X-MEN: The 198



概要

X-Men: The 198は2005年にマーベルが刊行したミニシリーズ。全5話。

M-Dayによってミュータントの数が激減した後を描くクロスオーバー"Decimation"に含まれ、この時点で能力を失わずヒーローやヴィランの組織に属さない一般のミュータントたちの動向を描く。
The198とは、M-Day以降も能力を維持しているミュータントのうち、政府が把握している者の数であり、彼らの総称ともなっている。
主な舞台はサイクロップスたちX-MENがエグゼビア高等学院に作ったキャンプ。ミュータントを監視するために政府が結成した組織O*N*Eと協力し、数少なくなったミュータントたちを保護(ただし、ミュータントたちは「収容」と呼ぶ)するための施設である。
この施設に保護され、自由を奪われたと感じるThe198とX-MEN、O*N*Eは徐々に軋轢を深めていく。
派手な戦いは少ないが、ミュータントにとっての厳しい状況の中で、ヒーローではない一般のミュータントたちの苦悩や苛立ちが浮き彫りにされる。

(X-MEN: The 198 #1,2005年、 coverart:Juan Doe)

【これ以降の記述にはネタバレを含みます】

主な登場人物

【X-MEN】(今回はサイクロップスとエマ・フロスト以外は脇役である)
サイクロップス……X-MENのリーダー。The198とO*N*Eの板挟みになる。
エマ・フロスト……サイクロップスに協力して学園を支える女性ミュータント。
ビースト……獣のような運動能力と天才的な頭脳を持つミュータント。
キティ・プライド……政府やX-MENの方針に異議を唱える。
アイスマン……冷気と氷を自在に操る。ほとんど登場しない。

【The 198】
マグマ……全身を燃やし、地中のマグマを操る女性ミュータント。M-Dayで恋人を失う。
ローレライ……髪の毛を操るミュータント。ミュータント弾圧組織に襲撃される。
トード……元ヴィランでマグニートーの腹心だったミュータント。
エルグ……キャンプに収容されたミュータントで、O*N*EやX-MENに何かと反発する男。
サック……骸骨を原形質の細胞が覆ったような姿のミュータント。エルグと行動を共にする。
フィーバー・ピッチ……燃える骸骨のようなミュータント。エルグと行動を共にする。
マンモマックス……マンモスのような外見のミュータント。
ジョニー・ディー……他者をミニチュアとして複製する能力を持つ。何かを企んでいるようだ。
コロネル……政府から派遣された女性。悪意はないがミュータントたちの苛立ちは彼女に向う。
エンパス(マニュエル・アルフォンソ・ロドリゲス)……他者のホルモンなどを操作し、心理状態を変化させる能力を持つ。
リーチ……他者のミュータント能力を無効化する力を持つ少年。
ミスターM……突如キャンプに現れた強力なミュータント。

【O*N*E(Office of National Emergency】
ヴァレリー・クーパー……国家安全保障担当大統領補佐官でスーパーヒーロー問題も多く扱う。The198のキャンプでO*N*Eの副官を務める。職務を忠実に果たそうとするが、ミュータントたちを憎んではいない。
ディメトリアス・レイザー将軍……O*N*Eの指揮官。ペンタゴンからヴァレリーに指示を出す。実はミュータントを憎み、抹殺を目論んでいる。
センチネル・スクアッド……スターク社が開発した有人型センチネル(対ミュータント専用ロボット)

各号のあらすじ


#1
後にM-Dayと呼ばれるようになるその日。
ガラパゴス島。女性ミュータントのマグマは、似た能力を持つ恋人のアントニオと火山の火口でランデブー飛行を楽しんでした。しかし突如アントニオはミュータントパワーを失い、炎の中で蒸発してしまう。
とある酒場では、ミュータントの女性ローレライがならず者たちに暴行を受ける。その危機を救ったのは、過去に何度もX-MENと戦ったヴィラン、トードだった。
トードはローレライを連れてチャールズ・エグゼビア高等学院を訪れる。
サイクロップスは彼を歓迎するが、その直後、学園に侵入者があった。
強力なミュータントパワーを発揮する謎の男だった。

#2
マグマは恋人を失った絶望から暴走し、ガテマラを焼き尽くそうとしていた。そこへ、チャールズ・エグゼビア高等学院から派遣されたマニュエルが現れ、能力でマグマの心を落ち着かせる。話し合った末に二人は学院へ向うことにした。
一方、前回現れた謎のミュータント、ミスターMは、その力で学院の子供たちを喜ばせていた。周囲の分子構造を自在に操る能力をもっていたのだ。
学園の会議では彼をオメガレベルのミュータントとして認識し、監視を続けることにした。
そんなとき、学園のキャンプに駐留していたミュータントの数人が、外へ出せと言って暴れ始める。センチネルが向うが鎮圧できず、事態を収拾させたのはミスターMの能力だった。
その頃、他人のDNAを取り込んで小さな複製を作る能力者ジョニー・ディーはマグマに魅せられ、その複製を作製していた。

#3
青い肌のミュータント、ジャズは当局に連行され、エグゼビア高等学院のキャンプに入る。
そこでは、ミュータント求める外出許可に対してある条件が発表がされていた。特殊な携帯電話を持つことと、「タグ」をつけることだった。彼らは反発するが、最終的には条件を受け入れる。
外出したミュータントの一人、マンモスのような姿のマンモマックスは一般人と小競り合いを起こすが、突然の頭痛のために倒れる。「タグ」の効果だ。
一方、ジョニー・ディーはいつの間にか能力でジャズのミニチュアを作っていた。ジャズが外出したところを狙ってミニチュアを殺すと、街で麻薬を買おうとしていた本物のジャズも死んでしまうのだった。

#4
キャンプのミュータントたちは政府の担当者と対立を深めていく。エルグはジャズが死んだのはタグのせいだと決めつけて反抗するが、結局はタグの力に屈してしまう。
そのとき、ミスターMが他者の分子構造を自在に操る能力を使い、ミュータントたちのタグを摘出しはじめた。
信頼を集め始めたミスターMは、不満を持つミュータントたちを連れてキャンプを出る。
サイクロップスたちX-MENが追うが、脱出したミュータントたちには何らかの力が働いていた。

#5
脱出したミュータントたちとX-MENはついに戦闘を初めてしまう。
ミスターMはその強力なパワーで場を納めるが、事態は思わぬ方向に発展する。

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最終更新:2013年11月13日 02:29
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