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*M-Tea*5_24-風立ちぬ(一)堀 辰雄
*2013.1.5 第五巻 第二四号
風立ちぬ(一)
序曲 / 春 / 風立ちぬ
堀 辰雄
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/5_24-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/217756)
[[【週刊ミルクティー*第五巻 第二四号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/217756]]
(http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/217756)
※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。
(356KB)
&color(red){定価:200円} p.139 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(5項目)p.48
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて公開中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
*絶望未来! 週刊ミルクティー*
それらの夏の日々、一面に薄(すすき)の生いしげった草原の中で、おまえが立ったまま熱心に絵を描いていると、わたしはいつもそのかたわらの一本の白樺の木陰に身をよこたえていたものだった。そうして夕方になって、おまえが仕事をすませてわたしのそばにくると、それからしばらくわたしたちは肩に手をかけあったまま、はるか彼方の、縁だけ茜色をおびた入道雲のむくむくした塊りにおおわれている地平線のほうをながめやっていたものだった。ようやく暮れようとしかけているその地平線から、反対になにものかが生まれて来つつあるかのように……
そんな日のある午後、(それはもう秋近い日だった)わたしたちは、おまえの描きかけの絵を画架に立てかけたまま、その白樺の木陰に寝そべって果物をかじっていた。砂のような雲が空をサラサラと流れていた。そのとき不意に、どこからともなく風が立った。わたしたちの頭の上では、木の葉の間からチラッとのぞいている藍色が伸びたり縮んだりした。それとほとんど同時に、草むらの中に何かがバッタリと倒れる物音をわたしたちは耳にした。それはわたしたちがそこに置きっぱなしにしてあった絵が、画架とともに、倒れた音らしかった。すぐ立ち上がって行こうとするおまえを、わたしは、いまの一瞬のなにものをも失うまいとするかのように無理にひきとめて、わたしのそばから離さないでいた。おまえはわたしのするがままにさせていた。
風立ちぬ、いざ生きめやも。(「序曲」より)
#ref(5_24.rm)
(朗読:RealMedia 形式 356KB、2:52)
[[milk_tea_5_24.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=376&file=milk_tea_5_24.html]]
(html ソーステキスト版 160KB)
堀 辰雄 ほり たつお
1904-1953(明治37.12.28-昭和28.5.28)
小説家。東京生れ。東大卒。芥川竜之介・室生犀星に師事、日本的風土に近代フランスの知性を定着させ、独自の作風を造型した。作「聖家族」「風立ちぬ」「幼年時代」「菜穂子」など。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(堀辰雄){堀辰雄}、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。
底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
1988(昭和63)年6月1日初版第1刷発行
底本の親本:「堀辰雄全集 第1巻」筑摩書房
1977(昭和52)年5月28日初版第1刷発行
http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card4803.html
NDC 分類:913(日本文学 / 小説.物語)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html
*難字、求めよ
*むしとりホイホイ
靠《もたれ》れ → 靠《もた》れ 【れ】
以上1件。底本確認ずみ。
*スリーパーズ日記*
大晦日。山形のヤマダ電機にてソニー Reader、最新モデルの PRS-T2(ルージュ)と microSDカード16GB を購入。しめて1萬2000圓弱。
展示コーナーにはモックアップが2台と、実機は2010年モデルの PRS-350 のみ。楽天 kobo もアマゾン Kindle もない。
まずなにより軽い。昨年モデルとくらべて、リフレッシュ白黒反転もかなり気にならなくなってる。ページめくりは軽快。ユーザーインターフェイスはどうしようもなくしょぼい。
問題は、自炊 pdf 表示の利用にたえうるかどうか。インプレションが悪くなかったので店員さんと談判。持参した SDカードを差し込んで確認。読み込みにしばし……2、3分。カード内のすべてのテキスト、画像、pdf を自動的に読み込んで、新規にサムネイルを作成してるらしい。本棚につぎつぎと表示される。
さて pdf。テキストや epub ファイルにくらべると、表示、ページめくり、拡大、移動に多少時間がかかる。ファイルの作り方やサイズにもよるのだろうが、バタバタもっさり感がある。このあたり、ドコモの7インチのタブレット MEDIAS TAB UL(1.5GHz デュアルコア、Android 4.0)や、同じく GALAXY note II(1.6GHz クアッドコア、Android 4.1)のほうが上。現状これが、e インク電子ペーパーの限界だろう。
6インチモニタだから、文庫本にしても新書にしても原寸サイズの表示はまともに期待できない。横置きにしたときの分割表示がスムーズかどうか、文字確認できるレベルかどうか……、このあたりが青空工作員としての要求。200 ないし 300dpi、グレースケールでスキャンした画像 pdf をマックスまで拡大。どうやら Adobe のAcrobat Reader や Mac のプレビューの1600%拡大表示にはまったくおよばない。実寸と同程度か、せいぜい110~120%ってところだろうか。モノクロ二階調ないしベクターファイルは未確認。
お持ち帰り♪~。Mac OS X 10.5.8 以上が要求される環境になってるが、パソコンとの接続初期設定なしでも使用できた。同期や本棚の細かい設定はできないが、USB ケーブルで OS 9 や OS X 4(Tiger)とすんなり接続できてしまった。
いろいろファイルをつっこんでみると、どうやら OS 9 で作った日本語名のファイルに限って Reader 側で文字化けしている。たぶん表示システムの違いか。.book が利用できるってことは、もしや ttz も見れる? との期待むなしくはじかれる。アプリケーションにブラウザがあるんだから html ファイルも表示できそうなもんだけれど、これもダメ。文字サイズの拡大縮小はできるのに、行間やマージンの変更はできない。なによりも、ファイルのフォルダ管理できないっていうのだからミニマム設計にもほどがある。5階層に割り切ってフォルダ管理できるようになったポメラ DM100 を見習うべし。
自炊していて、pdf ファイルがあって、epub を自作して確認する環境が手っ取り早くほしいというユーザーにはおすすめ。毎年のようにバージョンを上げてくる可能性はあるが、ガシガシ使ってくださいという価格設定だから、そのつもりで使ってみたい。往年のインフォキャリーや PDA のように消えて続かないってことはないんじゃないかなあ……と。
既成の電子本を楽しみたい人や、パソコンを持ってない人、「pdfってなに?」という人には、まだ、つらいだろうなあというのが正直なところ。読者がふえないと電子本の点数も劇的にはふえないような気がする。絶望だけが人生さ。絶望よ、こんにちは。いざ、生きめやも。
小寒。寒の入り。
じぇらすがい。ともちっくラジオ。
すべての謹賀新年は、絶望未来だ。
2013.1.5:公開 おきゅぱい迷人。
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
カウンタ:&counter()
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*M-Tea*5_24-風立ちぬ(一)堀 辰雄
*2013.1.5 第五巻 第二四号
風立ちぬ(一)
序曲 / 春 / 風立ちぬ
堀 辰雄
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/5_24-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/217756)
[[【週刊ミルクティー*第五巻 第二四号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/217756]]
(http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/217756)
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(356KB)
&color(red){定価:200円} p.139 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(5項目)p.48
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて公開中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
*絶望未来! 週刊ミルクティー*
それらの夏の日々、一面に薄(すすき)の生いしげった草原の中で、おまえが立ったまま熱心に絵を描いていると、わたしはいつもそのかたわらの一本の白樺の木陰に身をよこたえていたものだった。そうして夕方になって、おまえが仕事をすませてわたしのそばにくると、それからしばらくわたしたちは肩に手をかけあったまま、はるか彼方の、縁だけ茜色をおびた入道雲のむくむくした塊りにおおわれている地平線のほうをながめやっていたものだった。ようやく暮れようとしかけているその地平線から、反対になにものかが生まれて来つつあるかのように……
そんな日のある午後、(それはもう秋近い日だった)わたしたちは、おまえの描きかけの絵を画架に立てかけたまま、その白樺の木陰に寝そべって果物をかじっていた。砂のような雲が空をサラサラと流れていた。そのとき不意に、どこからともなく風が立った。わたしたちの頭の上では、木の葉の間からチラッとのぞいている藍色が伸びたり縮んだりした。それとほとんど同時に、草むらの中に何かがバッタリと倒れる物音をわたしたちは耳にした。それはわたしたちがそこに置きっぱなしにしてあった絵が、画架とともに、倒れた音らしかった。すぐ立ち上がって行こうとするおまえを、わたしは、いまの一瞬のなにものをも失うまいとするかのように無理にひきとめて、わたしのそばから離さないでいた。おまえはわたしのするがままにさせていた。
風立ちぬ、いざ生きめやも。(「序曲」より)
#ref(5_24.rm)
(朗読:RealMedia 形式 356KB、2:52)
[[milk_tea_5_24.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=383&file=milk_tea_5_24.html]]
(html ソーステキスト版 160KB)
堀 辰雄 ほり たつお
1904-1953(明治37.12.28-昭和28.5.28)
小説家。東京生れ。東大卒。芥川竜之介・室生犀星に師事、日本的風土に近代フランスの知性を定着させ、独自の作風を造型した。作「聖家族」「風立ちぬ」「幼年時代」「菜穂子」など。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(堀辰雄){堀辰雄}、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。
底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
1988(昭和63)年6月1日初版第1刷発行
底本の親本:「堀辰雄全集 第1巻」筑摩書房
1977(昭和52)年5月28日初版第1刷発行
http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card4803.html
NDC 分類:913(日本文学 / 小説.物語)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html
*難字、求めよ
*むしとりホイホイ
靠《もたれ》れ → 靠《もた》れ 【れ】
以上1件。底本確認ずみ。
*スリーパーズ日記*
大晦日。山形のヤマダ電機にてソニー Reader、最新モデルの PRS-T2(ルージュ)と microSDカード16GB を購入。しめて1萬2000圓弱。
展示コーナーにはモックアップが2台と、実機は2010年モデルの PRS-350 のみ。楽天 kobo もアマゾン Kindle もない。
まずなにより軽い。昨年モデルとくらべて、リフレッシュ白黒反転もかなり気にならなくなってる。ページめくりは軽快。ユーザーインターフェイスはどうしようもなくしょぼい。
問題は、自炊 pdf 表示の利用にたえうるかどうか。インプレションが悪くなかったので店員さんと談判。持参した SDカードを差し込んで確認。読み込みにしばし……2、3分。カード内のすべてのテキスト、画像、pdf を自動的に読み込んで、新規にサムネイルを作成してるらしい。本棚につぎつぎと表示される。
さて pdf。テキストや epub ファイルにくらべると、表示、ページめくり、拡大、移動に多少時間がかかる。ファイルの作り方やサイズにもよるのだろうが、バタバタもっさり感がある。このあたり、ドコモの7インチのタブレット MEDIAS TAB UL(1.5GHz デュアルコア、Android 4.0)や、同じく GALAXY note II(1.6GHz クアッドコア、Android 4.1)のほうが上。現状これが、e インク電子ペーパーの限界だろう。
6インチモニタだから、文庫本にしても新書にしても原寸サイズの表示はまともに期待できない。横置きにしたときの分割表示がスムーズかどうか、文字確認できるレベルかどうか……、このあたりが青空工作員としての要求。200 ないし 300dpi、グレースケールでスキャンした画像 pdf をマックスまで拡大。どうやら Adobe のAcrobat Reader や Mac のプレビューの1600%拡大表示にはまったくおよばない。実寸と同程度か、せいぜい110~120%ってところだろうか。モノクロ二階調ないしベクターファイルは未確認。
お持ち帰り♪~。Mac OS X 10.5.8 以上が要求される環境になってるが、パソコンとの接続初期設定なしでも使用できた。同期や本棚の細かい設定はできないが、USB ケーブルで OS 9 や OS X 4(Tiger)とすんなり接続できてしまった。
いろいろファイルをつっこんでみると、どうやら OS 9 で作った日本語名のファイルに限って Reader 側で文字化けしている。たぶん表示システムの違いか。.book が利用できるってことは、もしや ttz も見れる? との期待むなしくはじかれる。アプリケーションにブラウザがあるんだから html ファイルも表示できそうなもんだけれど、これもダメ。文字サイズの拡大縮小はできるのに、行間やマージンの変更はできない。なによりも、ファイルのフォルダ管理できないっていうのだからミニマム設計にもほどがある。5階層に割り切ってフォルダ管理できるようになったポメラ DM100 を見習うべし。
自炊していて、pdf ファイルがあって、epub を自作して確認する環境が手っ取り早くほしいというユーザーにはおすすめ。毎年のようにバージョンを上げてくる可能性はあるが、ガシガシ使ってくださいという価格設定だから、そのつもりで使ってみたい。往年のインフォキャリーや PDA のように消えて続かないってことはないんじゃないかなあ……と。
既成の電子本を楽しみたい人や、パソコンを持ってない人、「pdfってなに?」という人には、まだ、つらいだろうなあというのが正直なところ。読者がふえないと電子本の点数も劇的にはふえないような気がする。絶望だけが人生さ。絶望よ、こんにちは。いざ、生きめやも。
小寒。寒の入り。
じぇらすがい。ともちっくラジオ。
すべての謹賀新年は、絶望未来だ。
2013.1.5:公開 おきゅぱい迷人。
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
カウンタ:&counter()
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