グウェンプール(Gwenpool)/グウェンドリン・”グウェン”・プール(Gwendolyn "Gwen" Poole)

(キャラクター、マーベル)

初登場:表紙イラスト"Deadpool's Secret Secret Wars, vol 1 2, Gwen Variant" (2015年8月)
コミックス"Howard the Duck Vol 6 #1" (2016年1月)~"Gwenpool, Unbeliebable #1 25"(2018年2月)
属性:異次元からマーベル世界に来た人間、女性

概要

われわれの世界とあまり変わらない世界-スーパーヒーローやヴィランがコミック誌や映画などの中にしかいない世界-から、マーベルの主流世界にやってきた少女。マーベル世界に異常に詳しく、「ヒーローの正体からATMの暗証番号まで」知っていると豪語している。

登場はグウェン・ステイシーと他のキャラクターを組み合わせた「グウェン・ヴァリアント」の表紙絵で、グウェン・ステイシーデッドプールと組み合わせたキャラクターである。コスチュームは、ピンクと白のハイドラの制服のようだが、生足にブーツという組み合わせになっている。特にピンクと白の組み合わせは従来のキャラクターのコスチュームにはなかったため、コスプレで有名になり、年初早々にオンゴーイング誌に登場した。

見かけは金髪で毛先をピンクに染めているカワイイ女の子だが、「マーベル世界はただのキャラクターがいるだけ」ということを知っており、自分の命以外の他者(マーベルのキャラクター)の命というものを全く顧みない。このためカタナでサクサク切るし、引き金も異常に軽い。「マーベル世界でもっともモラルに問題のある」キャラクターになっている。

経歴

異次元(Earth-TRN565)から何らかの方法でマーベル世界にやってきたグウェン・プール(グウェン・ステイシーデッドプールとは無関係の少女)が最初に気づいたのは、「目立たないと通行人で終わってしまう」ということ。そこで近くにあったビッグ・ロニーのコスチュームショップに飛び込み、コスチュームを注文する。このときの注文書の名前のところが"Gwenpool"になっており、ロニーはこの名前でいくのかと思う。できたのはピンク(髪の毛の毛先をピンクに染めているのをみて「あんたピンク好きでしょ」ということで使う)と白のコスチュームで、「あのパンツは?」「なし、ロングブーツ」という生足を出したデザインだった。グウェンは、傭兵として活動することを決める。

最初に、ブラックキャット(「ふーん、ネコかぶってないフェリシアってあんなにエグいのね」)の警察官の内通者を殺し、ハワード・ザ・ダックを脅迫したうえ、ブラックキャットハイドラの取引に割り込んで大騒ぎを起こしたり、銀行強盗をしているときに他の強盗団が襲ってきたので、後から来た強盗団のハッカー、セシルをサイドキックにしたりと冒険をしていた。

そんな中、グウェンの活動がM.O.D.O.K.(正しくはM.O.D.O.K.スーペリア、モヒカン頭になっている)の目を引き、手下を殺されたM.O.D.O.K.はグウェンを手下にし、セシルを殺してしまう(後にセシルは幽霊となって登場する)。M.O.D.O.K.は、M.O.D.O.K.(Mercenary Organization Dedicated Only to Killing)という傭兵団を率いており、主要メンバーはバトロック・ザ・リーパー、メガ・トニー(Mega Tony)、テリブル・アイ(Terrible Eye)である。

  • バトロックは、グウェンの技術のなさを見かねて、銃などの訓練を施す。
  • 女ソーと戦ったときに本名を大声で叫び、女ソーに胸ぐらを捕まれた。「えーと、捻挫よ。足を捻挫したの」
  • M.O.D.O.K.に反逆し、宇宙空間に打ち上げた。バトロックは「俺には奴が倒せなかったので、奴を倒したおまえがリーダーだ」と、グウェンを傭兵団のリーダーにした。
    • このため、グェンプールは最近ではM.O.D.O.K.の天敵扱いに...
  • スパイダーマン(マイルズ・モラレス)と、学校を爆破しようとした生徒を巡って、方針の違いが起きる。グウェンはこの生徒を殺そうとするが、スパイダーマンはグウェンを止める。
  • アーケードのマーダーワールドに閉じ込められるが、悪の帝王を装ったアーケードの正体を見抜く。「あたし、このゲームのオープニングは百万回もみているんだから」
  • 実はデッドプールのコミックを呼んでいないことが判明。「あんなlol(大笑)のやつなんて読んでないわよ」

ゲスト出演

現在まで、ロケット・ラクーングルート、およびガキのチームであるチャンピオンズ(2016)と共闘している。
別世界のグウェン?が、ヴェノムのシンビオードに寄生された。

その他の登場人物

  • ロニー:ただのコスチュームの仕立屋と思いきや、ヒーローやヴィランの仕事の口入れ(ネットワークの端末が店に置いてある)や、ドクター・ストレンジとの魔法による面会予約を設定したり、フィン・ファン・フーンを呼び出したりと、いろいろなことをやっている。
  • セシル:銀行強盗のハッカーだったが、M.O.D.O.K.に殺され幽霊になった。グウェンはセシルの頭蓋骨を「セシル!君に決めた」(某ポ*モンのセリフのマネ)と言いながら投げつけてセシルに攻撃させたことがある。幽霊のセシルを実体化させるため、ゴーストライダーに会い、結局セシルを宝石に閉じ込めて怪物の額にはめ込んだ。最後は人間に戻った。
  • バトロック・ザ・リーパー:おなじみのバトロック。今回はブリゲードは率いていない。傭兵団にいる間、戦闘技能をグウェンに教授している。銃の扱いを教えたシーンがある。最終話の前の回で、グウェンプールを相棒にカジノを襲撃、グウェンプールにハグされた。
  • メガ・トニー(Mega Tony):初出キャラクター。縦にも横にもでかい男だが、化学屋で荒事は苦手で、薬の調合などが主な仕事。傭兵団解散の際には、グウェンにパーカー・インダストリーに連れて行ってもらい、スパイダーマンことピーター・パーカーに高い評価をもらって採用される。
  • テリブル・アイ(Terrible Eye):初出キャラクター。本名はサラという女性。目の四つついた奇妙な仮面をかぶり、魔法を使う。
  • トゥーシダンズ(Teuthidans):初出キャラクター。イカが直立したような姿をした宇宙人。グウェンの標的となる。初出のため、グウェンもよく知らなかった。
  • 元の次元に両親と兄がいる。ある屋敷の中に次元の通じる場所があるらしい。

グリヒルの作画

アメコミなので複数の作画担当を使っているが、グウェンプールはグリヒルの作画を要所に使っており、全体のトーンを揃えている様子。
なおグリヒルお得意の、女の子している小物(グウェンプールは、ペンギンとサメの2種類のデイバックを持っているが、いずれもヌイグルミのようなカワイイ出来である。中身は別にして)や、部屋の装飾など、相変わらずカワイイを演出している。
本作の翻訳を機に日本でも人気が高まった。

続編など

"West Coast Avengers"で、ホークアイ(ケイト)のチームに参加。キッド・オメガと反目しつつも、なぜか意気投合しカップルに(別名、「マーベル史上最凶のカップル」)*1
陸を走る四本足のサメの群れが登場するが、その子供をペットにし、「ジェフ」と名付けた。後に「忘れられないように」と登場回数の多いデッドプールに渡した。ジェフは人気者で、ウェブ限定コミックスに"It's Jeff"という作品をグリヒル作画で出したら、2022年度アイズナー賞ノミネート作品になってしまった。
"Gwenpool Strikes Back"で、再びマーベル世界に大きな爪痕を残そうと画策。ヒーロー達を孤島に連れて行き処刑を試みるも...。
実はグウェンプールは、現実改編能力を持ったミュータントで、能力が開花したとき自分を守るために「設定」を改変してミュータントでなくなった。そして「現実世界」というのも作り話で、「この世界」の人間だった。そして未来が開かれていることも明らかになった。
キッド・オメガ再び登場!
※"Gwenpool Strikes Back"の邦訳が、2021年夏2021年12月にヴィレッジブックさまより出版されるという予告があったが、果たして...出版された。

セクシャリティー

アセクシャル*2およびアロマンティック*3
「ウェスト・コースト・アベンジャーズ」では、アセクシャルであることを匂わす会話を、キッド・オメガと交わしている。
またマーベルのセクシャル・マイノリティ特集"Marvel Voices Pride #1"では、スクィレルガールのコスプレで登場しているが、アセクシャルを表す黒と紫の衣装を着けている、とされている。
2023年の電子コミックスおよび"Marvel Voice Pride"で、アセクシャルでアロマンティックと述べており、「アイコンになる」と語っている。


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最終更新:2023年07月01日 19:59

*1 実はロマンスの要素があれば、すぐモブキャラにならないと考えて、キッド・オメガとキスした。しかしあまり気持ちのいいものではなく、「アメリカとキスした方がマシ」と言っている。

*2 他者に対して性的欲求(や恋愛感情)を抱かないセクシュアリティー

*3 他社に対して恋愛感情を抱かないセクシャリティー