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MT*2_30-生物の歴史(二) 石川千代松

2010.2.13 第二巻 第三〇号

生物の歴史(二)
石川千代松

  九、軟体(なんたい)動物
 一〇、節肢(せっし)動物
 一一、環節(かんせつ)動物
 一二、棘皮(きょくひ)動物
 一三、円形動物と扁形(へんけい)動物
 一四、腔腸(こうちょう)動物
 一五、原生(げんせい)動物
 一六、動物の分類

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【週刊ミルクティー*第二巻 第三〇号】
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(1MB)

定価:200円(税込)  p.116 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(82項目)p.484
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飛び出せ! サナギマン!

オリジナル版 ミルクティー*現代表記版
生物の歴史(二) 生物の歴史(二)
 節肢《せつし》動物《どうぶつ》は又《また》節足《せつそく》動物《どうぶつ》ともいひ、昆蟲《こんちゆう》、くも、えび、かにの類《るい》のものゝ總稱《そうしよう》で、これ等《ら》のものでは全身《ぜんしん》が幾《いく》つもの節《ふし》から出來《でき》、その最《もつと》も發達《はつたつ》した昆蟲《こんちゆう》では、頭《あたま》、胸《むね》、腹《はら》の三部《さんぶ》に分《わか》れ、頭《あたま》に觸肢《しよくし》(又は觸角)と多《おほ》くのものでは複眼《ふくがん》といふ目《め》が一双《いつそう》と多《おほ》くは三箇《さんこ》の單眼《たんがん》とがあり、又《また》口部《こうぶ》といひ完全《かんぜん》なものでは一双《いつそう》の大顎肢《だいがくし》と二双《にそう》の小顎肢《しようがくし》とがある。この三双《さんそう》の顎肢《がくし》の間《あひだ》に口《くち》が開《ひら》いてゐる。昆蟲《こんちゆう》の内《うち》にはいろ/\變《かは》つた生活《せいかつ》をするものがあつて、その口部《こうぶ》はその食物《しよくもつ》によつて大《たい》そう違《ちが》つてゐる。例《たと》へば蝶々《ちよう/\》のように花蜜《かみつ》を吸《す》ふものでは小顎肢《しようがくし》が管《くだ》のようになつてゐる。併《しか》し同《おな》じ液汁《えきじゆう》を吸《す》ふものでも、せみやありまきでは口管《こうかん》が幾等《いくら》か丈夫《じようぶ》に出來《でき》てゐる。それから蜂《はち》では大顎肢《だいがくし》で物《もの》を噛《か》むから、これが存在《そんざい》してゐる。(略)  節肢(せっし)動物はまた、節足(せっそく)動物ともいい、昆虫(こんちゅう)・クモ・エビ・カニの類(るい)のものの総称(そうしょう)で、これらのものでは、全身がいくつもの節(ふし)からでき、そのもっとも発達(はったつ)した昆虫(こんちゅう)では、頭・胸(むね)・腹(はら)の三部に分(わ)かれ、頭に触肢(しょくし)(または触角(しょっかく))と、多くのものでは複眼(ふくがん)という目(め)が一双(いっそう)と、多くは三個の単眼(たんがん)とがあり、また、口部(こうぶ)といい完全なものでは、一双(いっそう)の大顎肢(だいがくし)と二双(にそう)の小顎肢(しょうがくし)とがある。この三双(さんそう)の顎肢(がくし)のあいだに口(くち)が開(ひら)いている。昆虫(こんちゅう)のうちにはいろいろ変(か)わった生活をするものがあって、その口部(こうぶ)は、その食物によってたいそう違(ちが)っている。たとえば蝶々(ちょうちょ)のように花蜜(かみつ)を吸(す)うものでは、小顎肢(しょうがくし)が管(くだ)のようになっている。しかし、同じ液汁(えきじゅう)を吸(す)うものでも、セミやアリマキでは口管(こうかん)がいくらかじょうぶにできている。それからハチでは、大顎肢(だいがくし)で物(もの)をかむから、これが存在(そんざい)している。(略)
 それから、これ等《ら》節肢《せつし》動物《どうぶつ》の内《うち》で發生《はつせい》が直接《ちよくせつ》なものと、變態《へんたい》といふことをするものとがある。直接《ちよくせつ》發生《はつせい》といふのは卵《たまご》から出《で》た子供《こども》が親《おや》と同《おな》じような形《かたち》のもので、變態《へんたい》發生《はつせい》といふのは卵《たまご》から出《で》た子供《こども》が親《おや》と違《ちが》つた形《かたち》で、生長《せいちよう》する間《あひだ》に變態《へんたい》するものである。昆蟲《こんちゆう》で變態《へんたい》をする蝶《ちよう》、蛾《が》などでは卵殼《らんかく》から出《で》たものは子蟲《こむし》といひ、つぎに蛹蟲《ようちゆう》といふものになり、終《をは》りに成蟲《せいちゆう》となるのである。かに、えび類《るい》の子供《こども》は、三双《さんそう》の肢《あし》のあるなうぷりうすといふものである。  それから、これら節肢(せっし)動物のうちで、発生が直接(ちょくせつ)なものと、変態(へんたい)ということをするものとがある。直接(ちょくせつ)発生というのは、卵(たまご)から出た子供(こども)が親(おや)と同じような形のもので、変態(へんたい)発生というのは、卵(たまご)から出た子供(こども)が親(おや)と違(ちが)った形で、生長(せいちょう)するあいだに変態(へんたい)するものである。昆虫(こんちゅう)で変態(へんたい)をする蝶(ちょう)・蛾(が)などでは、卵殻(らんかく)から出たものは子虫(こむし)といい、つぎに蛹虫(ようちゅう)というものになり、終(お)わりに成虫(せいちゅう)となるのである。カニ・エビ類(るい)の子供(こども)は、三双(さんそう)の肢(あし)のあるナウプリウスというものである。

2_30.rm
(朗読:RealMedia 形式 348KB、2'49'')


石川千代松 いしかわ ちよまつ
1860-1935(万延元.6.6-昭和10.1.17)
動物学者。東京出身。ドイツに留学して、日本にワイスマン流の進化論を紹介。東大教授。魚類学・細胞学を研究。日本動物学会会長。著『石川千代松全集』全10巻(興文社、1935-36)。

◇参照:Wikipedia、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。


底本

底本:『地球と生物の歴史』復刻版 日本児童文庫、名著普及会
   1982(昭和57)年6月20日 発行
底本の親本:『地球と生物の歴史』日本兒童文庫、アルス
   1930(昭和5)年4月30日 発行

NDC 分類:K480(動物学)
http://yozora.kazumi386.org/4/8/ndck480.html
※ ページ未登録。


難字、求めよ。

ズオイド
マスチガメーバ


スリーパーズ日記

 訃報を聞く。『遠雷』のタイトルが思い浮かぶが、読んだ記憶はない。
 「朗読が、まるで立松和平だ」と、高校時代に友人から言われたことがある。ショックを受けた。いやみを言うような奴ではなかったから、すなおな感想だったのだろうと思う。おかげで、自分の声色やイントネーションに強いコンプレックスを持つことになる。
 どもり、吃音は以前からひどい。いっぽう、方言に関するコンプレックスはない。むしろ、方言は意識的に用いていることが多い。ところが、過剰にことばを意識するあまり、抑揚、イントネーションが「ふつう」でなくなるらしい。加えて、年を経るにつれて父親の声に近づいている。これは近親憎悪。自分の声質も、声を出すこともいやになる。なおさら、口が重くなる。

 『ミルクティー*』創刊まもなく、あえて朗読にいどもうと思った。朗読の前には、毎回「ういろう売り」で口をならしている。立松和平や友人のおかげでもある。



2010.2.13:公開
拙速動物、プリウスなう♥/PoorBook G3'99
翻訳・朗読・転載は自由です。
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  • 元旦が満月だったから、今日は新月ぐらいか。バンクーバー、新月の満月。 -- しだ (2010-02-13 15:37:59)
  • トヨタやプリウスが悪いのか。それとも「エコカーだ」「減税だ」と連日アジった行政やメディアが無罪なのか。つぎの煽動ターゲットは電子書籍か。 -- しだ (2010-02-13 15:43:08)
  • “メディア”なんてぼやかして書きましたが、筆頭は朝晩のNHKニュースでしょうね。あれだけ流せば、だれだって飛びつく。そして、問題が景気二番底の理由にしたてあげられる。スケープゴート、いけにえ。 -- しだ (2010-02-14 22:46:05)
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最終更新:2010年02月14日 22:46