kairakunoza @ ウィキ

アシスタント

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
暗闇の中で、ふと目が醒めた。酔いのせいか、頭が痛い。
目の前に転がる酒瓶の数々…そしてピンクのボール。
ぼ…ボール?
よく目をこらしてみると、頭のようだった。
…あきら様か?いや、あきら様しかいないよな、この髪は。
しかし、見覚えのない部屋だ。何故自分がここにいるのか、検討もつかない。
カーテンはピンク色…僕の趣味じゃないし…まさか…
しかしとりあえず便所に行きたくて、身を起こす。
あぁやっぱりそうだ、ここはあきら様の部屋だ。そう確信したのは、机の上の写真だった。
フレームの中の3人ーピンクの髪をした幼女と、両親と見られる大人たちが写っている。真ん中の女の子だけ、こちらを向いて幸せそうに笑っている……周りの大人は笑っていないのに。

「…ぱ…ぱ…?」
その声は寂しさを含んでいるように聞こえた。なんだ…僕と父親をダブらせたのかな…
「あ…んだ、白石…か…ふあぁ」
「お目覚めですか?あきら様?」
身を起こし、目を擦りながらこちらを見る姿は、なんとも頼りなかった。
「あ、あきら様、すみません、お手洗いはどこに」


「いっちゃダメ」
へ?
いや、漏らせとおっしゃるのですかっ!
「あきらから離れちゃやだ!!」
意味がよく分からない。どういうことなんだ?
「僕は、ここに居ますよ…?」
「やだ!!そういって…どうせ…どうせ白石も居なくなるんだ!!」

あきら様が…泣いてる…
ぽろぽろと大粒の涙が、次から次から頬を濡らす。
僕はあきら様に近付いた。僕はここにいるのに、何故泣くんだろう…
あきら様の髪をなでてみる。さらさらしていて、気持ち良い…と、
「白石!」
「はい…?」
「あんたは、あたしの側から…離れない、よね?」
あきら様は俺を真っ直ぐに見つめる。僕に悪態つくときみたいな冷たい目線ではなく、いつになく真剣だった。
「僕は…あきら様のアシスタント、ですよ?離れるわけないじゃないで」
「番組が終わっても!!白石は離れちゃやだ!!もう…捨てられたくないよ…」
次の瞬間、あきら様は僕の腕の中にいた。あきら様の辛そうな顔を、もう見て居られなかった。
「僕は…あきら様に悲しい顔を、して欲しくないんですよ…」
「…しら…いし…?」
「僕が、あきら様のアシスタント、なんですよ?この世で唯一の。」
僕は、あきら様の頬を両手で包んだ。


はっ、とあきら様の視線が、僕のとぶつかる。
「僕は…貴女を、一生守りとおひまふ…!!」


噛んだ。


一番、一番大事なところで…!!!


あぁぁぁもう見ないで、あきら様、やめてー………
僕は恥ずかしさで沸騰しそうです。穴があったらツインドリルで掘ります。そしてそこに捨てて下さい……!

「……ばか…ばかじゃない…の…噛んでる」
そこに笑わないでー!!!もう泣きそうだよ、母さん、父さん、こんな息子でごめんなさい…
ぷにゅっ

「?」

僕はまだわからなかった。
目の前にあきら様がいて。
僕はそれをぼっとみてて。
いままでにない密着感で。

それがキスだとわかった
くちびると、くちびるが

あ、離れた。
「白石、ありがと…」
「どういたしまして…」
「じゃ、離してあげないから」


あきら様は立ち上がり、箱の中をごそごそと…
そして、その手には、赤いリボン…レースの。

「白石、小指貸して。」
言われるがままに、両手をパーにして差し出す。すると、赤いレースのリボンは、僕の左の小指に結ばれた。

「結んで?」
にっこりと微笑むあきら様につられて笑ってしまう。ダメだ、もうこの人には、勝てそうにない。
あきら様の小さくて細い指に、赤いリボンを結ぶ。

「みてみてー、運命の赤い糸~♪」

僕は笑いながら、彼女の頬にキスをした。

おわり…?













コメントフォーム

名前:
コメント:
  • おおぉ☆
    萌えたww
    -- 名無しさん (2009-05-07 06:11:09)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー