東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校と比べた都立トップ校のメリット

東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校と比べた都立トップ校のメリット


東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校にはない都立トップ校の魅力

 

 近年、日比谷高校、都立西高校、都立国立高校といった都立トップ校と、東京学芸大学附属高校、筑波大学附属高校といった国立大学附属高校と第一志望を悩む受験生が増えています。どの高校を第一志望とするのかは、本人の希望進路、学校の教育方針、校風、部活動や行事などを総合的に見て判断するべきですが、都立トップ校には、東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校にはない様々なメリットが存在するのも事実です。市販の学校案内や、合格実績のみを重視する進学塾ではなかなか得られない、日比谷高校、西高校、国立高校の持つ国立大学附属高校にはない利点を紹介します。

 

1.授業のメリット  都立トップ校と国立大附属はこんなに違う!

 東京学芸大学附属高校と筑波大学附属高校は、いわゆる進学校と思われがちですが、実は異なります。 東京学芸大学附属高校と筑波大学附属高校は、教育のための実験校という役割が規定されており、そのために存在する学校です。教育のための実験校である東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校は、他校にはない以下のような特徴を持ちます。

 

 ・教育実習生の授業が長い

 ・大学受験指導をおこなわない

 

 教育実習生の練習場としての役割を持つ東京学芸大学附属高校と筑波大学附属高校は、毎年大量の教育実習生を受け入れる義務があります。そのため、一般の高校より長く教育実習生の授業を受けなければなりません。一生懸命に授業をしている教育実習生には申し訳ないのですが、教育実習生は素人ですから、お世辞にも上手な授業とはいえず、東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校の授業について、インターネット上などで「受験までに教科書も終わらない」としばしば書かれていますが、その最大の原因が教育実習生の長期間に及ぶ授業です。東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校に入学した場合、こういった教育実験・練習を一般の私立校や都立校と比べて長期間受けなければならないのです。

  

 都立トップ校は長期的な教育実習生の授業はありません。ほぼ1年を通して、その高校の先生による授業となります。授業スピードは速く、高校1年生の後期には既に高校2年生の学習内容に入ります。授業スピードが速い理由として、生徒が非常に優秀であることもありますが、速めに高校内容を終わらせて、残りを大学受験対策に費やすことが一番の理由です。東大や国公立医学部、東京工業大、一橋大、早慶大などを目指すのであれば、先取りして早めに全範囲を終わらせ、志望校別受験対策をするのが最も効率が良いからです。

 

 【国立大附属と都立トップ校の違い】

  学芸大附属・筑波大附属  都立トップ校 

 学校の目的

教育の実験校 

進学校 
 授業 他校より長い教育実習生の授業がある 

2週間程度の教育実習生の授業を除き

すべて高校教員の授業 

授業スピード

遅い

先取り型カリキュラム。高2までにほぼ全範囲を終え、

残りは大学受験対策の授業

 

 

 

2.進路指導のメリット 手厚い都立トップ校

 東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校といった国立大学附属高校と、日比谷高校、西高校、国立高校といった都立トップ校との大きな違いとして、進路指導の有無が挙げられます。進路指導とは要するに、大学受験指導のことです。教育の実験校としての役割を持つ国立大学附属高校と進学校としての役割を持つ都立トップ校では、かなりの差があると言っていいでしょう。

 東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校は、大学受験指導をほとんどしません。もちろん、進路講演会程度のものはありますが、学校側はほとんど何もしません。そもそも予備校にほぼ全員が1年生のときから通っているので、予備校に任せているというのが実情です。

 都立トップ校の場合は対照的に、予備校に通う必要がないように、かなり手厚い大学受験指導を受けることができます。大学受験の際には予備校の全国模試をたくさん受けることになりますが、都立トップ校の場合は校内で受けることができます。また、保護者や生徒のための大学入試講演会などが頻繁に開かれます。夏休みに関しても、予備校に通う経済的負担がないように、学校側がたくさんの大学受験対策講座を開き、学校だけですべて足りるようになっています。ちょっと想像してみてください。夏休みであれば、部活動や文化祭の準備で頻繁に学校に来ることとなります。東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校の生徒は、高校と予備校を行ったり来たりすることになります。一方で、都立トップ校では校内で予備校の代わりとなる講習をたくさん開いているので、予備校と行き来することなく、学校内だけで部活や文化祭の準備と受験対策をすることができるのです。

 このように、進路指導のメリットを考えた場合、都立トップ校の優位性は計り知れません。忙しい高校生活、無駄な時間ロスは絶対に避けたいもの。大学受験対策も、部活も行事も全部を学校がやってくれる都立トップ校は、高校生活を最高に充実したものにしてくれるでしょう。

 

 【国立大附属と都立トップ校の違い】

  学芸大附属・筑波大附属  都立トップ校 

 進路指導

予備校頼み 

最新の大学入試情報もすべて校内で知ることができる 
全国模試 予備校に通って受ける 

学校内で受ける 

夏休み 学校と予備校を行ったり来たり

学校内で受験対策も部活や行事準備もおこなう

 

 

3.経済的なメリット 都立トップ校なら負担が全然違う

 授業と進路指導のメリットで述べたように、東京学芸大学附属高校や筑波大学附属の場合、1年生の頃から予備校通いをするのが常態となっているきらいがあります。予備校に1年から通うとなると、結果として私立高校に通うのと同じくらいの経済的負担となってしまいます。また、国立大学が独立法人化した影響で、国立大学附属高校の予算が大幅に減っており、在校生の保護者に負担をお願いする結果となっています。ある国立大学附属高校だと、1年間に20~30万円の寄付金が義務となっています。このように、国立大学附属高校は、必ずしも経済的に私立高校と比べてやさしいとは言い難くなってきています。

 都立トップ校の場合、予備校に通わなくても東大などの最難関大学に合格できる環境が整っています。経済的な負担を考えるのであれば、圧倒的に都立トップ校です。

 

 【国立大附属と都立トップ校の違い】

  学芸大附属・筑波大附属  都立トップ校 

 費用

学費は安いが、多額の寄付金が必要

1年から予備校必須のため私立高校と同じ負担 

予備校に通う必要なし、寄付金の必要もなく

非常に安い費用でおさまる

 

 

4.高校単独校のメリット 中高一貫校でないという最高の環境

 中高一貫校と、都立トップ校の大きな違いとして見落としがちなのが、高校単独校であるか否かということです。東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校は、大部分が内部生であり高校入試を経て入学する外部生は少数派です。それに対して、都立トップ校は内部生がおらず、全員が同じスタートラインで高校生活がはじまります。どちらが好ましいかは言うまでもないでしょう。

 内部生が多数を占める中高一貫校は、東大や国立医学部などの難関大に合格するのもほとんどが内部生で、高校から入学する外部生の進学実績は、入学時の学力からすると非常に見劣りする高校が多くあります。これは、中高一貫校の進学実績が中高一貫生によって稼いでいる実績であることを意味します。

 都立トップ校の難関大合格者が全員、高校受験を経て入学した生徒の実績であるのとは大違いです。東京学芸大学附属高校や筑波大学附属高校から東大に合格する生徒は、中1から塾に通う生徒が多いという実態を踏まえると、都立トップ校の優位性は際立ちます。

 

 【中高一貫校と都立トップ校の違い】

  中高一貫校 都立トップ校 

 学校形態

附属小学校も持つ中高一貫校。

ほとんどが内部生で、高校入学者は少数

全員が高校入試を経て入学した生徒。

中高一貫校ではない高校単独校

進学実績

難関大合格者のほとんどが内部生の学校が多い

進学実績のすべてが高校入試を経て入学

した生徒による実績。

 

 

 

 

 

最終更新:2009年08月06日 15:23