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続 ここにある彼方(11)

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匿名ユーザー

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(いや~~~しかし、身動き取りづらい空気ですなこれは。恋人モードに突入ですか。空間が隔離されてますよ~
まぁ見てても悪くはないんだけど、この後が困ったな。ここから動けないじゃん…どうしたものかねぇ~)
片付けもほぼ終わったこなたが、さて、どう声を掛けたものかと思案しだす。
(しょうがない、邪魔するのもなんだし、そろ~~と二人の後ろを抜き足差し足忍び足って感じで…)
持ち前の運動神経の高さを発揮して、そろりと二人の後ろを抜けて、開けっ放しのドアからそのまま逃げ去りが成功した、
と思った時に、かなたに見つかってしまった。
「あ、あら、こなた…ご、ごめんね…その…ついね、えへへ…」
少しバツが悪そうに、でも幸せそうな笑顔でこなたを呼び止める。
「あちゃっ、見つかっちゃったか。とりあえず、お邪魔虫は退散するよ。先にお風呂でも入ってるからさ」
「あ、ちょっと待って。お風呂ならわたしも一緒に入るわ」
かなたが、あわてて立ち上がろうとする。
そんなかなたを制するようにこなたが
「いや~わたしは昨日一緒に入ったしさ、今日はお父さんと一緒に入ってあげてよ」
「へ?そ、そう君と?……」
虚をつかれたようにキョトンとしたあと、言葉の意味を理解して一気に赤くなる。
「ちょっちょっと…べ、べつにそんなに気を使ってくれなくても…ねぇ…」
あたふたとしつつ、後ろのそうじろうの顔を覗き込む。
「あははは………お、おれは……」
覗き込むかなたに対して、ちょっと目線を外しながら
「……かなたと、入りたいかな……」
恥ずかしげにほほの辺りをぽりぽりとひっかく。
会話が続かず二人とも黙ってしまう。
「「………………」」
沈黙が恥ずかしさを加速させたのか、頭から湯気でも出てきそうな勢いで二人とも赤くなって固まってしまう。
(あらら~~ま、放っときゃ治るかな?)
「んじゃ、先にお風呂入ってるね」
逃げるようにこなたが出て行く。
残された二人。
しばらく、無言で固まっていたが
「…はははは…一緒に入りたいだなんて、ちょっと調子に乗り過ぎちゃったかな?」
そうじろうが話し出す。
「…ううん…そんなことは…………」
下を向いたままのかなた。
再び、長い沈黙が空間を支配する。
かなたを引き寄せるように抱きかかえている腕に力を込める。
「………かなた…」
「そう君……」
頬寄せるそうじろうにそのまま背中をあずけされるがままになる。
そこへ、風呂上がりでほくほくなこなたがひょいっと顔をだす。
二人をにまーとなめるように見た後に
「お風呂空いたからどぞー」
とだけ言って立ち去ろうとする。
「…おいおい、随分と早いな」
そうじろうが、なんとか返事をする。
「んあ~シャワーしか浴びてないしね、二人の時間を無駄に使う訳にもいかないしね。わたしはしばらく部屋で
ゲームでもしてるからさ、わたしのことなんて気にしないで二人で入ってきなよ。そいじゃ~ね~」
それ以上の会話を受け付けないように、素早く立ち去っていくこなた。
しばらくして
「そ、そいじゃ、お言葉に甘えて、ふ、ふろに、いこうか?」
ロボットのようにカクカクとしながら言い終えて、かなたを膝上から降ろし立ち上がる。
「さ、先に入ってて、そう君。わたしは後から行くから」
「あ、あぁ~~うん…じゃ、先に入ってるよ」
そうじろうがぎくしゃくとしながら、一人風呂へと向かっていく。



さっさと身体と頭を洗い、湯船につかり、ふぅ~と一息いれる。
「うーんなかなかこないな…まさか、水着に着替えてるとか?……いや~さすがにそれはないか……」
ぼーーーと特になにを考え込む訳でもなく、入り口付近を見ていた。
と、そこへ人影が写りこむ。
「そ、そう君?…いい?」
ためらいがちに、少し小さな声が掛かってきた。
「!!!!」
瞬間、ドキッと心臓が止まり、鼓動が一気に激しくなる。
「あ あ あ あ ど、 ど、 ど う ぞ」
ぎこちなく返事をする。
スッと風呂のドアが開きかなたがお風呂へと入ってくる。
胸元から太もものあたりまである長めのタオルで前側を隠してはいるが、一糸まとわぬその姿。
はずかしそうに、そうじろうの方をちらっと見るも直視できず下の方に顔を向けてしまう。
「………………!!」
その姿に心を奪われてしまい見とれる。
(………う、お、あ、や、やばい、か、かわいい!!かわいすぎるぞ、かなた!!とっとと声を掛けるべきなんだろうが、
し、しばらくこの姿を見ていても、いいよな?な?な?…そんなのいいに決まってるじゃないか!!そうだよな、俺!!)
自分に許可を求め、自分でOKを出す。
(………ってあ、あれ?なんだこの既視感は……初めてじゃ……ないな……前にもこんな感じの記憶が…
あ!あああ~そうだ、初めて一緒に入った時もこんな感じだったな…ん~~~これは、ものすんごく……)
「懐かしいな……」
思わず言葉が漏れる。
「え?」
ちょっと想像していなかった言葉にそうじろうを見つめる。が、すぐに気恥ずかしくなり、またうつむいてしまう。
「ん?いや、なに、昔かなたと一緒に初めて風呂に入った時もこんな感じで、今のかなたの仕草とダブって見えてさ
おもわず、懐かしいなって口から漏れちまったよ、ははは」
「そ、そう?」
「そうそう、その恥ずかしげな仕草とか…もう、そのまんまじゃないかな?ん~~なんにせよ、かわいい!!
かわいいよ!!かなた!!そして、きれいで美しい。もう一度拝むことができるなんて!!あぁ~生きててよかった…」
はらはらと涙を流す。
「もう…大袈裟ね」
だいぶ緊張もほぐれ堅さがなくなってきたかなたが、椅子に腰掛けシャワーを浴び始める。
そんなかなたを、ついつい食い入るように見てしまう。
(こうして、一連の動作を見ているとほんとに昔に戻ったみたいだよなぁ~)
髪の毛を洗う仕草、身体を洗う仕草、当たり前なのだがその全てが当時のままであり不思議な感覚がする。
(まるでタイムスリップしちまったみたいだな。ここまで来たらもはや夢オチでも構わんな。良い夢見れたぜ。てな。
ま、夢じゃないけどな……いや~~でも夢みたい。そういや、髪を伸ばし始めたこなたに髪の毛の手入れ方法というか
洗い方として教えたやり方は、かなたがこうしてたなぁと思い出しながらだったんだよなぁ~~意外と覚えてた自分に
驚いたもんだったな)
かなたが髪をクルクルっと頭の上にまとめ始める。
(おっ!?そろそろ、終わりが近いか…)
タオルを手に立ち上がり、前側を隠すようにして浴槽の方へと近づいていく。
「そんなに見つめられると……なんか…やっぱり……ちょっと、恥ずかしいわね…」
浴槽を跨ぐ時に、タオルの隙間から内股やら小さく膨らんだ胸元などがちらりと見えた。
一瞬ではあったが、そうじろうにとって破壊力は抜群だった。よくある漫画なら鼻血大量出血もの。
(チラリと見えるのがこれまた、たまらんなぁ~ああああああもう~萌え死にそ)



湯船につかりタオルを畳んで浴槽に置き、以前していたように、そうじろうに背中を預けるような格好で寄りかかる。
そうじろうも、かつてと同じように、寄りかかってきたかなたを後ろから抱きしめる。
「なんにも変わってないな…あの当時と…俺が年を取ったくらいか…」
「でも、あそこは年を取ってないみたいね……んもー、あたってるわよ?おちんちんが」
「あはは、いやーー、まぁ久しぶりだしな、コレばっかりはしょうがないさ」
「ばか…やっぱり、したかったの?」
「あった棒よ!!」
「確かに、棒ね…はぁ…したかったんなら、昨日、あんな格好つけた事言わなければ良かったのに。
今日はもう時間的にも無理でしょ?」
「いや、いいんだよ。俺の性欲なんかより、こなたの方が大事なんだから」
「ほんとに?」
「ああ。こなたにお前との想い出を持ってもらう方がよっぽど大事さ。こなたには無かった訳だからさ、今まで。
持ってて欲しかったんだ、母親の記憶を、想い出を」
「………そう君ってばやっぱり、ちゃんとお父さんできてるよね。ちょっとうらやましいかも」
「ははは、そうか?ちゃんとお父さんできてるかな?」
「ええ、ちゃんと」
「そうか…良かった、安心したよ俺」
ふぅ~と安堵のため息をつく。
「ねぇねぇ、そう君、いつぐらいまでこなたとお風呂入ってたの?」
何気にかなたが質問する。
「うーん、小5辺りかなぁ~いや、6年生の途中までか?いまいち覚えてないけど、ま、そこら辺だ」
記憶をたどりながら返答する。
「こなたからもう入りたくないって言われたの?」
「いや、俺からだ。そろそろ、こなたも子供の女の子から大人の女性になりつつあるんだ、いつまでも
一緒はまずいから、そろそろやめようか?ってな」
「へぇ~そう君からっていうのが意外というか、なんというか」
「ん、まぁ、俺の理性というか、息子がだな、反応寸前になってきて危険だっつーのもあったんだがな」
少し申し訳無さげに語る。
「まっ!!そう君ってば。年端もいかない実の娘に欲情してどうするの!!」
きゅ―――――っとそうじろうの息子を握る。
「ちょ―――――っま―――――イテ――――――――!!だってしょうがね――――だろ―――――!!」
顔を苦痛に歪めつつ
「かなたにそっくり過ぎなんだよ、こなたは!!」
そのセリフに、はっ!となり、きゅっとにぎっていた物を離す。
「そうね…わたしも、自分でビックリしちゃうくらい似てるものね…まるで鏡でも見てるみたいだったもの…」
「だろだろ?不可抗力ってやつだよ。だから、早めにけじめをつけたんさ」
ほっと一息のそうじろう。
「………でも、やっぱりダメ!!ちょっとお仕置き」
袋の部分をきゅっとつねる。
「!!!!っぐがっつっ」
「ぷっふふふふ」
そのリアクションに、笑顔が戻るかなた。
「あたたたた…ひでーぞ、かなた~」
「ふふふ…そう君のばーか」
そう言いつつ、目をつむりおもいっきり背中を押し付けるようにあずける。
「あぁ…ばかで結構さ…」
そうじろうも後ろからかなたを抱きしめる。
「バカだけど、オタクだけど…世界中の誰よりもかなた…お前のことを愛してる…これだけは誰にも負けない
誰にも譲れない!!」
熱く語るそうじろう。
ほぼ真横に位置しているそうじろうの顔にほほ寄せ
「…そう君…それはきっとわたしも同じ…誰よりもそう君のことを愛してる」
と、クルッと身体半分をひねり、すぐ横にあるそうじろうのほっぺに「ちゅっ」と軽くキスをする。




















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コメント:
  • 爽やかな微エロが個人的には
    GOODです -- チャムチロ (2012-10-05 08:10:11)
  • 初めの頃は面白かったのですが、泉一家だけの話が長々と続きそろそろ飽きが来ました個人的に。
    そろそろ別キャラクターとのからみがほしいかな。 -- 名無しさん (2008-03-30 06:48:53)

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