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<p><dt><a href="menu:349" target="_top" name="349"><font color="#0000ff">349</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:24:43 <a href="id:349" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>目覚めると、そこはいつもの教室だった。 <br /> 「おはよう、榊さん」 <br /> 目の前には見知った友人がひとり、自分を見下ろすように立っていた。 <br /> …体が痛い…。 <br /> 腕も動かないし…椅子にでも座らされているのか? <br /> 「ごめんなさい、榊さんのはあんまりきつくしてないつもりなんですけど」 <br /> え…? <br /> これは…ガムテープか? <br /> 後ろにまわされた手首と、足首にも。 <br /> 「痛いんですか?ごめんなさい…。でも、榊さんが悪いんだもん。我慢できますよね」 <br /> …どういうことだ。 <br /> すらすら話す彼女の目は変に濁っている。 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:350" target="_top" name="350"><font color="#0000ff">350</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:26:28 <a href="id:350" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>待てよ…。 <br /> 榊さんの‘は’きつくしなかった…? <br /> まさか…。 <br /> 「…神楽!」 <br /> 「…ん、え?…あぁ」 <br /> 今気が付いたのか。 <br /> 「…何だこれ?…かおりん?」 <br /> 「おはよ」 <br /> 彼女は不気味に笑っている。 <br /> 「おい!どういうことだ?これ取れよ!」 <br /> 「待て!」 <br /> 私は目の前の少女の手にカッターナイフが握られているのを見止めた。 <br /> 「落ち着け…神楽」 <br /> とにかく尋常じゃない。 <br /> 状況も…彼女の表情も。 <br /> 「さすが榊さん。立場をわかってる」 <br /> 「…何でこんなことしたんだ?訳を話してくれ」 <br /> …私は言いながら自分がおかしくなった。 <br /> これから彼女が話すであろう理由なら私が一番よく知っている。 <br /> 隣に神楽がいるのだから間違いない。 <br /> 「あら、榊さん。訳を話せだなんて野暮なこと…まぁいいわ。神楽も説明してほしいだろうし」 <br /> 「…どういうことだよ」 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:351" target="_top" name="351"><font color="#0000ff">351</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:27:16 <a href="id:351" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>「ねぇ、私達もうすぐ卒業よね…もうみんなと会えなくなっちゃって…寂しいわ」 <br /> 彼女は神楽に向かって話している。 <br /> 「榊さんとも」 <br /> 「…」 <br /> 「榊さんとも会えなくなっちゃうの。ずっと三年間憧れてたのに…。…ねぇ、あんたならどうする?」 <br /> 神楽の顔色が変わっていく。 <br /> 「…告白…するわよね」 <br /> 「…」 <br /> 「想いが叶わなくたっていいわ!伝えるっていう過程が大切なんですもの。 <br /> 卒業を前にして憧れだった人に告白する女子高生…儚いけど、それって美しいでしょ?」 <br /> 私はうつ向くことしかできない。 <br /> 「それに定番」 <br /> まるで用意していたかのように溢れる台詞は異様なリズム感を持っている。 <br /> 「私ね…榊さんに告白したのよ。そしたら好きな人がいるんですって。…少し驚いた。イメージと違うし…。 <br /> でもね、仕方ないの。気持ちを伝えられただけでよかった」 <br /> 「やめて…」 <br /> 「ただ、その好きな人…」 <br /> 「やめてくれ・・・」 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:352" target="_top" name="352"><font color="#0000ff">352</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:28:28 <a href="id:352" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>「あんたなんだって。…ずっと前から付き合ってるんだって」 <br /> 「いや、隠してたのは悪かったよ。だから落ち着けって…」 <br /> 神楽の軽い口調に少女の表情は一変する。 <br /> 「うるさい!あんたずっと私を笑ってたんだわ…。私が榊さんのこと好きなの知ってて… <br /> それを見て‘榊は私のものなのに、バカなやつ’って思ってたんでしょ!?」 <br /> 「違…」 <br /> 「黙れ!今あんたに発言する権利はないの!まだわかってないみたいね…」 <br /> 「やめろ!神楽は関係ない…」 <br /> 「…榊さん。…優しいんですね。でも・・・でも、なんで神楽にだけ優しいんですか?ずるいじゃないですか…」 <br /> 「…」 <br /> 「だからね、今日はちょっとだけわけてもらおうと思って」 <br /> 「何を…」 <br /> 「あ~、大丈夫ですよ!これはガムテープ切るのに使っただけですから」 <br /> そんなもの使わなくたって手で十分切れるはずだが。 <br /> 「使うのは…これ!」 <br /> 変に明るい彼女の口調と共に鞄から出されたそれ。 <br /> リモコンのようなものにコードがついていて…先端には親指くらいのピンク色の物体。 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:353" target="_top" name="353"><font color="#0000ff">353</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:29:57 <a href="id:353" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>「どうするつもりだ」 <br /> 「いやん、榊さんにはこんなもの使いませんよ」 <br /> …まさか。 <br /> 「な…何すんだよ!」 <br /> 「あんた、まだ何で自分がここにいるかわかんないわけ?榊さんと楽しむだけならあんたなんか連れてこないわよ」 <br /> 「待て!」 <br /> 「きゃ~!意外と可愛い下着ね。ほら、しっかり足開かないと入らないじゃない」 <br /> 「や…めろ」 <br /> 「よし!これでいいかな?スイッチオン♪っと」 <br /> 「ぅあ…っく!」 <br /> 「あんたはそこでそうやってしてなさい。…さて、榊さぁん」 <br /> 「本当にやめてくれ…」 <br /> 「どうしたんですか?大丈夫、悪いようにはしませんから」 <br /> 「せめて神楽だけは…」 <br /> 「あ、もうキスはしたんですか?神楽と。だいぶ前から付き合ってるんですよね? <br /> …さすがにしてないってことはないか」 <br /> 彼女の耳に私の声は聞こえていないようだった。 <br /> 「したんですか?」 <br /> そのかわりに顔が近付いてくる。 <br /> 「まぁどっちでもいいんですけど」 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:354" target="_top" name="354"><font color="#0000ff">354</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:30:42 <a href="id:354" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>唇に妙に乾いた、柔らかい感触が広がる。 <br /> 「あぁ…これが榊さんの唇なんですね。…神楽、見た?」 <br /> 荒い息遣いだけが聞こえる。 <br /> 「これで榊さんはあんただけのものじゃないわ…。よく見てなさい。 <br /> 私が榊さんとするとこ見て…好きなだけ感じていいから」 <br /> 彼女の右手は、既に下着の中で自分を慰めている。 <br /> 「あぁ…榊さんの舌ぁ…」 <br /> 唇をこじ開けられるのを拒むことはできなかった。 <br /> 「やめ…」 <br /> 彼女は夢中で私の舌に吸い付いてくる。 <br /> 「榊さん…榊さん…」 <br /> 太股の間では、音が漏れるほど激しく指が動いていた。 <br /> 隣から悲鳴にも似た泣声が聞こえる。 <br /> 「神楽を離してあげて…」 <br /> 言葉は届かない。 <br /> 「榊さん、こっちは?もう神楽としましたか?」 <br /> 私は何で抵抗しないんだろう。 <br /> 「もしかして初めてですか?だったら嬉しいな」 <br /> 大切な人が隣で涙を流して苦しんでるのに。 <br /> 「神楽、榊さんとはもうしたの?どうせまだなんでしょ?」 <br /> 私のせいで…。 <br /> 「答えなさいよ」 <br /> 「…」 <br /> 「気持ち良すぎて声も出ないの?」 <br /> 「…にしろ」 <br /> 「え?」 <br /> 「好きにしろ!キスでもなんでも…したけりゃしろ!」 <br /> 神楽…。 <br /> 「あら…それは良かった。榊さん、神楽もああ言ってますよ」 <br /> ごめん…神楽。 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:355" target="_top" name="355"><font color="#0000ff">355</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:31:17 <a href="id:355" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>「おい」 <br /> 「…何よ?今更…」 <br /> 「してもいいけど…そいつは榊じゃないだろ」 <br /> 「…?」 <br /> 「いくら思い通りにできても…そこでぐったりしてるのは…少なくともかおりんの憧れてる榊じゃない」 <br /> 少女の表情が変わる。 <br /> 「何言ってんの?」 <br /> 「お前が一番よくわかってるだろ!榊はなぁ…、毅然としてて、いつも冷静で、 <br /> 凛としてて、綺麗で、つかみどころがなくて…何考えてるかわかんないとこもあるけど… <br /> でも綺麗で、可愛いとこもあって」 <br /> 「やめて!」 <br /> 「人質とって、ぐるぐるまきにして、脅して好きなようにできる榊はかおりんの憧れてる榊じゃない!」 <br /> 「黙れ!!!」 <br /> 「神楽!」 <br /> 「榊さん…」 <br /> 「…」 <br /> 「なんで神楽ばっかり呼ぶんですか?」 <br /> 泣いている。 <br /> 「こんなに…こんなに好きなのに…」 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:356" target="_top" name="356"><font color="#0000ff">356</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:32:25 <a href="id:356" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>私は…。 <br /> 「…」 <br /> 「…」 <br /> 「ごめん…かおりん」 <br /> 「謝らないで!謝ったって何にも…」 <br /> 「……私が謝りたいのは…告白されたときのこと。」 <br /> 「…え?」 <br /> 「あのとき私は…好きな人がいるなんて言う前に…言わなきゃいけないことがあった」 <br /> 「…」 <br /> 「私を好きになってくれて、ありがとう。嬉しかった」 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:357" target="_top" name="357"><font color="#0000ff">357</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:33:24 <a href="id:357" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz </dt><dd>「榊さん…!」 <br /> 私は被害者じゃない。 <br /> 「かおりんも同じように私を好きになってくれたんだ。その気持ちを大切にしなきゃいけない」 <br /> <br /> これほど自分の口下手を恨んだこともない。 <br /> <br /> 「う…さか…さん…私…」 <br /> 私の責任を…。 <br /> 「それでね、かおりん。もうひとり私を好きになってくれた人が横で泣いてるんだ。 <br /> …私、彼女の涙をふいてあげなきゃいけない」 <br /> <br /> 「…う…ごめ…なさい…」 <br /> <br /> 彼女は私の手足のテープを震えるカッターで解くと、その場に泣き崩れてしまった。 <br /> 「神楽!…大丈夫か?」 <br /> 「…うるせー。泣いてんじゃねーよ」 <br /> <br /> いつもの教室には三人分の嗚咽が響いている。 <br /> かおりんへの言葉は、状況を脱するために思い付いただけなのか、本当の気持ちなのかは自分でもわからない。 <br /> ただ、私の胸と床にうずくまって泣く二人の少女の心の傷は…。 <br /> きっと私が癒さなければならないんだろう。 <br /> そう感じた。 <br /> </dd></p>
<dl><dt><a target="_top" href="menu:349" name="349"><font color="#0000ff">349</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:24:43<a target="_top" href="id:349"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>目覚めると、そこはいつもの教室だった。<br /> 「おはよう、榊さん」<br /> 目の前には見知った友人がひとり、自分を見下ろすように立っていた。<br /> …体が痛い…。<br /> 腕も動かないし…椅子にでも座らされているのか?<br /> 「ごめんなさい、榊さんのはあんまりきつくしてないつもりなんですけど」<br /> え…?<br /> これは…ガムテープか?<br /> 後ろにまわされた手首と、足首にも。<br /> 「痛いんですか?ごめんなさい…。でも、榊さんが悪いんだもん。我慢できますよね」<br /> …どういうことだ。<br /> すらすら話す彼女の目は変に濁っている。<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:350" name="350"><font color="#0000ff">350</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:26:28<a target="_top" href="id:350"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>待てよ…。<br /> 榊さんの‘は’きつくしなかった…?<br /> まさか…。<br /> 「…神楽!」<br /> 「…ん、え?…あぁ」<br /> 今気が付いたのか。<br /> 「…何だこれ?…かおりん?」<br /> 「おはよ」<br /> 彼女は不気味に笑っている。<br /> 「おい!どういうことだ?これ取れよ!」<br /> 「待て!」<br /> 私は目の前の少女の手にカッターナイフが握られているのを見止めた。<br /> 「落ち着け…神楽」<br /> とにかく尋常じゃない。<br /> 状況も…彼女の表情も。<br /> 「さすが榊さん。立場をわかってる」<br /> 「…何でこんなことしたんだ?訳を話してくれ」<br /> …私は言いながら自分がおかしくなった。<br /> これから彼女が話すであろう理由なら私が一番よく知っている。<br /> 隣に神楽がいるのだから間違いない。<br /> 「あら、榊さん。訳を話せだなんて野暮なこと…まぁいいわ。神楽も説明してほしいだろうし」<br /> 「…どういうことだよ」<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:351" name="351"><font color="#0000ff">351</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:27:16<a target="_top" href="id:351"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>「ねぇ、私達もうすぐ卒業よね…もうみんなと会えなくなっちゃって…寂しいわ」<br /> 彼女は神楽に向かって話している。<br /> 「榊さんとも」<br /> 「…」<br /> 「榊さんとも会えなくなっちゃうの。ずっと三年間憧れてたのに…。…ねぇ、あんたならどうする?」<br /> 神楽の顔色が変わっていく。<br /> 「…告白…するわよね」<br /> 「…」<br /> 「想いが叶わなくたっていいわ!伝えるっていう過程が大切なんですもの。<br /> 卒業を前にして憧れだった人に告白する女子高生…儚いけど、それって美しいでしょ?」<br /> 私はうつ向くことしかできない。<br /> 「それに定番」<br /> まるで用意していたかのように溢れる台詞は異様なリズム感を持っている。<br /> 「私ね…榊さんに告白したのよ。そしたら好きな人がいるんですって。…少し驚いた。イメージと違うし…。<br /> でもね、仕方ないの。気持ちを伝えられただけでよかった」<br /> 「やめて…」<br /> 「ただ、その好きな人…」<br /> 「やめてくれ・・・」<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:352" name="352"><font color="#0000ff">352</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:28:28<a target="_top" href="id:352"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>「あんたなんだって。…ずっと前から付き合ってるんだって」<br /> 「いや、隠してたのは悪かったよ。だから落ち着けって…」<br /> 神楽の軽い口調に少女の表情は一変する。<br /> 「うるさい!あんたずっと私を笑ってたんだわ…。私が榊さんのこと好きなの知ってて…<br /> それを見て‘榊は私のものなのに、バカなやつ’って思ってたんでしょ!?」<br /> 「違…」<br /> 「黙れ!今あんたに発言する権利はないの!まだわかってないみたいね…」<br /> 「やめろ!神楽は関係ない…」<br /> 「…榊さん。…優しいんですね。でも・・・でも、なんで神楽にだけ優しいんですか?ずるいじゃないですか…」<br /> 「…」<br /> 「だからね、今日はちょっとだけわけてもらおうと思って」<br /> 「何を…」<br /> 「あ~、大丈夫ですよ!これはガムテープ切るのに使っただけですから」<br /> そんなもの使わなくたって手で十分切れるはずだが。<br /> 「使うのは…これ!」<br /> 変に明るい彼女の口調と共に鞄から出されたそれ。<br /> リモコンのようなものにコードがついていて…先端には親指くらいのピンク色の物体。<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:353" name="353"><font color="#0000ff">353</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:29:57<a target="_top" href="id:353"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>「どうするつもりだ」<br /> 「いやん、榊さんにはこんなもの使いませんよ」<br /> …まさか。<br /> 「な…何すんだよ!」<br /> 「あんた、まだ何で自分がここにいるかわかんないわけ?榊さんと楽しむだけならあんたなんか連れてこないわよ」<br /> 「待て!」<br /> 「きゃ~!意外と可愛い下着ね。ほら、しっかり足開かないと入らないじゃない」<br /> 「や…めろ」<br /> 「よし!これでいいかな?スイッチオン♪っと」<br /> 「ぅあ…っく!」<br /> 「あんたはそこでそうやってしてなさい。…さて、榊さぁん」<br /> 「本当にやめてくれ…」<br /> 「どうしたんですか?大丈夫、悪いようにはしませんから」<br /> 「せめて神楽だけは…」<br /> 「あ、もうキスはしたんですか?神楽と。だいぶ前から付き合ってるんですよね?<br /> …さすがにしてないってことはないか」<br /> 彼女の耳に私の声は聞こえていないようだった。<br /> 「したんですか?」<br /> そのかわりに顔が近付いてくる。<br /> 「まぁどっちでもいいんですけど」<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:354" name="354"><font color="#0000ff">354</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:30:42<a target="_top" href="id:354"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>唇に妙に乾いた、柔らかい感触が広がる。<br /> 「あぁ…これが榊さんの唇なんですね。…神楽、見た?」<br /> 荒い息遣いだけが聞こえる。<br /> 「これで榊さんはあんただけのものじゃないわ…。よく見てなさい。<br /> 私が榊さんとするとこ見て…好きなだけ感じていいから」<br /> 彼女の右手は、既に下着の中で自分を慰めている。<br /> 「あぁ…榊さんの舌ぁ…」<br /> 唇をこじ開けられるのを拒むことはできなかった。<br /> 「やめ…」<br /> 彼女は夢中で私の舌に吸い付いてくる。<br /> 「榊さん…榊さん…」<br /> 太股の間では、音が漏れるほど激しく指が動いていた。<br /> 隣から悲鳴にも似た泣声が聞こえる。<br /> 「神楽を離してあげて…」<br /> 言葉は届かない。<br /> 「榊さん、こっちは?もう神楽としましたか?」<br /> 私は何で抵抗しないんだろう。<br /> 「もしかして初めてですか?だったら嬉しいな」<br /> 大切な人が隣で涙を流して苦しんでるのに。<br /> 「神楽、榊さんとはもうしたの?どうせまだなんでしょ?」<br /> 私のせいで…。<br /> 「答えなさいよ」<br /> 「…」<br /> 「気持ち良すぎて声も出ないの?」<br /> 「…にしろ」<br /> 「え?」<br /> 「好きにしろ!キスでもなんでも…したけりゃしろ!」<br /> 神楽…。<br /> 「あら…それは良かった。榊さん、神楽もああ言ってますよ」<br /> ごめん…神楽。<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:355" name="355"><font color="#0000ff">355</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:31:17<a target="_top" href="id:355"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>「おい」<br /> 「…何よ?今更…」<br /> 「してもいいけど…そいつは榊じゃないだろ」<br /> 「…?」<br /> 「いくら思い通りにできても…そこでぐったりしてるのは…少なくともかおりんの憧れてる榊じゃない」<br /> 少女の表情が変わる。<br /> 「何言ってんの?」<br /> 「お前が一番よくわかってるだろ!榊はなぁ…、毅然としてて、いつも冷静で、<br /> 凛としてて、綺麗で、つかみどころがなくて…何考えてるかわかんないとこもあるけど…<br /> でも綺麗で、可愛いとこもあって」<br /> 「やめて!」<br /> 「人質とって、ぐるぐるまきにして、脅して好きなようにできる榊はかおりんの憧れてる榊じゃない!」<br /> 「黙れ!!!」<br /> 「神楽!」<br /> 「榊さん…」<br /> 「…」<br /> 「なんで神楽ばっかり呼ぶんですか?」<br /> 泣いている。<br /> 「こんなに…こんなに好きなのに…」<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:356" name="356"><font color="#0000ff">356</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:32:25<a target="_top" href="id:356"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>私は…。<br /> 「…」<br /> 「…」<br /> 「ごめん…かおりん」<br /> 「謝らないで!謝ったって何にも…」<br /> 「……私が謝りたいのは…告白されたときのこと。」<br /> 「…え?」<br /> 「あのとき私は…好きな人がいるなんて言う前に…言わなきゃいけないことがあった」<br /> 「…」<br /> 「私を好きになってくれて、ありがとう。嬉しかった」<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:357" name="357"><font color="#0000ff">357</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 16:33:24<a target="_top" href="id:357"><font color="#0000ff">ID:</font></a>QxIs8Zwz</dt><dd>「榊さん…!」<br /> 私は被害者じゃない。<br /> 「かおりんも同じように私を好きになってくれたんだ。その気持ちを大切にしなきゃいけない」<br /> <br /> これほど自分の口下手を恨んだこともない。<br /> <br /> 「う…さか…さん…私…」<br /> 私の責任を…。<br /> 「それでね、かおりん。もうひとり私を好きになってくれた人が横で泣いてるんだ。<br /> …私、彼女の涙をふいてあげなきゃいけない」<br /> <br /> 「…う…ごめ…なさい…」<br /> <br /> 彼女は私の手足のテープを震えるカッターで解くと、その場に泣き崩れてしまった。<br /> 「神楽!…大丈夫か?」<br /> 「…うるせー。泣いてんじゃねーよ」<br /> <br /> いつもの教室には三人分の嗚咽が響いている。<br /> かおりんへの言葉は、状況を脱するために思い付いただけなのか、本当の気持ちなのかは自分でもわからない。<br /> ただ、私の胸と床にうずくまって泣く二人の少女の心の傷は…。<br /> きっと私が癒さなければならないんだろう。<br /> そう感じた。<br /> </dd></dl>

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