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*M-Tea*5_3-校註『古事記』(三)武田祐吉
*2012.8.11 第五巻 第三号
校註『古事記』(三)武田祐吉
古事記 上つ巻
五、天照らす大御神と大国主の神
天若日子(あめわかひこ)
国譲り
六、邇邇芸(ににぎ)の命
天降(あも)り
猿女の君
木の花の佐久夜毘売
七、日子穂穂出見(ひこほほでみ)の命
海幸と山幸
豊玉毘売の命
八、鵜葺草葺合(うがやふきあ)えずの命
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/5_3-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/203648)
[[【週刊ミルクティー*第五巻 第三号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/203648]]
(http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/203648)
※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。
(552KB)
&color(red){定価:200円} p.158 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(72項目)p.296
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて校正中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
*にんにきにきにきっ! 週刊にぎにぎっ*
ここに天つ日高日子番の邇邇芸の命、笠紗(かささ)の御前に、麗(かおよ)き美人に遇いたまいき。ここに、「誰が女ぞ」と問いたまえば、答え白(もう)さく、「大山津見の神の女、名は神阿多都比売。またの名は木の花の佐久夜毘売ともうす」ともうしたまいき。また「汝が兄弟ありや」と問いたまえば答え白さく、「わが姉石長比売あり」ともうしたまいき。ここに詔りたまわく、「吾、汝に目合(まぐわい)せんと思うはいかに」とのりたまえば答え白さく、「僕はえ白さじ。僕が父大山津見の神ぞ白さん」ともうしたまいき。かれその父大山津見の神に乞いに遣わししときに、いたくよろこびて、その姉石長比売をそえて、百取の机代の物を持たしめてたてまつり出しき。かれここにその姉は、いと醜きによりて、見かしこみて、返し送りたまいて、ただその弟木の花の佐久夜毘売をとどめて、一宿(ひとよ)婚(みとあた)わしつ。(略)
かれ後に木の花の佐久夜毘売、まい出て白さく、「妾は妊みて、今産(こう)むときになりぬ。こは天つ神の御子、ひそかに産みまつるべきにあらず。かれ請す」ともうしたまいき。ここに詔りたまわく、「佐久夜毘売、一宿にや妊める。こはわが子にあらじ。かならず国つ神の子にあらん」とのりたまいき。ここに答え白さく、「わが妊める子、もし国つ神の子ならば、産むとき幸くあらじ。もし天つ神の御子にまさば、幸くあらん」ともうして、すなわち戸なし八尋殿を作りて、その殿内に入りて、土もちて塗りふたぎて、産むときにあたりて、その殿に火をつけて産みたまいき。かれその火の盛りに燃ゆるときに、生れませる子の名は、火照の命〈こは隼人、阿多の君の祖なり。〉つぎに生れませる子の名は火須勢理の命、つぎに生れませる子の御名は火遠理の命、またの名は天つ日高日子穂穂出見の命。(「木の花の佐久夜毘売」より)
火照の命 ほでりのみこと 海幸彦。
火遠理の命 ほおりのみこと 山幸彦。彦火火出見尊。神武天皇の祖父。
笠紗の御前 かささの みさき → 笠狭崎か
笠狭崎 かささの みさき 記紀神話で瓊瓊杵尊が降臨後とどまった所。伝承地は鹿児島県南さつま市笠沙町の野間崎。
#ref(5_3.rm)
(朗読:RealMedia 形式 568KB、4'37'')
[[milk_tea_5_3.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=358&file=milk_tea_5_3.html]]
(html ソーステキスト版 252KB)
稗田の阿礼 ひえだの あれ
?-? 生没年不詳。7世紀後半から8世紀初頭の人
天武天皇の舎人。記憶力がすぐれていたため、天皇から帝紀・旧辞の誦習を命ぜられ、太安万侶がこれを筆録して「古事記」3巻が成った。
太の安万侶 おおの やすまろ
?-723 (?-養老7.7.6)
奈良時代の官人。民部卿。勅により、稗田阿礼の誦習した帝紀・旧辞を筆録して「古事記」3巻を撰進。1979年、奈良市の東郊から遺骨が墓誌銘と共に出土。
武田祐吉 たけだ ゆうきち
1886-1958(明治19.5.5-昭和33.3.29)
国文学者。東京都出身。小田原中学の教員を辞し、佐佐木信綱のもとで「校本万葉集」の編纂に参加。1926(昭和元)、国学院大学教授。「万葉集」を中心に上代文学の研究を進め、「万葉集全註釈」(1948-51)に結実させた。著書「上代国文学の研究」「古事記研究―帝紀攷」。「武田祐吉著作集」全8巻。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(稗田阿礼){稗田阿礼}、&link_wikipedia(太安万侶){太安万侶}、&link_wikipedia(武田祐吉){武田祐吉}、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。
底本:「古事記」角川文庫、角川書店
1956(昭和31)年5月20日初版発行
1965(昭和40)年9月20日20版発行
底本の親本:「眞福寺本」
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1349.html
NDC 分類:164(宗教 / 神話.神話学)
http://yozora.kazumi386.org/1/6/ndc164.html
NDC 分類:210(日本史)
http://yozora.kazumi386.org/2/1/ndc210.html
*難字、求めよ
伊耶佐の小浜 いざさの おはま 伊那佐の小浜。出雲市付近の海岸。
五十田狭之小渚 いたさのおばま
多芸志の小浜 たぎしの おばま 出雲市の海岸。
河鴈
鳥の遊漁 あそびすなどり
支ち加え あかちくわえ
ま来通り
浮渚
あまい
幸幸
五百鉤 いおはり
一千鉤 ちはり
・ たま
将ちきて もちきて
まい出きつ
逃げ退き にげそき
*むしとりホイホイ
埴《はこ》 → 埴《はに》 【に?】
淤煩鉤《おばち》 → 淤煩鉤《おぼち》 【ぼ?】
以上2件。底本は左辺のとおり。
*スリーパーズ日記*
級数と行間を変更した後なりゆきにまかせると、ページの最終行が大きく開いてしまうことがある。悩んだすえに、その前後だけ手心を加えることにした。
安彦良和『ナムジ』第一巻(徳間書店、1997)読了。大胆ながらも、もっともリアリティのある仮説を提供しているんじゃないだろうか。
ところで、魑魅魍魎、百鬼夜行のオンパレードのような『古事記』(『校註 古事記』武田祐吉)には、「雷神」や「醜女」は登場するが、「鬼」の文字は出てこない。「魏」もなし。
韓の神、韓国、韓鍛、韓人、韓袋、韓比売……以上「韓」の字は七か所。「唐」は皆無。秦の造、秦人……以上「秦」は二か所。「中つ国」は十五か所。いずれも「葦原の中つ国」。夷振、蝦夷……以上「夷」は四か所。「新羅」が七か所。「百済」が四か所。「高麗」「高句麗/高勾麗」は皆無。「任那」「伽耶」もなし。「八島」は八か所。
ちなみに「醜」は、黄泉国で三か所、石長比売で一か所、比婆須比売で二か所、合計六か所の登場。
イラン、M6.4, M6.3。
ペルセウス座流星群、金星食、雷雨。
2012.8.15:公開 玲瓏迷人。
さるすべりとひまわりがようやく。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
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*M-Tea*5_3-校註『古事記』(三)武田祐吉
*2012.8.11 第五巻 第三号
校註『古事記』(三)武田祐吉
古事記 上つ巻
五、天照らす大御神と大国主の神
天若日子(あめわかひこ)
国譲り
六、邇邇芸(ににぎ)の命
天降(あも)り
猿女の君
木の花の佐久夜毘売
七、日子穂穂出見(ひこほほでみ)の命
海幸と山幸
豊玉毘売の命
八、鵜葺草葺合(うがやふきあ)えずの命
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/5_3-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/203648)
[[【週刊ミルクティー*第五巻 第三号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/203648]]
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(552KB)
&color(red){定価:200円} p.158 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(72項目)p.296
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて校正中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
*にんにきにきにきっ! 週刊にぎにぎっ*
ここに天つ日高日子番の邇邇芸の命、笠紗(かささ)の御前に、麗(かおよ)き美人に遇いたまいき。ここに、「誰が女ぞ」と問いたまえば、答え白(もう)さく、「大山津見の神の女、名は神阿多都比売。またの名は木の花の佐久夜毘売ともうす」ともうしたまいき。また「汝が兄弟ありや」と問いたまえば答え白さく、「わが姉石長比売あり」ともうしたまいき。ここに詔りたまわく、「吾、汝に目合(まぐわい)せんと思うはいかに」とのりたまえば答え白さく、「僕はえ白さじ。僕が父大山津見の神ぞ白さん」ともうしたまいき。かれその父大山津見の神に乞いに遣わししときに、いたくよろこびて、その姉石長比売をそえて、百取の机代の物を持たしめてたてまつり出しき。かれここにその姉は、いと醜きによりて、見かしこみて、返し送りたまいて、ただその弟木の花の佐久夜毘売をとどめて、一宿(ひとよ)婚(みとあた)わしつ。(略)
かれ後に木の花の佐久夜毘売、まい出て白さく、「妾は妊みて、今産(こう)むときになりぬ。こは天つ神の御子、ひそかに産みまつるべきにあらず。かれ請す」ともうしたまいき。ここに詔りたまわく、「佐久夜毘売、一宿にや妊める。こはわが子にあらじ。かならず国つ神の子にあらん」とのりたまいき。ここに答え白さく、「わが妊める子、もし国つ神の子ならば、産むとき幸くあらじ。もし天つ神の御子にまさば、幸くあらん」ともうして、すなわち戸なし八尋殿を作りて、その殿内に入りて、土もちて塗りふたぎて、産むときにあたりて、その殿に火をつけて産みたまいき。かれその火の盛りに燃ゆるときに、生れませる子の名は、火照の命〈こは隼人、阿多の君の祖なり。〉つぎに生れませる子の名は火須勢理の命、つぎに生れませる子の御名は火遠理の命、またの名は天つ日高日子穂穂出見の命。(「木の花の佐久夜毘売」より)
火照の命 ほでりのみこと 海幸彦。
火遠理の命 ほおりのみこと 山幸彦。彦火火出見尊。神武天皇の祖父。
笠紗の御前 かささの みさき → 笠狭崎か
笠狭崎 かささの みさき 記紀神話で瓊瓊杵尊が降臨後とどまった所。伝承地は鹿児島県南さつま市笠沙町の野間崎。
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(朗読:RealMedia 形式 568KB、4'37'')
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稗田の阿礼 ひえだの あれ
?-? 生没年不詳。7世紀後半から8世紀初頭の人
天武天皇の舎人。記憶力がすぐれていたため、天皇から帝紀・旧辞の誦習を命ぜられ、太安万侶がこれを筆録して「古事記」3巻が成った。
太の安万侶 おおの やすまろ
?-723 (?-養老7.7.6)
奈良時代の官人。民部卿。勅により、稗田阿礼の誦習した帝紀・旧辞を筆録して「古事記」3巻を撰進。1979年、奈良市の東郊から遺骨が墓誌銘と共に出土。
武田祐吉 たけだ ゆうきち
1886-1958(明治19.5.5-昭和33.3.29)
国文学者。東京都出身。小田原中学の教員を辞し、佐佐木信綱のもとで「校本万葉集」の編纂に参加。1926(昭和元)、国学院大学教授。「万葉集」を中心に上代文学の研究を進め、「万葉集全註釈」(1948-51)に結実させた。著書「上代国文学の研究」「古事記研究―帝紀攷」。「武田祐吉著作集」全8巻。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(稗田阿礼){稗田阿礼}、&link_wikipedia(太安万侶){太安万侶}、&link_wikipedia(武田祐吉){武田祐吉}、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。
底本:「古事記」角川文庫、角川書店
1956(昭和31)年5月20日初版発行
1965(昭和40)年9月20日20版発行
底本の親本:「眞福寺本」
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1349.html
NDC 分類:164(宗教 / 神話.神話学)
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NDC 分類:210(日本史)
http://yozora.kazumi386.org/2/1/ndc210.html
*難字、求めよ
伊耶佐の小浜 いざさの おはま 伊那佐の小浜。出雲市付近の海岸。
五十田狭之小渚 いたさのおばま
多芸志の小浜 たぎしの おばま 出雲市の海岸。
河鴈
鳥の遊漁 あそびすなどり
支ち加え あかちくわえ
ま来通り
浮渚
あまい
幸幸
五百鉤 いおはり
一千鉤 ちはり
・ たま
将ちきて もちきて
まい出きつ
逃げ退き にげそき
*むしとりホイホイ
埴《はこ》 → 埴《はに》 【に?】
淤煩鉤《おばち》 → 淤煩鉤《おぼち》 【ぼ?】
以上2件。底本は左辺のとおり。
*スリーパーズ日記*
級数と行間を変更した後なりゆきにまかせると、ページの最終行が大きく開いてしまうことがある。悩んだすえに、その前後だけ手心を加えることにした。
安彦良和『ナムジ』第一巻(徳間書店、1997)読了。大胆ながらも、もっともリアリティのある仮説を提供しているんじゃないだろうか。
ところで、魑魅魍魎、百鬼夜行のオンパレードのような『古事記』(『校註 古事記』武田祐吉)には、「雷神」や「醜女」は登場するが、「鬼」の文字は出てこない。「魏」もなし。
韓の神、韓国、韓鍛、韓人、韓袋、韓比売……以上「韓」の字は七か所。「唐」は皆無。秦の造、秦人……以上「秦」は二か所。「中つ国」は十五か所。いずれも「葦原の中つ国」。夷振、蝦夷……以上「夷」は四か所。「新羅」が七か所。「百済」が四か所。「高麗」「高句麗/高勾麗」は皆無。「任那」「伽耶」もなし。「八島」は八か所。
ちなみに「醜」は、黄泉国で三か所、石長比売で一か所、比婆須比売で二か所、合計六か所の登場。
イラン、M6.4, M6.3。
ペルセウス座流星群、金星食、雷雨。
2012.8.15:公開 玲瓏迷人。
さるすべりとひまわりがようやく。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
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