「モータリーゼーションの曙」


技術者育成のために


「まー、民間会社に販売競争させれば、軍にもフィールドバックもあるってことでえ」

 ということで、第一世代、既に遺棄されかけている「iーD」の改造と販売を「町工場」
に、と宮殿に提案したのである。「になし炎上」以後、いまだ復旧もままならず、
崩れた舗装道路、、水没した街路を行き来するのに「i=d」の脚は非常に重宝することが
軍車両として使われる「I=D」を扱うパイロットたちから報告されている。

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そして、有る程度「移動リグ」が出回った次点で、と続けたのち、彼(?)は次なる企画を提案する

それは、市販車ベースの競争車による「モータースポーツ」であった。

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(画像は宮殿首脳陣やマスコミを招待し、行われた「試走」の様子である)

市街地、荒野、迷宮、「になし」全土をラリーし、競わせる、
それを帝國全土に放映し、他藩国からの参加を募る、
観客も募り、「外貨獲得」観光として潤うようにもする、壮大なプランだ。

「なぜ郊外かといいますと、、復興していく我が藩の姿を放映する、国で頑張る人にも、
 そしてヨソの国で頑張る人にも、、それは励みになるんではないかと思うんですの」

 それと、といって こほんと咳をする、ちょっと気恥ずかしそうに。

「えと、、その、外貨とかはともかくとして、 兵器でしかなかったモノが、こうして表舞台に出れる、
娯楽というカタチで皆を楽しませられるってのいうのが素敵なんじゃないかと思うんですのよ。
もっとも、ほとんど別モンになっちゃったけど。」

 彼(?)はそう言い、笑った。

 ああ、なんてイイ話だ、、、ん?、、あれ?、、たしかそういえば、、

 「あのー、ご満悦のところ、大変もうしわけないんですけども、、、」

 「なあに?」

 「I=Dって確か、軍事利用限定だったような、、犯罪に使用されないように、とかで」

 「あ”-っ」


「廃案ですね、終了」

計画は夢と散った。(あーん(泣))


( イラスト/文 イタ@になし藩国)

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最終更新:2008年06月17日 04:09