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コミックス・コード (Comics Code)

(アメコミ用語)

概要

フレドリック・ワーサムという精神科医が書いた「無垢への誘惑」などに代表される、コミックブック悪玉論(日本でも過去に起きた、「漫画が子供に悪影響を与える」といった論)が全米で起こり、コミックブックの暴力表現と性的表現が未成年読者に悪影響を与える事からくる、世間の非難を回避するため設けられた倫理規定。
規制は暴力シーンの描写の仕方や、題名や作品中で使って良い単語などにまで及び、遵守するとかなり表現が束縛されるものだった。
1954年に始まり、最後までコミックス・コードに従っていたArchie Comicsが2011年に撤退したため、コミックス・コードは廃止される。従って形式上、2011年までは存在していた。

1954年の倫理規定抜粋

  • 犯罪者への共感を抱かせたり、法と正義の執行力への不信を促したり、犯罪者を模倣する願望を他人に与えるような手法で、犯罪を表現するべきではない。
  • 犯罪が描写される場合には、汚らわしく卑劣な行為として描かれるべきである。
  • 犯罪者を魅力的に描いたり、模倣する願望を抱かせるような地位を占めさせるような表現を行うべきではない。
  • いかなる場合においても、善が悪を打ち負かし、犯罪者はその罪を罰せられるべきである。
  • 過激な暴力場面は禁止されるべきである。残忍な拷問、過激かつ不必要なナイフや銃による決闘、肉体的苦痛、残虐かつ不気味な犯罪の場面は排除しなければならない。
  • いかなるコミック雑誌も、そのタイトルに「horror」や「terror」といった言葉を使用してはならない。
  • あらゆる、恐怖、過剰な流血、残虐あるいは不気味な犯罪、堕落、肉欲、サディズム、マゾヒズムの場面は許可すべきではない。
  • あらゆる戦慄を催させたり、不快であったり、不気味なイラストは排除されるものとする。
  • 悪との取り引きは道徳的な問題を描写する意図でのみ使用あるいは表現されるべきであり、いかなる場合でも、悪事を魅力的に描いたり、また読者の感受性を傷つけることがあるべきではない。
  • 歩く死者、拷問、吸血鬼および吸血行為、食屍鬼、カニバリズム、人狼化を扱った場面、または連想させる手法は禁止する。
  • 冒涜的、猥褻、卑猥、下品、または望ましくない意味を帯びた言葉やシンボルは禁止する。
  • いかなる姿勢においても全裸は禁止とする。また猥褻であったり過剰な露出も禁止する。
  • 劣情を催させる挑発的なイラストや、挑発的な姿勢は容認しない。
  • 女性はいかなる肉体的特徴の誇張も無しに、写実的に描かねばならない。
  • 不倫な性的関係はほのめかされても描写されてもならない。暴力的なラブシーンや同様に変態性欲の描写も容認してはならない。
  • 誘惑や強姦は描写されてもほのめかされてもならない。
  • 性的倒錯はいかなる暗示的な形であっても、厳密に禁止とする。
  • いかなる製品の広告においても、けばけばしい効果を狙った裸体や猥褻な姿勢は容認しないものとする。着衣の人物であっても、健全さや倫理を攻撃あるいは否定する手法で表現される物は禁止とする。
(この項、https://ja.wikipedia.org/wiki/コミックス倫理規定委員会 より)

具体的なコミックコードに関する事例

  • DCを中心に活動していたマーヴ・ウルフマンというライターは、自分の姓がコミックコードに引っかかってしまったことがある(ウルフマン=人狼で禁止項目)。
  • 上にある通りに描くと、性的な場面はほぼ描けない。マーベルで男女が着衣のまま空っぽの風呂に入ったシーンを描いたときに、コミックスコードでダメ出しをくらい、この時に離脱を決めたという「都市伝説」がある。
  • サウロン(マーベルのX-MENの敵で、翼竜のサイキックヴァンパイア)は、企画では吸血鬼を描くはずだったがダメ出しをくらい、コウモリに似た奴ならいいだろうと、翼竜にした。
  • シーハルクの勤める法律事務所は、実在のマーベルの法務、つまりコミックスに描かれたこと(シーハルクの世界では実際に起こったこと)を記録し、コミックスコードに触れていないかをお伺いを立てる仕事をしている。この他、シーハルクではコミックスコードをネタにした笑いが多い。
  • 同性愛は当然変態性欲扱いで基本的に厳禁。ただし何回かの改訂で「ステレオタイプな同性愛」「同性愛者に対する偏見」を禁止する方向に変わっていった。
  • コミックス・コードは、当時犯罪物やホラー物で人気を博していたECコミックスを狙い撃ちするものだった。この結果、ECコミックスは従来の路線から撤退し、パロディや風刺の"MAD"に社の命運を託した。なおMADは雑誌(Magazine)として出版され、コミックス・コードの制約を受けないようにした(現在はコミックス扱いに変わったようだ)。
  • 特にECコミックスが出した"Crime SuspenStories #22"(1954年5月)の表紙に描かれた「殺人者が殺した女の首を斬って、首を持っている」というものが問題にされたため、死体(特に女性)をバラバラにするなどは禁止された。
    • 従って、グリーンランタンカイル・ライナーが、ガールフレンドを殺され「死体をバラバラにされ冷蔵庫に入れられた」というのは間違いで、作家たちは「丸ごと冷蔵庫に詰めた」と語っている(作品は1990年代に描かれており、まだコミックス・コードが生きていた)。


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最終更新:1970年01月01日 09:00