サイケデリックトランス

ゴアトランスから派生したジャンルBPMは140前後が多め。4分打ち
「逃走中」のBGMで流れてるやつ、というのが分かりやすい。

派生元のゴアトランスがそもそもインドのゴア地方で発生し始めた音楽なので、多少宗教味が残った楽曲も少なくない。サンプリング元などにも使われることが時たまある。が、こちらは踊ることと陶酔感を出すことに特化している点で異なる。

レイブ文化と一緒に成長したジャンルで、曲風も陶酔感を引き出すように作られている。そっち系との繋がりも深い。


曲作り


全体的にストイックに仕上げる。恍惚感を引き出すための音楽なので、1, 2小節のループと、8小節単位ぐらいの展開で踊りやすいように曲を作っていく。

構成

大きく分けてイントロブレイクコーラス(サビ)、アウトロに分かれ、ブレイクとコーラスは交互に来る。盛り上がりと静かになる部分が交互に来ると思えばいい。
ブレイク部分の作り込みは意外にも難しい。ここはアーティストによって全く違うので、自分で研究するしかない。

パート

大きく分けてドラムベースウワモノ。サイケデリックトランスはどの曲でもメイン部分の構成はほとんど変わらない。

良くも悪くもNexus2に作りこまれた音がみんな入っていて非常に便利なので、面倒な部分だけは甘えてもいいかもしれない。足りなければPsytrance Expansionを買うのもいいだろう。

無料のP8TranceDriveSynth1でも十分作りこめる。
有料シンセなら、Sylenth1Vanguard(今はもう買えない)、Massive辺りが情報が多くて作りやすい。

というか、まともなSuperSawが出る減算式シンセがあれば、大抵の場合はドラム以外の全部の音が作れるはずだ。

もし本気でやるのならば、ハードシンセに手を出すという方法もある。

キック

サイケデリックトランスのキックはリリースが短めである。低音が間延びしないように、また重く長くなりすぎないように注意すれば、そこまで難しい部類には入らない。生ドラムのサンプリングコンプレッサーを掛けて、EQで上手く調節するだけでもそれなりのものが出来るはず。
4分打ちでループさせるだけで問題ないが、ところどころ抜いたり、展開の最後の部分だけリズムを変えたり、連打したり変化を付けてやるとよりそれっぽくなる。

ハイハット

複数同時に鳴らすことも普通にある。
大抵は16分音符でクローズを刻み、8分音符のうち、キックが鳴っていない方でオープンを鳴らす。
色々パターンを変えてあげたり、ライドのような音を入れても面白いだろう。
音は707、808、909系統や、適当なダンスミュージック用のものを元に使って作りこんでいけばいい。

スネア

これもハイハット同様、特に言うことはない。適当なサンプリングを加工すればいい。
2拍目、4拍目に入れたり、盛り上がるところの前(ビルドアップ)の連打に使ったりする。

ベース

サイケデリックトランスっぽさを出すための重要なポイント。拍の頭はキックと被るので、
  • キックと被る部分は鳴らさない
  • 小さく鳴らす
  • サイドチェインコンプレッションを使う
などの処理を行い、低音が被りすぎないように注意する。

リズムは一定のパターンで鳴らす。よくあるものとして、
  • 16分音符でひたすら鳴らす
  • 三連8分で鳴らす
  • 「ドッドド」のように、上記パターンの一部を抜く
といったものがある。

音の性質上、減算式シンセサイザー(Synth1, Sylenth1, P8とか)を使うのが非常に楽。

オシレーターSaw波一択。複数をディチューンして重ね、厚みを出す。分からない程度にユニゾンにしてもいい。お好みで他の波形を少し混ぜたり、薄くFMしてあげると雰囲気が変わる。

アンプエンベローブアタックは最小。ディケイで音の長さを調節する。短めでシビアなので、鳴らしながら調節する。テンション(傾きの急さ)もきつめに調節できればなお良い。
サスティンも最小。リリースは最小でもいいが、ほんの少しだけ上げておかないと高速で音符が切り替わる時に不自然になる。

フィルターローパス一択。アタック、サスティン、リリースは最小で構わない。ディケイで調節する。
レゾナンスは少し強めに掛けた方がPsy-Tranceっぽくなる。フリケンシーは耳で聴きながら調節すれば難しくないはずだ。

あとはEQで整えてあげるだけで様になる。アタックを短め(5~50ms程度)にし、レシオスレッショルドもきつめにしたコンプレッサーを掛けると、よりアタック感が出る。

リード

LSDによる幻覚を想像させるような、えげつないレゾナンスが掛かった音に仕上げていく。ここは、アーティストによってある程度個性が分かれてくるところ。

オシレーターはSaw波矩形波。重ねたりFMしたりしてもいい。面倒ならSuperSawとかLeadとか書いてあるプリセットから作ると楽。

アタックは最小、リリースは短め。ディケイとサスティンはお好みで。ディケイは長すぎない方が使いやすい。

フィルターはレゾナンスを大きく上げることが重要。LFOフリケンシーレゾナンスオートメーション(自動で周期的に動かしてあげること)させても良いが、できれば手でオートメーションを描いてあげた方がいい。
自由度も高くなるし、展開を作りこむことができるので「ループさせただけです」感が減る。

パッド

曲の後ろで薄く鳴らしたりするのに使う。展開中のブレイクでは、持続音を出すのに必須。

エフェクター

フィルターは必須といってもいいぐらいのエフェクター。これ無しにサイケデリックトランスは作れない。
独特のえぐい音は、ローパスフィルターのレゾナンスを高くした状態で、フリケンシーレゾナンスを動かしてあげると出来る。
ゲートなどでリードの音を途切れさせても良いだろう。リバーブは深く掛け過ぎないように注意する。あくまで空間を意識させる程度にとどめること。

サブジャンル

  • フルオン
大体これ。正式名称はナイトフルオン。
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  • ダークフルオン
ダークサイケとフルオンの間。
  • ダーク
サイケデリックトランスの中でも、特に攻撃的でエグイ音作りで聴かせ、
恍惚感を引き出すことに特化しているジャンル。
音数も他と比べてあまり多くない。
  • モーニング
ダークほどのエグみは無く、爽やかさや壮大さ、荘厳さといったものが強い。
プログレッシブトランスにも近め。
  • ミニマル
音数が特に少なく、それぞれの音も短いもの。
  • プログレッシブ
プログレッシブ系との融合。おとなしめ。

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最終更新:2015年12月30日 11:48