トリックテイキングについて

「トリックテイキングについて」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

トリックテイキングについて」(2016/12/08 (木) 20:02:50) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&bold(){トリックテイキングゲーム}とは現在ではゲームのジャンルの一種として扱われています。ゲームの主なシステムに「トリックテイキング」というシステムが取り入れられているものが、このように呼ばれています。 トランプカードを使ったゲームが多く、最も有名なコントラクトブリッジを始め、日本ではナポレオンやハーツなど多数のゲームが遊ばれています。 BGAにはもともとハーツしかトリックテイキングゲームはありませんでしたが、最近になってオーヘル、ブロット、KQJなどトリックテイキングゲームが増え、トリックテイキングゲームをやる機会も増えてきました。 トリックテイキングゲームにはルールを説明する際に、専門用語が多く使われる傾向にあります。それは、専門用語を使うことで分かりやすく、かつ、簡潔に説明することができるからです。一方で、その専門用語の多さからトリックテイキングゲーム=難しいという認識になってしまい、最初の敷居が高く感じられるかもしれません。そこで、このページにトリックテイキングでよく使用される専門用語の説明ページを作りました。各ゲームのルールを読む際に助けとなれば幸いです。 #contents *トリックテイキングの基本 ここからはトリックテイキングの基本的なシステムを説明していきます。 **トリックテイキングとは そもそも、トリックテイキングとはどのようなシステムなのかというところから説明します。 トリックテイキングとは英語で「trick taking」と書かれます。「トリック」と呼ばれるミニゲームを行い、そのミニゲームの勝者を1人だけ決めます。このミニゲーム(=トリック)で勝つことを「&bold(){トリックを取る}」と言います。トリックテイキングゲームという名前は、これに由来しています。では、次に具体的にどのように勝者を決めるのか、というところを説明します。 一口にトリックテイキングと言っても様々なルールがあるため、ここでは最も基本的なものを例に出します。 &bold(){例} 4人のプレイヤーでゲームをするとします。ここに、1~8までの数字が書かれたカードが1枚ずつあるとします。これをよく混ぜて、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。 &ref(トリックテイク1.png) (このようにカードが配られました) これから、トリックを行います。 基本的には各プレイヤーが順番にカードを1枚ずつ出していき、全員が1枚ずつカードを出したら、その中で一番強いカードを出している人が勝者となる、というルールが一般的です。今回は数字の大きさがそのまま強さになり、数字の8のカードが一番強く、1のカードが一番弱いことにします。プレイヤーAから時計回りにカードを出していくとしましょう。 &ref(トリックテイク2.png) プレイヤーAは手札の「1」か「8」のカードのどちらかを1枚選んで出します。 &ref(トリックテイク3.png) 今回は「8」を出しました。 &ref(トリックテイク4.png) 次に、プレイヤーBが手札の「3」か「6」のカードのどちらかを1枚選んで出します。 &ref(トリックテイク5.png) 同様に、プレイヤーCとDもカードを1枚選んで出します。 &ref(トリックテイク6.png) 全員がカードを出し終えたので、今回のトリックの勝者を決めます。どのように勝者を決めるかというと、一番強いカードを出しているプレイヤーが勝者でしたね!最強の「8」のカードを出しているプレイヤーAが勝者です!つまり、プレイヤーAは「このトリック取った」ということになります。 トリックテイキングは基本的にこのようにゲームが進行していきます。トリックテイキングという名前だけ聞くと難しそうな気がしてしまいますが、やることはとても単純です。 ただ、これだけでは面白くありませんね?1とか2のような弱いカードばかり配られてしまったプレイヤーには勝ち目がありません。そこで考え出されたのが「&bold(){スート}」と「&bold(){マストフォロー}」いうルールです。 **スート スートというのはカードをある基準で区別する際に用いられる記号のことで、&bold(){いわゆるマークのことです。}トランプカードを使う場合には、「スペード」「ハート」「クラブ」「ダイヤ」で区別され、4つのスートが存在することになります。 スート=マークが完全に成立するわけではなく、スートとマークの意味が一致しない場合がありますが、ほとんどの場合はスート=マークと考えて大丈夫です。 また、トランプカード以外を使う場合にもスートという単語が用いられる場合があります。その場合にもスートとはマークなどを指しますが、スペードやハートなどとは異なる記号が使用される場合があります。 **マストフォロー カードの数字だけで勝敗が決まるなら、単純に強い数字のカードを持っているプレイヤーが勝ってしまいます。これをどうにかするために生まれたのがマストフォローというルールです。ちなみに、マストフォローとは「must follow」と英語で言います。 どのようなルールかというと、「&bold(){トリックの最初に出されたカードと同じスートを持っているなら、必ずそのカードを出さなければいけない}」というルールです。では、トリックの最初に出されたカードと同じスートを持っていない場合はカードを出せないのか?というと、そうではありません。トリックの最初に出されたカードと同じスートのカードが無ければ、手札のカードの中から好きなものを1枚場に出せます。ただし、一般的には&bold(){最初に出されたスート以外のカードは必ず負けます}。 つまり、どんなに強い数字のカードを持っていたとしても、最初に場に出されたカードとスートが違っていれば全くの無力というわけです。 以下専門的な用語の解説が少し入ってます。 #region 最初に出されたカードのことを「台札」と呼びます。この台札を出すことを「リード」と呼びます。そして、台札のスートのことを「リードスート」と呼びます。このリードスートの同じスートのカードを出すことを「フォローする」と言います。つまり、「マストフォロー」とは、フォローの義務が発生するルールということになります。 #endregion では、具体的にどのようなルールなのかを例を示しながら説明します。 &bold(){例} 今回も4人のプレイヤーでゲームをするとします。今回使うカードは赤と黒の数字が書かれたカードです。それぞれ色ごとに1~8までの数字が書かれたカードが1枚ずつあります。これをよく混ぜて、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。残ったカードは使いません。さらに、今回はマストフォロールールも適用します。 &ref(スート1.png) (このようにカードが配られました) これから、トリックを行います。 プレイヤーAから順番にカードを出していきます。 &ref(スート2.png) プレイヤーAは黒の4を出すことにしました。 &ref(スート3.png) 他のプレイヤーもカードを出します。このとき、マストフォロールールにより、他のプレイヤーが出せるカードが制限されていることに注意してください。 プレイヤーBとプレイヤーCは手札に黒のカードがあるので、この黒のカードを出さなければいけません。 &ref(スート4.png) プレイヤーDは黒のカードを持っていません。そのため、好きなカードを出します。 &ref(スート5.png) 全員がカードを出し終えたので、今回のトリックの勝者を決めます。 数字だけを見れば「5」が一番大きい数字です。しかし、今回はマストフォロールールを適用しています。 一番最初に出されたカードは黒のカードだったため、赤のカードはどんなに大きい数字でも負けてしまいます。そのため、赤の5が勝つことはありません。 次に、黒のカードの中で一番強いカードはどれかというと、一番大きい数字が一番強いカードです。この中では黒の4が一番強いカードとなります。このカードを出したプレイヤーAがトリックを取りました。 ここまでスートとマストフォローについて説明しました。これで数字が小さいカードばかりで勝てない!という問題は解決されました。しかし、次に新たな問題が発生します。1人のプレイヤーに偏ってスートが配られた場合、他プレイヤーにはそのスートのカードがあまり行き渡りません。すると、続けて同じスートばかり出されると、他プレイヤーは全く勝負に勝てなくなるという問題が発生します。 そこで、考え出されたルールが「&bold(){トランプ}」というルールです。 &aname(トランプ){} **トランプ 日本でトランプというとトランプカード(英語のplaying card)が連想されますが、トリックテイキングで使用されるトランプとは「切り札」のことです。 切り札は文字通り切り札です。ゲームによって異なりますが、それぞれのゲームで決められているタイミングでスートのうちの1つをトランプに指定し、強いスートとして特別扱いすることがあります。例えば、ハートを切り札にすると、ハートのカードは他のカードより強くなります。 ただし、単純にトランプが1つのスートに決められるゲームばかりではなく、中には特殊なトランプの決め方をするゲームもありますが、ここでは一番基本的なトランプに関するルールについて説明します。 では、具体例を示しながら説明していきます。 &bold(){例} 今回も4人のプレイヤーでゲームをするとします。今回使うカードは先ほどの例と同じく、赤と黒の1~8までの数字が書かれたカードが1枚ずつ、計16枚を使います。これをよく混ぜて各プレイヤーに2枚ずつ配ります。残ったカードは使いません。今回はマストフォロールールだけでなく、トランプルールも適用します。 &ref(トランプ1.png) 今回はプレイヤーBから順番にカードを出していきます。また、ゲーム開始前に赤のカードが「トランプ」になると決められました。 &ref(トランプ2.png) プレイヤーBは黒の7のカードを出しました。最初に黒のカードが出されたので、マストフォロールールにより、黒のカードがあるなら黒のカードを出さなければいけません。 プレイヤーCとプレイヤーDは黒のカードを持っているので、黒のカードを出さなければいけません。 プレイヤーAは黒のカードがないため、好きなカードを出します。 &ref(トランプ3.png) 全員がカードを出し終えたので、今回のトリックの勝者を決めます。 数字だけを見れば「8」が一番大きい数字です。また、マストフォロールールを適用しているので、このまま黒の8が最強カードのように思えますが、今回はトランプルールも適用していることに注意してください。 ゲーム開始前に赤のカードがトランプとして決められたため、赤のカードはどんなに数字が小さくても黒のカードに勝つことができます。 そのため、場には黒の3枚のカードと赤のカードが1枚出ているため、赤の1のカードが一番強いカードとなります。 赤の1を出したプレイヤーAがこのトリックを取りました。 今までは単純な2つのスート(色)と数字カードだけの例を示してきましたが、ここで実際のトランプを使った例を示します。 &bold(){例} #region &bold(){例1} 使用するカードはトランプカード1組(ジョーカーを除いた52枚)です。これらをシャッフルして、各プレイヤーに6枚ずつ配ります。残ったカードは使用しません。今回はマストフォロールールのみ、適用します。トランプは無しです。 数字の強さはA>K>Q>J>10>9・・・4>3>2とします。 &ref(マストフォロー1.png) プレイヤーAからカードを出していきます。今回はスペードの10を出すことにしました。 &ref(マストフォロー2.png) プレイヤーAがスペードのカードを出したため、マストフォロールールにより、他のプレイヤーはスペードのカードがあるなら、必ずスペードを出さなければいけません。 &ref(マストフォロー3.png) 各プレイヤーはスペードのカードを持っていたので、スペードを出しました。 &ref(マストフォロー4.png) 全員がカードを出し終えたので、このトリックの勝者を決めます。スペードのAが一番強いカードです。そのため、スペードのAを出したプレイヤーBがこのトリックを取りました。次のトリックはプレイヤーBが最初にカードを出せます。 &ref(マストフォロー5.png) プレイヤーBが再びカードを出します。今回はスペードのQを出すことにしました。 &ref(マストフォロー6.png) プレイヤーBがスペードのカードを出したため、マストフォロールールにより、他のプレイヤーはスペードのカードがあるなら、必ずスペードを出さなければいけません。 プレイヤーAとプレイヤーDはスペードのカードがあるため、スペードのカードを出さなければいけません。 プレイヤーCはスペードのカードがないため、自由にカードを出すことができます。 &ref(マストフォロー7.png) 全員がカードを出し終えたので、このトリックの勝者を決めます。 スペードのQを出したプレイヤーBが勝者です。 &bold(){例2} 使用するカードはトランプカード1組(ジョーカーを除いた52枚)です。これらをシャッフルして、各プレイヤーに5枚ずつ配ります。残ったカードは使用しません。今回はマストフォロールールとトランプルールも適用します。トランプはダイヤに決まりました。 数字の強さはA>K>Q>J>10>9・・・4>3>2とします。 &ref(マストフォロー8.png) プレイヤーBからカードを出していきます。今回はクラブの8を出すことにしました。 &ref(マストフォロー9.png) プレイヤーCとプレイヤーDはクラブを持っているので、クラブを出さなければいけません。 プレイヤーAはクラブを持っていないので、好きなカードを出すことができます。今回はダイヤのJを出すことにします。 &ref(マストフォロー10.png) 全員がカードを出し終えたので、このトリックの勝者を決めます。 最初に出されたカードはクラブでしたが、トランプであるダイヤのカードが出されていたため、ダイヤのJを出したプレイヤーAが勝者です。 #endregion ほとんどのトリックテイキングゲームではマストフォロールールとトランプルールが適用されることが多いです。ここまで分かればほとんどのトリックテイキングゲームの基本を理解したことになります。 さて、トランプを導入したことで、より戦略的なゲームができるようになりました。しかし、ここでも新たな問題が発生します。1人のプレイヤーにトランプが固まって配られた場合、他のプレイヤーは全く勝てません! これを解決するために考えられたのが「&bold(){ビッディング}」というシステムです。 **ビッディング ビッディングとは、各プレイヤーがどれくらいのトリックを取るのか、ということを宣言することです。 トリックテイキングゲームにおいては、「カードを配りトリックテイキングを行い、全てのカードが無くなるまで」というこの区切りを「&bold(){ディール}」と呼びます。ボードゲームにおける「ラウンド」に相当する言葉と考えてください。 ほとんどの場合、ビッディングでは「このディール中に取るトリック数」をビッド(宣言)します。ゲームによってはビッドする際に同時に、このディールでのトランプスートを宣言するものもあります。ビッドは1人ずつ順番に行いますが、後のプレイヤーは前のビッドよりも高い数字をビッドしなければなりません。ビッドしたくない場合は「パス」を宣言します。誰か1人がビッドした後、他のプレイヤー全員がパスをすれば、最初のビッドが有効となり、その時点でビッドが成立します。誰か1人のプレイヤーのビッドに対して、それよりも高い数字のビッドが後でされた場合は、後のビッドが有効になります。その後、他のプレイヤー全員がパスをしたら有効となっているビッドが成立します。このように成立したビッドのことを「&bold(){コントラクト}(contract)」、有効なビッドをしたプレイヤーのことを「&bold(){ディクレアラー}(declarer)」と呼びます。 一般的に、ディクレアラーはビッディングで宣言したトリック数以上のトリックで勝つこと(=コントラクトの達成)を目指し、それ以外のプレイヤーはディクレアラーのコントラクトの達成を阻止することを目指します。つまり、ビッディングのルールがあるゲームではディクレアラー対それ以外のプレイヤーという、1対多の構図になります。 全トリックが終わったら、実際に取ったトリック数と宣言されたトリック数を比較します。ディクレアラーが実際に取ったトリック数が宣言されたトリック数以上だった場合には、コントラクト達成となり、ディクレアラーは得点を獲得できます。ディクレアラー以外のプレイヤーには得点が入らないゲームが多いです。 逆に、ディクレアラーが実際に取ったトリック数が宣言されたトリック数未満だった場合、コントラクトを落としたことになり、ディクレアラーには点数は入りません。ディクレアラー以外のプレイヤーにも点数が入らないゲームと点数が入るゲームの両方があります。ディクレアラー以外のプレイヤーに点数が入らない場合は、自分がディクレアラーになってコントラクトを達成する以外に点数を獲得する手段がないことになります。これらの扱いはゲームによって異なるので確認してください。 *色々なルール ここまで説明してきた「トリック」「スート」「マストフォロー」「ビッディング」というこれらの要素は、ほとんどのトリックテイキングゲームの基本的な要素となっています。これから説明するのはもう少し細かいルールや、ゲームによって異なるルールです。トリックテイキングについて詳しく知りたいという方は読んでください。 **カードの出し方のルール 今まで説明してきたルールは「マストフォロー」というルールに基づいてカードを出していました。これ以外にも色々なルールがあります。 これ以降は専門的な用語を使用するため、分からない単語が出てきた場合は、後述の用語集を参照してください。 ・マストラフ:リードされたスートをフォローできない場合で、トランプを持っている場合はトランプを出さなければならない。それもできない場合には何を出してもよい。 ・マストウィン:リードされたスートをフォローできない場合で、トランプを持っている場合はトランプを出さなければならない。さらに、フォローの義務の範囲内で可能ならば、場に出ているカードよりも強いカードを出さなければならない。 ・マストノットフォロー:リードされたスートと同じスートを出すことはできない ・メイフォロー:自由にどのカードを出してもよい(あまり一般的ではない) これらのルールは単独で適用されることも、組み合わせて適用される場合もあります。 例えば、マストフォローとマストラフが組み合わさると、 「リードされたスートはフォローしなければならない。リードされたスートをフォローできない場合で、トランプを持っている場合はトランプを出さなければならない。それもできない場合には何を出してもよい。」というルールになります。これらはゲームによって様々なので、ゲームごとに確認してください。 **勝敗の決め方のルール トリックテイキングというシステムは、ゲームによって誰がどれくらい得点を獲得するのか、ということを決めるための手段にすぎません。トリックテイキングの結果による最終的なゲームの勝者の決め方は様々です。以下、メジャーなルールを示します。 ・プレイントリックゲーム:トリックを取った数に応じて勝敗が決まるもの ・ポイントトリックゲーム:トリックを取ったら、そのトリックで出されていたカードを取り、取ったカードによって勝敗が決まるもの ・トリックアボイダンスゲーム:通常とは逆に、なるべくトリックを取らないようにするもの *用語集 主にトリックテイキングで使用される用語を軽くまとめました。 ・&bold(){ウィドゥ} 全員にカードを配った後に残ったカードのこと ・&bold(){オークション} いわゆる競り。ビッディングによってディクレアラーを決めること。最も高いビッドをしたプレイヤーがディクレアラーとなる。 ・&bold(){オープニングビッド} 最初に宣言されたビッド ・&bold(){オープニングリード} ディールの最初に出されたカード ・&bold(){オールトランプ} 全てのスートをトランプとすること。全部切り札とも呼ぶ ・&bold(){コントラクト} ディクレアラーのプレイヤーが宣言したビッドのこと。または、このディールでの目的。ディクレアラーはコントラクトを達成することを目指す。 ・&bold(){スート} カードをある基準で分ける際に使用される記号のこと。いわゆるマーク。トランプカードではスペード、ハート、ダイヤ、クラブがある。 ・&bold(){スペキュレーション} スペードのAのこと ・&bold(){スラム} 全トリックを取ること ・&bold(){ディーラー} カードを配る人のこと。ゲームによってはディーラーがいわゆる「親」としての役割を担うものもあります。 ・&bold(){ディール} カードが配られて、トリックテイキングを開始して、全員がカードを出し終えるまでの時間的な区分。ボードゲームの「ラウンド」に相当する単語だと考えてください。 ・&bold(){台札(だいふだ)} トリックの最初に出されたカード。マストフォローのゲームの場合、このカードのスートが基準になる。 ・&bold(){ディスカード} マストフォロールールにおいて、リードスートではなく、かつ、トランプでもないカードを場に出すこと。 ・&bold(){ディクレアラー} 有効なビッドを成立させたプレイヤー。他にもアタッカー、ピッカー、テイカー、ビッダーなどと呼ばれることもあります。 ・&bold(){ディフェンダー} ディクレアラー以外のプレイヤー。他にノンビッダーなどと呼ばれることもあります。 ・&bold(){トランプ} 切り札のこと。詳しくは&u(){&link_anchor(トランプ){トランプ}}を参照してください。 ・&bold(){ノートランプ} トランプスートを無しとすること。切り札なしとも呼ぶ ・&bold(){パートナーシップ} 他のプレイヤーとチームを組み、協力してチームに割り当てられた目的を達成することを目指すルール ・&bold(){ハンド} 手札のこと。トリックテイキングゲームに限らず、ボードゲーム等でも英語では手札のことを「ハンド」と呼ぶ。 ・&bold(){ピケ・デッキ} トランプカードの各スートの2~6のカードを除いた32枚のカードのこと ・&bold(){ビッド} ディール開始前に行うある宣言のこと。 ・&bold(){フォロー} リードされたカードと同じスートのカードを出すこと ・&bold(){ベット} ビッドと同じ。厳密に言えばビッドは最初に宣言を行うことで、ベットはその数字をつり上げることですが、実際にはほぼ同じ意味で使われています。 ・&bold(){マイティ} スペードのAのこと ・&bold(){ミゼール} 全トリックを取らないこと ・&bold(){メルド} 手役のこと。連番のカードや、2枚組のカードなどが手役になり、特別な役割が与えられるゲームがあります。 ・&bold(){ランク} カードの強さを表す記号のこと。トランプカードの場合はA、K、Q、J、10、9~2までの13種類のランクがあることになります。「強いカード」と表現される場合、より上位のランクのカードを指します。 ・&bold(){リード} トリックの最初にカードを出すこと。台札を出すこと。 ・&bold(){リードスート} トリックの最初に出されたカードのスートのこと。台札スート ・&bold(){リボーク} ルールに違反したカードを出すこと
&bold(){トリックテイキングゲーム}とは現在ではゲームのジャンルの一種として扱われています。ゲームの主なシステムに「トリックテイキング」というシステムが取り入れられているものが、このように呼ばれています。 トランプカードを使ったゲームが多く、最も有名なコントラクトブリッジを始め、日本ではナポレオンやハーツなど多数のゲームが遊ばれています。 BGAにはもともとハーツしかトリックテイキングゲームはありませんでしたが、最近になってオーヘル、ブロット、KQJなどトリックテイキングゲームが増え、トリックテイキングゲームをやる機会も増えてきました。 トリックテイキングゲームにはルールを説明する際に、専門用語が多く使われる傾向にあります。それは、専門用語を使うことで分かりやすく、かつ、簡潔に説明することができるからです。一方で、その専門用語の多さからトリックテイキングゲーム=難しいという認識になってしまい、最初の敷居が高く感じられるかもしれません。そこで、このページにトリックテイキングでよく使用される専門用語の説明ページを作りました。各ゲームのルールを読む際に助けとなれば幸いです。 #contents *トリックテイキングの基本 ここからはトリックテイキングの基本的なシステムを説明していきます。 **トリックテイキングとは そもそも、トリックテイキングとはどのようなシステムなのかというところから説明します。 トリックテイキングとは英語で「trick taking」と書かれます。「トリック」と呼ばれるミニゲームを行い、そのミニゲームの勝者を1人だけ決めます。このミニゲーム(=トリック)で勝つことを「&bold(){トリックを取る}」と言います。トリックテイキングゲームという名前は、これに由来しています。では、次に具体的にどのように勝者を決めるのか、というところを説明します。 一口にトリックテイキングと言っても様々なルールがあるため、ここでは最も基本的なものを例に出します。 &bold(){例} 4人のプレイヤーでゲームをするとします。ここに、1~8までの数字が書かれたカードが1枚ずつあるとします。これをよく混ぜて、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。 &ref(トリックテイク1.png) (このようにカードが配られました) これから、トリックを行います。 基本的には各プレイヤーが順番にカードを1枚ずつ出していき、全員が1枚ずつカードを出したら、その中で一番強いカードを出している人が勝者となる、というルールが一般的です。今回は数字の大きさがそのまま強さになり、数字の8のカードが一番強く、1のカードが一番弱いことにします。プレイヤーAから時計回りにカードを出していくとしましょう。 &ref(トリックテイク2.png) プレイヤーAは手札の「1」か「8」のカードのどちらかを1枚選んで出します。 &ref(トリックテイク3.png) 今回は「8」を出しました。 &ref(トリックテイク4.png) 次に、プレイヤーBが手札の「3」か「6」のカードのどちらかを1枚選んで出します。 &ref(トリックテイク5.png) 同様に、プレイヤーCとDもカードを1枚選んで出します。 &ref(トリックテイク6.png) 全員がカードを出し終えたので、今回のトリックの勝者を決めます。どのように勝者を決めるかというと、一番強いカードを出しているプレイヤーが勝者でしたね!最強の「8」のカードを出しているプレイヤーAが勝者です!つまり、プレイヤーAは「このトリック取った」ということになります。 トリックテイキングは基本的にこのようにゲームが進行していきます。トリックテイキングという名前だけ聞くと難しそうな気がしてしまいますが、やることはとても単純です。 ただ、これだけでは面白くありませんね?1とか2のような弱いカードばかり配られてしまったプレイヤーには勝ち目がありません。そこで考え出されたのが「&bold(){スート}」と「&bold(){マストフォロー}」いうルールです。 **スート スートというのはカードをある基準で区別する際に用いられる記号のことで、&bold(){いわゆるマークのことです。}トランプカードを使う場合には、「スペード」「ハート」「クラブ」「ダイヤ」で区別され、4つのスートが存在することになります。 スート=マークが完全に成立するわけではなく、スートとマークの意味が一致しない場合がありますが、ほとんどの場合はスート=マークと考えて大丈夫です。 また、トランプカード以外を使う場合にもスートという単語が用いられる場合があります。その場合にもスートとはマークなどを指しますが、スペードやハートなどとは異なる記号が使用される場合があります。 **マストフォロー カードの数字だけで勝敗が決まるなら、単純に強い数字のカードを持っているプレイヤーが勝ってしまいます。これをどうにかするために生まれたのがマストフォローというルールです。ちなみに、マストフォローとは「must follow」と英語で言います。 どのようなルールかというと、「&bold(){トリックの最初に出されたカードと同じスートを持っているなら、必ずそのカードを出さなければいけない}」というルールです。では、トリックの最初に出されたカードと同じスートを持っていない場合はカードを出せないのか?というと、そうではありません。トリックの最初に出されたカードと同じスートのカードが無ければ、手札のカードの中から好きなものを1枚場に出せます。ただし、一般的には&bold(){最初に出されたスート以外のカードは必ず負けます}。 つまり、どんなに強い数字のカードを持っていたとしても、最初に場に出されたカードとスートが違っていれば全くの無力というわけです。 以下専門的な用語の解説が少し入ってます。 #region 最初に出されたカードのことを「台札」と呼びます。この台札を出すことを「リード」と呼びます。そして、台札のスートのことを「リードスート」と呼びます。このリードスートの同じスートのカードを出すことを「フォローする」と言います。つまり、「マストフォロー」とは、フォローの義務が発生するルールということになります。 #endregion では、具体的にどのようなルールなのかを例を示しながら説明します。 &bold(){例} 今回も4人のプレイヤーでゲームをするとします。今回使うカードは赤と黒の数字が書かれたカードです。それぞれ色ごとに1~8までの数字が書かれたカードが1枚ずつあります。これをよく混ぜて、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。残ったカードは使いません。さらに、今回はマストフォロールールも適用します。 &ref(スート1.png) (このようにカードが配られました) これから、トリックを行います。 プレイヤーAから順番にカードを出していきます。 &ref(スート2.png) プレイヤーAは黒の4を出すことにしました。 &ref(スート3.png) 他のプレイヤーもカードを出します。このとき、マストフォロールールにより、他のプレイヤーが出せるカードが制限されていることに注意してください。 プレイヤーBとプレイヤーCは手札に黒のカードがあるので、この黒のカードを出さなければいけません。 &ref(スート4.png) プレイヤーDは黒のカードを持っていません。そのため、好きなカードを出します。 &ref(スート5.png) 全員がカードを出し終えたので、今回のトリックの勝者を決めます。 数字だけを見れば「5」が一番大きい数字です。しかし、今回はマストフォロールールを適用しています。 一番最初に出されたカードは黒のカードだったため、赤のカードはどんなに大きい数字でも負けてしまいます。そのため、赤の5が勝つことはありません。 次に、黒のカードの中で一番強いカードはどれかというと、一番大きい数字が一番強いカードです。この中では黒の4が一番強いカードとなります。このカードを出したプレイヤーAがトリックを取りました。 ここまでスートとマストフォローについて説明しました。これで数字が小さいカードばかりで勝てない!という問題は解決されました。しかし、次に新たな問題が発生します。1人のプレイヤーに偏ってスートが配られた場合、他プレイヤーにはそのスートのカードがあまり行き渡りません。すると、続けて同じスートばかり出されると、他プレイヤーは全く勝負に勝てなくなるという問題が発生します。 そこで、考え出されたルールが「&bold(){トランプ}」というルールです。 &aname(トランプ){} **トランプ 日本でトランプというとトランプカード(英語のplaying card)が連想されますが、トリックテイキングで使用されるトランプとは「切り札」のことです。 切り札は文字通り切り札です。ゲームによって異なりますが、それぞれのゲームで決められているタイミングでスートのうちの1つをトランプに指定し、強いスートとして特別扱いすることがあります。例えば、ハートを切り札にすると、ハートのカードは他のカードより強くなります。 ただし、単純にトランプが1つのスートに決められるゲームばかりではなく、中には特殊なトランプの決め方をするゲームもありますが、ここでは一番基本的なトランプに関するルールについて説明します。 では、具体例を示しながら説明していきます。 &bold(){例} 今回も4人のプレイヤーでゲームをするとします。今回使うカードは先ほどの例と同じく、赤と黒の1~8までの数字が書かれたカードが1枚ずつ、計16枚を使います。これをよく混ぜて各プレイヤーに2枚ずつ配ります。残ったカードは使いません。今回はマストフォロールールだけでなく、トランプルールも適用します。 &ref(トランプ1.png) 今回はプレイヤーBから順番にカードを出していきます。また、ゲーム開始前に赤のカードが「トランプ」になると決められました。 &ref(トランプ2.png) プレイヤーBは黒の7のカードを出しました。最初に黒のカードが出されたので、マストフォロールールにより、黒のカードがあるなら黒のカードを出さなければいけません。 プレイヤーCとプレイヤーDは黒のカードを持っているので、黒のカードを出さなければいけません。 プレイヤーAは黒のカードがないため、好きなカードを出します。 &ref(トランプ3.png) 全員がカードを出し終えたので、今回のトリックの勝者を決めます。 数字だけを見れば「8」が一番大きい数字です。また、マストフォロールールを適用しているので、このまま黒の8が最強カードのように思えますが、今回はトランプルールも適用していることに注意してください。 ゲーム開始前に赤のカードがトランプとして決められたため、赤のカードはどんなに数字が小さくても黒のカードに勝つことができます。 そのため、場には黒の3枚のカードと赤のカードが1枚出ているため、赤の1のカードが一番強いカードとなります。 赤の1を出したプレイヤーAがこのトリックを取りました。 今までは単純な2つのスート(色)と数字カードだけの例を示してきましたが、ここで実際のトランプを使った例を示します。 &bold(){例} #region &bold(){例1} 使用するカードはトランプカード1組(ジョーカーを除いた52枚)です。これらをシャッフルして、各プレイヤーに6枚ずつ配ります。残ったカードは使用しません。今回はマストフォロールールのみ、適用します。トランプは無しです。 数字の強さはA>K>Q>J>10>9・・・4>3>2とします。 &ref(マストフォロー1.png) プレイヤーAからカードを出していきます。今回はスペードの10を出すことにしました。 &ref(マストフォロー2.png) プレイヤーAがスペードのカードを出したため、マストフォロールールにより、他のプレイヤーはスペードのカードがあるなら、必ずスペードを出さなければいけません。 &ref(マストフォロー3.png) 各プレイヤーはスペードのカードを持っていたので、スペードを出しました。 &ref(マストフォロー4.png) 全員がカードを出し終えたので、このトリックの勝者を決めます。スペードのAが一番強いカードです。そのため、スペードのAを出したプレイヤーBがこのトリックを取りました。次のトリックはプレイヤーBが最初にカードを出せます。 &ref(マストフォロー5.png) プレイヤーBが再びカードを出します。今回はスペードのQを出すことにしました。 &ref(マストフォロー6.png) プレイヤーBがスペードのカードを出したため、マストフォロールールにより、他のプレイヤーはスペードのカードがあるなら、必ずスペードを出さなければいけません。 プレイヤーAとプレイヤーDはスペードのカードがあるため、スペードのカードを出さなければいけません。 プレイヤーCはスペードのカードがないため、自由にカードを出すことができます。 &ref(マストフォロー7.png) 全員がカードを出し終えたので、このトリックの勝者を決めます。 スペードのQを出したプレイヤーBが勝者です。 &bold(){例2} 使用するカードはトランプカード1組(ジョーカーを除いた52枚)です。これらをシャッフルして、各プレイヤーに5枚ずつ配ります。残ったカードは使用しません。今回はマストフォロールールとトランプルールも適用します。トランプはダイヤに決まりました。 数字の強さはA>K>Q>J>10>9・・・4>3>2とします。 &ref(マストフォロー8.png) プレイヤーBからカードを出していきます。今回はクラブの8を出すことにしました。 &ref(マストフォロー9.png) プレイヤーCとプレイヤーDはクラブを持っているので、クラブを出さなければいけません。 プレイヤーAはクラブを持っていないので、好きなカードを出すことができます。今回はダイヤのJを出すことにします。 &ref(マストフォロー10.png) 全員がカードを出し終えたので、このトリックの勝者を決めます。 最初に出されたカードはクラブでしたが、トランプであるダイヤのカードが出されていたため、ダイヤのJを出したプレイヤーAが勝者です。 #endregion ほとんどのトリックテイキングゲームではマストフォロールールとトランプルールが適用されることが多いです。ここまで分かればほとんどのトリックテイキングゲームの基本を理解したことになります。 さて、トランプを導入したことで、より戦略的なゲームができるようになりました。しかし、ここでも新たな問題が発生します。1人のプレイヤーにトランプが固まって配られた場合、他のプレイヤーは全く勝てません! これを解決するために考えられたのが「&bold(){ビッディング}」というシステムです。 **ビッディング ビッディングとは、各プレイヤーがどれくらいのトリックを取るのか、ということを宣言することです。 トリックテイキングゲームにおいては、「カードを配りトリックテイキングを行い、全てのカードが無くなるまで」というこの区切りを「&bold(){ディール}」と呼びます。ボードゲームにおける「ラウンド」に相当する言葉と考えてください。 ほとんどの場合、ビッディングでは「このディール中に取るトリック数」をビッド(宣言)します。ゲームによってはビッドする際に同時に、このディールでのトランプスートを宣言するものもあります。ビッドは1人ずつ順番に行いますが、後のプレイヤーは前のビッドよりも高い数字をビッドしなければなりません。ビッドしたくない場合は「パス」を宣言します。誰か1人がビッドした後、他のプレイヤー全員がパスをすれば、最初のビッドが有効となり、その時点でビッドが成立します。誰か1人のプレイヤーのビッドに対して、それよりも高い数字のビッドが後でされた場合は、後のビッドが有効になります。その後、他のプレイヤー全員がパスをしたら有効となっているビッドが成立します。このように成立したビッドのことを「&bold(){コントラクト}(contract)」、有効なビッドをしたプレイヤーのことを「&bold(){ディクレアラー}(declarer)」と呼びます。 一般的に、ディクレアラーはビッディングで宣言したトリック数以上のトリックで勝つこと(=コントラクトの達成)を目指し、それ以外のプレイヤーはディクレアラーのコントラクトの達成を阻止することを目指します。つまり、ビッディングのルールがあるゲームではディクレアラー対それ以外のプレイヤーという、1対多の構図になります。 全トリックが終わったら、実際に取ったトリック数と宣言されたトリック数を比較します。ディクレアラーが実際に取ったトリック数が宣言されたトリック数以上だった場合には、コントラクト達成となり、ディクレアラーは得点を獲得できます。ディクレアラー以外のプレイヤーには得点が入らないゲームが多いです。 逆に、ディクレアラーが実際に取ったトリック数が宣言されたトリック数未満だった場合、コントラクトを落としたことになり、ディクレアラーには点数は入りません。ディクレアラー以外のプレイヤーにも点数が入らないゲームと点数が入るゲームの両方があります。ディクレアラー以外のプレイヤーに点数が入らない場合は、自分がディクレアラーになってコントラクトを達成する以外に点数を獲得する手段がないことになります。これらの扱いはゲームによって異なるので確認してください。 *色々なルール ここまで説明してきた「トリック」「スート」「マストフォロー」「ビッディング」というこれらの要素は、ほとんどのトリックテイキングゲームの基本的な要素となっています。これから説明するのはもう少し細かいルールや、ゲームによって異なるルールです。トリックテイキングについて詳しく知りたいという方は読んでください。 **カードの出し方のルール 今まで説明してきたルールは「マストフォロー」というルールに基づいてカードを出していました。これ以外にも色々なルールがあります。 これ以降は専門的な用語を使用するため、分からない単語が出てきた場合は、後述の用語集を参照してください。 ・マストラフ:リードされたスートをフォローできない場合で、トランプを持っている場合はトランプを出さなければならない。それもできない場合には何を出してもよい。 ・マストウィン:リードされたスートをフォローできない場合で、トランプを持っている場合はトランプを出さなければならない。さらに、フォローの義務の範囲内で可能ならば、場に出ているカードよりも強いカードを出さなければならない。 ・マストノットフォロー:リードされたスートと同じスートを出すことはできない ・メイフォロー:自由にどのカードを出してもよい(あまり一般的ではない) これらのルールは単独で適用されることも、組み合わせて適用される場合もあります。 例えば、マストフォローとマストラフが組み合わさると、 「リードされたスートはフォローしなければならない。リードされたスートをフォローできない場合で、トランプを持っている場合はトランプを出さなければならない。それもできない場合には何を出してもよい。」というルールになります。これらはゲームによって様々なので、ゲームごとに確認してください。 **勝敗の決め方のルール トリックテイキングというシステムは、ゲームによって誰がどれくらい得点を獲得するのか、ということを決めるための手段にすぎません。トリックテイキングの結果による最終的なゲームの勝者の決め方は様々です。以下、メジャーなルールを示します。 ・プレイントリックゲーム:トリックを取った数に応じて勝敗が決まるもの ・ポイントトリックゲーム:トリックを取ったら、そのトリックで出されていたカードを取り、取ったカードによって勝敗が決まるもの ・トリックアボイダンスゲーム:通常とは逆に、なるべくトリックを取らないようにするもの *用語集 主にトリックテイキングで使用される用語を軽くまとめました。 ・&bold(){ウィドゥ} 全員にカードを配った後に残ったカードのこと ・&bold(){オークション} いわゆる競り。ビッディングによってディクレアラーを決めること。最も高いビッドをしたプレイヤーがディクレアラーとなる。 ・&bold(){オープニングビッド} 最初に宣言されたビッド ・&bold(){オープニングリード} ディールの最初に出されたカード ・&bold(){オールトランプ} 全てのスートをトランプとすること。全部切り札とも呼ぶ ・&bold(){コントラクト} ディクレアラーのプレイヤーが宣言したビッドのこと。または、このディールでの目的。ディクレアラーはコントラクトを達成することを目指す。 ・&bold(){スート} カードをある基準で分ける際に使用される記号のこと。いわゆるマーク。トランプカードではスペード、ハート、ダイヤ、クラブがある。 ・&bold(){スペキュレーション} スペードのAのこと ・&bold(){スラム} 全トリックを取ること ・&bold(){ディーラー} カードを配る人のこと。ゲームによってはディーラーがいわゆる「親」としての役割を担うものもあります。 ・&bold(){ディール} カードが配られて、トリックテイキングを開始して、全員がカードを出し終えるまでの時間的な区分。ボードゲームの「ラウンド」に相当する単語だと考えてください。 ・&bold(){台札(だいふだ)} トリックの最初に出されたカード。マストフォローのゲームの場合、このカードのスートが基準になる。 ・&bold(){ディスカード} マストフォロールールにおいて、リードスートではなく、かつ、トランプでもないカードを場に出すこと。 ・&bold(){ディクレアラー} 有効なビッドを成立させたプレイヤー。他にもアタッカー、ピッカー、テイカー、ビッダーなどと呼ばれることもあります。 ・&bold(){ディフェンダー} ディクレアラー以外のプレイヤー。他にノンビッダーなどと呼ばれることもあります。 ・&bold(){トランプ} 切り札のこと。詳しくは&u(){&link_anchor(トランプ){トランプ}}を参照してください。 ・&bold(){ノートランプ} トランプスートを無しとすること。切り札なしとも呼ぶ ・&bold(){パートナーシップ} 他のプレイヤーとチームを組み、協力してチームに割り当てられた目的を達成することを目指すルール ・&bold(){ハンド} 手札のこと。トリックテイキングゲームに限らず、ボードゲーム等でも英語では手札のことを「ハンド」と呼ぶ。 ・&bold(){ピケ・デッキ} トランプカードの各スートの2~6のカードを除いた32枚のカードのこと ・&bold(){ビッド} ディール開始前に行うある宣言のこと。 ・&bold(){フォロー} リードされたカードと同じスートのカードを出すこと ・&bold(){ベット} ビッドと同じ。厳密に言えばビッドは最初に宣言を行うことで、ベットはその数字をつり上げることですが、実際にはほぼ同じ意味で使われています。 ・&bold(){マイティ} スペードのAのこと ・&bold(){ミゼール} 全トリックを取らないこと ・&bold(){メルド} 手役のこと。連番のカードや、2枚組のカードなどが手役になり、特別な役割が与えられるゲームがあります。 ・&bold(){ラフ} リードスートではないトランプを出すこと ・&bold(){ランク} カードの強さを表す記号のこと。トランプカードの場合はA、K、Q、J、10、9~2までの13種類のランクがあることになります。「強いカード」と表現される場合、より上位のランクのカードを指します。 ・&bold(){リード} トリックの最初にカードを出すこと。台札を出すこと。 ・&bold(){リードスート} トリックの最初に出されたカードのスートのこと。台札スート ・&bold(){リボーク} ルールに違反したカードを出すこと

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: