キャプテン・マーベル (Captain Marvel)・初代 / マー・ヴェル(Mar-Vell)

(キャラクター、マーベル)

初出:Marvel Super-Heroes #12 (1967年12月)
属性:クリー人(ピンクの肌)、男性

キャプテン・マーベルを名乗るキャラクターは複数いるが、この項目では初代キャプテン・マーベルのマー・ヴェルについて記述する。
他のキャプテン・マーベルについては以下を参照。
モニカ・ランボー(Monica Rambeau):クリーとは無関係。光のパワーを使う。アベンジャーズ初の黒人女性で、後にアベンジャーズのリーダーも務める。
ジーニス・ヴェル(Genis-Vell):マー・ヴェルの息子。
フィラ・ヴェル(Phyla-Vell):マー・ヴェルの娘。クエーサーやマーティルを名乗った時期もあった。
ノー・ヴァー(Noh-Varr):クリー人の戦士。
キャロル・ダンヴァース(Carol Danvers):マー・ヴェルとヨン・ロッグの戦いに巻き込まれ、能力を得る

概要

初代キャプテン・マーベル。クリー人の兵士で、地球人よりも強靭な体と高い身体能力、進んだ科学による武器やスーツなどを駆使して戦う。Marvel Super-Heroes誌でデビューするが、好評のため3話目でオリジナルタイトル"Captain Marvel"を獲得した。やがて様々な力を獲得し「宇宙の守護者」へと成長していく。


オリジンと経歴

元はクリー人の戦士で階級はキャプテン(大尉)。
クリーが地球に送ったロボットセントリー459ファンタスティック・フォーが倒し、続いてロナン・ジ・アキューザーまで倒されたため地球に送られた調査団のメンバー。
しかし恋人のウーナに指揮官のヨン・ロッグ大佐が横恋慕しており、マー・ヴェルを亡き者にしようと地球に単身着陸させられた。
本名をアメリカ人ぽくして「マーベル」と名乗るが、一般人に「変な名前だ」とあっさり怪しまれる。
ヨン・ロッグがマー・ヴェルを事故死に見せかけて殺そうと宇宙船から発したビームが偶然通りかかったセスナ機に直撃。操縦していた誘導ミサイルの権威でアメリカ空軍基地(当時)ケープに配属されたウォルター・ローソン博士が死亡。その身分証明書を手に入れたマー・ヴェルは彼になりすまし、基地に潜入する。

そこで発見したのは、破壊されたはずのセントリー459であった。このとき基地の警備主任キャロル・ダンヴァース(後の初代ミズ・マーベル→キャプテン・マーベル)と出会う。
それを知ったヨン・ロッグはまたもマー・ヴェルの命を狙ってセントリー459を再起動。しかし地球の調査を任務とするマー・ヴェルは、基地を破壊しようとするセントリー459を任務の障害と判断。激戦の末にセントリー459を破壊し、巻き込まれたキャロルを救う。
この戦闘中にセントリー459が「キャプテン・マー・ヴェル」と呼んだため、目撃していた兵士たちからキャプテン・マーベルと呼ばれるようになった。
こうして彼らからヒーロー視されるようになるが、彼自身は地球の敵対勢力であるという自覚があるため、葛藤を抱えながら調査を続けることとなる。
一方で地球人のキャロルと接近し、恋人ウーナは思い悩むようになる。
やがてマー・ヴェルがある組織の調査任務の中で戦闘になり調査対象の組織を壊滅させると、ヨン・ロッグが任務に逆らったと看做し処刑を申請。処刑部隊に捕縛されたところでクリーの宿敵アーコン人と戦闘になり、流れ弾を受けてウーナが死亡してしまう。

ゾーとの出会いと強化

マー・ヴェルはヨン・ロッグによってロケットごと光速で宇宙を永遠に彷徨うという刑を受けるが、その先で不可思議な惑星に辿り着き、意思を持つモニュメントのような謎の存在ゾーと出会う。
ゾーはマー・ヴェルが仕える代わりに強大な力を与え、マー・ヴェルはその力を使ってヨン・ロッグに復讐を誓う。このとき強化された能力によってリストバンドを破壊しユニビームを失う代わりにヨン・ロッグの支配から逃れられた。

しかしゾーはロナン・ジ・アキューザーとクリーの首相ザレクが仕掛けた幻影でしかなかった。
この幻影から脱し、さらにスプリーム・インテリジェンスをネガトロン・スフィアの爆発から命懸けで守る英雄的行動を見せたことから赤い新コスチュームを与えられた。このときスプリーム・インテリジェンスから「お前の勇敢さを讃えはするが地球への愛から今のキャプテン(大尉)より上への昇進は永遠に不可能である。よって、お前は生涯『キャプテン・マー・ヴェル』となるのだ」と定義される。

しかしネガトロン・スフィアの影響でネガティブ・ゾーンに捕らわれるが、両腕に装着するネガ・バンドの力でリック・ジョーンズと合体し、彼と一時的に次元を入れ替わる事で活躍可能になる(傍から見ているとリック・ジョーンズが「変身」したように見える)。ただしリックは10時間以上ネガティブゾーンにいると死亡する恐れがあるという条件があった。
この状況はリック・ジョーンズの代わりにスーパー・アダプトイドをネガティブ・ゾーンに送ることで解決した。

ヨン・ログとの再度の戦いの最中、キャロルと共にクリー禁断の装置サイケ・マグネトロンの爆発に巻き込まれ、その能力をキャロルに与えてしまい(と思われた)、初代ミズ・マーベルが誕生する(実は、キャロルもクリー人のヒーローの血を引いていたことが、後々分かった)。
リード・リチャーズの発明でネガティブ・ゾーンを脱出するが、クリースクラル戦争で瀕死の状態に陥ったリック・ジョーンズを救うために再度合体する。
クリーに改造されて自爆・再生能力を有したヴィラン・ニトロと戦うが、ニトロが持っていた神経ガスを浴び悪性のがんを発症する(クリー人は長年の遺伝子操作の影響で、がんを発症しやすいため)。そして、ここで患ったがんで病死(マーベルで初めて、「明らかに」死んだキャラクターだった)。
存命中はアベンジャーズに加わることはなかったが、アベンジャーズと共闘し、死後、アベンジャーズの名誉メンバーになる。
後に、息子ジーニス・ヴェルリック・ジョーンズと合体して二代目となる。

初期能力

クリー人としての強靭な身体能力など
クリーの進んだ科学力による各種アイテム

初期装備

ユニビーム:手首に装着したリストバンドから発する万能ビーム。物質を破壊し、また元に戻すこともできる。ただしこのリストバンドはヨン・ロッグによって制御されていて常に監視されており、また逆らうと激痛を受けるなどの仕掛けがある。
ジェットベルト:腰に装着したベルトで飛行できる
ヘルメットは地球での呼吸を助け、これなしでは1時間しか生きられない。ただしウナが開発した薬品があれば呼吸できる。
バトルスーツは衝撃を吸収し、強靭な耐久力を得られる。
ほか

追加能力

ゾーから授かった力:テレポート、超人的な腕力、恐ろしい幻覚を投影。テレポートと幻覚投影は後に失われる。
スプリーム・インテリジェンスから授かった力:赤い新コスチューム、ゾーから授かった力を引き続き使用可
イーオンから授かった力:コズミック・アワーネス、必要な情報をいつでも知ることができる能力


ネガ・バンド

これにより寒冷、放射線、窒息などに耐性を持ち、星間飛行を含む自力飛行が可能となる。
またあらゆるエネルギーを吸収して放出できる
超人的な強さを得る

「キャプテン・マーベル」という名前について

1940年に誕生したフォーセットコミックスの同名のヒーロー「キャプテン・マーベル」がDCのスーパーマンに似ているとして、DCがフォーセットを訴えるが、フォーセットは「キャプテン・マーベル」の権利をDCに売却。DCは「キャプテン・マーベル」を使わずにいたが、1972年にDCコミックスで「キャプテン・マーベル」(現在のSHAZAM!)がつくられる。
一方、1966年にM. F. Enterprises社が「独自」の「キャプテン・マーベル」を勝手につくって出版(ちなみにM. F. Enterprises社のキャプテン・マーベルは、手足が体から離れて飛び出すアンドロイド)。これに対し、マーベル側が「キャプテン・マーベルが活躍するからマーベルコミックス」とするような勝手な使用を恐れて、版権を取るため、独自の「キャプテン・マーベル」を制作した。
マー・ヴェルが病死という明確な形で死を迎えるのは、DCに対して著作権を主張しないという意図があったらしい。
なお、後に様々な「キャプテン・マーベル」がマーベル/コミックスでつくられる。「キャプテン・マーベル」の使用を巡って、マーベルが「キャプテン・マーベル」を使い、DCは商標(例えばグッズに入れる名前など)では「SHAZAM!」を使うということに落ち着いたらしい。このため、「キャプテン・マーベル」(キャロル・ダンヴァース)の映画と、「SHAZAM!」(元のキャプテン・マーベル)の映画があるという事態になっている。




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最終更新:2023年11月07日 12:12