都立トップ校の魅力

 

都立トップ校の魅力 都立トップ校が大人気の秘密


  都立高校の人気が急激に高まっています。その中でも、日比谷高校、都立西高校、都立国立高校の都立トップの人気はとどまるところを知りません。なぜ都立トップ校が人気なのか?その秘密に迫ります。

 

1.全員が同じスタートラインという貴重な環境

 昨今、私立高校や国立大学附属高校はほとんどが中高一貫制です。そして、上位校のほぼすべてが、中高一貫生が多数派であり、高校から入学する生徒は少数派なのが現状です。私立高校の中には、残念ながら高校から入学する生徒を「外部生」として差別的に扱ったり、中高一貫生の中で外部から入学する生徒を快く思わない生徒もいるようです。実例として、ある私立高校生から、中高一貫生より「外部生」のほうが学力が劣っているため、校長や教員が「これだから外部生は・・・」を口癖にいつも内部生と比較し、肩身の狭い思いをしているといった相談がありました。それでも、中高一貫生より外部生のほうが多い高校ならマシかもしれません。しかし、上位私立高校は高校募集を減らす一方です。豊島岡女子学園高校が募集人数をさらに削減し、来年度は海城高校が高校募集を停止します。“中高一貫重視”を強める国私立高校で充実した高校生活を送るのが難しくなってきている現状があります。

 こちらの記事の13ページには、筑波大学附属駒場高校の教諭が「高校から入学した生徒が溶け込めない違和感がある」とその実態を述べています。説明会では本当のことは教えてくれません。「高校から入ってもちゃんと馴染めますよ」と言うはずです。しかしながら、この記事は横浜市教育委員会の作成した報告書です。横浜市教育委員会が中高一貫教育の実情を調べるために、筑波大学附属駒場高校に実情を聞いたところ、溶け込めない生徒が多いという実態を漏らしたわけです。一方、中高一貫校が高校入試を実施して外部生を入れるメリットとして、内部生の刺激になるという点を挙げています。ここで注意したいのは、確かに外部生を高校入試で入れるのは、内部生の刺激になるという点で内部生のメリットではありますが、決して外部生のメリットではないということです。むしろ、進路などが一貫生と異なり、デメリットばかりです。中高一貫校が外部生を取るのはあくまで内部生の刺激のため。中高一貫校に高校から入学するのは、外部生にとっては百害あって一利なしということです。

 それに対して、都立トップ校の3校は、すべて高校のみで附属の中学校がありません。これはとても大切なことです。全員が同じスタートラインではじまり、同じ行事を経て、卒業式を迎えるのです。部活動も、中高一貫生の部活動に途中入部という形ではなく、同じスタートからです。都立トップ校は、東京で数少ない、中高一貫校でない進学校なのです。

 

2.中高一貫生の水増しがない合格実績

 既述の通り、昨今の国私立有名校のほとんどが中高一貫校です。中高一貫校への高校入学で気をつけなければならないのが、大学合格実績です。都立トップ校や国私立有名校を視野に入れている方の多くは、将来は難関大学を目指したいと思っているでしょう。そして、志望校を選ぶ際は大学合格実績を重要視するに違いないでしょう。しかし、何も知らずに合格実績を基準に学校を選ぶと、ワナにはまってしまうかもしれません。そのワナとは、中高一貫校の有名大学合格実績は、ほとんどが中高一貫生の実績であることが多いというものです。中高一貫生(内部生)と高入生(外部生)の進学実績の差はかなり大きい場合がほとんどです。特に難関国私立高校はその傾向が強くなります。ちょっと例を見てみましょう。

 

校名 共学・別学 東大合格者内訳
A高校 男子校 中高一貫生…21名  高入生…1名
B高校 男子校 小入生…6名 中高一貫生…8名 高入生…0名
C高校 共学校 中高一貫生…20名 高入生…0名
D高校 女子校 中高一貫生…12名 高入生…0名
E高校 男子校 中高一貫生…6名 高入生…0名

 

 上記の表は東大合格実績の内部生と外部生の内訳です。ご覧のとおり、東大合格者のほぼ全員が中高一貫生であることが分かると思います。C高校は東大に20名の合格者を出しているので、入学すれば東大を目指せる気がしますが、実態は中高一貫生しか東大に合格しておらず、高入生を3年間で東大に合格させるノウハウを持っていないのです。内部生と外部生の実績の差は東大だけに留まりません。上記の表ですとA高校は医学部に比較的強いのですが、そのうちの高入生はなんとゼロです。都立トップ校どころか、都立2番手校にすらまったく及ばない実績です。E高校はすべての進学実績の内部生と外部生の内訳を公開していますが、早慶大合格者も9割が内進生!驚きの差です。

 都立トップ校をはじめとする進学指導重点校は、すべてが附属中学を持たない高校のみの学校ですので、上記のような中高一貫生による実績水増しは一切ありません。2010年度は日比谷高校が東大+京大に44名もの合格者を出しましたが、これに匹敵する実績を高入生で出せる高校は、東京都内の国私立高校にないのが現状です。

 

3.部活動や行事が盛んな共学校

 都立トップ校は部活動や行事がとても盛んです。都立西高校は進学校とは思えないほど部活動が強く、全国大会や関東大会に多くの部が出場を果たしています。都立国立高校の文化祭「国高祭」は日本一のレベルの高さといわれるほど素晴らしい文化祭です。日比谷高校の文化祭「星陵祭」では、全クラスが演劇に取り組むことで有名です。一部の私立高校では、大学受験を重視しすぎるあまり部活動を禁止するなど、あまりにも行き過ぎた取り組みをする学校もあるようですが、都立トップ校は部活動や行事にも全力で取り組み、最高の高校生活を送ることが可能です。また、別学の多い東京では貴重な共学校の進学校であることも特筆すべき点でしょう。

 

4.大学受験に非常に熱心 予備校に頼らず大学受験

 都立トップ校の大きな魅力として、大学受験対策にも熱心であり、予備校に頼る必要がないという点が挙げられます。都立トップ校ごとに取り組みは多種多様ですが、たとえば夏休み中には、予備校を上回る数の講習を設けています。教員は学校独自の公募選抜制度により合格したトップクラスの指導力を持つ教員だけを配置しています。都立トップ校の通塾率は、他の国私立進学校と比べて非常に低く、大学受験勉強のための通塾の必要性はまったくありません。

 

 

 

 

最終更新:2010年05月04日 19:12