キティ・プライド (Katherine Anne "Kitty" Pryde)


コードネーム:アリエル(Ariel),スプライト(Sprite),シャドウキャット(Shadowcat),2015年からはスターロード、クラコアでの復活を機にケイト・プライド(Kate Pride)を名乗る
初出:Uncanny X-Men #129 (1980年1月)
種族:ミュータント、女性、ユダヤ人

概要

キティ・プライドはX-MENのメンバー。
コードネームは何度か変更しているが、現在はキティ・プライドと名前で呼ばれることの方が多いようだ。さらに呼び名をケイトに変えている。
ユダヤ人の家系であり、祖父はアウシュビッツに収容されていた。白人っぽい名前を通名や職業名として使っていたそれまでのユダヤ人と異なり、大っぴらにユダヤ人を名乗っており、「私はユダヤ系、私はミュータント、でも私は私」というセリフが何回か使われている。
Neoという集団に、生まれた直後に交換されたという伏線もある。

能力

フェージング("Phasing"):体の分子構造を変化させ、壁を通り抜けたり、物体をすり抜けたりできる。
これにより、物理攻撃だけでなくエネルギーブラストなどの攻撃もほぼ無効化。
自分だけでなく、衣服はもちろん、他者や所持品にも影響させられる。
またこの状況で電子機器を通り抜けると、回路に異常を来すことがある。

頭が良く、学校は飛び級をしている。
コンピューターのスペシャリストであり、航空機などの操縦にも長けている。

その他、日本で忍術を学んでおり、出てきた敵を早速、技を使って倒すなど、そちらの才能もある。

初登場時のキティ。右は変装したエマ・フロスト
キティのペンダントはユダヤ教のシンボル「ダビデの星」
(Uncanny X-Men #129,1980年1月)

経歴とオリジン

初登場時は13歳。セレブロによって発見されたミュータント。ちなみにダズラーと同時に発見され、X-MENは二手に別れて保護のため奔走した。

この時、キティはダンススクールで酷い頭痛を感じて帰宅。二階の自室にあるベッドで横になって目を閉じると、いつの間にか床をすり抜けて一階のリビングに降りていた。これが初めてのミュータント能力の発現だった。
X-MENが彼女を発見したことはヘルファイア・クラブの知るところとなり、二者による争奪戦が始まる(この時、彼女と接触したのがエマ・フロストであり、実はキティ登場の話がエマの初出である)。
プロフェッサーXがキティの両親に”恵まれし子らの学園"を紹介して入学を勧めていた頃、カフェでコロッサスウルヴァリンストームの三人がキティと過ごしていると、エマ・フロスト率いるヘルファイア・クラブの戦闘員が襲撃。
三人のX-MENは捕獲されてしまい、翌朝、キティの機転によって救出される。
キティの両親は愛娘が朝まで連れ出されたことに激怒するが、フェニックスフォースの暗黒面が目覚めかけていたジーン・グレイがテレパシーで精神を操作し、両親は事件を忘れた。
(Uncanny X-Men #129〜#131,1980年)

そして『ダークフェニックス・サーガ』と呼ばれる展開を経てジーンが死亡(後に復活)し、サイクロップスがX-MENを離脱(後に復帰)すると、キティが入れ替わるようにX-MENのメンバーとなった(Uncanny X-Men #138〜#139)。

X-MENのメンバーとなった早々に、(あり得る可能性のある)未来から、自分の精神が現在の自分に送り込まれる。そして、ミスティークのチームによるケリー上院議員殺害によりミュータントが強制収容所に送られる未来を変えるために、殺害を防ぐ使命を受ける(「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」)。

年齢的には若手チームのニューミュータンツに入ってもおかしくなかったが、X-MENを選んでおり、最年少のX-MENだった。いろいろあって、同じように他のニューミュータンツとビミョーな関係になったマジック(こちらはニューミュータンツのメンバー)と仲がいい。

プロフェッサーXとも微妙に距離を置いており、コードネームは教授が挙げたものでなく、ストームが名付けたものを使うとか、「プロフェッサーXはクソ野郎(Jerk)」と言ったりしている。

ジーン・グレイ学園

ウルヴァリンサイクロップスと意見を違え、ユートピアを離反してジーン・グレイ学園を開くと、ウルヴァリン校長と共に責任者として中核を担うようになった。
Xチームの「愛すべき負け犬ども」を教育するため、ジュビリーを教官に招聘して、ジェネレーションX(2017)を結成した。このときイタズラをしたキッド・オメガをキティが追い詰め、今にも股間を踏み潰しそうにしたため、Xチームに初めて参加したヒンドサイトが「ここはなんて学校だ!」と驚いた。
Avengers vs. X-MEN事件が終結すると、ストームが合流。キティは女校長の役職をストームに譲った。

ブラック・ボルテックス

クロスオーバー"The Black Vortex"では、セレスティアルズが遺した謎のアイテム「ブラック・ボルテックス」により能力をコスミック・ビーイングのレベルにまで高められた。

ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー

"Guardians of the Galaxy Vol 4"(2015〜)では銀河帝国スパルタクスの王となることを受け入れたピーター・クィルに代わり、スターロードを名乗ってガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーに参加。

ペット/サイドキック

一時期、ロッキードという手乗りドラゴンを連れていた。火炎を吐くことができ、戦力にはなっていた様子。
実はロッキードは宇宙人で、妻子持ちのオッサンだった。
シカゴのバーで働いていたとき、腕に竜の絵(入れ墨?)を描いていた。

恋愛

初登場時でコロッサスを見た瞬間に気になり出し、やがて恋人となった。
他のキャラクターとも恋愛関係になったことがあるが、コロッサスとの関係が最も深い。
コロッサスと結婚式までこぎ着けたものの、指輪の交換の際に逃げ出してしまい、結局、結婚しないことに決めた。
なお上半身ほぼ裸と海パンで歩き回るコロッサスには、バイセクシャルのプロディジーからも熱い視線が注がれていたが、キティがコロッサスに惚れていることを知ると、プロディジーはこっそり身を引いた。

一時コロッサスと分かれたときは、ピーター・"ピート"・ウィズダムと付き合った。処女喪失はこのときではないかという噂がある。

シーアーとのジーン・グレイを巡るいざこざでガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーと出会う。宇宙をまたにかけた遠距離恋愛の末に、スターロードと付き合うことに。さらにThe Black Vortexでは婚約した。

コロッサススターロードウィズダムも本名がピーター(ロシア語ではピョートル)であるため、X-MENからはピーター好きと揶揄される。
ついでに子供の頃に飼っていたハムスターの名もピーターだったとバラされる。
ちなみに後述のアルティメット版ではスパイダーマン(ピーター・パーカー)と付き合っていたことも。

一方、女性とも「過剰に親密」であり、レイチェルマジックとの関係はいろいろ疑われていた。また、X-MENをやめて普通の人間として生きようとシカゴ大学に行ったとき、先にシカゴ大学に来ていたニューミュータンツカルマ(もちろん女)に口説かれてキス寸前までにいった。
Marauders #12で女の子とのキスシーンが明確に描かれて、バイセクシャルであることが明らかになった。

アルティメット

アルティメット・ユニバースでは、スパイダーマンの大ファン。
一時的にピーター・パーカーの恋人にもなった。

アルティメイタム(Ultimatum)事件を経てミュータントへの迫害が激化するとX-MENを離脱。
ピーターの通う高校に転校。ピーターの友人コングと心を通わせるように。
家族とも離れ、メイおばさんやグウェン、他のヒーローたちといっしょにピーターの家で同居していた時期もあった。
その後、赤いローブを着た謎のヒーローとして活動するようになる。

実写映画

映画では2000年から始まった三部作に登場。全ての作品で違う女優が演じている。
第一作『X-メン』ではサメラ・ケイが演じ、第二作『X-MEN2』ではケイティ・スチュワートが演じたが、両作品ともカメオ出演のような扱いでしかなかった。
第三作『X-MEN:ファイナル ディシジョン』ではエレン・ペイジ好演。正規のX-MENメンバーとなり、ジャガーノートを倒すなどの活躍を見せた。

トリビア

  • 「キティー・プライド」という名前は、マンガ家が絵の勉強をしていたときの教室の級友だった実在の女の子の名前からとっている。
  • 1980年代を代表する「デート(デートしたいようなカワイイ子)」だった。
  • (公式にはサイドキックがいないとされる)ウルヴァリンのサイドキック的存在だった。
    • 当時の反タバコ啓発シーンなのか、キティがウルヴァリンの吸っている葉巻を「一口吸わせて」と吸って、ひどくむせるというのがある。
  • シカゴ大学時代、バーでバーテンダーのバイトをしていた。映画「カクテル」を思い起こさせるような、シェーカーを高く投げ上げてキャッチする技などを披露した。本人もカルマと一緒に寝酒にビールを飲んでいる。
  • キティー・プライドを主人公にした、アメリカで作られた少女マンガ*1("X-MEN: Misfits")がある。
  • 読者欄では「ボクの考えた、キティのカッコイイコスチューム」というのがあったようだ。


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最終更新:2022年12月13日 09:35
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*1 OEL(Original English Language)マンガ:日本語の原作を持たない、英語オリジナルのマンガ