さて、この講義も5回目に入りました。前回はダメージコントロールやダウンからの回復、そしてよくある危ない場面へのケアの仕方についてお話しましたが、今回はカウンターの狙い所、そして強打の打ち所について徹底解説していきます。ブンブン丸を卒業した新人さんはたいてい、防御がある程度出来るようになったものの攻撃がうまく行かず、そうこうしているうちに相手の強打を少しずつもらってズルズル押し込まれる…、といった負け方をすることが多いように思います。今回の講義は分量がかなり多いので、1回読んだだけではよくわからないと思いますが、何度も読み返し、実戦でいろいろ試していく中で感覚をつかみ、攻撃のレベルアップにつなげていただけると幸いです。まずは、カウンターについて解説していきます。

 

1.カウンターの極意

第2回でも簡単に書きましたが、カウンターは相手のパンチの打ち終わりに強打を合わせる攻撃です。高い精度で出来るプレイヤーはあまり多くありませんが、使いこなせれば相手がカウンターを警戒して強打を打てなくなるので、攻防一体の必殺技になり得ます。まず、カウンターを確実に決めなければいけない場面は以下の2つです。

①相手がヘロストを打ってきたとき

②相手のフック、アッパー、Bフックをガードした(もしくは空振りさせた)とき

この2つのチャンスではよほど遅延が大きくない(具体的には7以上)限り、ストレート(またはアッパー)を合わせればほぼ間違いなく当たります。また、①の場合はBフックも高い確率で当たるので、タイトルマッチなどのように腰を据えて攻めたい場合は狙ってみても良いと思います。(フックは出が遅いので、カウンターで使う場合はへロストとアッパーに対してのみ。また、間合いを外して空振りさせた場合はアッパーが当たらないので注意。)

また、Bジャブを打ってきた所にもストレートカウンターを合わせる事ができます。(特に青・白の相手にはかなり有効です。)やり方としては、相手がBジャブを打ってきそうなタイミングで下がり、実際に相手がBジャブを打って空振りしたら、踏み込みストレートを叩き込む、といった感じです。(ちなみに上手い人は、この動きを通常のジャブに対しても出来たりします。)呼吸をつかむまでがなかなか大変だと思いますが、使いこなせればボディ対策にもかなり役立つので練習してみる価値はあると思います。

さて、ここまででカウンターを狙えるタイミングを紹介してきましたが、「頭ではわかっていても実際に打てない…。」という方もいると思います。という訳で、カウンターを実際に打てるようにするコツを4つほど紹介します。

①オフラインで練習する

当たり前の話かもしれませんが、遅延のないオフラインでカウンターを打てなければ、遅延やプレッシャーのある実戦ではカウンターは打てません。(厳しいかもしれませんが、カウンターを武器にしたいのならば、オフラインで10回チャンスがあったら最低でも7回は決められるぐらいの精度は必要だと思います。)オフラインでカウンターを打てるようにすることが、まずはスタートラインです。直樹のタイムアタックを徹底的にやり込むのが練習法としては最高(ガードしている相手にはフック、ダッキングしている相手にはアッパーと、狙ってくるパンチがはっきりしているため)ですが、フリー版の方はストーリーモードで代用してもOKです。(野村くんは、ストレートの後にアッパー(フック習得の時はフック)を打ってくることが多いのでそこに合わせられるよう練習します。)

参考までに、以前作ったカウンター練習用のリプレイ集もアップしておきます。実戦ではまず使わないようなカウンターも入っていますが、カウンターのタイミングをつかむ練習になると思うので、参考にしながら実際にやってみてください。

カウンター練習用リプレイ集

(ほとんど直樹のタイムアタックでやっていますが、リプレイの①と②は野村くん相手でもできるのでフリー版の方もやってみてください♪)

②相手が強打を打ってきそうなタイミングを予測する

相手が強打を打ってくると読んだ上で強打に反応するのと、いきなりの強打におっかなびっくり反応するのでは、反応速度が全く違ってきます。相手の戦い方をよく観察し、相手の癖やよく打ってくるパンチを把握して狙い球を絞ることが大切です。そして、その狙うと決めたパンチに、どうやってカウンターを合わせるか(例:相手のフックをガードしてアッパーを合わせる)というところまで細かくイメージを作っておくと、カウンターの精度は更にアップします。ちなみに狙い球を絞る時は、「これが来たらいいな」という視点で考えるのではなく、「これが来たらイヤだな」という視点で考えて判断することが大切です。相手は自分の嫌がる所を攻めたがるものです。

③フェイントの可能性を頭に入れておく

フェイントの技術があまり発達していなかった頃は、強打が来たらカウンターを合わせれば良かったのですが、今はそうも言っていられません。「強打が来た!」と思ったらフェイントで、こちらのカウンターに対してダッキングアッパーを合わせられてしまったということも日常茶飯事です。強打のモーションだけで早合点せず、フェイントの可能性も頭に入れて、フェイントか実弾かの判断を冷静にできるようにしましょう。また、第3回でも紹介しましたが、フェイントにはジャブで対応する癖をつけておくと、見極めがしやすくなります。

④序盤を丁寧に戦う

これは意外に思う方もいるかもしれませんが、意外と重要です。序盤でうまくペースを握れれば、相手が焦ってきて強打を振ってくる確率は上がります。そうすればカウンターチャンスが増えることにもつながりますし、精神面でも落ち着いて強打を待てるので一石二鳥です。逆に序盤でダメージを蓄積させてしまうと、たいていの相手は無理せず守りに入ってしまうのでカウンターを狙いにくくなります。第2回の確認になりますが、打ち終わりの防御はもちろん、不用意な強打(特にアッパーとBフック)を打たないことも大事になってきます。集中して序盤を戦えるようにしましょう。

 

2.強打の狙い所

さて、ここまでカウンターの話をしてきましたが、強打の当たるタイミングは何もカウンターだけではありません。直撃しなかった時のリスクはありますが、比較的強打が当たりやすいタイミングは実際にあります。(そして、そういったタイミングこそ自分から強打を打って仕掛けるべきタイミングです。)ここではそういったタイミングを7つ紹介します。いっぺんに覚えようとすると大変だと思うので、1つ1つゆっくり試してみてください。

①スウェー・ダッキングの戻り際

スウェーやダッキングからガード体勢に戻る時には、ストレートが当たりやすいです。(ダメージはだいたい80前後)ストレートはカウンターのリスクが比較的小さいので、戻るタイミングを見計らって積極的に打ってみると良いでしょう。

②相手をコーナーに追い込んだとき

コーナーでは相手に与えられるダメージが2倍になるので、しっかり攻めきれるようにしたいものです。場面にもよりますが、Bジャブで削ってからの踏み込みBフック削りフックを積極的に狙ってみると良いと思います。また、相手がフックに怯えてダッキングを連発しているようならアッパーを狙ってもいいでしょう。

③相手が棒立ちでジャブを打っているとき

相手が棒立ちでジャブを連打している時は、フックが直撃しやすいです。(ダメージは80~90程度)ジャブで止められてもジャブのダメージはそれほど高くないですし、フックの疲労もリセットされるので積極的に狙ってみると良いと思います。ただし、何回か試しても全部止められてしまう場合は、相手に読まれてカウンターを浴びる可能性があるのでその場合は素直に諦めましょう。

④密着した間合いからの離れ際

密着した間合いからの離れ際は、踏み込みストレートや飛び込みフックが非常に当たりやすいタイミングです。(ダメージは60~70ぐらいですが、フックがうまく直撃すれば100前後は入ると思います。)ただし、離れ際と言ってもダッシュで間合いを切られると当たらないので注意が必要です。また、青相手の場合はフックを打つとほぼ間違いなくかわされてストレートカウンターを食らうので自重したほうが良いでしょう。

⑤フックが直撃した直後

フックが直撃した直後は、ストレートで追撃を入れてみると当たることがあります。(フックのダメージが120以上ならほぼ確定)ただし、フック直撃後に相手がダッキングした場合は、ストレートをかわされてダッキングアッパーを食らう危険性があるので注意が必要です。また、相手のダッキングを読んで、ストレートの代わりにアッパー追撃を入れるという変化もあるので、興味のある方は試してみてください。

⑥相手の出鼻

相手が前進ジャブを打とうとしてきたとき、もしくはガードを空けて前に出てきたときはストレートを打ち込むと効果的です。(ダメージは80前後)ただし、出鼻へのストレートはジャブで潰されると40近いダメージを食らってしまうので、ガードが堅い相手に使う時は注意が必要です。

⑦スウェーやダッキングの時間が長いとき

スウェーの時間が長い相手にはBフックダッキングの時間が長い相手にはアッパーが比較的当たりやすいです。(スウェー時はボディの防御力が落ちているので、Bフックが当たると70前後のダメージが入ります。ちなみにアッパーの方は110前後。)ただし、2つともカウンターを食らいやすいパンチなので、カウンター精度の高い相手と戦う時は封印する事も必要だと思います。

ここまでで強打を狙うべきタイミングについて紹介してきましたが、自分から強打を打って仕掛ける時は、相手の癖をしっかり観察して、「打てば当たる!」という確信を得ることが不可欠です。そして、実際に仕掛ける時は「外してカウンターを食っても仕方ない」というくらいに割り切って打つことが大切です。「ミスしたらどうしよう…。」と思いながら、迷って打つパンチはまず当たりません。

 

最後に、フェイントの使い方についても簡単に書いておきます。(ただ、僕自身フェイントの使い方が上手くないのであまりあてにならないかもしれません^^;)まず、カウンター精度の高い相手に対してはフックフェイント→ダッキングのモーションをやってみるとうまくいく場合があります。相手がフェイントに反応してストレートカウンターを打ってきたら、すかさずダッキングアッパーを狙いに行くのが目的です。また、第2回でも簡単に紹介しましたが、ダブルアクションもよく使うパターンです。よく使う形としては、ストレートフェイント→ストレートフックフェイント→ストレートアッパーフェイント→アッパーBフックフェイント→ストレートなどがあるので、カウンターからの崩しが難しい場合は試してみると良いでしょう。

 

さて、ここまでの5回で技術論に関しては出し尽くした感があるので、次回、スパ天で勝つための心構えについて簡単に書いて最終回とさせていただきます。最後までお付き合いいただければ幸いです。

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最終更新:2013年09月03日 13:58