偉人の選択 ◆jnvLTxNrNA
八神総八郎が病院を出た後、神条紫杏は考えていた。
それは『このグループから離れるか、否か』ということ。
今まで彼女は、その場の選択を他人に任せる様に行動してきた。
しかし、ここにきて彼女は自らの意志で行動を起こそうとしていた。
理由は、その場の選択を他人任せてきたことにより、今まで一度としてグループ内の主導権を握れていないからだ。
これはジャジメントが自分に課した試練なのである。
最後の1人になるにしても、全員を束ねて脱出するにしても、主導権を握れないことには話にならない。
しかし今さらこのグループの主導権を握るのは至難の業だ。
それは『このグループから離れるか、否か』ということ。
今まで彼女は、その場の選択を他人に任せる様に行動してきた。
しかし、ここにきて彼女は自らの意志で行動を起こそうとしていた。
理由は、その場の選択を他人任せてきたことにより、今まで一度としてグループ内の主導権を握れていないからだ。
これはジャジメントが自分に課した試練なのである。
最後の1人になるにしても、全員を束ねて脱出するにしても、主導権を握れないことには話にならない。
しかし今さらこのグループの主導権を握るのは至難の業だ。
このグループは、今はここにはいないが、病院に人を集めた八神、それと四路智美が主に中心となって動いている。
八神と四路は大人で、落ち着きがあり、ある程度の戦う力も持っているようだった。
対して紫杏は八神より年下…それ以前にこのグループで最年少で、戦う力は皆無。
八神達に比べたら全く頼りない。
そんな紫杏がこのグループで主導権を握るのはかなり無理がある。
確かに、紫杏は一高校の自治会長を勤めた身だ。上に立つ人間のあるべき人格(すがた)も知っている。
八神と四路は大人で、落ち着きがあり、ある程度の戦う力も持っているようだった。
対して紫杏は八神より年下…それ以前にこのグループで最年少で、戦う力は皆無。
八神達に比べたら全く頼りない。
そんな紫杏がこのグループで主導権を握るのはかなり無理がある。
確かに、紫杏は一高校の自治会長を勤めた身だ。上に立つ人間のあるべき人格(すがた)も知っている。
しかし、紫杏は自分と同い年か、それより下の人間の上に立ったことはあっても、自分より年長の者の上に立ったことはなかった。
つまり、紫杏には、同世代の上に立つ力はあっても、年長者の上に立つ力はないのである。
そんな紫杏がこの殺し合いの場で主導権を握り、トップに立つにはどうすればいいか?
そんな紫杏がこの殺し合いの場で主導権を握り、トップに立つにはどうすればいいか?
紫杏はそれを考え、一つの案にたどり着く。
それは、一度このグループを離れ、自分と同世代のグループを作り、後でこのグループと合流したとき、
同世代グループのトップとして八神達以上、最低でも八神達と同等の立場にのし上がるというもの。
同世代グループのトップとして八神達以上、最低でも八神達と同等の立場にのし上がるというもの。
しかし、この案には一度1人にならなければならないという問題がある。
今のグループに同世代の人間がいないからだ。
同世代の人間が1人でもいれば、その人間と2人でグループを離れるのだが…
今のグループに同世代の人間がいないからだ。
同世代の人間が1人でもいれば、その人間と2人でグループを離れるのだが…
この近くには、パーカーの女の子を始め危険人物が多い。
そんな場所を1人で行動するのは自殺行為だ。
また、同世代のグループが必ず作れるとは限らないし、例え作れたとして必ずトップに立てるとも限らない。
そんな場所を1人で行動するのは自殺行為だ。
また、同世代のグループが必ず作れるとは限らないし、例え作れたとして必ずトップに立てるとも限らない。
(朱里の力が欲しいな)
自治会で自分と共に働いてくれた、心を許した数少ない親友。
彼女は強化人間だ。彼女がいてくれれば心強いと紫杏は思った。
彼女は強化人間だ。彼女がいてくれれば心強いと紫杏は思った。
「曽根村さん」
「何でしょう?」
「カズ…大江和那に会ったと言っていたな?それはいつだ?」
「第1回放送の後、わりとすぐですかね?」
「何でしょう?」
「カズ…大江和那に会ったと言っていたな?それはいつだ?」
「第1回放送の後、わりとすぐですかね?」
時計を見て今の時刻を確認する。
10時過ぎ。
第1回放送は早朝6時である。
(カズが病院を出てから少なくとも4時間か…未だ朱里を見つけられないでいるのか、それとも…)
「神条さん、どうかしましたか?」
「いえ…少し…同級生ですから…」
「まさかあなたまで病院を出るとか言わないわよね?」
「いえ…少し…同級生ですから…」
「まさかあなたまで病院を出るとか言わないわよね?」
すかさず智美が横やりを入れる。
「…………」
「何よ、その間は」
「何よ、その間は」
「すまないな、四路さん。私も1人で行動させてもらうことにする」
「はあ!?」
「な、何言ってるでやんすか!?ちょっと待つでやんす!」
「もう決めたことだ」
「はあ!?」
「な、何言ってるでやんすか!?ちょっと待つでやんす!」
「もう決めたことだ」
紫杏の発言にその場にいた者は例外なく驚いた。
…いや、ただ1人、荒井紀香を除いて…
グループ内で最年少と思われる少女が1人で行動すると言い出したのだから、この反応は当然と言える。
…いや、ただ1人、荒井紀香を除いて…
グループ内で最年少と思われる少女が1人で行動すると言い出したのだから、この反応は当然と言える。
「せめて理由を聞かせてくれないかしら?」
「ふむ…」
「ふむ…」
理由は簡単だ。このままこのグループにいても、トップには立てないだろう。
たとえこのままこのグループにいて、殺し合いの場から脱出できたとしても、自分がトップでなければジャジメントは自分を見放すだろう。
そればかりか、ジャジメントの裏の顔を知っている人間として処分するだろう。
たとえこのままこのグループにいて、殺し合いの場から脱出できたとしても、自分がトップでなければジャジメントは自分を見放すだろう。
そればかりか、ジャジメントの裏の顔を知っている人間として処分するだろう。
つまりこのグループと共に行動を続けることは、この殺し合いの場でのみ命をつなぐその場しのぎでしかないのだ。
ここでアクションを起こして、成功しない限り、紫杏に後はない。
もちろんこんな事を他人に言う紫杏ではない。
「カズと朱里の漫才があまりにも長いんでな。止めに行こうと思う」
「それは、あなた1人でやらなきゃいけないこと?」
「私の身勝手で皆さんを危険にさらす訳にはいかないからな」
「あなたにできるの?」
「私は一応、高校で自治会長をやっていたんだ。2人はそのときの側近みたいなものでね。私の指示には従ってくれると思うが」
「それは、あなた1人でやらなきゃいけないこと?」
「私の身勝手で皆さんを危険にさらす訳にはいかないからな」
「あなたにできるの?」
「私は一応、高校で自治会長をやっていたんだ。2人はそのときの側近みたいなものでね。私の指示には従ってくれると思うが」
「1人で行動したとして、2人を見つけるより先に危険人物に出くわしたらどうするの?」
「口は上手い方だと自負している。何とか言いくるめるさ」
「さっきのパーカーの女の子みたいに話が通じない相手なら?」
「それなら私はそこまでの人間だったということだ」
そう、そこまでの人間だったということ。この状況を1人で乗り越えない限りジャジメントに処分されてしまう。
「口は上手い方だと自負している。何とか言いくるめるさ」
「さっきのパーカーの女の子みたいに話が通じない相手なら?」
「それなら私はそこまでの人間だったということだ」
そう、そこまでの人間だったということ。この状況を1人で乗り越えない限りジャジメントに処分されてしまう。
「急に死にたがりにでもなったのかしら?」
「私はこの世にもう未練はない。死を受け入れる心構えはできている」
紫杏ありとあらゆるものを捨ててジャジメントに入ることを決めた。
最高の校風を作るべく奔走した高校も、愛した人でさえも。
最高の校風を作るべく奔走した高校も、愛した人でさえも。
「そんなさびしいこと言うなでやんす。生きていれば、きっと幸せなこともあるでやんす」
「あたしはもう幸せになることは諦めたんだ!」
「あたしはもう幸せになることは諦めたんだ!」
そう、諦めたのだ。十波から離れることを決めたあの時、紫杏は自分が幸せになることを諦めた。
「「「……………」」」
「すまない。少し感情的になってしまった」
「いいわよ。行きなさい」
「オーナー!?」
「頭がかたい人みたいだし、何を言ってもきかないわ。勝手にしなさい」
「すまない、四路さん。必ず後で合流する」
「それなら第3回放送までにホテルPAWAに来なさいな。そこに私が集めた仲間が全員来るはずだから」
「わかった」
「いいわよ。行きなさい」
「オーナー!?」
「頭がかたい人みたいだし、何を言ってもきかないわ。勝手にしなさい」
「すまない、四路さん。必ず後で合流する」
「それなら第3回放送までにホテルPAWAに来なさいな。そこに私が集めた仲間が全員来るはずだから」
「わかった」
「あと、三橋一郎という男に気をつけて下さい。彼は真っ赤で凶悪な右腕をしてるのですぐにわかると思います。」
「曽根村さんもありがとうございます」
そう言って紫杏は荷物をまとめ始めた。
「しあん…」
「ほるひすか、世話になったがしばらくお別れだ。みんなを頼むぞ」
「ほるひすだよ。ころさないけどひともまもるよ」
「うむ。その意気だ」
「ほるひすか、世話になったがしばらくお別れだ。みんなを頼むぞ」
「ほるひすだよ。ころさないけどひともまもるよ」
「うむ。その意気だ」
そして席を立つ。
「銃はいるかしら?」
「いらないな。私は銃に関しては素人だ。弾数も限られているし、『下手な鉄砲数打ちゃ当たる』というわけにもいかないからな。それに先も言ったが、私の身勝手で皆さんを危険にさらす訳にはいかない。」
「いらないな。私は銃に関しては素人だ。弾数も限られているし、『下手な鉄砲数打ちゃ当たる』というわけにもいかないからな。それに先も言ったが、私の身勝手で皆さんを危険にさらす訳にはいかない。」
智美の問いにそう返すと紫杏は病院を後にした。
はっきり言えば怖い。
『死を受け入れる心構えはできている』といったが、それは仮面をかぶった『私』の本心であって、小心者の『あたし』の本心ではない。
『死ぬのは怖いことだ』、『死にたくない』これが小心者の『あたし』の本心。
しかしこのグループにいたんでは、必ず自分は破滅する。
1人で行動したところで破滅を免れた訳ではないが、しかし成功するかもしれない。その確率はまさに『箱の中の猫』である。
そう『あたし』に言い聞かせて、神条紫杏は『私』の道を歩き始めた。
『死を受け入れる心構えはできている』といったが、それは仮面をかぶった『私』の本心であって、小心者の『あたし』の本心ではない。
『死ぬのは怖いことだ』、『死にたくない』これが小心者の『あたし』の本心。
しかしこのグループにいたんでは、必ず自分は破滅する。
1人で行動したところで破滅を免れた訳ではないが、しかし成功するかもしれない。その確率はまさに『箱の中の猫』である。
そう『あたし』に言い聞かせて、神条紫杏は『私』の道を歩き始めた。
【F-6/病院/一日目/昼】
【神条紫杏@パワプロクンポケット10】
[状態]:健康
[装備]:バット
[道具]:支給品一式、詳細名簿、ノートパソコン(バッテリー消耗小)、駄菓子数個
[思考]まずは朱里と合流したいな…
基本:どのようにも動ける様にする。
1:自分と同世代のグループを作りそのトップに立つ
2:生きて帰って平山の言葉を伝える。
3:出来ることならカズと朱里、十波には死んでほしくない。が、必要とあらば……
[備考]
※この殺し合いをジャジメントによる自分に対する訓練か何かだと勘違いしています
※芳槻さらを危険人物と認識しました。
※島岡の荷物は、島岡を殺害した者に持ち去られただろうと判断しました。
※小波走太一行とは情報交換を行っていません。
【神条紫杏@パワプロクンポケット10】
[状態]:健康
[装備]:バット
[道具]:支給品一式、詳細名簿、ノートパソコン(バッテリー消耗小)、駄菓子数個
[思考]まずは朱里と合流したいな…
基本:どのようにも動ける様にする。
1:自分と同世代のグループを作りそのトップに立つ
2:生きて帰って平山の言葉を伝える。
3:出来ることならカズと朱里、十波には死んでほしくない。が、必要とあらば……
[備考]
※この殺し合いをジャジメントによる自分に対する訓練か何かだと勘違いしています
※芳槻さらを危険人物と認識しました。
※島岡の荷物は、島岡を殺害した者に持ち去られただろうと判断しました。
※小波走太一行とは情報交換を行っていません。
【四路智美@パワプロクンポケット3】
[状態]:嫌な汗が背中に伝わっている。
[装備]:拳銃(ジュニア・コルト)、バット
[道具]:支給品一式、ダイナマイト5本
[思考・状況]基本:二度と三橋くんを死なさない。
1:三橋くんが殺し合いに乗った……か。
2:十波典明の言葉を丸っきり信用するわけではないが、一応警戒。
3:亀田の変貌に疑問?
[備考]
※メカ亀田を危険人物を判断しました。
※ピンクのパーカーを着た少女を危険人物と判断、作業着を着た少女を警戒。
※探知機は呪いの人形に壊されました。
[状態]:嫌な汗が背中に伝わっている。
[装備]:拳銃(ジュニア・コルト)、バット
[道具]:支給品一式、ダイナマイト5本
[思考・状況]基本:二度と三橋くんを死なさない。
1:三橋くんが殺し合いに乗った……か。
2:十波典明の言葉を丸っきり信用するわけではないが、一応警戒。
3:亀田の変貌に疑問?
[備考]
※メカ亀田を危険人物を判断しました。
※ピンクのパーカーを着た少女を危険人物と判断、作業着を着た少女を警戒。
※探知機は呪いの人形に壊されました。
【曽根村@パワプロクンポケット2】
[状態]:右手首打撲
[装備]:ナイフ、ブロウニング拳銃(3/6、予備弾数30発)、バット
[道具]:支給品一式×3、魔法の杖@パワプロクンポケット4裏
[思考]
基本:漁夫の利で優勝を目指す
1:一先ず病院で休憩。
[備考]
※タイムマシンの存在を聞かされていません。
[状態]:右手首打撲
[装備]:ナイフ、ブロウニング拳銃(3/6、予備弾数30発)、バット
[道具]:支給品一式×3、魔法の杖@パワプロクンポケット4裏
[思考]
基本:漁夫の利で優勝を目指す
1:一先ず病院で休憩。
[備考]
※タイムマシンの存在を聞かされていません。
【凡田大介@パワプロクンポケット2】
[状態]:全身に打撲
[装備]:お守り、バット
[道具]:支給品一式、鍵
[思考・状況]基本:ガンダーロボを救出したい
1:基本人殺しはしたくない。
2:九条を信頼、そして心配。
[備考]
※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。
[状態]:全身に打撲
[装備]:お守り、バット
[道具]:支給品一式、鍵
[思考・状況]基本:ガンダーロボを救出したい
1:基本人殺しはしたくない。
2:九条を信頼、そして心配。
[備考]
※七原、真央、走太と軽い情報交換をしました。
【ほるひす@パワプロクンポケット6表】
[状態]:表面が焦げてる、悲しみ?
[装備]:バット
[道具]:支給品一式、不明支給品0~1
[思考]基本:ころさないし、ひともまもるよ。
1:こうし……ひらやま……しあん……
[状態]:表面が焦げてる、悲しみ?
[装備]:バット
[道具]:支給品一式、不明支給品0~1
[思考]基本:ころさないし、ひともまもるよ。
1:こうし……ひらやま……しあん……
【荒井紀香@パワプロクンポケット2】
[状態]:全身のところどころに軽い火傷、体力消耗(小)
[装備]:バット
[道具]:支給品一式、野球人形
[思考]基本:二朱くんに会う。
1:二朱君との愛の営みを邪魔するひとは容赦しないです。
2:あの女(夏目准)が二朱君を手にかけていたら仇をとる。
[備考]
※第一回放送に気付いていません。
[状態]:全身のところどころに軽い火傷、体力消耗(小)
[装備]:バット
[道具]:支給品一式、野球人形
[思考]基本:二朱くんに会う。
1:二朱君との愛の営みを邪魔するひとは容赦しないです。
2:あの女(夏目准)が二朱君を手にかけていたら仇をとる。
[備考]
※第一回放送に気付いていません。
【萩原新六@パワプロクンポケット6】
[状態]:左腕欠損、腹部に軽度の切り傷、貧血(中)
[装備]:バット
[道具]:支給品一式 、野球用具一式(ボール7球、グローブ8つ)@現実
野球超人伝@パワプロクンポケットシリーズ、パワビタD@パワプロクンポケットシリーズ、左腕
[思考・状況]
1:???
[状態]:左腕欠損、腹部に軽度の切り傷、貧血(中)
[装備]:バット
[道具]:支給品一式 、野球用具一式(ボール7球、グローブ8つ)@現実
野球超人伝@パワプロクンポケットシリーズ、パワビタD@パワプロクンポケットシリーズ、左腕
[思考・状況]
1:???
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084:砂の城 | 荒井紀香 | 102:魔弾~Der Freischutz~ |
084:砂の城 | 神条紫杏 | 090:CHERRY BLOSSOM~桜色の空~ |
084:砂の城 | 曽根村 | 102:魔弾~Der Freischutz~ |
084:砂の城 | 萩原新六 | 102:魔弾~Der Freischutz~ |
084:砂の城 | ほるひす | 102:魔弾~Der Freischutz~ |
084:砂の城 | 凡田大介 | 102:魔弾~Der Freischutz~ |
084:砂の城 | 四路智美 | 097:彼女の決意とイタチの気まぐれ |