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[[犬妖精2>http://wanwanfairy.jimdo.com/]] [[受け取りページ>http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=8586]] 犬妖精2より派生 10/05/13:ぽちファンクラブ(職業):になし藩国 L:ぽちファンクラブ = {  t:名称 = ぽちファンクラブ(職業)  t:要点 = 皇帝万歳,わーい,になし国民  t:周辺環境 = 地上 }} はてない国人+犬妖精2+騎士+黒騎士  に組み込み はてない国人+犬妖精2+黒騎士+ぽちファンクラブ  とします [[はてない国人>http://www.emerald.rm.st/ninashi/Yggdrasill/index.html#Ygg1]] [[犬妖精>http://www.emerald.rm.st/ninashi/Yggdrasill/index.html#Ygg3]](プロモーション前藩国ページ) [[黒騎士>http://www33.atwiki.jp/areb/67.html]] それぞれから要点を継承しています。 ---- 瑠璃「強いてゆーなーらぁそれはきぃっとぉ、あーいーとゆーうー名のぉぉおお、忠せiモガガ」 月空「わー!わー!(必死に口を塞ぐ」 九重「瑠璃さんアカン、それはアカンからやめてー!危険だからー!」 姫に対する気持ちをどうぞ、と言われ大変なことになっている摂政トリオ―― /*/ #ref(http://areb.sakura.ne.jp/i_dress/cgi/file/potifankurabu1.5.jpg) &size(11){「見て、ここからだとになしのまんなかがみえるのよっ」} &size(11){幼少の姫、追いかけっこという名の脱走、前藩王腰痛と戦いながらのおもひで} /*/ になし藩国という国がある。 帝國の藩塀にして、燃えるような赤髪の民、はてない国民によって成り立つ、帝國NW領でも最古参と呼んで良い藩国である。 騎士と騎兵を国軍の軸に据えた尚武の国でもあり、炎の如く煌めく髪を揺らして戦場に立つ彼らの姿は、幻想的な程に勇ましくあった。 また、トモエリバーと並ぶ名機“A72ゴールデン” の故郷でもあり、広くその名を知られる国家なのである。 ――と、ここまではただの前フリ。一般の方向け説明である。 これが帝國に身を置く者であるなら、になし藩国の説明は、たった一言で済む。 即ち―― “ぽち皇帝陛下のファンクラブ” であると。 /*/ 41400102。 になし藩国民が敬愛して止まない、ぽち王女殿下改め、ぽち皇帝陛下御即位の日の事である。 その日、になし藩国で“皇帝万歳”の声が鳴り止む事は無く。 になし国民の、ある意味能天気ともとれる“わーい”の歓声は、誇張でも何でもなく、になし藩国の大地を揺るがした。 #ref(http://areb.sakura.ne.jp/i_dress/cgi/file/potifankurabu2.jpg) &size(11){歓声にゆれるになし藩国政庁前。昼も夜もなくそれはお祭りのようであった} …一説に寄ると、近隣諸国ではになし藩国地表部を震源に、M4前後の揺れが観測されたとかされなかったとか。 おおよそ、都市伝説の類ではあろうが。 まぁ、そんな事はさておいて。 しかして祭りの熱も冷めやらぬ(とは言え、既に御即位当日から数日間のどんちゃん騒ぎが経過している)内に、 はたとある事に思い至る者がちらほらと…。 “もう姫って呼べないのかなぁ” “皇帝陛下、だねぇ” “ちょっと…遠くに行っちゃった感じだね…” 何と言うか。 彼らの今の心情を例えるなら… “デビュー当初から応援していたアイドルが、スターダムに羽ばたいたファン” …或いは… “いつまでも小さい子供だと思っていた孫が、立派に成人した爺婆” と言った所だったであろうか。 そう、熱狂的な嬉しさの中に、少しだけノスタルジックな思いがない交ぜになったような空気が―― 一瞬だけ流れて消えた。 “だからって、僕らが自分から離れる事無いよね” “だねぇ。もっと近づく事考えないと” 気付けば、更なる活気へと再燃を始めていた。 …そう、ここはになし藩国である。 国是は“ぽちLOVE”、守るべきは“姫の正義”、になしの魂は“ぽちと共にあり”。 楽土とは即ち“ぽちの膝元”にして、“姫の安寧こそ我らが幸い”。 そして彼らの姫とは他も無く“プリンセス・ぽち”なのだ。 姫の事を思うならば、身分が離れたなどとノスタルジックな感傷に浸るのは、一瞬で十分なのであった。 彼らは、赤きの髪の如く心を燃え上がらせる。老いも若きも、男も女も。 愛しき我らがぽち皇帝陛下の為ならば、と。 ――こうして、この日は後に、ぽち皇帝陛下御即位の日と共に、あるものが産声を上げた日となったのである。 それこそが“ぽちファンクラブ”である――。 /*/ ファンクラブ…それは、読んで字の如く、ファンが集うクラブである。 ただ、になし藩国で興ったそれにおいては、一般的なその意味とはやや違うものとなっていた。 先にも触れたが、になし藩国自体が既にして陛下のファンクラブの様相を呈している。 改めて同じ様な枠組みを求める必要など無い、と言うのが当然の帰結であったのであろう。 …“思いつかなかった”とか“それがファンクラブだと知らなかった”という事は無い、と思う。多分。 だからこそ、彼らが到達したのは、全く違う枠組みとしての“ぽちファンクラブ”だった。 即ち、国是たる“ぽちLOVE”の体現者にして、“姫の正義” を求道し、“姫の笑顔”を守る者たちの総称となるものである。 そう、それは性格としては“ぽちの騎士”と同じであると言って差し支えないものである。 しかしてそこは“ファンクラブ=有志による集い”であり、特別な叙勲等は一切必要としない。 何の裏付けも、何の後ろ盾も無くとも、たった一つの入隊条件を満たせば、誰でも加入出来るのである。 ――加入条件は“ぽちファンである事”――。 …一見すれば、それは拍子抜けする程シンプルな一文である。 だが。 それはになし藩国の定義であるという事を忘れてはならない。 それは、誇張でも何でもなく、己の魂と尊厳を掛けて“ぽち”という無二の存在を敬愛し、 その為に訪れるであろう無限の責務と艱難辛苦に対し、命を賭すという悲壮を通り越して滑稽ですらある決意の証明である。 皇帝陛下や王女殿下であるならば、帝國に居並ぶ名高い諸将と並居る歴戦の勇士達が鉄壁の護りを務めよう。 だから、彼らは己に誓う。 この身果てるまで、己だけは“ぽち”の友で居続けると。 例え彼女が一介の乙女であったとしても、無二の友たる彼女の心を護らんとする“最後の騎士”こそ我であると。 そして、彼らは己を鍛錬する。 それは、彼女がわんわん帝國皇帝であり、帝國の地が寸土でも悲しみの声を上げ、 一滴でも民の血が不当に流される事こそ、その笑顔を曇らせる最たる要因である事を知っていたからだ。 故に、自らを守り、になしの地を護り、帝國を護る事こそ彼らの誓いであった。 それは義務ではなく、責務でもなく、矜持であり、それ以上に彼らの魂に刻まれた本能のようなものであった。 いつしかその動きは、になし藩国全土へと波及していった。 ―― 否、になし藩国という国は、最初からそうであったのかもしれない。 ただその動きが、“ぽちファンクラブ”と言う新たな枠組みを定義された事で表面化した、と。 真偽の程は分からない。 ただ、彼らはその一途過ぎる思い故に鍛練し、時として銃を取る。 己が愛する人の為に。それだけは、確かな事実である。 /*/ かくて――。 “ぽちファンクラブ”は、図らずもになし藩国における志願兵練兵組織の様相を呈しつつあった。 …一般的に言って、“ファンクラブ”が“練兵組織”になるというのは、畑の作物を引っこ抜いたら爆薬がなっていた、 と言うような珍事であるが、再三説明させて頂いた通り、ここはになし藩国である…。 その裾野は拡大を続け、結局の所、になし藩国全土にその動きは拡がっていったのである。 藩国民の意気が高い事は、藩国としては歓迎すべき所であるが、無統制というのはあまり好ましくない事である。 結成の経緯が彼らの敬愛する皇帝陛下に端を発する事である以上、すぐにでも激発するような可能性とは無縁であったが、 その力を良い形で藩国の力へと集約出来れば、それはになし藩国、ひいては帝國を支える頼もしい力となり得ると、になし藩国首脳陣は見たのである。 (くれぐれも断わっておくが、藩王並びに摂政以下、藩国政府首脳陣が先陣を切ってファンクラブを結成し、会員NO.一桁台を席巻している事とは恐らく関係が無い。多分、きっと) #ref(http://areb.sakura.ne.jp/i_dress/cgi/file/potifankurabu3.jpg) &size(11){そしてプラチナだかゴールドだとか噂のファンクラブ会員証。某国藩王も現在加入手続き中という。うつっているのは・・・・} そこで、藩国政府は何万件もある既存の有志ファンクラブ・同好会とともに 改めて政府公認のファンクラブ結成を宣言し、練度の高い“ファン”を藩国正規軍として編入すると共に、 藩国政府より認可を発行する事により、各地のファンクラブを“ファン養成所”としたのである。 …と言うといかにも物々しい感じだが、要は国を挙げて“ぽちファン”を全力で標榜する事には何の変わりも無く、 その辺はいつものになし藩国なのであった。 しかし、ほんの少しだけ変わった事もある。 になし藩国には国土防衛の要として、身分的な物ではなく、戦術や信条の面で騎士階級の慣習が残っていた。 その為、近代的な組織戦術や防衛戦略について、長らくあまり熱心に構築されてはいなかった。 はてない人は難しい事を考えるのがニガ手とか、そういう事ではない…はず。 しかし、この“ぽちファンクラブ”は、体系としては市民兵に近く、数も多い事から、 近代式軍事システムを取り入れ、効率的な育成と運用を試みる契機となったのである。 この軍事近代化、特に近代的歩兵部隊の構築・運用システム策定には、 同じ帝國の藩塀にして、古くからの最友邦である星鋼京から派遣された近衛兵部隊〈ティアクライスの衛士〉達の功績を無視する事は出来ない。 彼らはその性質上、警護や治安維持に特化した部隊であると思われがちである。 確かに、それは一面的な事実である。 しかし、彼らは本質的に星鋼京本土防衛を担う国防軍であり、近代的軍事システムに則った歩兵部隊なのである。 彼らは、警護や治安活動のみならず、国土防衛や近代式歩兵戦術、 カウンターテロリズムに有効と思われる閉所・静戦闘術や諜報システム、果ては軍事ロジスティクスに至るまで、 彼らがその系譜から培ったありとあらゆる軍事的ノウハウや装備品の技術まで、幅広く提供したのである。 これは、同時に騎士階級にも新風を吹き入れる事となる。 騎士階級は、新たな軍事システム上では精鋭部隊の位置づけになったのであるが、 ファンクラブとの戦術研究に関する交流や、人員の補強を円滑に受けられるようになる事によって、 新たな部隊運用法の開拓や、人事上の良い緊張感が生まれ、相互に補強しあう関係として新たに構築される事となったのである。 ぽちファンクラブ=国是の守護者=国防軍。 ――それは、になし藩国では何の違和感も無く成立する等式であった。 …と言うか、になし藩国以外で成立しないだろうコレ。 /*/ ファンクラブ結成にまつわる作業の締めくくりに、藩王になしより一つの声明が発表された。 “ぽちファンに貴賎無し”と。 ――になし藩国においてぽちファンとは、 かつて姫とお呼びして我々が敬愛し、今は皇帝陛下とお呼びして我々が敬愛する御方を、 どのような形であれ慕い、支え、その笑顔を護らんとする志の事である。 誰に対して誇る者でも無い。ただ、その想いを胸に抱き、それを誇りと磨き続ければ良いのである。 そして、声明はこう結ばれた。 “これを以て、ぽちファンクラブ結成の定礎とする”と。 …それは、になし藩国民であれば、殊更再確認する必要も無い事であったかもしれない。 ただ、新たな国是の護り手となる者達へ贈る、これ以上の事もまた、無かった。 “会員”達は、今日も鍛練を続ける。 胸に抱く想いを剣とし、己への固き誓いを鎧とする為に。 我らが“姫”の笑顔が、この地上に遍く満たされんが為に。 ---- テキスト:天津 武 イラスト:瑠璃
[[犬妖精2>http://wanwanfairy.jimdo.com/]] [[受け取りページ>http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=8586]] 犬妖精2より派生 L:ぽちファンクラブ = {  t:名称 = ぽちファンクラブ(職業)  t:要点 = 皇帝万歳,わーい,になし国民  t:周辺環境 = 地上  t:評価 = 体格7,筋力7,耐久力7,外見2,敏捷7,器用2,感覚2,知識2,幸運8 t:特殊 = {   *ぽちファンクラブの職業カテゴリ = ,,派生職業アイドレス。   *ぽちファンクラブの特殊能力 = ,,射撃攻撃無効。(I=Dでも)   *ぽちファンクラブの特殊能力2 = ,,白兵攻撃の防御に+6。(I=Dでも)   *ぽちファンクラブの白兵距離戦闘行為 = ,,白兵距離戦闘行為が可能。#白兵距離戦闘評価:可能:(体格+筋力)÷2   *ぽちファンクラブのぽちラブ = ,,ぽちと同じ戦場に居る場合、+3の修正を得る。  }  t:→次のアイドレス = 亜細亜(ACE),オタポン、ポチ最大の守護者(ACE),名誉会員(職業),小さい頃のぽちの写真(アイテム) } 2011-04-23開示につきデータ追記 はてない国人+犬妖精2+騎士+黒騎士  に組み込み はてない国人+犬妖精2+黒騎士+ぽちファンクラブ  とします [[はてない国人>http://www.emerald.rm.st/ninashi/Yggdrasill/index.html#Ygg1]] [[犬妖精>http://www.emerald.rm.st/ninashi/Yggdrasill/index.html#Ygg3]](プロモーション前藩国ページ) [[黒騎士>http://www33.atwiki.jp/areb/67.html]] それぞれから要点を継承しています。 ---- 瑠璃「強いてゆーなーらぁそれはきぃっとぉ、あーいーとゆーうー名のぉぉおお、忠せiモガガ」 月空「わー!わー!(必死に口を塞ぐ」 九重「瑠璃さんアカン、それはアカンからやめてー!危険だからー!」 姫に対する気持ちをどうぞ、と言われ大変なことになっている摂政トリオ―― /*/ #ref(http://areb.sakura.ne.jp/i_dress/cgi/file/potifankurabu1.5.jpg) &size(11){「見て、ここからだとになしのまんなかがみえるのよっ」} &size(11){幼少の姫、追いかけっこという名の脱走、前藩王腰痛と戦いながらのおもひで} /*/ になし藩国という国がある。 帝國の藩塀にして、燃えるような赤髪の民、はてない国民によって成り立つ、帝國NW領でも最古参と呼んで良い藩国である。 騎士と騎兵を国軍の軸に据えた尚武の国でもあり、炎の如く煌めく髪を揺らして戦場に立つ彼らの姿は、幻想的な程に勇ましくあった。 また、トモエリバーと並ぶ名機“A72ゴールデン” の故郷でもあり、広くその名を知られる国家なのである。 ――と、ここまではただの前フリ。一般の方向け説明である。 これが帝國に身を置く者であるなら、になし藩国の説明は、たった一言で済む。 即ち―― “ぽち皇帝陛下のファンクラブ” であると。 /*/ 41400102。 になし藩国民が敬愛して止まない、ぽち王女殿下改め、ぽち皇帝陛下御即位の日の事である。 その日、になし藩国で“皇帝万歳”の声が鳴り止む事は無く。 になし国民の、ある意味能天気ともとれる“わーい”の歓声は、誇張でも何でもなく、になし藩国の大地を揺るがした。 #ref(http://areb.sakura.ne.jp/i_dress/cgi/file/potifankurabu2.jpg) &size(11){歓声にゆれるになし藩国政庁前。昼も夜もなくそれはお祭りのようであった} …一説に寄ると、近隣諸国ではになし藩国地表部を震源に、M4前後の揺れが観測されたとかされなかったとか。 おおよそ、都市伝説の類ではあろうが。 まぁ、そんな事はさておいて。 しかして祭りの熱も冷めやらぬ(とは言え、既に御即位当日から数日間のどんちゃん騒ぎが経過している)内に、 はたとある事に思い至る者がちらほらと…。 “もう姫って呼べないのかなぁ” “皇帝陛下、だねぇ” “ちょっと…遠くに行っちゃった感じだね…” 何と言うか。 彼らの今の心情を例えるなら… “デビュー当初から応援していたアイドルが、スターダムに羽ばたいたファン” …或いは… “いつまでも小さい子供だと思っていた孫が、立派に成人した爺婆” と言った所だったであろうか。 そう、熱狂的な嬉しさの中に、少しだけノスタルジックな思いがない交ぜになったような空気が―― 一瞬だけ流れて消えた。 “だからって、僕らが自分から離れる事無いよね” “だねぇ。もっと近づく事考えないと” 気付けば、更なる活気へと再燃を始めていた。 …そう、ここはになし藩国である。 国是は“ぽちLOVE”、守るべきは“姫の正義”、になしの魂は“ぽちと共にあり”。 楽土とは即ち“ぽちの膝元”にして、“姫の安寧こそ我らが幸い”。 そして彼らの姫とは他も無く“プリンセス・ぽち”なのだ。 姫の事を思うならば、身分が離れたなどとノスタルジックな感傷に浸るのは、一瞬で十分なのであった。 彼らは、赤きの髪の如く心を燃え上がらせる。老いも若きも、男も女も。 愛しき我らがぽち皇帝陛下の為ならば、と。 ――こうして、この日は後に、ぽち皇帝陛下御即位の日と共に、あるものが産声を上げた日となったのである。 それこそが“ぽちファンクラブ”である――。 /*/ ファンクラブ…それは、読んで字の如く、ファンが集うクラブである。 ただ、になし藩国で興ったそれにおいては、一般的なその意味とはやや違うものとなっていた。 先にも触れたが、になし藩国自体が既にして陛下のファンクラブの様相を呈している。 改めて同じ様な枠組みを求める必要など無い、と言うのが当然の帰結であったのであろう。 …“思いつかなかった”とか“それがファンクラブだと知らなかった”という事は無い、と思う。多分。 だからこそ、彼らが到達したのは、全く違う枠組みとしての“ぽちファンクラブ”だった。 即ち、国是たる“ぽちLOVE”の体現者にして、“姫の正義” を求道し、“姫の笑顔”を守る者たちの総称となるものである。 そう、それは性格としては“ぽちの騎士”と同じであると言って差し支えないものである。 しかしてそこは“ファンクラブ=有志による集い”であり、特別な叙勲等は一切必要としない。 何の裏付けも、何の後ろ盾も無くとも、たった一つの入隊条件を満たせば、誰でも加入出来るのである。 ――加入条件は“ぽちファンである事”――。 …一見すれば、それは拍子抜けする程シンプルな一文である。 だが。 それはになし藩国の定義であるという事を忘れてはならない。 それは、誇張でも何でもなく、己の魂と尊厳を掛けて“ぽち”という無二の存在を敬愛し、 その為に訪れるであろう無限の責務と艱難辛苦に対し、命を賭すという悲壮を通り越して滑稽ですらある決意の証明である。 皇帝陛下や王女殿下であるならば、帝國に居並ぶ名高い諸将と並居る歴戦の勇士達が鉄壁の護りを務めよう。 だから、彼らは己に誓う。 この身果てるまで、己だけは“ぽち”の友で居続けると。 例え彼女が一介の乙女であったとしても、無二の友たる彼女の心を護らんとする“最後の騎士”こそ我であると。 そして、彼らは己を鍛錬する。 それは、彼女がわんわん帝國皇帝であり、帝國の地が寸土でも悲しみの声を上げ、 一滴でも民の血が不当に流される事こそ、その笑顔を曇らせる最たる要因である事を知っていたからだ。 故に、自らを守り、になしの地を護り、帝國を護る事こそ彼らの誓いであった。 それは義務ではなく、責務でもなく、矜持であり、それ以上に彼らの魂に刻まれた本能のようなものであった。 いつしかその動きは、になし藩国全土へと波及していった。 ―― 否、になし藩国という国は、最初からそうであったのかもしれない。 ただその動きが、“ぽちファンクラブ”と言う新たな枠組みを定義された事で表面化した、と。 真偽の程は分からない。 ただ、彼らはその一途過ぎる思い故に鍛練し、時として銃を取る。 己が愛する人の為に。それだけは、確かな事実である。 /*/ かくて――。 “ぽちファンクラブ”は、図らずもになし藩国における志願兵練兵組織の様相を呈しつつあった。 …一般的に言って、“ファンクラブ”が“練兵組織”になるというのは、畑の作物を引っこ抜いたら爆薬がなっていた、 と言うような珍事であるが、再三説明させて頂いた通り、ここはになし藩国である…。 その裾野は拡大を続け、結局の所、になし藩国全土にその動きは拡がっていったのである。 藩国民の意気が高い事は、藩国としては歓迎すべき所であるが、無統制というのはあまり好ましくない事である。 結成の経緯が彼らの敬愛する皇帝陛下に端を発する事である以上、すぐにでも激発するような可能性とは無縁であったが、 その力を良い形で藩国の力へと集約出来れば、それはになし藩国、ひいては帝國を支える頼もしい力となり得ると、になし藩国首脳陣は見たのである。 (くれぐれも断わっておくが、藩王並びに摂政以下、藩国政府首脳陣が先陣を切ってファンクラブを結成し、会員NO.一桁台を席巻している事とは恐らく関係が無い。多分、きっと) #ref(http://areb.sakura.ne.jp/i_dress/cgi/file/potifankurabu3.jpg) &size(11){そしてプラチナだかゴールドだとか噂のファンクラブ会員証。某国藩王も現在加入手続き中という。うつっているのは・・・・} そこで、藩国政府は何万件もある既存の有志ファンクラブ・同好会とともに 改めて政府公認のファンクラブ結成を宣言し、練度の高い“ファン”を藩国正規軍として編入すると共に、 藩国政府より認可を発行する事により、各地のファンクラブを“ファン養成所”としたのである。 …と言うといかにも物々しい感じだが、要は国を挙げて“ぽちファン”を全力で標榜する事には何の変わりも無く、 その辺はいつものになし藩国なのであった。 しかし、ほんの少しだけ変わった事もある。 になし藩国には国土防衛の要として、身分的な物ではなく、戦術や信条の面で騎士階級の慣習が残っていた。 その為、近代的な組織戦術や防衛戦略について、長らくあまり熱心に構築されてはいなかった。 はてない人は難しい事を考えるのがニガ手とか、そういう事ではない…はず。 しかし、この“ぽちファンクラブ”は、体系としては市民兵に近く、数も多い事から、 近代式軍事システムを取り入れ、効率的な育成と運用を試みる契機となったのである。 この軍事近代化、特に近代的歩兵部隊の構築・運用システム策定には、 同じ帝國の藩塀にして、古くからの最友邦である星鋼京から派遣された近衛兵部隊〈ティアクライスの衛士〉達の功績を無視する事は出来ない。 彼らはその性質上、警護や治安維持に特化した部隊であると思われがちである。 確かに、それは一面的な事実である。 しかし、彼らは本質的に星鋼京本土防衛を担う国防軍であり、近代的軍事システムに則った歩兵部隊なのである。 彼らは、警護や治安活動のみならず、国土防衛や近代式歩兵戦術、 カウンターテロリズムに有効と思われる閉所・静戦闘術や諜報システム、果ては軍事ロジスティクスに至るまで、 彼らがその系譜から培ったありとあらゆる軍事的ノウハウや装備品の技術まで、幅広く提供したのである。 これは、同時に騎士階級にも新風を吹き入れる事となる。 騎士階級は、新たな軍事システム上では精鋭部隊の位置づけになったのであるが、 ファンクラブとの戦術研究に関する交流や、人員の補強を円滑に受けられるようになる事によって、 新たな部隊運用法の開拓や、人事上の良い緊張感が生まれ、相互に補強しあう関係として新たに構築される事となったのである。 ぽちファンクラブ=国是の守護者=国防軍。 ――それは、になし藩国では何の違和感も無く成立する等式であった。 …と言うか、になし藩国以外で成立しないだろうコレ。 /*/ ファンクラブ結成にまつわる作業の締めくくりに、藩王になしより一つの声明が発表された。 “ぽちファンに貴賎無し”と。 ――になし藩国においてぽちファンとは、 かつて姫とお呼びして我々が敬愛し、今は皇帝陛下とお呼びして我々が敬愛する御方を、 どのような形であれ慕い、支え、その笑顔を護らんとする志の事である。 誰に対して誇る者でも無い。ただ、その想いを胸に抱き、それを誇りと磨き続ければ良いのである。 そして、声明はこう結ばれた。 “これを以て、ぽちファンクラブ結成の定礎とする”と。 …それは、になし藩国民であれば、殊更再確認する必要も無い事であったかもしれない。 ただ、新たな国是の護り手となる者達へ贈る、これ以上の事もまた、無かった。 “会員”達は、今日も鍛練を続ける。 胸に抱く想いを剣とし、己への固き誓いを鎧とする為に。 我らが“姫”の笑顔が、この地上に遍く満たされんが為に。 ---- テキスト:天津 武 イラスト:瑠璃

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