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おんせんりょこう

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

――
ガタンっ!
列車の窓を上に開ける
「うわぁ~!、みなみちゃん、海だよ海!」
窓から入る風は強くて激しい、けど何故か心地いい
「ん…綺麗だね」
もっともそれはゆたかにもかかっている言葉なのだけれど…


おんせんりょこう


「すかー…むにゃ…」
さっきまではしゃいでいた彼女はどこへやら、すっかり眠り込んでいた、朝も早かったし…仕方ない、か
「私も眠らないようにしないと…」
今日はゆたかと付き合い始めてからの初めての遠出…失敗しないようにしないと!
小さく拳をつくりグッと力を込めた
「チェリーちゃんは…かわいいな…むにゃ…」
「その言葉…」
前に田村さんが話してた…?
「……」
ちょっとチェリーにむっとしてしまった…人間じゃなくて動物相手に嫉妬するだなんて…
「ふふっ…」
自分でもおかしくなり苦笑する

「…みなみちゃん…かわいいよ…ぉ…」
「え?…ぁ、う…」
もちろん寝言だ
「――~~…!」
けど私はいきなりの言葉に恥ずかしくなってまともにゆたかの顔を見れなくなった
「……」
ガタンっ、ガタンっ…
電車の揺れる音がやけに響く
ちらっとゆたかの顔をみてみた、ごくりっと息を飲む
……わ、私も…
「ゆ、ゆたかも―」
「………みなみちゃん……なあに…?」
「ふひゃぁっ?!?」
いつの間にかゆたかは起きていたらしい
「う…な、何でもない……あ、そろそろ降りる駅だよ」
こほんと咳払いをし話題を変える私だった



――
旅館にチェックインして、とりあえず部屋で一息つく私たち
「時期が良かったら泳げたのにねー…こうなったら露天風呂で泳ぐしかないよね、うん!」
ゆたかは張り切っている
「もう…子供じゃないんだから…」
みなみちゃんはふぅ…とため息をつきそうな感じだ
「うん……でもね」
私は心からの言葉を口に出した
「…みなみちゃんの前では思いっきり子供でいたいんだ、みなみちゃんに力一杯甘えたいな、、って」
ゆたかは笑顔で答える、その笑顔はきれいでまぶしくて―
「うん…たっぷり甘えて、ね」
ふにゃり
みなみちゃんはそんな擬音が似合いそうな笑顔をした

「でも、いくら子供だからっておもらししたら…駄目だよ」
「な!、お漏らしなんてしてないもん!」
「ごめん…冗談だよ」
「……そう言うのがいいなら…してもいい、よ…私も…その…」
「本当にごめん…冗談だから…」
―もうちょっとみなみちゃんを困らせちゃおう…
ちょっとした悪戯を思い付いた
「じゃあここでしようかナ…?」
私はスカートに手をかける
「ゆゆゆゆたか?!」
「な~んて、冗談返しだよ♪」
ゆたかは小悪魔ちっくなウィンクと笑顔で返す
「もう…」
やれやれと思いつつも彼女の前では自然と笑顔になれる私がいた
…ゆたかと会うまではこんな自分、知らなかったな……

「…ゆたか、これからどうする?」
「んー、近くをぶらぶらする、とか?、まだ時間あるし…」
「…じゃあ、そうしようか」
と言って私は右手をゆたかの前に出す、いつでもゆたかを守れる様、自分が左側に来る様に
「うん♪」
私は左手で手を繋ぐ
そしてお互いに見つめ合い、微笑い合った
私は安心感からだけど…みなみちゃんは何だろう?
「じゃ、行こっか」


数時間後、くたくたになった私たちは旅館に戻って来た
「以外と、広かったね……」
「うん、へとへとでべとべとだよー…」
「―露天風呂入ろうか、一緒に」
ゆたかの方へ顔を向け微笑みながら話し、ゆたかの反応を待つ
「ぇ、あ…うん」
私はその微笑む顔がみなみちゃんの好きな理由の1つだと再認識した―
「………ぁ」
…ら途端に恥ずかしくなって顔が赤くなってきた、うう…みなみちゃんの顔が見れない…
「ゆたか…?」
するとみなみちゃんが不思議そうに顔を除きこんでくる
「ぅ…な、何でもないよぉ!」


かぽーん…
「ふぅー…気っ持ちいい~♪」
「もう、先に入らなくても…」
ゆたかはよほど疲れていたのか一目散に服を脱いで温泉に入っていった
「私が嫌なのかな…」
いや…さっきまであんな感じだったのにいきなりそんな事は…
「恥ずかしかったから…?」
…そう考えるのが自然だろうか
「…よし、と」
服を全部脱いでたたみ終わった私は、タオルを手に持ち外の浴場へと向かう

がらがらっ
―ぶわぁ…
扉を開けると白い湯気と冷たい空気が飛び出してくる、それはとても爽やかで―
なんだかすっきりした気分になった
「んっ…」
伸びをする、だいぶこっているみたいだ…ちょっと無理してたのかも…
「みなみちゃーん、気持ちいーよぉ~早くはいろー?」
「もう少し待っててー!」
ばしゃぁ!
桶を持ち、湯を入れ、何度か体にかけた
「…ふぅ」
そしてゆたかが入っている露天風呂に向かう
窓からは水面ではなく、外に体を向け、岩縁に両肘を付け私が来るのを心待ちにしているゆたかが見えた
「ごめん、待ったよね…」
「あ、ううん、私こそごめんね……待ち切れなくてぇ…」
ちゃぷ…
いきなり入ると体に悪いので徐々に湯船に使っていく
「………」
そういえば…今私たち以外浴場にいなかったような…
それと…薄い湯気・外という開放感…そして裸…
ごくっ
思わず唾を飲んだ…って言い出しっぺは私なのに何で今更……
「みなみちゃんの横丸見え~♪」
「へ…ひゃぁっ?!」
そそうだ私今足だけ付けてタオルかけてるから前は見えないけど横から見ると丸見えでむねー…あ、むねは無…はぁ……
「…わ、わざわざ言わないで!」
じゃぶんっ!
思わず勢いで湯船に浸かった

「ふぅ~……」
あぁ、露天風呂ってこんなにいい気分になるものだったんだ…これもゆたかのおかげなのかな?
「気持ちいいねー…」
「そうだねー……何だか新鮮な気分だよー…」
「新鮮?」
「うん、2人でお風呂に入る事はあっても、こうして旅行に行ったりはしてなかったでしょ?」
ゆたかの頭は上を向いていて、顔はよく見えない
「そうだね…」
‐幸福と温かさとが入り交じったようなよく分からないけど、とにかくほわほわとした気分‐
ゆたかは今の私と同じ気持ち何だろうか?

こつん…
「「…ぁ」」
湯船の中で手を動かすとゆたかの手に当たった
少し、ほんの少し当たっただけなのに浸かっている湯よりも熱いモノが全身を駆け巡る
どくん、どくんどくんどくん…
心臓の鼓動が高く、息つく暇なく響く
「…―ゆたか」
…スイッチ、入っちゃった
私の手はゆたかの体に優しく触れていく
「…あ、えと…みなみちゃん…」
「…なあに?」
「その…みなみちゃんは嫌いじゃないの、うん」
「…?」
「一応ここ…外で、露天風呂だし…他の人も使うから…その…」
ゆたかはうつむいて私の反応を気にしながら話す
「…そうだね…うん、ごめん」
「……うん」
「なら」
ちゅ…
そっとキスをし、ゆっくりと顔を離した
「これだけなら…いいよね?」
「……!」
ゆたかは驚いているようで、口をパクパクさせている
「…そろそろ、上がる?」
「え、あ…うん」


更衣室で浴衣に着替え、部屋に戻るとお料理と共にお布団が1組だけ敷いてあった
「…さっきの見られてたのかな」
ゆたかが恥じらいながら私に聞く
「…ごめん」
「あ、いや…私の方こそ…ごめんなさい」
「気にしなくてもいいよ…ゆたか、ひとまずご飯食べよ?」

そうして私たちはご飯を食べさせ合ったりして、そうこうしている間に夜になり―…
「―で、これどうしよう、みなみちゃん?」
ゆたかは1組だけの布団を見ながら言う
「…せっかくだから寝てみる?」
「…うんv」
そして私たちは1組の布団で、浴衣で、手を繋ぎ合って眠りに落ちていく
…寝るか寝ないかの状態で、ふと思った、‐隣にゆたかがいるという安心感・繋ぎ合っているという安心感‐
これがあるから、私は私でいられるんだ、と
これを、ゆたかを、最愛の友達をずっとずっと大切にしていこう、ずっと、ずっと…と私は改めて誓った



















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  • はぁはぁっ メモメモ... -- ひより (2010-04-19 04:08:14)
  • 俺、かがこな派だけど、ゆたみなも良いな。 -- kk (2010-04-12 22:39:35)
  • 萌えるのだぁヨ -- こなた (2010-04-12 02:13:55)
  • やばい可愛い GJ -- 名無しさん (2010-04-11 16:54:06)
  • GJ! -- 名無しさん (2009-11-12 15:34:16)
  • みなゆた大好き
    もっと書いて -- 名無しさん (2009-08-23 23:33:55)
  • やはりゆたみなは最高すぎる。GJ! -- 名無しさん (2009-05-29 04:45:24)

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