「M-Tea*3_44-智恵子抄(二)高村光太郎」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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*【チャリティ商品】2011.6.3 現在
|タイトル|販売数|
|[[M-Tea*3_34-山椒大夫 森 鴎外]]|0個|
|[[M-Tea*3_43-智恵子抄(一)高村光太郎]]|0個|
|[[M-Tea*3_41-グスコーブドリの伝記 宮沢賢治]]|0個|
|[[M-Tea*3_39-キュリー夫人/はるかな道(他)宮本百合子]]|0個|
|[[M-Tea*3_38-春雪の出羽路の三日 喜田貞吉]]|0個|
|[[M-Tea*3_37-津波と人間/天災と国防/災難雑考 寺田寅彦]]|3個|
|[[M-Tea*3_36-地震の話(二)今村明恒]]|1個|
|[[週刊ミルクティー*全バックナンバー140冊セット]]|0個|
チャリティー出品数: 8個
チャリティー販売数: 4個
&color(red){売上金: 800円です! 感謝。}
*M-Tea*3_44-智恵子抄(二)高村光太郎
*2011.5.28 第三巻 第四四号
智恵子抄(二)
高村光太郎
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/3_44-1.gif,http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=274&file=milk_tea_3_44.zip)
[[【週刊ミルクティー*第三巻 第四四号】>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=274&file=milk_tea_3_44.zip]]
(http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=274&file=milk_tea_3_44.zip)
※ クリックするとダウンロードを開始します。
(500KB)
&color(red){月末最終号:無料} p.195 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(38項目)p.182
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて公開中です。転載・印刷・翻訳は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
*飛びだせ! 週刊ぺくちん*
わたしは昭和九年(一九三四)五月から十二月末まで、毎週一度ずつ九十九里浜の真亀納屋という小さな部落に東京から通った。頭を悪くしていた妻を、そこに住む親類の寓居にあずけておいたので、その妻を見舞うために通ったのである。真亀という部落は、海水浴場としても知られているイワシの漁場、千葉県山武郡片貝村の南方一里たらずの浜辺に沿ったさびしい漁村である。
(略)午前に両国駅を出ると、いつも午後二、三時ごろ、この砂丘につく。わたしは一週間分の薬や、菓子や、妻の好きな果物などを出す。妻は熱っぽいような息をして私をよろこび迎える。わたしは妻をさそって、いつも砂丘づたいに防風林の中をまず歩く。そして小松のまばらな高みの砂へ腰をおろして二人で休む。五月の太陽がすこしななめに白い砂を照らし、そよかぜは海から潮の香りをふくんで、あおあおとした松の枝をかすかに鳴らす。空気のうまさを満喫して私は陶然とする。ちょうど五月は松の花のさかりである。クロマツの新芽ののびたさきに、あの小さな、黄いろい、俵のような、ほろほろとした単性の花球がこぼれるように着く。
松の花粉の飛ぶ壮観を、わたしはこの九十九里浜の初夏にはじめて見た。防風林のクロマツの花が熟するころ、海から吹きよせる風にのって、その黄いろい花粉が飛ぶさまは、むしろおそろしいほどの勢いである。支那の黄土をまきあげた黄塵というのは、もとより濁って暗くすさまじいもののようだが、松の花粉の風に流れるのはその黄塵をも想像させるほどで、ただそれが明るく、透明の感じを持ち、不可言の芳香をただよわせて風のまにまに空間を満たすのである。さかんな時には座敷の中にまでその花粉がつもる。妻の浴衣の肩につもったその花粉を軽くはたいて、私は立ち上がる。妻は足もとの砂を掘って、しきりに松露の玉をあつめている。日が傾くにつれて海鳴りが強くなる。千鳥がついそこを駈けるように歩いている。
#ref(3_44.rm)
(朗読:RealMedia 形式 596KB、4'50'')
[[milk_tea_3_44.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=274&file=milk_tea_3_44.html]]
(html ソーステキスト版 220KB)
高村光太郎 たかむら こうたろう
1883-1956(明治16.3.13-昭和31.4.2)
詩人・彫刻家。光雲の子。東京生れ。東京美術学校卒後、アメリカ・フランスに留学してロダンに傾倒。帰国後、「スバル」同人、耽美的な詩風から理想主義に転じ、「道程」で生命感と倫理的意志のあふれた格調の高い口語自由詩を完成。ほかに「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」など。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(高村光太郎){高村光太郎}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
*底本
底本:「智恵子抄」新潮文庫、新潮社
1956(昭和31)年7月15日発行
1967(昭和42)年12月15日改版
1984(昭和59)年 12月15日79刷
http://www.aozora.gr.jp/cards/001168/card46669.html
NDC 分類:911(日本文学/詩歌)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc911.html
*難字、求めよ
漆原
五色温泉
真亀納屋
霞沢
六百岳
ポンペイヤン Pompeiana か。
山崎斌 やまざき たけし 草木染の権威。
佐藤澄子
諸岡存
ヤツカの並木
シネ クワ ノン
オバホルモン
*むしとりホイホイ
秋爽《さわ》やか → 秋|爽《さわ》やか 【|か?】
十本一本 → 一本一本 【一?】
診察まうけた → 診察もうけた 【も、か】
*スリーパーズ日記
「精神分裂症」「看護婦」はそのままにしました。
台風二号の去ったあと、ここ三日間、冷たい北風。震災直後に購入した一〇〇〇円スニーカーは、完全に水没。ゴム底に小石をはさみやすく、表面の合成皮も破れる。三か月もたなかった……。
慈覚大師・円仁の没年を確認すると貞観6(864)1月。その年の7月に富士山噴火。出羽、元慶の乱が878(元慶2年3月)年。「夷俘が蜂起して秋田城を急襲、秋田城司介良岑近は防戦しかねて逃亡。夷俘は周辺に火を放った。出羽守藤原興世も逃亡」。翌年、藤原保則が反乱を鎮撫。貞観地震から一〇年。
円仁没後の天台座主は、4世安慧、5世円珍。安慧が出羽国の講師に任じられたのは、さかのぼること844年(承和11)。
安倍晴明の生年を確認すると延喜21(921)ごろとある。十和田湖噴火から六年。この時代の大江氏は、大江音人・大江千里・大江千古・大江維時。維時の孫が匡衡になる。
アイスランド、グリームスヴォトン火山21日、噴火。
アメリカ、ミズーリ州、モンスタートルネード。
2011.6.2:公開 八面玲瓏。
2011.6.3:更新
KGB24総選挙、めどバウアー。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
カウンタ:&counter()
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- む……、秋田の佐竹さん復帰。 -- しだ (2011-06-03 23:40:34)
- ふむ。寺田寅彦か。 -- しだ (2011-06-03 23:42:51)
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*【チャリティ商品】2011.6.3 現在
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*M-Tea*3_44-智恵子抄(二)高村光太郎
*2011.5.28 第三巻 第四四号
智恵子抄(二)
高村光太郎
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付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(38項目)p.182
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
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*飛びだせ! 週刊ぺくちん*
わたしは昭和九年(一九三四)五月から十二月末まで、毎週一度ずつ九十九里浜の真亀納屋という小さな部落に東京から通った。頭を悪くしていた妻を、そこに住む親類の寓居にあずけておいたので、その妻を見舞うために通ったのである。真亀という部落は、海水浴場としても知られているイワシの漁場、千葉県山武郡片貝村の南方一里たらずの浜辺に沿ったさびしい漁村である。
(略)午前に両国駅を出ると、いつも午後二、三時ごろ、この砂丘につく。わたしは一週間分の薬や、菓子や、妻の好きな果物などを出す。妻は熱っぽいような息をして私をよろこび迎える。わたしは妻をさそって、いつも砂丘づたいに防風林の中をまず歩く。そして小松のまばらな高みの砂へ腰をおろして二人で休む。五月の太陽がすこしななめに白い砂を照らし、そよかぜは海から潮の香りをふくんで、あおあおとした松の枝をかすかに鳴らす。空気のうまさを満喫して私は陶然とする。ちょうど五月は松の花のさかりである。クロマツの新芽ののびたさきに、あの小さな、黄いろい、俵のような、ほろほろとした単性の花球がこぼれるように着く。
松の花粉の飛ぶ壮観を、わたしはこの九十九里浜の初夏にはじめて見た。防風林のクロマツの花が熟するころ、海から吹きよせる風にのって、その黄いろい花粉が飛ぶさまは、むしろおそろしいほどの勢いである。支那の黄土をまきあげた黄塵というのは、もとより濁って暗くすさまじいもののようだが、松の花粉の風に流れるのはその黄塵をも想像させるほどで、ただそれが明るく、透明の感じを持ち、不可言の芳香をただよわせて風のまにまに空間を満たすのである。さかんな時には座敷の中にまでその花粉がつもる。妻の浴衣の肩につもったその花粉を軽くはたいて、私は立ち上がる。妻は足もとの砂を掘って、しきりに松露の玉をあつめている。日が傾くにつれて海鳴りが強くなる。千鳥がついそこを駈けるように歩いている。
#ref(3_44.rm)
(朗読:RealMedia 形式 596KB、4'50'')
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高村光太郎 たかむら こうたろう
1883-1956(明治16.3.13-昭和31.4.2)
詩人・彫刻家。光雲の子。東京生れ。東京美術学校卒後、アメリカ・フランスに留学してロダンに傾倒。帰国後、「スバル」同人、耽美的な詩風から理想主義に転じ、「道程」で生命感と倫理的意志のあふれた格調の高い口語自由詩を完成。ほかに「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」など。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(高村光太郎){高村光太郎}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
*底本
底本:「智恵子抄」新潮文庫、新潮社
1956(昭和31)年7月15日発行
1967(昭和42)年12月15日改版
1984(昭和59)年 12月15日79刷
http://www.aozora.gr.jp/cards/001168/card46669.html
NDC 分類:911(日本文学/詩歌)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc911.html
*難字、求めよ
漆原
五色温泉
真亀納屋
霞沢
六百岳
ポンペイヤン Pompeiana か。
山崎斌 やまざき たけし 草木染の権威。
佐藤澄子
諸岡存
ヤツカの並木
シネ クワ ノン
オバホルモン
*むしとりホイホイ
秋爽《さわ》やか → 秋|爽《さわ》やか 【|か?】
十本一本 → 一本一本 【一?】
診察まうけた → 診察もうけた 【も、か】
*スリーパーズ日記
「精神分裂症」「看護婦」はそのままにしました。
台風二号の去ったあと、ここ三日間、冷たい北風。震災直後に購入した一〇〇〇円スニーカーは、完全に水没。ゴム底に小石をはさみやすく、表面の合成皮も破れる。三か月もたなかった……。
慈覚大師・&link_wikipedia(円仁){円仁}の没年を確認すると貞観6(864)1月。その年の7月に富士山噴火。出羽、&link_wikipedia(元慶の乱){元慶の乱}が878(元慶2年3月)年。「夷俘が蜂起して秋田城を急襲、秋田城司介&link_wikipedia(良岑近){良岑近}は防戦しかねて逃亡。夷俘は周辺に火を放った。出羽守&link_wikipedia(藤原興世){藤原興世}も逃亡」。翌年、&link_wikipedia(藤原保則){藤原保則}が反乱を鎮撫。貞観地震から一〇年。
円仁没後の天台座主は、4世&link_wikipedia(安慧){安慧}、5世&link_wikipedia(円珍){円珍}。安慧が出羽国の講師に任じられたのは、さかのぼること844年(承和11)。
&link_wikipedia(安倍晴明){安倍晴明}の生年を確認すると延喜21(921)ごろとある。十和田湖噴火から六年。この時代の&link_wikipedia(大江氏){大江氏}は、&link_wikipedia(大江音人){大江音人}・&link_wikipedia(大江千里){大江千里}・&link_wikipedia(大江千古){大江千古}・&link_wikipedia(大江維時){大江維時}。維時の孫が匡衡になる。
アイスランド、グリームスヴォトン火山21日、噴火。
アメリカ、ミズーリ州、モンスタートルネード。
2011.6.2:公開 八面玲瓏。
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- む……、秋田の佐竹さん復帰。 -- しだ (2011-06-03 23:40:34)
- ふむ。寺田寅彦か。 -- しだ (2011-06-03 23:42:51)
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