スパーの中では、相手の動きに合わせてどう動けばいいかというのを考えることももちろん重要ですが、その時のラウンドやラウンド中の残り時間、ポイント差、現時点の遅延等を考えて動く、いわば環境に応じた動きも重要になってきます。本編ではそういった部分の解説をあまり詳しくやっていないので、今回はその辺の補足としてお読みいただければ幸いです。(今回メインで扱うのは、ラウンドごとの動き方とダウン処理、そして、遅延に応じた動き方の3つです。)

 

1.ラウンドごとの動き方

まずは、6Rのスパーを例にとり、序盤・中盤・終盤にラウンドを分け、それぞれのラウンドでの基本的な動き方について解説していきます。

序盤(1R・2R)

まずここでは、先手を取って相手にプレッシャーを掛ける事が重要です。もう少し具体的に言うと、先制打を決めて、相手より先に蓄積ダメージを与える事が非常に大事になってきます。(ポイントで優勢に立つというアプローチの仕方もできますが、先制打を取れればポイントでも勝てるケースが多いので、ここでは先制打を取るという方法で進めたいと思います。)ただ、先制打を決めるのが大事と言っても、雑に戦って自分がそれ以上に蓄積ダメージを負ってしまうと意味がないので、初めて戦う人やスタイルをよく知らない人が相手なら、初回の2分ぐらいはしっかりガードを固めて手数を抑え、相手のスタイルを観察することに専念した方が良いでしょう。(カウンターが狙えそうなら狙ってももちろんOK。)また、何度も戦って癖をつかんでいる相手なら、その癖を有効活用して先制打を決めることを意識しましょう。例えば、ラウンド終盤で強打を振ってくることの多い相手ならカウンターが有効ですし、カウンターが苦手な相手ならどんどんフック削りを仕掛けてダメージ蓄積を狙うのも面白いでしょう。(ただし、もう少し慎重に戦いたい人は、中盤以降に着火タイミングを持っていくのもアリだと思います。)

中盤(3R・4R)

中盤に入ったら、ラウンド開始前にポイントを大まかに確認して、どれくらい点差があるかを確認する癖をつけておきましょう。(リードしている場合は焦らずじっくり戦うこと、ビハインドなら自分からの攻勢を少し強めて反撃を狙うことを意識すると良いと思います。)また、この段階では序盤で把握した相手の癖を突けるような崩しをどんどん仕掛けていくこと、そして、自分が被弾した場合はなぜ被弾したのかを瞬時に考えながら修正を施すことが大切です。(もちろん、ラウンドが進むごとに新たな癖がわかると思うので、その辺りも考慮に入れます。)

終盤(5R・6R)

もう時間が残っていないので、ラウンド開始前にポイントを大まかに確認しておく事が中盤戦の時以上に大切になります。そして、勝っているか負けているかで動き方を変えます。

①大差(3点以上の差)で勝っている場合

この場合は無理をする必要がないので、ガードを固めてカウンターを狙うだけで十分です。(ただし、フェイントの上手い相手の場合は焦らずジャブによる潰しを併用して対応すること。)ダウンを取られても1回までなら問題ありません。(4点以上離れていれば2回でも問題なし)ダウンを取られた場合は、カウント9までゆっくり時間を使って相手の攻撃を遅らせるとよいでしょう。ラスト20秒前後で体力に余裕のある場合なら、スウェー姿勢を維持して逃げるのも手です。

②僅差(±2点以内)の場合

勝っている場合は①とほとんど変わりませんが、ダウン1回で追いつかれてしまうので油断はできません。頭の中でジャッジのポイントに関わる値(A:最大ダメージ、B:ラウンド終了時の顔面ゲージ、C:有効打数)のイメージを作っておきながら戦ことが大切です。

負けている場合は中盤の時にも軽く触れましたが、ペースアップして相手の防御をこじ開け、ダウンを奪って逆転するかKOに持ち込む必要があります。後述する特攻を仕掛けるのもアリです。

③大差で負けている場合

この状況から勝つには相手を倒すしかありません。カウンターや読み打ちが狙えそうならばそれに賭けるのが最善ですが、難しい場合は最終ラウンドで体力を全部使い切っての特攻を狙います。(ただし、レベル急落のリスクがある時はやめたほうが賢明です)特攻の際は、

①普通に戦っても負けの展開なので、開き直って攻めること

②ストレートは絶対打たず、フック・アッパー系を主体にして狙うこと

③強打を打つ時はなるべく踏み込みを入れること(後退する相手に直撃する確率が上がります)

④相手がスウェーに入ったらその場でのBフック→アッパーで突破を狙うこと(その場で打つのはクリンチ回避が目的です)

などがコツです。

戦略的には負けの試合を無理やり勝とうとしている状況なので、特攻で勝っても手放しには喜べませんが、何もせずに負けるよりはマシかと思います。

 

ラウンド数によって、ペース配分の違いは出てきますが、ここまでに書いた内容を応用すれば、ラウンド数が変わっていても問題ないと思います。次に、ダウン処理についてお話しします。

 

2.ダウン処理

1.の中盤・終盤の所で形勢に応じた動き方について書いてきましたが、ダウン処理もそうした動き方に関連するところなので簡単に触れておきます。

ダウンから立つ時は、カウント8で立つ(カウント8で立てない場合は↑キーを押しっぱなしにして粘る)のが基本です。理由としては、十分な回復時間が取れることと、ギリギリまで粘って立つ場合と比べて操作ミスでKO負けする危険性が低いことの2点があります。ただし、立てるようになったらすぐ立っていいケースとカウント9まで粘っていいケースもあるので、そのケースについても紹介しておきます。

・すぐ立っていいケース

①あと少しでボディに蓄積ダメージを与えられる場合

②最終ラウンドでポイント的に負けている場合

①・②共に、防御面でのリスクはありますが、攻撃の時間を少しでも取って有利な状況を作るのが狙いです。

・カウント9まで粘っていいケース

①最終ラウンドで大きくポイントでリードしている場合

②同じラウンドで2度目のダウンを取られた場合

③ラウンド終了後もダウンのカウントが続いている場合

①のケースは、相手の攻撃の時間を出来る限り減らして時間稼ぎをすることが目的です。また、②についてはスリーノックダウンによるKO負けをなるべく回避すること、③については少しでも多く回復して、次のラウンドをなるべく良い状態で迎えたい、というのが狙いです。

ダウンからの回復も十分工夫すれば攻守に良い影響をもたらすので、うまく使い分けられるようにしましょう。

※タオル投入について

ダウンした際に下キーを3回連続で押すとタオル投入が出来ますが、音声実況でタオル投入確定の状況がわかるので書いておきます。ダウンした後に「完全に意識を失っています」・「危険な倒れ方のように見えました」・「急いで担架を呼ぶ必要がありそうです」・「ピクリとも動きません」といった音声実況が流れたらKO確定を意味するので、この場合はタオルを投げても大丈夫です。また、「これは立てないかもしれません」という実況があった場合は、確率は低いですが立てる可能性があるのでなるべく粘った方が良いと思います。(ただし、音声実況はボディダメージを考慮していないので、ボディダメージがあると厳しいかもしれません。)

 

では最後に、遅延についてお話しします。

3.遅延について

スパ天でのスパーでは遅延が頻繁に変わっていきます。また、遅延に応じて出来る事と出来ない事も変わっていってしまいます。そのため、遅延に応じて戦い方を変える必要があります。ここでは、その遅延に応じた戦い方と遅延を把握する方法についてお話したいと思います。まずは、遅延に応じた戦い方についてです。

3-1 遅延に応じた戦い方

①低遅延(遅延3以下)

この場合は、オフラインの時とほとんど同じようなタイミングでカウンターが決まりやすくなります。(例えば、ストレートへのストレートカウンター、フックへのアッパーカウンターなど)そのため、軽率に強打を打つことは避け、ジャブの差し合いをしながらカウンターを狙う戦い方が有効になります。

②中遅延(遅延4~7)

ストレートカウンターはなんとか決まりますが、アッパーカウンターはほとんど決まりません。(反応が遅いとストレートカウンターも決まりづらくなる)ただ、空振りを誘ってのストレートカウンターは低遅延同様決まりやすいのでうまく使ってみると良いと思います。また、遅延6,7程度ならフック削りに反応されにくくなるので、フェイントを混ぜながら使ってみても良いでしょう。

③高遅延(遅延8以上)

この遅延では狙って空振りを誘わないとカウンターはほとんど決まりません。そのため、相手の動きを予想しながら自分で強打を打って仕掛けた方が有利になります。特にフック削りはカウンターをもらうリスクが小さくなるため、ガード主体の相手にフック削りを主体に迫るのは非常に効果的です。 

3-2 遅延の把握方法

まずは上の図をご覧下さい。真ん中の黒い画面に遅延についての情報が載っています。左上の数字が各ラウンドでの一番大きな遅延(これは、ラウンド終了後に接続状況に応じて自動で変化します。基本的にはラウンドが進むごとに大きくなるケースがほとんどです。)、そして、グレーの帯が実際の遅延を表しています。(幅が広ければ広いほど遅延が大きいことを意味します。)

スパーする時は、そのグレーの帯の幅を時折確認しながら戦い方を変えていくことが大切です。また、慣れてくると、帯の幅だけでなく、移動中の感覚でもある程度把握できます。僕の場合は、スッと動くようなら遅延は低め、キーを押して少ししてから動くような重い感じがしたら遅延は高め、といった感じですが、数をこなすうちに自分なりの遅延感覚を持てるようになったらしめたものだと思います。

ちなみに、実際の遅延は、接続にラグ(真ん中の黒い画面にたまに出る細い線)が出ると大抵最大遅延になります。また、最大遅延が大きい状況でも最初の1分ぐらいは低遅延で戦えるケースが多いので、頭に入れておくと役に立つと思います。

 

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最終更新:2014年03月29日 18:43