陣地構築

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「空から降って来るんだよね」
「そうね。空から来るらいしねえ」
スコップをお供に休みなく手を動かしつつ、魔法使い達は話していた。
相手は遥か頭上、こちらはこうして地道に陣地を造っているというのが現状である。
身を守る為の陣地は急ピッチで完成しようとしていた。
「足場しっかりね。通路は人が通る幅を確保して」
理力建築士達の指示は的確で迷いがない。
設計図を見ながら、自らも積極的に陣地構\築に励んでいた。
スコップで土を掘る者、その土をバケツで運び出す者、大勢が一丸となって作業を行なっていた。
「頭上も正面も背後も守れるような陣地を築かないと」
「魔法使い達の障壁も利用出来たらしましょう」
「そうだね。なるべくこちらが有利に動けるように地形は見て造ったけど」
「皆に協力してもらった強固な陣地ですからね。そう簡単に壊されてたまるかです」
理力建築士達は力を合わせて造り上げた陣地を見渡した。
「ありがとう、皆!」
理力建築士の声にその場にいた者達がニカッと笑顔を見せる。
皆を守りたいという気持ちを束ねて完成させた結晶は今まさに強固な輝きを見せていたのである。

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最終更新:2007年06月16日 21:38