Tatecs ISOコンサルティング ISO認証取得・維持支援 タテックス有限会社 舘 喜久男
ISO9001-2015
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ISO9001:2015とは
はじめに:
ISO9001 は2015年7月、FDIS版(最終国際規格案)を経て、2015年9月、IS版(国際規格)として正式発行されました。
ISO9001:2015年版発行と移行までのスケジュールについて:
- ISO 9001:2015 DIS(国際規格案) 2014 年5月14日発行
-
ISO / FDIS 9001(最終国際規格案) 2015 年7月9日発行
ISO 9001:2015 (国際規格) 2015 年 9月15日 発行 - ISO 9001は、日本国内のJIS規格 JIS Q 9001:2015として2015-11-20付で改正されました。
- 対訳ポケット版も発行されています。
新版JISは、JAS-ウエブストアの他、全国JIS取扱い書店で購入できます。
新版JISには、旧版にも見られた下線を附した、「JIS独自の、 国際規格にはない参考事項」が含まれています。
改訂版への移行期間は
3年
です。
ISO版で認証している組織は、2018年9月14日までに、同様にしてJIS版で認証している組織は、2018年11月19日までに移行完了となると思われますが、確実な月日については、審査機関に問い合わせて確認してください。
ISO9001:2008 年版から 2015 年版での変更内容について:
新しい国際規格案は、統合版ISO補足指針・附属書SL(Annex SL)に定義されている上位構造及び語句の定義が適用されています。
また、この附属書SLによって、ISOマネジメントシステムに関係する共通テ キストが定義されています。
将来のISOマネジメントシステムの規格は、上位構造にて定義されている共通テキストと語句の定義によって、共通の枠組みの 中で成り立つようになります。 この共通の枠組みについては、ISO/IEC専門業務用指針、第1部、附属書SLにて詳細が記されております。
この共通の枠組み(共通テキスト化)が設定された目的は:
- 規格を標準化し、また効率的に開発するため。
- 今まで以上に規格同士の足並みを揃え、また互換性を持たすため。
- 複数のマネジメント規格を維持・取得を目指している組織にとって、使いやすいものにするため。
この共通テキストに基づいて、既に下記のISO規格が発行されています。:
ISO 30301:2011 | 情報及びドキュメンテーション-記録のためのマネジメントシステム-要求事項 |
ISO 22301:2012 | 社会セキュリティ-事業継続マネジメントシステム-要求事項 |
ISO 20121:2012 | イベントの持続可能性に関するマネジメントシステム-要求事項と利用手引 |
ISO 39001:2012 | 道路交通安全(RTS)マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引 |
ISO 27001:2013 | 情報技術-セキュリティ技術-情報セキュリティマネジメントシステム-要求事項 |
ISO 55001:2014 | アセットマネジメント-マネジメントシステム-要求事項 |
下記のISO規格についても、共通テキストに基づいて改訂されました。
ISO 14001:2015 | 環境マネジメントシステム-要求事項 |
ISO 9001:2015 | 品質マネジメントシステム-要求事項 |
ISO9001:2015年版における、主要な変更点について:
- 前述の附属書SLの上位構造が適用された。
- プロセスアプローチの理解及び適用をサポート・改善するために、リスクに基づいた考え方(リスクベースドシンキング)が、より明確な要求事項として挙げられた。
- 指示的な要求事項は少なくなった。
- 文書に対しては、あまり重点が置かれなくなった。
- サービス(の提供)に対する規格適用性が改善された。
- QMSの適用範囲に関する、その「境界」を定めることが、要求事項になった。
- 組織の状況について、重点が置くことが追加された。
- リーダーシップに関する要求事項が増えた。
- 顧客満足を改善するために必要とされる成果の達成に、大きな重点が置かれた。
品質マネジメントの原則の変更点について:
2008年版は、次の8大原則を掲げていました。ISO9001の構築活動は、企業に求められる8大要素を系統的で目に見える形に作り上げることであり、企業が成功するカギとされていました。2015年版では、次の7大原則に整理されました。
2008年版 | 2015年版 |
1 顧客重視 | 1 顧客重視 |
2 リーダーシップ | 2 リーダーシップ |
3 人々の参画 (involvement) | 3 人々の参画(engagement) |
4 プロセスアプローチ | 4 プロセスアプローチ |
5 マネジメントへのシステムアプローチ | |
6 継続的改善 | 5 改善 |
7 意思決定への事実に基づくアプローチ | 6 証拠に基づく意思決定 |
8 供給者との互恵関係 | 7 関係のマネジメント |
用語の変更点について:
下表の用語は、2015年版では次のように整理されました。
2008年版 | 2015年版 |
1製品 | 1製品及びサービス |
2適用除外 | 2使用せず(附属書A.5の適用可能性の 明確化を参照) |
3文書、記録 | 3文書化した情報 |
4作業環境 | 4プロセスの運用に関する環境 |
5購買製品 | 5外部から提供される製品及びサービス |
6供給者 | 6外部提供者 |
規格項番の変更点について:
2008年版は8章の構成でしたが、2015年版は10章構成です。3.用語及び定義は、JIS Q 9000:2015 (ISO 9000:2015)を用いる形となりました。
2008年版 | 2015年版 |
1 適用範囲 | 1 適用範囲 |
2 引用規格 | 2 引用規格 |
3 用語及び定義 | 3 用語及び定義 |
4 品質マネジメントシステム | 4 組織の状況 |
5 経営者の責任 | 5 リーダーシップ |
6 資源の運用管理 | 6 品質マネジメントに関する計画 |
7 製品実現 | 7 支援 |
8 測定、分析及び改善 | 8 運用 |
9 パフォーマンス評価 | |
10 改善 |
さらに細かい条項の目次を確認したい方は下記ページを参照下さい。
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