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山の中腹にある関係上、屋上に出ると町並みが一望できる。
ここからの眺めは自国民にも観光で訪れた他国民にも大層評判が良い。
どこか郷愁をくすぐる、温かみのある建造物群を見ながらぼんやり風に吹かれているだけで1時間や2時間は平気で経過するような、そんな場所。
うららかな陽光に照らされてこのまま昼寝でもしようか、とちょっとだけ思ったりもしたがまだやるべき事があるはずだ。
食堂を出てからどうにも落ち着かなかった気分がいくらかマシになったような気がする。
しばし憩いの時を過ごした後、改めて決意を固めると城内へと通じるドアを開いた。
と思ったところで目が覚めた。
すでに辺りは夕焼けに染まっている。
いつの間に眠っちゃったんだろう九重さんなんで起こしてくれなかったのーとか思っていたら横で爆睡する九重の姿が。
蹴った。蹴りまくった。自分の不甲斐なさをぶつけるかのように蹴った。
蹴り飽きたところで捜査を再開せねばならない事に気付く。
どうせもうおおよその見当はついているのだ。
荒い息を整える間もなく全員を招集し、自身も会議室に移動する。
全員揃うや否や矢継ぎ早に持論を展開し、犯人をあっという間に指摘した。
ところで目が覚めた。
痛恨の二度寝──!!
「待て、逆に考えるんだ」
きっとこれも夢。そもそも玲音さんが死んだとかそこからして夢じゃね?
なら問題ないよね、うん。あらためておやすみなさい──
エンディングナンバー5 セレナちゃんは衰退しました。