307 名無しさん@ビンキー [sage] Date:2008/07/03(木) 20:03:52 O ID: Be:夏祭りの残りをgdgd執筆中にラッキースケベなアレルヤにセンチメンタリズムを感じたので投下。・いつかの20歳大学生アレルヤ×16歳女子高生ティエリアの過去のお話 ・18歳大学生なりたてほやほやアレルヤ×14歳中学生ティエリア♀・現代パラレル・エロは無し(ラッキースケベとがっつりエロは永遠に交わらない平行世界だよね←)・アレルヤの葛藤がすごく…少女漫画です……。NGワードは「♀」orスクロール推奨。おk!な方はどうぞ!308 18歳大学生アレルヤ×14歳中学生ティエリア♀ [sage] Date:2008/07/03(木) 20:05:24 O ID: Be:初めてアレルヤ・ハプティズムという人間の存在を認識した時、頑強な肉体とは裏腹にとても柔らかく微笑む男だと思った。二回目にアレルヤ・ハプティズムという人間の存在を認識した時、万死に値する!!と思った。今から二年程前、アレルヤがまだ大学生になったばかりの頃の話。―――ピンポーンインターホンを鳴らし、アレルヤはドアの前に佇んでいた。先輩で在るロックオンから借りていた本を返すため、アレルヤは以前一度だけお邪魔したことの在るロックオンの住むマンションの一室を訪れていたのだった。「………」やがて扉が開き、そこに現れた人物が予想と違い、アレルヤは思わず瞳を見開いた。「やあ、ティエリア」「…こんにちは、アレルヤ・ハプティズム」現れたのは、ぺこりと頭を下げるセーラー服姿の少女。名前はティエリア。このマンションでロックオンと二人暮らしをしている、ロックオンの腹違いの妹だ。以前初めてロックオン宅を訪ねた時、リビングの向こう側から無表情のまま軽く会釈をしてくれて、アレルヤもそれに応えて優しく微笑みながら会釈をした。ただそれだけの、関係だった。 「あー、えっと…ロックオンは居るかい?」「いいえ。ロックオンなら、今出掛けています」「そっかぁ…あ、本をね、借りたから。返そうと思って来たんだけど…居ないなら仕方ないね」またね。そう言おうと、苦笑しつつ手に持った本をちらつかせ去ろうとした瞬間、ガッ!!とティエリアに腕を掴まれた。「えっ、」「ロックオンが、『もしアレルヤが来たら、引き留めといてくれ。多分すぐ戻るだろうから』と言っていた。…もしこれから予定が無いのだったら、うちでロックオンを待っててもいい。」 どうする?真っ赤な瞳が、アレルヤの銀色の瞳を見上げてそう尋ねて来た。「い、いや…予定は特に無いけど、その、ティエリアの迷惑になっちゃうし…」「私は迷惑じゃない」「そ、そう?なら、待たせて貰っても良いかな…?」「構わない。」ティエリアは、ぱっ、と手を腕から離すと、くるりときびすを返してすたすたとリビングの奥へと歩いて行ってしまった。慌ててアレルヤも靴を脱ぎ、「お邪魔しまーす…」と奥へと歩みを進めた。× × ×「そこに座って待っているといい」リビングへと案内されたアレルヤは、ティエリアによって大きなソファーに座るようにと促される。一言礼を言うと、ティエリアはすたすたとキッチンへ歩いて行ってしまった。「…ふう」ソファーへと腰を降ろし、傍らに分厚い本を置いて一息吐く。ぐるりと辺り一帯を見渡しながら、アレルヤは先ほどのことを思い出していた。(ティエリア……か…。確かフルネームはティエリア・アーデ。ロックオンと名字が違うってことは…やっぱり複雑な家庭の事情なんだろうなあ…腹違いらしいし…。) (でも、さっきは本当にびっくりした。いきなり腕掴まれるし…それに、初めて会った時も思ったけど、ティエリアって…凄く、綺麗なんだよなあ……。)(…って、何考えてるんだろう、僕!何でドキドキしてるんだろう、僕!あ、相手はまだ14歳の中学生じゃないか…!)(きっとこのドキドキは、突然腕を掴まれたことによって生じたドキドキだ。そうだ、そうに決まってる。大学生の僕が、中学生の女の子にドキドキするわけ…!)「アレルヤ・ハプティズム」「うわあああああああ!!!」突然背後から声を掛けられ、アレルヤは大袈裟なくらい体を跳ねさせ絶叫した。それにつられる様に、ティエリアもまたびくっ!と体を跳ねさせた。「ティ、ティ、ティエリア……!?」「な、何なんだ、君は…!!」「ごっ…ごめん!いきなり話し掛けられたから、びっくりしちゃって……!!」取り繕うようにそう言って、無理やり笑顔を作る。ティエリアは訝しげな表情を浮かべながらも、こほん、と1つ咳払いをすると、僅かに俯きながら黙ってしまった。「…ティエリア?どうしたの?」「……あ、あの…」「ん?」何かを口ごもるティエリアの緊張を解すように、アレルヤはティエリアの瞳をじっと見つめ、優しく微笑んだ。それで決心がついたのか、ティエリアは顔を上げアレルヤの瞳を見つめながら、言葉を放ち始めた。「……あの、折角来てくれたんだから、お茶でも出そうと思ったんだが…普段家事とか全くしないから、何処に紅茶の葉がしまって在るかも分からなくて、それで……」 「ああ、何だ、そんなこと。いいよ、気を遣わなくても。大丈夫だよ」「いや、お客様にお茶の1つも出せないだなんて、言語道断!万死に値する!!…というわけで、また今から探し始める。だから、またしばらく待ってて下さい。」ティエリアは有無を言わさないキッとした視線をアレルヤに投げ掛けると、丈の長いセーラー服を翻しながら再びキッチンへとずんずん歩みを進めて行った。そんなティエリアを唖然とした表情でしばらく見つめていたアレルヤは、ハッと慌ててティエリアの後を追い掛けて行った。「下の戸棚にも引き出しの中にも何処にも無い…でもロックオンはいつもキッチンから紅茶の葉を取って来るし…キッチンに在るのは間違いない筈なのに…」「ティエリア、僕も探すの手伝うよー」「な…!?きゃ、客人がこんな所で何をしてるんですか!!早く出てって下さい!!」ぎゃーぎゃーと何かを喚きながら、その小さな手で必死にぐいぐいとアレルヤの胸板を押し返すティエリアだったが、そこは歳の差男女の差。アレルヤの逞しい体はぴくりとも動かない。 「下はもう探したんでしょ?なら、もしかしたら上の戸棚に入ってるのかもしれないよ」「上…」アレルヤは苦笑しつつも、キッチンの上の戸棚を指差す。ティエリアもそれを目で追うと、ぴたりとアレルヤへ圧力を掛けるのを止めた。「でも、ティエリアは上には届かないよね。僕が取ってあげるよ」「だから、客人に手間を掛けさせるわけにはいかない。どうしても出てかないというなら、しばらくそこで黙ってて下さい。」ふん、とティエリアはリビングへと歩いて行った。アレルヤはそんなティエリアをぼんやりと眺めながら、再び苦笑した。(ティエリアって……変な子だなあ。初めて会った時は、もっとおとなしい子かと思ったけど。)(確かにおとなしい方だとは思うけど、意外に頑固で、負けず嫌いで、それにすごく気が強い。)客人の僕を、必死にもてなそうとしてくれてる。すごく使命感が在って、なんていうか、委員長タイプなのかも。年上で在る僕に必死に敬語を使ってくる辺りも、礼儀正しい感じ。でも所々で敬語が抜けちゃって、素が出てくる。そんな歳相応な部分も垣間見えちゃったりなんかして、なんていうか、ものすごーく…「か、可愛い!?」「はぁ!?」「って!ティ、ティエリア!?」ぼーっとして、色々考えて、たどり着いた結論に頭が真っ白になって、思わず叫んだ。するといつの間にか目の前にリビングから椅子を持って来たティエリアが居て、さらにびっくりする。 「可愛い…?何が可愛いんだ…?」ティエリアは訝し気に辺りをきょろきょろと見渡す。(君がだよ、ティエリア!!)なんて頭で叫びながらも、アレルヤは慌てて冷蔵庫に張り付いていたマグネットの1つを指差した。「い、いや、あの、その……マ、マルチーズのマグネットが!すごく!可愛いなあーって!!」「ふーん…意外だな、マルチーズが好きなのか?」「う、うん!マルチーズかわいーっ!よね!」「別に特段可愛いとは思わないが…」ティエリアは興味無さそうに呟くと、よいしょとセットした椅子の上に乗っかった。はらりと長いスカートが靡き、真っ白な足がちらりと垣間見えて、アレルヤは慌てて視線を逸らした。 (待て待て……さっき僕は、ティエリアが可愛いと思ったのか?あれ?でもそれって普通のこと…だよね?)(だって、ティエリアはまだ14歳なんだし。14歳の子を可愛いと思うのは、年上として当たり前の感情で……そう!あれだ!妹!みたいな!)(うん、そうだ。僕はティエリアを妹のように微笑ましく見守ってるんだ。ほら、僕、実際に妹居るし。それと同じ感じだって。だから別に可愛いって思ったって何ら不自然じゃない…)悶々と頭の中で生じたパニックに様々な理由付けをして必死に落ち着こうとしてる中、ティエリアが、あ、と小さく呟いた。「これ…か……?」その声にアレルヤも上を見上げると、戸棚を開け放ったティエリアは、二、三個重なった紅茶の葉の缶を手にとろうとしていた。しかし。「……う、わ!?」ぐらり、と上に重なっていた紅茶の葉の缶が崩れる。それはティエリアの顔に真っ逆様に落ちようとしており、とっさにティエリアはぎゅっと瞳を瞑り顔を背けた。そして次の瞬間、がくりと体のバランスを崩し、椅子の上から空中へと放り出された。「―――――っ危ない!!!」とっさに、アレルヤは叫んでいた。そして叫んだ時には、もう体は動き出していた。落ちるティエリアへと腕を伸ばし、その反動で一緒に床へと吸い寄せられる。とにかく、目の前の少女を守らなければいけないと思った。とにかく、何が何でもこの少女を痛みから守ってやらないといけないと思った。例え自分の体をクッションにしても。 全てがスローモーションのように、一瞬の空間へと吸い込まれてゆく。視界の端で紅茶の葉の缶がガラガラと音を立てて床に打ち付けられたのと同時に、意識がハッと覚醒した。 「ティ、ティエリア!!大丈…」大丈夫?そう言いかけたアレルヤは、不意に右手にやけに柔らかい感触を感じ、目を点にさせた。(むにゅ?むにゅって、何だ…?)仰向けに倒れ込んだアレルヤの体の上には、うつ伏せに倒れ込んだティエリアの体が乗っかっていた。自分の顔のすぐ目の前に、ティエリアの顔が在る。真っ赤な瞳が、自分の顔だけを映し込んでいる。やがてみるみるうちにティエリアの顔が真っ赤に染まってゆき、反対にアレルヤの顔は真っ青に染まっていった。「…う、うわ!!ご、ごめん!!」そう、アレルヤのごつごつとした右手は、あろうことかティエリアの慎ましやかな胸を、何の躊躇いも無く揉みしだいていたのだった。全てを理解したアレルヤは、慌てて不覚にもけしからん自らの右手をティエリアの胸から離した。「ば……ば………」しかし、顔を真っ赤に染めたティエリアが、鋭い目つきでアレルヤを睨みつけると、あまりの怒りにふるふると体を震わせながら何かを呟き始め、やがてきゅっ、と唇を引き結んだ。 「万死に値するっ!!!」そして次の瞬間、バキッ!!と生々しい音がキッチンに響くと、アレルヤの頬に信じられないくらいの衝撃が走った。一瞬何が起こったのかわからなくて、何故か目の前がキラキラ輝き始め、一瞬のうちに大切な人たちの顔がそのキラキラに流れては浮かんで消えていった。ああ、母さん父さんハレルヤそれにマリー、僕は相変わらず元気に生きてます。「ごめん、ごめん、ごめんね!!ごめん!!!」とにかく、謝らなくちゃ。100%僕が悪いんだし。それに、見たところ怪我も無さそうだし。アレルヤは腹筋を使ってティエリアごと起き上がると、ティエリアの肩にやんわりと触れながら、とにかく頭を下げた。そしてティエリアを床に座らせて立ち上がると、一目散に玄関へと走り去った。「本当にごめんね!!!」最後にそう叫ぶと、バタンッ!!!と勢いよく扉を開けて、外の世界へと飛び出した。「………っ!」ティエリアはバタンッと自動的に閉まったドアを見つめながら、たまらず自分の体を掻き抱いた。「何だ…何なんだ、あの男………!!!」一方、アレルヤは日が傾きかけた薄暗い住宅街を、ひたすら走っていた。胸が苦しい。それは、走ってるから?(ティエリア…ちょっと泣いてた。そりゃそうだよね、知り合って間もない男にいきなりあんなことされれば誰だって……)ぐるぐるとアレルヤの頭の中に様々なわけのわからない感情が浮かんでは消え、浮かんでは消え、を繰り返す。「あんな幼い女の子にあんなことしちゃうなんて……僕は……人でなしだああああーーーーっ!!!!!」アレルヤの涙声の混じった絶叫が、夜の空に静かに消えていった。終わり。
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