っていってたじゃんっ!?」
「えー? そんなの当たり前じゃ……あ、あれ?」

『ボスが来たモード』を発動したかのごとく、こなたの反応が素に戻った。
「お、正気に戻ったかな?」

 ……しかし、次の瞬間。
「ふぎゅっ!?」
 鳩尾に一発食らったような、くぐもった悲鳴。こなたの身体が崩折れる。
「ね、姉さんっ!?」
「……ぅぁ……ぐ……」
 喉をかきむしり、苦悶の表情を浮かべてのた打ち回る。……いったい、こなたに何が起こったのだろうか?

「泉さんっ!?」
 事態の急変を察した二体の超常生物が、糸を引きつつ天井からするすると降りてくる。アホ毛の少女に身悶えする女、スパイダーマ!

「姉さん! しっかり……って、えぇっ!?」
 抱き起こしたこなたの胸元、セーラー服の胸当てのホックが、内側からの圧力ではじけ飛んだ。
 タイのあたりに窮屈そうな皺を寄せながら、その胸がみるみるうちに盛り上がっていく。

「な、なんぞこれー!?」
 めきめきと音を立て、その腕が、脚が伸びていく。

 時間にして、一分足らずの後。
 豊かに盛り上がった胸、そして妖艶な腰つき……こなつーの目の前に、絶世の美女が横たわっていた。

「……そんな……」
 驚愕の表情を浮かべ、立ち尽くすみゆきとみつき。
「み、みゆきお母さんっ! 何が起こってんのさコレ!?」
 その表情にただならぬものを感じ、こなつーの顔に焦りが浮かぶ。

「……ま……負けました……」
 十一回裏零対零、二死ランナーなしからサヨナラホームランを浴びたエースピッチャーのように、膝をつき打ちひしがれる四個の巨乳。ネット用語的に言えばorz状態。
「そっちかいっ!」
 その一瞬、かがみのツッコミ神がこなつーに乗り移った。

「……ふぅっ」
 深い息をついて、絶世の美女が身を起こした。
 身長は百七十センチはあるだろうか。切れ長の目とほっそりとした顎。乱れた髪を掻きあげる指は、白魚のように細い。
「……あのー……どちらさんデスカ?」
 ぱっつんぱっつんになった冬制服は、サイコフレーム……もとい、胸元やおへそが覗いている。……ぶっちゃけ、ひと昔前の場末のキャバレーのコスプレのようでもある。

「なるほど……デストロイモードか。でもさすがにアホ毛は分かれないんだネ」
「いや、冷静になってる場合じゃないでしょ姉さん」

 しばしの間、胸をぱふぱふしたり、指先をしげしげと眺めたりしていたこなただったが、
「……ちびっ子な私萌え~」
 その艶めいた視線を、こなつーへと移した。

「!! ……ちょ、待っ、姉さ、落ち着こ、ねっ?」
 とっさに飛び退るこなつー。……しかし、すぐ後ろは壁である。
 ポスターの中でにこやかに微笑むリシアンサスが、「あきらめてね☆」と宣告しているように見えた。

「……なるほど、自分のほうが変わってしまえば『自分萌え』も可能になる、というわけでふねだばだば」
「まさに逆転の発想、さすがでふね泉さんだばだば」
「いやーそれほどでもだばだば」
「だばだば」
「だばだば」

 そこら中を真っ赤に染めながら、都合六つのおっぱいが、こなつーへとにじり寄る。
「にに、日本語でおk!! てか落ち着いて、ね、落ち着いてみんなっ!!」

「ガイア、マッシュ! ジェットストリームアタックだヨ!だばだば!!」
「だばだば!!」

 こなたの号令一下、ナイスバディな三機のドムが、こなつーめがけて襲いかかった。

「結局これか~~~~~、あ、アッーーー!!」



 ― 合掌 ―


















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  • GJ! -- 名無しさん (2022-12-31 09:34:11)
  • せくしーお姉さん×チビッコ妹か…ふふっ


    最ッ高ォオオオオオオおおおおおおおオオオオオオオオオオオ~~~~~~っっ!!!!!!!!!!! -- 名無しさん (2011-05-06 02:54:15)
  • ああとうとうこなた自身まで・・・しかも壊れっぷりはみゆきさんを凌駕した!別人になっちゃったし!
    てかこれって「こな☆フェチ」じゃなくて「こなつー☆フェチのような希ガス。
    とりあえずGJ!このペースでどこまでも飛んで欲しい! -- 名無しさん (2008-06-01 20:28:42)

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