最上位標目 : アルカ文法史
上位標目 : 後期制アルカ 方言
同位標目 : アルバ方言 / メテ方言 / ルティア方言

ルティア方言とは、2006年10月31日頃、リディア=ルティアメル=ケートイアによって作られた後期制アルカの方言の一つである。女性的な発音と簡略化された文法、バッファ機能をもつn対語を特徴にもつ。この中でもバッファ機能を持つn対語は好評であり、玲音の書235頁34行にもilpi(左)を見ることが出来る。ソーン・制アルカや最初期の新生アルカにも影響を与えたものと思われる。
神話の設定によると、惑星アトラスの三大国の一つルティアで話される。同国の召喚省が神々に承認させたため、同国の公式の場でも使用されるという。

第十一期新生アルカではこのルティア方言の後身として、ルティア・アルシア方言(2008/11/30~2008/12/09)、理方語(2008/12/09~)が作られた。

誕生の経緯

2006年10月22日、Kakis Erl Sax(解離前)がブログ録霊徒然草 : 原始人または人工言語「若かりし日の痛々しき神話」という記事でアルバシェルトミロク革命の方向性のナチスへの類似性とアルバシェルトの作者リディア=ルティアのインナースペース批判を行なった。2006年10月29日「若者って痛いねぇ」発言の波紋によるとリディアは精神的ショックを受け、アルバシェルトの改定を決定した。2006年10月31日「支持政党はナチスですがなにか?」の波紋によると精神の寛容性を示すため、リディアはメル=ケートイアと共にメテ方言ルティア方言を作成した。そのため、便宜上これまでの標準的な後期制アルカアルバ方言と呼ぶようになった。

概要

アルバ語の面倒な部分を削ぎ落とす一方で、過合理を排他するために迂言法を取り入れた方言です。

音声については語末のガタラルな摩擦音が無くなるなどの変化で神秘性を表現しています。具体的には語末のh音が消失し、息漏れに変化します。また、cの震え音は弾きの弱い弾音になっています。

ルティア語はメテ語と比べて文法の違いがメインです。

  • 関係詞がない。メテ語と違ってeではなく、tietuntieを使う。
fian en san-e kets(猫が好きな少女)=fian tie san-e kets
fian un an in-a(私が見た少女)=fian tie an in-a
  • 数字の読み方がメルの数え方ではない。十はtoo(日本語由来ではなく古アルカの10)、百はgal、千はten、万はsen。これらは全て古アルカで使っていた語。1'1234はsententagalvitoovaと読む。 sen,tenの前にkoが来ないので日本語読みとは異なる。若干日本語より便利。中国語の零のような特殊な読みはない。
n対語が最小対語の聞き違いを避けるために迂言法を取っている。
手順

1. アプラウトする幹母音をn対語から取り出す。たとえばetiならiを取り出す。
2. 取り出した母音にlを付ける。たとえばiを取り出したらilにする。
3. こうしてできた語を接頭辞として語頭に付ける。たとえば完成したilを元のetiに付けてiletiとする。
4. pa,piは単体では右・左である。上下を区別できない人はまずいないが左右は間違えやすい。ただでさえ左右は人間にとって間違えやすいのに、語形が似ていては絶望的だ。そこでルティア語では迂言法を取ることによって左右の聞き違いを減らしている。

2対の場合、aavet,oovetはそのままの形を取りやすい。kotkotで、papaのままになる。 iivet,eevetが迂言法を取りやすい。したがって右はpaで、左はilpiとなる。アクセント位置も綴りも同じなので文脈で判断するが、右と混同するよりは良い。3,4対の場合、aavetは元の語形を取りやすい。その他の対語がileti、oleto、eleteなどと変化する。

アプラウトする母音と接頭辞が母音調和しているのに、アプラウトする母音は最後の音節にあるから距離が遠い。そのせいでウラル・アルタイ系の母音調和は実現しない。奇妙な遠距離母音調和といったところか。いや、母音照応といったほうが適切だろう。但しn対語が1音節語の場合、接頭辞とアプラウト部分が連続するので母音調和が成立する。 pa,kotなどは母音調和が成立し、etaなどは母音調和が成立しない。

因みに、これらn対接頭辞は随意に付けるもので、piのままでも良い。そうでないと合成語が無駄に長くなる。特に短い語形のn対語に接頭辞が付きやすい。また、aavetにal-を付けることも勿論可能だ。alpaのように。

n対接頭辞を付けるだけだとn対接頭辞の母音間で聞き違いが起こる。 alpa,ilpaのようにしてしまうとa,iの違いしかないのでアルバ語のn対と変わらない。聞き違いは減らない。だが接頭辞が付いた上に幹母音もアプラウトすればalpa,ilpiになる。最初の母音が何対目であるか示す予告となっているので、接頭辞のほうが接尾辞より識別に役立つ。ソノリティの高い母音を2回利用することで、迂言ではあるが、大きなヘッジないしバッファを作っている。

参考文献


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最終更新:2009年02月27日 18:56