マーベルUK

(用語、マーベル)

存在した期間: 1972年~1995年

概要

かつてあったマーベル社のインプリント(出版所)。米国のマーベル作品の英国での出版を行った。しかし、米国が月刊(1タイトル月1冊、32ページ、フルカラーが基本)であったのに対し、英国が週刊での発行を基本としたため、独自の展開を遂げた。

上記の通り、米国と英国の出版のタイミングが異なるため、米国での出版物を編集したり、独自のキャラクターをつくったりなどで対応した。例えば、キャプテン・ブリテンサイロックは、元々英国のみで展開したキャラクターである。また、米国で描かれたデアデビルスパイダーマンの無彩色の原稿を、数ページずつ入れて編集した上、キャプテン・ブリテンの原稿(白黒)を入れて、「デアデビルズ」(複数形に注意)というタイトルを作ったりした。

独自の作品

英国市場での需要、ならびに米国市場への進出のため、独自の作品が作られた。
  • トランスフォーマー: 米国でも展開していたが、英国独自の展開をするため、追加で版権を買って、独自のトランスフォーマーが描かれた。
  • ゾイド: トミー(現タカラトミー)の玩具のコミックス展開。なんとグラント・モリソンが手がけていた(1985年)。スパイダーマンと一冊になったオンゴーイングが有名。
  • デスズ・ヘッドII: 1990年代に米国進出を狙ったコミックスの主人公で、サイボーグのバウンティー・ハンター。キャプテン・ブリテン系以外のオリジナルキャラでは有名か。アリバイ的に出たコミックスを除くと、実質トランスフォーマーのキャラクターとして登場している。
  • ドクター・フー・マガジン:英国で売上を伸ばすため、当地の有名キャラクター・ドクター・フーを使ったコミックス(雑誌)を出版した。ドクター・フーはBBCで放映している(一時休止時期あり)SFドラマで、「ドクター」と呼ばれる人物(実は時空間を監視する一族の一人)が時空を移動できる装置TARDISを使って冒険するというもの。現在ではカルト的な人気を誇る。当雑誌も人気があり、マーベルUKがイタリアの出版社パニニ(Panini)に買収された後も、パニニから出版されている(1977年から現在まで続く「最長のTVタイイン雑誌」としてギネス記録も持っている)。

トリビア

後にペット・ショップ・ボーイズのメインボーカルとなるニール・テンナント(Neil Tennant)は、一時マーベルUKの編集長を務めたことがある。
一時期、デレク・"デズ"・スキン(Derek "Dez" Skinn)が編集長をやったが、Marvel UK後に編集長になったQuality Communicationsで、アラン・ムーアが「マーベルマン/ミラクルマン」と「V・フォー・ヴェンデッタ」(この二作品は共通の世界観にあるらしい)を書いている(これがアラン・ムーアの実質的なデビュー)。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年06月20日 19:19