ダニエル(ダニ)・ムーンスター(Danielle Moonstar)

(キャラクター、マーベル)

初登場:Marvel Graphic Novel #4 (1982年)
種族:ミュータント→能力を失ったミュータント、女性、ネイティブ・アメリカン

概要

コードネーム:サイケ(Psyche)、ミラージュ(Mirage)
ニューミュータンツ発足当時のメンバーの一人。
当初はチームコスチュームをちゃんと着用しない(自前のベルトやブーツを着用)など、やや反逆児的なキャラクターだったが後にリーダーを務めた。
若干ストイックで厳しい面があり、しばらく訓練できなかった時に、突然自身の能力で発生させた幻影を仲間にけしかけて抜き打ちの訓練を始めることもあった。後々、学園の教師やトラウマの指導をしたりと教職に縁がある。

ヴァルキリーとして活動していた時期がある。
ヴァルキリーのときは、顔の両側にネイティブ・アメリカンを思わせるような羽根飾りを着けている。

経歴

オリジン

生まれはネイティブ・アメリカン、シャイアン族の少女。
祖父のブラックイーグル、父のウィリアム・ローンスターはプロフェッサーXの旧友だった。

思春期にはミュータント能力が発現していたが、ある夜両親の死のビジョンを目撃。その後まもなく旅行中だった両親からの連絡が途絶えてしまい、この頃から「デーモンベア」の悪夢に悩まされるようになるが、シャーマンであるブラックイーグルの助けで次第に落ち着きを取り戻した。

両親の失踪後は彼らの友人の家で暮らすことになったものの、能力をコントロールできず事件を起こしてしまい、ブラックイーグルの庇護を受けつつも人里離れた山奥に一人で住むことを選ぶ。

その頃、X-MENを失い(実は生きていた)絶望していたプロフェッサーXだったが、モイラ・マクタガートに説得され、新たなミュータントチームの結成を決意する。ちょうどその時ブラックイーグルからの手紙でムーンスターの存在を知り、スカウトすることにした。
当時は白人に対する憎悪に近い感情もあったため拒絶していたが、ブラックイーグルがヘルファイア・クラブのドナルド・ピアースに殺害され、復讐を誓うムーンスターは新しいミュータントチームの一員となるのだった。

ニューミュータンツ

発足されたニューミュータンツでは、デンジャールームを使用したテストに唯一合格するなど早くから頭角を現し、また動物と心を通わせる能力をもっていたため、狼に変身できるウルフスベーンとは特に親しくなった。
訓練の結果、能力のコントロールも可能になり恐怖以外の映像化も習得。シルバーサムライヴァイパーとの戦闘後にカルマが行方不明になるとキャノンボールと共にチームの共同リーダーとなった。

マグママジックの加入、ホワイトクイーンヘリオンズとの戦いを経た頃、祖父ブラックイーグルの死によって再び動き始めた「デーモンベア」とついに邂逅。
実体を現したデーモンベアとの戦いで重傷を負ったダニは病院に運び込まれるが、デーモンベアは彼女の魂を欲し、彼女を守ろうとするニューミュータンツと異次元の中で激しい戦闘となる。
マジック達の活躍によってデーモンベアは倒され、モーロックスヒーラーによって意識を取り戻したダニの元に実は生きていた彼女の両親が現れた。デーモンベアの正体は、呪いで姿を変えられていたダニの両親だったのだ。

ヴァルキリー

エンチャントレスの暗躍によってニューミュータンツアスガルドに誘拐された際、ダニは一頭の有翼馬を救うことになった。ダニはかつて地球で出会ったポニーにちなんで「ブライトウィンド」と名付ける。この馬は実は(ブリュンヒルデではない)ヴァルキリアーの一人がかつて所有していたものであり、ダニと精神的な「つながり」ができた結果、馬は彼女を主として選択し、ダニにヴァルキリーの能力が宿るようになった。
一連のアスガルドの事件が解決した後、ブライトウィンドはニューミュータンツと共に地球に来ることになった。

学園からの離脱

フェンリスの攻撃によって瀕死となったプロフェッサーXが治療のため一時的に地球を離れ、新たに学園の校長になったマグニートーの元で日々を過ごすダニ達だったが、ウォーロックの父メイガスとの戦い、二代目サンダーバードとの急接近*1ハイエボリューショナリーに囚われたマグマ救出の際の能力の変異*2などを経験していく中で発生したサイファーの死*3が原因となり、マグニートーと学園から離れることになった。
ニューヨークがリンボ界と化すインフェルノ事件*4で出会ったブンブンリクター達「X-ターミネーターズ」と合流し、X-factorの所有する宇宙船「シップ」に拠点を移したニューミュータンツ達の中、なぜかダニは頭痛に苛まれるようになっていく。

再びアスガルドへ

ヴァルキリーの力を宿しているダニは、実は密かにアスガルド奪取を企む死の女神ヘラの影響を受けており、ブライトウィンドごとヘラの手先と化して仲間たちを襲ってしまう。
ドクター・ストレンジの助けによりその場は凌いだものの、フリーダム・フォースの襲撃によって混乱する中ダニは再びヘラによって操られ、暴走。
事態の原因そのものを解明・解決するためニューミュータンツ達はDr.ストレンジによりアスガルドにテレポートされることになった。

アスガルドの地でダニはヘラ配下の軍勢と共にオーディンの命を狙ってしまうが、ウォリアーズ・スリーと協力したキャノンボール達の活躍によりなんとか阻止され元の姿に戻る。
事件も解決し地球に戻ろうとするニューミュータンツ達一行だったが、責任を感じていたダニはウルフスベーンやキャノンボールの説得を振り切り、アスガルド復興のためにこの地に残ることを選んだ。

MLF潜入

しかし、操られたとはいえヘラの配下としてアスガルドに敵対してしまったダニは結局アスガルドから追放されてしまう。
地球に戻ったダニはS.H.I.E.L.D.からの要請を受け、レインファイア率いるテロリスト集団「ミュータント解放戦線 (MLF)」への潜入捜査を行うことになった*5

ダニがアスガルドにいる間にニューミュータンツケーブルによって再編され「X-Force」となっていた。
「ダークウィンド」と改名したブライトウィンドを駆りMLFの一員として幾度も彼らと敵対したダニだったがバスチオン達との戦い(いわゆるゼロトレランス事件)の後X-Forceに加わることになった。

X-Force脱退

X-Forceとしての活動中、量子エネルギー操作能力を得る事件やジェノーシャでのかつての師マグニートーとの対決等を潜り抜けたダニはピート・ウィズダムの参加に始まるX-Forceの変革・過激化が始まるとチームを離脱。フォージ等と共にX-MENのバックアップチームとして活動することが増えた。

第二期ニューミュータンツ

カサンドラ・ノヴァの暗躍によってプロフェッサーXミュータントであることが明かされ、エグゼビア高等学院がミュータント達の学校であると世間に知られるようになると、ダニは新たな学生をスカウトするようプロフェッサーに頼まれた。
ソフィア・マンテガデビッド・アレン達を学園に招いたダニは、カルマや他のX-MENと共に学園の教師の一人として働き始め、両親が親権を破棄してしまったエリクサーの法的な保護者にもなった。
ゾーンによる一連の事件の後サイクロップスエマ・フロストによって学園が再建され、新たな制度X-MENトレーニング・スクワッドが始まると、ダニは自ら担当するクラスにかつて所属していたチーム「ニューミュータンツ」の名を授けた。

キャンプ・ハモンド

新たなメンバーサージイカルスを迎えた第二期ニューミュータンツと共に過ごしていたダニだったが、M-DAYの到来により能力を喪失し、エマ・フロストによって学園から解雇されてしまう。
サリー・フロイドからの取材をうけたりもしていたが、やがてヘンリー・ピーター・ガイリッチによってキャンプ・ハモンドに招かれ、かつての自分と同じ「他者の恐怖」に基づく能力を持つトラウマの指導を担当することになった。
しかしトラウマの能力をセラピーなど治療方面に活かすべきとするダニと、あくまでシャドウ・イニシアティブの武器として利用しようとするガイリッチの方針は相いれず、トラウマが能力をコントロールできるようになるとダニはキャンプ・ハモンドから早々に解任されてしまった。

ヤングX-MEN

その後ミュータントの同士討ちを狙ったドナルド・ピアースによってだまされたブラインドフォールドヤングX-MENの襲撃を受けたものの、ダニは後に彼らと和解。他のX-MENと共にサンフランシスコに拠点を移し、サイクロップスの要請でサンスポットたちと共にヤングX-MENの指導をすることになった。

第三期ニューミュータンツ

サイクロップスによってかつての第一期ニューミュータンツが招集されるとダニも行動を共にしようとするが、能力を失った彼女を危険な目に合わせたくないキャノンボールと激しい対立を招いてしまう。
リージョンに関する任務で戦えることを証明した後、ダニはデンジャールームでの殴り合いを経てサムとは和解し、次第に彼と深い仲になっていった。しかし異次元での死によって精神的なダメージを負ったサムはチームを離れ、ダニはサイクロップスによって適性を見出され新たなチームリーダーに選ばれた。

能力

ミュータントとして

他人の恐怖の対象を感じ取り、それを映像として投影する。
またこれの応用として、他人の欲望の映像化もできるようになった。
動物とテレパシーでコミニュケーションをとることができる。
神経系にダメージを与え、気絶させたりトラウマを追体験させるエネルギーの矢を生成する(後に物質化ができるようになり、物質にも刺さるようになった)。
ただし、これらの能力はM-Dayの影響で失っている。

ヴァルキリーとして

超人的な怪力、身体能力、剣の扱い、他者に迫った死の感知など。
この能力も既に失っているが、ヴァルハラの統治者ヘラがそうさせようと思ったときだけ復活する。
ミュータントパワーはM-Dayで失ったが、トランスモードウィルスに罹患し、ダーク・ビーストがこれを治療した結果、再びパワーを取り戻した。

トリビア

  • 初期のニューミュータンツではきわどい服装をしている(させられる)シーンが多かった。
    • 早朝の水泳(何も着ていないっぽい)、リオに行ったときのカーニバル衣装、アマゾンでの水着シーン、ノヴァ・ローマの生贄の装束etc.
    • 初期ではないがMLFに潜入していた頃の赤いコスチュームもいろいろな意味でアブナイ。


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最終更新:2022年08月12日 09:54

*1 いい雰囲気になりキス寸前までいったが、当時復帰していたカルマからのチーム離脱の手紙をテッサが届けに来たため、結局進展せず。

*2 特殊なマシンに巻き込まれ、能力によって作り出した幻影に実体を持たせることが可能になったが、常に幻影を出している必要があるため、槍型のネックレスの形で身につけるようになった。

*3 動物と人間のハイブリッド「アニメーツ」を巡る戦いの中、マッドサイエンティスト「アニメーター」からウルフスベーンをかばって死亡してしまった。

*4 この事件によってマジックは離脱。

*5 精神や神経にダメージを与える光の矢を作り出す能力を得たのはこの頃。