KQJ

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&bold(){KQJ} &ref(https://x.boardgamearena.net/data/themereleases/161129-1539/games/kqj/161115-2159/img/game_box180.png) [[BGAでプレイ>https://ja.boardgamearena.com/#!gamepanel?game=kqj]] &bold(){訳語は個人で訳したものなので、実際のものとは異なる場合があります。} &bold(){トリックテイキングゲームで専門的に使われる単語をいくつか使用しています。分からない単語等が出てきた場合、&u(){&blanklink(こちら){トリックテイキングについて}}のページを参照してください。} #contents *ゲーム画面 &ref(KQJ全体.png) *概要 KQJとはKing、Queen、Jackの略です。ブロットやブロット・クワンシェに似たゲームです。これらのゲームは4人までしかできませんが、KQJは6人でプレイできます。また、次のようなオプションルールを選択できます。 ・3vs3の2チーム戦もしくは、2vs2vs2の3チーム戦もしくは、3~5人の個人戦 ・ランダムパートナールールの有無 ・オークションの有無 ・オールトランプ/ノートランプの有無 ・手役の有無 現在BGAで遊べるオプションルールは次の通りです ・6人プレイのみ。3vs3の2チーム戦もしくは、2vs2vs2の3チーム戦のみ ・ランダムパートナールールの有無は選択可 ・オークションの有無は選択可 ・オールトランプ/ノートランプの有無は選択できない。オールトランプ/ノートランプ有りのルールでしか遊べない ・手役の有無は選択できない。手役無しのルールでしか遊べない *目的 規定点数以上の得点を獲得すること *画面説明 &ref(画面説明.png) 1:場、各プレイヤーの所属チームや各プレイヤーが出したカードが分かります 2:このラウンドでのトランプスート 3:このプレイヤーの所属チーム 4:ディーラートークン、このトークンが置かれているプレイヤーがディーラー 5:カードランク、左側がトランプスートの場合のランク、右側がトランプ以外のスートの場合のランク 6:メモ、詳細は下記参照 7:自分の手札 ・メモ &ref(メモ1.png) &ref(メモ2r.png) 2つめのメモのCOMBINAISONSの項目は現在BGAでは実装されていないルールなので訳していません。(手役に関するルールです) *ルール これから説明するルールは3vs3の2チーム戦、ランダムパートナールール無し、オークション無しのルールです。3チーム戦、ランダムパートナールール、オークションはヴァリアントルールとなっています。ヴァリアントルールのそれぞれの項目を参照してください。 **ゲームの流れ 規定の勝利点を決めます(テーブル作成時に、500点、1000点、2000点のどれかから1つ選ぶ)。 ゲーム開始時に6人を2つのチームに分けます。その際、両隣のプレイヤーが敵チームになるようにします。 例えば、6人を以下のようにチームAとチームBの2つのチームに分けます。プレイヤーAからFは時計回りにA→B→C→D→E→Fと並んでいます チームA:プレイヤーA,C,E チームB:プレイヤーB,D,F オープナーから順にカードを5枚ずつ各プレイヤーに配ります。そして、オープナーから順にビッドを行い、コントラクトとトランプ(=切り札)を決定します。 その後はトリックテイキングのプレイを行います。ディクレアラーチームはコントラクトの達成を目指し、ディフェンスチームはコントラクトを阻止することを目指します。全てのトリックが終了したら、コントラクトが達成されているかどうかを確認し、得点計算を行います。これを繰り返し、規定の勝利点に到達したチーム全員が最終的な勝者です。 **セットアップ 6人を2つのチームに分けます。隣り合うプレイヤーは敵チームになるようにチーム分けされます。このチームはゲーム終了時まで変わりません。同じチームのプレイヤーをパートナーと呼びます。 &ref(チーム分け.png) このようになります。 **ラウンドの開始 このラウンドのディーラーを決定します。BGAでは自動的にディーラーが決定され、ディーラーにはディーラートークンが置かれます。 そして、各プレイヤーに5枚ずつカードが手札として配られます。残りのカードは中央に置かれます。 **トランプの決定 残っているカードのうち、1枚が引かれます。ディーラーの左隣のプレイヤーから順番にこのカードを確認し、以下の2つのうちどちらかを選択します。 ・カードを手札に加える:このカードのスートがトランプスートとなり、カードを手札に加えたプレイヤーはディクレアラーとなります ・パス:何もせずにターンは終了します 全プレイヤーがパスをした場合は、ディーラーの左隣のプレイヤーから順番に以下の2つのうち、どちらかを選択をします。 ・カードを手札に加える:任意のトランプスートを選択し、カードを手札に加えたプレイヤーはディクレアラーとなります ・パス:何もせずにターンは終了します 任意のトランプスートとは、通常の4つのスート(スペード、ハート、クラブ、ダイヤ)から選ぶことができます。また、テーブルの設定でオールトランプ(全てのスートをトランプスートとする)/ノートランプ(トランプスートなし)のオプションルールを有りにしている場合、オールトランプやノートランプを選ぶこともできます。 再び全プレイヤーがパスをした場合は、そのラウンドは行われません。カードは全て回収され、「ラウンドの開始」のカードを5枚配るところからやり直します。ディーラーは変わりません。 カードを手札に加えたプレイヤーがいた場合は、そのプレイヤーは「ディクレアラー」となります。ディクレアラーのいるチームを「コントラクトチーム」、もう一方のチームを「ディフェンスチーム」と呼びます。 トランプ(オールトランプ/ノートランプも含む)が決定したら、残っているカードを配ります。ディクレアラー以外のプレイヤーにはカードを3枚、ディクレアラーには2枚のカード(1枚のカードを既に手札に加えているため)を配ります。つまり、全プレイヤーは8枚の手札を持つことになります。 &bold(){例} &ref(トランプ決め1.png) このカードを取った場合、自分がディクレアラーとなり、自分が所属するチームはコントラクトチームになります。また、このラウンドでのトランプスートがダイヤになります。今回はパスすることにします。 &ref(トランプ決め2.png) 1巡目は全員がパスをしたため、2巡目がまわってきました。今回はこのカードを取ることにします。この場合は、任意のトランプスートを指定できます(赤枠の部分をクリックしてトランプスートを選びます。赤枠の部分のそれぞれの部分をクリックすると、下図のようにトランプスートを選択できます。) &ref(トランプ決め3.png) **プレイ ディーラーの左隣のプレイヤーから手札のカードを1枚場に出します。その後、時計回りに他のプレイヤーは以下のルールに従って手札からカードを1枚選び場に出さなければいけません。ルールは次の通りです。 &bold(){カードを出す時のルール} マストフォロー、マストラフ、マストウィンです。ブロットと異なる点は、リードスートを持っていて、パートナーがトランプスートで最強のカードを出している場合、それよりも強いトランプスートを出す場合に、任意のトランプのカードを出せることです。 よくわからないという方は下を読んでください。 ・最初に場に出されたカードのスートと同じスートのカードを持っている場合 そのスートのカードを出さなければいけません。 最初に出されたカードのスートがトランプスートだった場合のみ、場に出ている最強のカードよりも強いカードを持っているなら、それを出さなければいけない。弱いカードしかないなら、それを出さなければいけない。 ・最初に場に出されたカードのスートと同じスートのカードを持っていない。かつ、パートナーが今まで場に出ているどのカードよりも強いカードを出している場合 任意のカードを出してよい。パートナーより強いカードを出してもよい。 ・最初に場に出されたカードのスートと同じスートのカードを持っていない。かつ、相手チームプレイヤーが今まで場に出ているどのカードよりも強いカードを出している場合 場に出ている最強のカードよりも強いカードを持っているなら、それを出さなければいけない。 場に出ている最強のカードよりも弱いカードしかないなら、任意のカードを出してよい。 ***カードの強さ カードの強さは次のように決まっています。 トランプスート>各トリックで最初に場に出されたスート>それ以外のスート(左のスートの方がより強いスート) 各トリックで最初に場に出されたスートがトランプスートだった場合は、トランプスートと各トリックで最初に場に出されたスートの強さは同じです。(例えば、オールトランプの場合、最初に出されたのがスペードだとします。全てのスートがトランプスートなので、その後に出されるハートやクラブなどと強さは同じになります。) 同じスート内での強さは次の表の通りです。 表の見方:ランクは左に位置するほど強く、右に位置するほど弱い。得点はそのカードを取った時に獲得する点数 トランプスート |ランク|9|8|7|A|10|H|K|Q|J|6|5|4| |得点|27点|22点|14点|12点|10点|7点|5点|4点|3点|0点|0点|0点| トランプ以外のスート |ランク|A|10|H|K|Q|J|9|8|7|6|5|4| |得点|12点|10点|7点|5点|4点|3点|2点|1点|0点|0点|0点|0点| 全カードの得点合計は(3 x 44点) + 104点 = 236点となります。(トランプスート以外の3スートの得点合計:3x44点、トランプスートの得点合計が104、計236点) オールトランプやノートランプを指定した場合は全てのスートが同じ強さになり、得点も変わります。 オールトランプ |ランク|9|8|7|A|10|H|K|Q|J|6|5|4| |得点|17点|14点|7点|6点|5点|4点|3点|2点|1点|0点|0点|0点| ノートランプ |ランク|A|10|H|K|Q|J|9|8|7|6|5|4| |得点|20点|17点|7点|5点|4点|3点|2点|1点|0点|0点|0点|0点| これらの場合の全カードの得点合計は4 x 59点 = 236点です 全プレイヤーがカードを1枚場に出したら、一番強いカードを出してる人が勝者となり、トリックを取ります。当該トリックで場に出されたカードを全て取ります。(取ったカードを手札に加えることはありません。) 次のトリックは、トリックを取ったプレイヤーが最初にカードを場に出し、同様に時計回りにターンが進みます。 全ての手札が無くなったら、ラウンドは終了します。 &bold(){例} プレイヤーA,C,Eが同じチーム、プレイヤーB,D,Fが同じチームです。 このラウンドではFがディーラーで、Bがカードを取り、ハートをトランプスートに決めました。 最初のトリックです。 Fの左隣のプレイヤーであるAが最初にカードを出します。AはクラブのA(エース)を出しました。 Bはクラブを持っていたのでクラブを出さなければいけません。そこでクラブの4を出しました。 全プレイヤーは同様にクラブを持っていたので、クラブを出しました。 クラブはトランプスートではないので、一番強いカードはプレイヤーAが出したクラブのA(エース)です。そのため、このトリックはAが取りました。Aはこのトリックで場に出された全てのカードを取ります。また、Aがトリックを取ったので、次のトリックもAが最初にカードを場に出します。 次のトリックです。 Aが最初にカードを出します。Aはクラブの10を出しました。 Bはクラブのカードを持っていませんでした。トランプスートのハートを持っていたので、ハートの6を出しました。 Cはクラブを持っていませんが、トランプスートであるハートを持ってたので、ハートのHを出しました。 Dもクラブを持っていませんが、トランプスートであるハートを持っていました。しかし、持っていたのはハートの5で、Cが出したHより弱いため、出さないことにしました。そこで、スペードの4を出しました。 Eもクラブを持っていませんが、トランプスートであるハートを持っていました。しかし、持っていたのはハートの7でした。これはハートのHよりも強いカードですが、パートナーのCが一番強いカード(ハートのH)を出しているため、Eはトランプスート以外のカードを出すことにしました。そこで、スペードの10を出しました。 FはクラブのHを持っていました。最初に出されたカードと同じスートであるため、このカードを出さなければいけません。 このトリックはCが取った。次のトリックはCがリードプレイヤーである 最初に出されたカードはクラブの10でしたが、途中でトランプスートのハートのカードが出されたので、一番強いカードはハートのHとなります。そのため、このトリックはCが取りました。Cはこのトリックで場に出された全てのカードを取ります。また、Cがトリックを取ったので、次のトリックはCが最初にカードを場に出します。 **ボーナス 次のようなボーナスがあり、これらのボーナスを達成すると得点を獲得できます。このボーナスで獲得した得点はラウンド終了時の点数計算時にチームの獲得点数に加算されます。 ・Dix de Der(ディス・ド・デール):最後のトリックを取ると10点を獲得 ・カポ:全トリックを取ると154点を獲得 ・KQ:1ラウンド中に1人のプレイヤーが次のようにKQを出すと、20点を獲得 1人のプレイヤーがトランプスートのKとQを持っており、トランプのKを出した次のトリックでトランプのQを出す。Kを出すときに「K」と宣言し、次に「Q」を出すときに「KQ」と宣言する ・KQJ:1ラウンド中に1人のプレイヤーが次のようにKQJを出すと、50点を獲得 1人のプレイヤーがトランプスートのKとQとJを持っており、トランプのKを出した次のトリックでトランプのQを出し、その次のトリックでトランプのJを出す。Kを出すときに「K」と宣言し、次に「Q」を出すときに「KQ」と宣言、Jを出すときに「KQJ」と宣言する。 なお、KQJを達成すると、自動的にKQも達成しますが、KQを達成したことによる20点はもらえません。 最初にオールトランプが宣言された場合は全てのスートでKQやKQJを達成できます。つまり、KQやKQJは最大で4回起こる可能性があります。ノートランプが宣言された場合はトランプスートがないため、KQやKQJは成立しません。 なお、BGAでは「KQ」などの宣言は自動的に行われます。 **ラウンド終了 全プレイヤーがカードを出したら(最後のトリックが終わったら)、得点の計算をします。 1.それぞれのプレイヤーが取ったカードの得点 2.ボーナスの得点。最低でも最終トリックテイクのボーナス点(10点)が入ります。 各プレイヤーが獲得した1と2の点数をチーム別に合計し、最も点数が高いチームがそのラウンドでの勝利チームとなります。 全カードの得点合計は236点、Dix de Der(最後のトリックを取った時のボーナス)での10点を合計すると246点なので、KQやKQJが発生しなかった場合は&bold(){123点より多くの点数を取れば勝利チームになる}ことができます。 勝利チームは合計点数の下一桁を四捨五入し、その点数を勝利点として獲得します。 負けたチームは勝利点を得られません。 ディーラーが左隣のプレイヤーが移り、新たなラウンドが開始されます。 &bold(){例} &ref(得点.png) コントラクトチームが232点の得点を獲得し、勝利しました。そのため、コントラクトチームは四捨五入して230点の勝利点を獲得します。ディフェンスチームは勝利点を獲得できません。 **特別ボーナス 特別ボーナスとは文字通り「特別なボーナス」です。特別ボーナスは勝利チームが受け取る追加の勝利点です。通常のボーナスと異なり、勝利チームを決める際にチームの点数に加算されるものではありません。 ***Litigation(Contention) 両チームが獲得した得点が同点だった場合(例:123点vs123点、 133点vs113点+KQボーナス20点、148点vs98点+KQJボーナス50点)は引き分けとなり、どちらのチームも勝利点を獲得できません。この場合は、発生した点数 (120点、130点(KQボーナスが発生した場合)、150点(KQJボーナスが発生した場合))が次のラウンドに持ち越されます。持ち越された勝利点は次のラウンドの勝利チームが追加の勝利点として獲得します(もちろん、次ラウンドで獲得した得点も通常通り勝利点として獲得します)。もし、次のラウンドでも同点だった場合は持ち越された勝利点は無くなり、新しい勝利点がさらに次のラウンドへ持ち越されます。 (現在、BGAでは直訳で訴訟と訳されていますが、正式な訳語は不明です。ブロットではContentionと呼ばれるルールです。どなたか日本語訳を教えていただけないでしょうか) **ゲーム終了 BGAでは規定の勝利点にどちらかのチームが達するとゲーム終了です。そのチームメンバー全員が勝者です。 *ヴァリアントルール これから説明するのはテーブルの設定で有無を選択できるヴァリアントルールです。今まで説明してきたルールと異なる点のみ説明します。 **2人3チーム戦 このヴァリアントルールを適用すると、3つのチームでチーム戦をすることになります。 ・チーム分け 向かい合ったプレイヤーが同じチームメンバーです。両隣のプレイヤーは異なるチームメンバーとなります。 例えば、6人を以下のようにチームAとチームBとチームCの3つのチームに分けます。プレイヤーAからFは時計回りにA→B→C→D→E→Fと並んでいます チームA:プレイヤーA,D チームB:プレイヤーB,E チームC:プレイヤーC,F &ref(3チーム.png) このようにチーム分けされます ・目的 他2チームよりも多くの点数を獲得すること。 ・得点 コントラクトチームが他2つのディフェンスチームより高い得点を獲得したら、コントラクト達成となり、そのラウンドで獲得した得点を勝利点として獲得します。 どちらか1つのディフェンスチームがコントラクトチームよりも高い得点を獲得したら、コントラクト失敗となり、ディフェンスチーム2チームはそのラウンドでそれぞれのチームが獲得した得点を勝利点としてそれぞれ獲得します。 コントラクトチームとディフェンスチームのどちらか1つが同点となった場合はLitigation(Contention)が発生します。どのチームも勝利点を獲得できません。次のラウンドに持ち越される勝利点は当該ラウンドで発生した勝利点です。 ・特別ボーナス 1つのチームが少なくとも1トリックを取っていて、かつ、そのチームの得点が20点以下の得点だった場合、他の2チームは20点ずつ勝利点を獲得します。 1つのチームが1トリックも取れなかった場合、他の2チームは60点ずつ勝利点を獲得します。 **ランダムパートナー ・目的 このヴァリアントルールを適用した場合、個人戦となります。ランダムに変化するチームメンバーと協力しながらも、個人でトップの勝利点を獲得することを目指します。 ・チーム分け ゲーム開始時にランダムに席順が決まります。&bold(){これはゲーム終了時まで変わりません}。 各ラウンド開始時に、そのラウンドだけのチームがランダムに組まれます。このとき、隣り合うプレイヤーがパートナーになる場合もあります。 各ラウンドを通常通りにプレイし、そのラウンドでの勝利チームに勝利点が入ります。 誰かが規定の点数に達したら、その&bold(){プレイヤー}の勝利です。 **オークション このヴァリアントルールはゲームをより面白いものにしますが、初めてゲームをプレイするプレイヤーがいるなら適用しない方がよいです。 ・目的 コントラクトチームはコントラクトの達成を目指す。ディフェンスチームはコントラクトの達成を阻止する。 ・セットアップ 全てのカードが配られます(各プレイヤーに8枚のカードが配られます) ・コントラクト ディーラーの左隣のプレイヤーから順に次の2つのうちどちらかを実行していきます。 1.パス 2.ビッド パスをした場合は自分のターンは終了します。 ビッドではコントラクトを宣言します。コントラクトとはこのラウンドでチームとして何点取るのかという宣言と、このラウンドでのトランプスートの宣言のことです。特別な宣言として、「カポ(全トリックを取る)」を宣言することもできます。なお、最初にビッドする際の最小の点数は120点からです(3チーム戦の場合は80点から)。もちろん、最初から140点などを宣言することもできます。点数は10点刻みです コントラクトの例:スペードで150点やダイヤでカポなど 誰もビッドしなかった場合は、このラウンドは無かったことになります。再び全プレイヤーにカードを8枚ずつ配りなおします。 誰かがコントラクトを宣言した場合、より高い点数のコントラクトを宣言することができます。より高い点数のコントラクトを宣言する場合のみ、トランプスートを変えることができます(トランプスートだけを変えるようなビッドはできません)。一度パスをしたプレイヤーも自分のターンが来たら再びビッドできます。誰かがビッドをした後、他プレイヤー全員がパスをした場合、ビッドしたプレイヤーがディクレアラーとなり、コントラクトが成立します。 「カポ」は特殊なコントラクトで、カポを宣言したプレイヤーの所属するチームは全てのトリックで勝たなければいけません(パートナーのサポートが重要になるでしょう)。カポが宣言されたら、オークションは即座に終了し、このコントラクトが成立します。 コントラクトが宣言された場合、相手チームは通常通りにビッドするほかに、コントラクトの達成が無理だと予想することができます。その場合には「カウンター」を宣言します。カウンターを宣言すると、その時点でコントラクトが「ビッドされたトランプスートで直前のコントラクトの達成は不可能」というものになり、同時にコントラクトチームも入れ替わります。例えば、クラブで160というコントラクトに対してカウンターを宣言すると、「このラウンドでのトランプスートはクラブ、もともとビッドしていたチームは160点を取ることができない」というコントラクトをすることになります。BGAではカウンターが宣言されると、剣のトークンが置かれます。 カウンターが宣言された場合のみ、もともとビッドしていたチームのプレイヤーは「オーバーカウンター」という宣言ができます。なお、一度カウンターが宣言された場合は、オーバーカウンターを宣言するか、パスをするかのどちらかしかできません。 オーバーカウンターを宣言すると、コントラクトは「カウンターコントラクトは達成できない」とうものになり、同時にコントラクトチームも入れ替わります。BGAではオーバーカウンターが宣言されると2本の剣トークンが置かれます。 なお、カウンターやオーバーカウンターは手番以外のプレイヤーでも宣言することができます。 &ref(カウンタートークン.png) (カウンターやオーバーカウンターを宣言すると、このようなトークンが置かれます) &bold(){例} &ref(オークション3.png) 敵チームがクラブで130点とビッドしており、自分以外のプレイヤーはパスをしています。この場合、選択肢は次のようになります 1.パス:パスをすると、敵チームのクラブで130点というコントラクトが成立します。 2.ビッド:140点以上の点数をビッドしなければいけません。トランプスートは自由に選択できます カウンターやカポを宣言することもできます。 今回はパスをすることにしました。 ・得点計算 コントラクトが達成された場合、コントラクトチームはコントラクトで宣言した得点を勝利点として獲得します。(コントラクトで宣言した得点より多くの得点を獲得しても、コントラクトの得点分の勝利点のみ得ます) コントラクトが達成されなかった場合、ディフェンスチームはコントラクトで宣言された得点を勝利点として獲得します。 なお、「カウンター」が宣言されていた場合はコントラクトで宣言された得点の2倍の勝利点を獲得します。 「オーバーカウンター」が宣言されていた場合はコントラクトで宣言された得点の4倍の勝利点を獲得します。 &bold(){例} &ref(オークション4.png) 先の例のコントラクトが成立しました。コントラクトチームはこのラウンドで174点の得点を獲得し、コントラクトを達成しました。そのため、コントラクトチームは130点を勝利点として獲得します。ディフェンスチームはコントラクトの阻止に失敗したので、勝利点を獲得できません。 *用語集 ・コントラクト:このラウンドのトランプは○○!このラウンドで○○点取る!という契約のこと。コントラクトを成立させたプレイヤーをディクレアラーと呼ぶ。ディクレアラーはコントラクトを達成することで勝利点を得られる。ディクレアラーの相手はディクレアラーがコントラクトを達成することを阻止する。 ・スート:ハートやスペードなどの、いわゆるマークのこと ・トランプ:切り札のこと ・トリック:トリックテイキングでの1つの単位。各プレイヤーが1枚ずつカードを場に出し、全てのプレイヤーが1枚ずつカードを出すと1トリックが終了する ・ランク:カードの強さを表すもの。たとえば数字などのこと
&bold(){KQJ} &ref(https://x.boardgamearena.net/data/themereleases/161129-1539/games/kqj/161115-2159/img/game_box180.png) [[BGAでプレイ>https://ja.boardgamearena.com/#!gamepanel?game=kqj]] &bold(){訳語は個人で訳したものなので、実際のものとは異なる場合があります。} &bold(){トリックテイキングゲームで専門的に使われる単語をいくつか使用しています。分からない単語等が出てきた場合、&u(){&blanklink(こちら){トリックテイキングについて}}のページを参照してください。} #contents *ゲーム画面 &ref(KQJ全体.png) *概要 KQJとはKing、Queen、Jackの略です。ブロットやブロット・クワンシェに似たゲームです。これらのゲームは4人までしかできませんが、KQJは6人でプレイできます。また、次のようなオプションルールを選択できます。 ・3vs3の2チーム戦もしくは、2vs2vs2の3チーム戦もしくは、3~5人の個人戦 ・ランダムパートナールールの有無 ・オークションの有無 ・オールトランプ/ノートランプの有無 ・手役の有無 現在BGAで遊べるオプションルールは次の通りです ・6人プレイのみ。3vs3の2チーム戦もしくは、2vs2vs2の3チーム戦のみ ・ランダムパートナールールの有無は選択可 ・オークションの有無は選択可 ・オールトランプ/ノートランプの有無は選択できない。オールトランプ/ノートランプ有りのルールでしか遊べない ・手役の有無は選択できない。手役無しのルールでしか遊べない *目的 規定点数以上の得点を獲得すること *画面説明 &ref(画面説明.png) 1:場、各プレイヤーの所属チームや各プレイヤーが出したカードが分かります 2:このラウンドでのトランプスート 3:このプレイヤーの所属チーム 4:ディーラートークン、このトークンが置かれているプレイヤーがディーラー 5:カードランク、左側がトランプスートの場合のランク、右側がトランプ以外のスートの場合のランク 6:メモ、詳細は下記参照 7:自分の手札 ・メモ &ref(メモ1.png) &ref(メモ2r.png) 2つめのメモのCOMBINAISONSの項目は現在BGAでは実装されていないルールなので訳していません。(手役に関するルールです) *ルール これから説明するルールは3vs3の2チーム戦、ランダムパートナールール無し、オークション無しのルールです。3チーム戦、ランダムパートナールール、オークションはヴァリアントルールとなっています。ヴァリアントルールのそれぞれの項目を参照してください。 **ゲームの流れ 規定の勝利点を決めます(テーブル作成時に、500点、1000点、2000点のどれかから1つ選ぶ)。 ゲーム開始時に6人を2つのチームに分けます。その際、両隣のプレイヤーが敵チームになるようにします。 例えば、6人を以下のようにチームAとチームBの2つのチームに分けます。プレイヤーAからFは時計回りにA→B→C→D→E→Fと並んでいます チームA:プレイヤーA,C,E チームB:プレイヤーB,D,F オープナーから順にカードを5枚ずつ各プレイヤーに配ります。そして、オープナーから順にビッドを行い、コントラクトとトランプ(=切り札)を決定します。 その後はトリックテイキングのプレイを行います。ディクレアラーチームはコントラクトの達成を目指し、ディフェンスチームはコントラクトを阻止することを目指します。全てのトリックが終了したら、コントラクトが達成されているかどうかを確認し、得点計算を行います。これを繰り返し、規定の勝利点に到達したチーム全員が最終的な勝者です。 **セットアップ 6人を2つのチームに分けます。隣り合うプレイヤーは敵チームになるようにチーム分けされます。このチームはゲーム終了時まで変わりません。同じチームのプレイヤーをパートナーと呼びます。 &ref(チーム分け.png) このようになります。 **ラウンドの開始 このラウンドのディーラーを決定します。BGAでは自動的にディーラーが決定され、ディーラーにはディーラートークンが置かれます。 そして、各プレイヤーに5枚ずつカードが手札として配られます。残りのカードは中央に置かれます。 **トランプの決定 残っているカードのうち、1枚が引かれます。ディーラーの左隣のプレイヤーから順番にこのカードを確認し、以下の2つのうちどちらかを選択します。 ・カードを手札に加える:このカードのスートがトランプスートとなり、カードを手札に加えたプレイヤーはディクレアラーとなります ・パス:何もせずにターンは終了します 全プレイヤーがパスをした場合は、ディーラーの左隣のプレイヤーから順番に以下の2つのうち、どちらかを選択をします。 ・カードを手札に加える:任意のトランプスートを選択し、カードを手札に加えたプレイヤーはディクレアラーとなります ・パス:何もせずにターンは終了します 任意のトランプスートとは、通常の4つのスート(スペード、ハート、クラブ、ダイヤ)から選ぶことができます。また、テーブルの設定でオールトランプ(全てのスートをトランプスートとする)/ノートランプ(トランプスートなし)のオプションルールを有りにしている場合、オールトランプやノートランプを選ぶこともできます。 再び全プレイヤーがパスをした場合は、そのラウンドは行われません。カードは全て回収され、「ラウンドの開始」のカードを5枚配るところからやり直します。ディーラーは変わりません。 カードを手札に加えたプレイヤーがいた場合は、そのプレイヤーは「ディクレアラー」となります。ディクレアラーのいるチームを「コントラクトチーム」、もう一方のチームを「ディフェンスチーム」と呼びます。 トランプ(オールトランプ/ノートランプも含む)が決定したら、残っているカードを配ります。ディクレアラー以外のプレイヤーにはカードを3枚、ディクレアラーには2枚のカード(1枚のカードを既に手札に加えているため)を配ります。つまり、全プレイヤーは8枚の手札を持つことになります。 &bold(){例} &ref(トランプ決め1.png) このカードを取った場合、自分がディクレアラーとなり、自分が所属するチームはコントラクトチームになります。また、このラウンドでのトランプスートがダイヤになります。今回はパスすることにします。 &ref(トランプ決め2.png) 1巡目は全員がパスをしたため、2巡目がまわってきました。今回はこのカードを取ることにします。この場合は、任意のトランプスートを指定できます(赤枠の部分をクリックしてトランプスートを選びます。赤枠の部分のそれぞれの部分をクリックすると、下図のようにトランプスートを選択できます。) &ref(トランプ決め3.png) **プレイ ディーラーの左隣のプレイヤーから手札のカードを1枚場に出します。その後、時計回りに他のプレイヤーは以下のルールに従って手札からカードを1枚選び場に出さなければいけません。ルールは次の通りです。 &bold(){カードを出す時のルール} マストフォロー、マストラフ、マストウィンです。ブロットと異なる点は、リードスートを持っておらず、パートナーがトランプスートで最強のカードを出している場合、それよりも強いトランプスートを出す場合に、任意のトランプのカードを出せることです。 よくわからないという方は下を読んでください。 ・最初に場に出されたカードのスートと同じスートのカードを持っている場合 そのスートのカードを出さなければいけません。 最初に出されたカードのスートがトランプスートだった場合のみ、場に出ている最強のカードよりも強いカードを持っているなら、それを出さなければいけない。弱いカードしかないなら、それを出さなければいけない。 ・最初に場に出されたカードのスートと同じスートのカードを持っていない。かつ、パートナーが今まで場に出ているどのカードよりも強いカードを出している場合 任意のカードを出してよい。パートナーより強いカードを出してもよい。 ・最初に場に出されたカードのスートと同じスートのカードを持っていない。かつ、相手チームプレイヤーが今まで場に出ているどのカードよりも強いカードを出している場合 場に出ている最強のカードよりも強いカードを持っているなら、それを出さなければいけない。 場に出ている最強のカードよりも弱いカードしかないなら、任意のカードを出してよい。 ***カードの強さ カードの強さは次のように決まっています。 トランプスート>各トリックで最初に場に出されたスート>それ以外のスート(左のスートの方がより強いスート) 各トリックで最初に場に出されたスートがトランプスートだった場合は、トランプスートと各トリックで最初に場に出されたスートの強さは同じです。(例えば、オールトランプの場合、最初に出されたのがスペードだとします。全てのスートがトランプスートなので、その後に出されるハートやクラブなどと強さは同じになります。) 同じスート内での強さは次の表の通りです。 表の見方:ランクは左に位置するほど強く、右に位置するほど弱い。得点はそのカードを取った時に獲得する点数 トランプスート |ランク|9|8|7|A|10|H|K|Q|J|6|5|4| |得点|27点|22点|14点|12点|10点|7点|5点|4点|3点|0点|0点|0点| トランプ以外のスート |ランク|A|10|H|K|Q|J|9|8|7|6|5|4| |得点|12点|10点|7点|5点|4点|3点|2点|1点|0点|0点|0点|0点| 全カードの得点合計は(3 x 44点) + 104点 = 236点となります。(トランプスート以外の3スートの得点合計:3x44点、トランプスートの得点合計が104、計236点) オールトランプやノートランプを指定した場合は全てのスートが同じ強さになり、得点も変わります。 オールトランプ |ランク|9|8|7|A|10|H|K|Q|J|6|5|4| |得点|17点|14点|7点|6点|5点|4点|3点|2点|1点|0点|0点|0点| ノートランプ |ランク|A|10|H|K|Q|J|9|8|7|6|5|4| |得点|20点|17点|7点|5点|4点|3点|2点|1点|0点|0点|0点|0点| これらの場合の全カードの得点合計は4 x 59点 = 236点です 全プレイヤーがカードを1枚場に出したら、一番強いカードを出してる人が勝者となり、トリックを取ります。当該トリックで場に出されたカードを全て取ります。(取ったカードを手札に加えることはありません。) 次のトリックは、トリックを取ったプレイヤーが最初にカードを場に出し、同様に時計回りにターンが進みます。 全ての手札が無くなったら、ラウンドは終了します。 &bold(){例} プレイヤーA,C,Eが同じチーム、プレイヤーB,D,Fが同じチームです。 このラウンドではFがディーラーで、Bがカードを取り、ハートをトランプスートに決めました。 最初のトリックです。 Fの左隣のプレイヤーであるAが最初にカードを出します。AはクラブのA(エース)を出しました。 Bはクラブを持っていたのでクラブを出さなければいけません。そこでクラブの4を出しました。 全プレイヤーは同様にクラブを持っていたので、クラブを出しました。 クラブはトランプスートではないので、一番強いカードはプレイヤーAが出したクラブのA(エース)です。そのため、このトリックはAが取りました。Aはこのトリックで場に出された全てのカードを取ります。また、Aがトリックを取ったので、次のトリックもAが最初にカードを場に出します。 次のトリックです。 Aが最初にカードを出します。Aはクラブの10を出しました。 Bはクラブのカードを持っていませんでした。トランプスートのハートを持っていたので、ハートの6を出しました。 Cはクラブを持っていませんが、トランプスートであるハートを持ってたので、ハートのHを出しました。 Dもクラブを持っていませんが、トランプスートであるハートを持っていました。しかし、持っていたのはハートの5で、Cが出したHより弱いため、出さないことにしました。そこで、スペードの4を出しました。 Eもクラブを持っていませんが、トランプスートであるハートを持っていました。しかし、持っていたのはハートの7でした。これはハートのHよりも強いカードですが、パートナーのCが一番強いカード(ハートのH)を出しているため、Eはトランプスート以外のカードを出すことにしました。そこで、スペードの10を出しました。 FはクラブのHを持っていました。最初に出されたカードと同じスートであるため、このカードを出さなければいけません。 このトリックはCが取った。次のトリックはCがリードプレイヤーである 最初に出されたカードはクラブの10でしたが、途中でトランプスートのハートのカードが出されたので、一番強いカードはハートのHとなります。そのため、このトリックはCが取りました。Cはこのトリックで場に出された全てのカードを取ります。また、Cがトリックを取ったので、次のトリックはCが最初にカードを場に出します。 **ボーナス 次のようなボーナスがあり、これらのボーナスを達成すると得点を獲得できます。このボーナスで獲得した得点はラウンド終了時の点数計算時にチームの獲得点数に加算されます。 ・Dix de Der(ディス・ド・デール):最後のトリックを取ると10点を獲得 ・カポ:全トリックを取ると154点を獲得 ・KQ:1ラウンド中に1人のプレイヤーが次のようにKQを出すと、20点を獲得 1人のプレイヤーがトランプスートのKとQを持っており、トランプのKを出した次のトリックでトランプのQを出す。Kを出すときに「K」と宣言し、次に「Q」を出すときに「KQ」と宣言する ・KQJ:1ラウンド中に1人のプレイヤーが次のようにKQJを出すと、50点を獲得 1人のプレイヤーがトランプスートのKとQとJを持っており、トランプのKを出した次のトリックでトランプのQを出し、その次のトリックでトランプのJを出す。Kを出すときに「K」と宣言し、次に「Q」を出すときに「KQ」と宣言、Jを出すときに「KQJ」と宣言する。 なお、KQJを達成すると、自動的にKQも達成しますが、KQを達成したことによる20点はもらえません。 最初にオールトランプが宣言された場合は全てのスートでKQやKQJを達成できます。つまり、KQやKQJは最大で4回起こる可能性があります。ノートランプが宣言された場合はトランプスートがないため、KQやKQJは成立しません。 なお、BGAでは「KQ」などの宣言は自動的に行われます。 **ラウンド終了 全プレイヤーがカードを出したら(最後のトリックが終わったら)、得点の計算をします。 1.それぞれのプレイヤーが取ったカードの得点 2.ボーナスの得点。最低でも最終トリックテイクのボーナス点(10点)が入ります。 各プレイヤーが獲得した1と2の点数をチーム別に合計し、最も点数が高いチームがそのラウンドでの勝利チームとなります。 全カードの得点合計は236点、Dix de Der(最後のトリックを取った時のボーナス)での10点を合計すると246点なので、KQやKQJが発生しなかった場合は&bold(){123点より多くの点数を取れば勝利チームになる}ことができます。 勝利チームは合計点数の下一桁を四捨五入し、その点数を勝利点として獲得します。 負けたチームは勝利点を得られません。 ディーラーが左隣のプレイヤーが移り、新たなラウンドが開始されます。 &bold(){例} &ref(得点.png) コントラクトチームが232点の得点を獲得し、勝利しました。そのため、コントラクトチームは四捨五入して230点の勝利点を獲得します。ディフェンスチームは勝利点を獲得できません。 **特別ボーナス 特別ボーナスとは文字通り「特別なボーナス」です。特別ボーナスは勝利チームが受け取る追加の勝利点です。通常のボーナスと異なり、勝利チームを決める際にチームの点数に加算されるものではありません。 ***Litigation(Contention) 両チームが獲得した得点が同点だった場合(例:123点vs123点、 133点vs113点+KQボーナス20点、148点vs98点+KQJボーナス50点)は引き分けとなり、どちらのチームも勝利点を獲得できません。この場合は、発生した点数 (120点、130点(KQボーナスが発生した場合)、150点(KQJボーナスが発生した場合))が次のラウンドに持ち越されます。持ち越された勝利点は次のラウンドの勝利チームが追加の勝利点として獲得します(もちろん、次ラウンドで獲得した得点も通常通り勝利点として獲得します)。もし、次のラウンドでも同点だった場合は持ち越された勝利点は無くなり、新しい勝利点がさらに次のラウンドへ持ち越されます。 (現在、BGAでは直訳で訴訟と訳されていますが、正式な訳語は不明です。ブロットではContentionと呼ばれるルールです。どなたか日本語訳を教えていただけないでしょうか) **ゲーム終了 BGAでは規定の勝利点にどちらかのチームが達するとゲーム終了です。そのチームメンバー全員が勝者です。 *ヴァリアントルール これから説明するのはテーブルの設定で有無を選択できるヴァリアントルールです。今まで説明してきたルールと異なる点のみ説明します。 **2人3チーム戦 このヴァリアントルールを適用すると、3つのチームでチーム戦をすることになります。 ・チーム分け 向かい合ったプレイヤーが同じチームメンバーです。両隣のプレイヤーは異なるチームメンバーとなります。 例えば、6人を以下のようにチームAとチームBとチームCの3つのチームに分けます。プレイヤーAからFは時計回りにA→B→C→D→E→Fと並んでいます チームA:プレイヤーA,D チームB:プレイヤーB,E チームC:プレイヤーC,F &ref(3チーム.png) このようにチーム分けされます ・目的 他2チームよりも多くの点数を獲得すること。 ・得点 コントラクトチームが他2つのディフェンスチームより高い得点を獲得したら、コントラクト達成となり、そのラウンドで獲得した得点を勝利点として獲得します。 どちらか1つのディフェンスチームがコントラクトチームよりも高い得点を獲得したら、コントラクト失敗となり、ディフェンスチーム2チームはそのラウンドでそれぞれのチームが獲得した得点を勝利点としてそれぞれ獲得します。 コントラクトチームとディフェンスチームのどちらか1つが同点となった場合はLitigation(Contention)が発生します。どのチームも勝利点を獲得できません。次のラウンドに持ち越される勝利点は当該ラウンドで発生した勝利点です。 ・特別ボーナス 1つのチームが少なくとも1トリックを取っていて、かつ、そのチームの得点が20点以下の得点だった場合、他の2チームは20点ずつ勝利点を獲得します。 1つのチームが1トリックも取れなかった場合、他の2チームは60点ずつ勝利点を獲得します。 **ランダムパートナー ・目的 このヴァリアントルールを適用した場合、個人戦となります。ランダムに変化するチームメンバーと協力しながらも、個人でトップの勝利点を獲得することを目指します。 ・チーム分け ゲーム開始時にランダムに席順が決まります。&bold(){これはゲーム終了時まで変わりません}。 各ラウンド開始時に、そのラウンドだけのチームがランダムに組まれます。このとき、隣り合うプレイヤーがパートナーになる場合もあります。 各ラウンドを通常通りにプレイし、そのラウンドでの勝利チームに勝利点が入ります。 誰かが規定の点数に達したら、その&bold(){プレイヤー}の勝利です。 **オークション このヴァリアントルールはゲームをより面白いものにしますが、初めてゲームをプレイするプレイヤーがいるなら適用しない方がよいです。 ・目的 コントラクトチームはコントラクトの達成を目指す。ディフェンスチームはコントラクトの達成を阻止する。 ・セットアップ 全てのカードが配られます(各プレイヤーに8枚のカードが配られます) ・コントラクト ディーラーの左隣のプレイヤーから順に次の2つのうちどちらかを実行していきます。 1.パス 2.ビッド パスをした場合は自分のターンは終了します。 ビッドではコントラクトを宣言します。コントラクトとはこのラウンドでチームとして何点取るのかという宣言と、このラウンドでのトランプスートの宣言のことです。特別な宣言として、「カポ(全トリックを取る)」を宣言することもできます。なお、最初にビッドする際の最小の点数は120点からです(3チーム戦の場合は80点から)。もちろん、最初から140点などを宣言することもできます。点数は10点刻みです コントラクトの例:スペードで150点やダイヤでカポなど 誰もビッドしなかった場合は、このラウンドは無かったことになります。再び全プレイヤーにカードを8枚ずつ配りなおします。 誰かがコントラクトを宣言した場合、より高い点数のコントラクトを宣言することができます。より高い点数のコントラクトを宣言する場合のみ、トランプスートを変えることができます(トランプスートだけを変えるようなビッドはできません)。一度パスをしたプレイヤーも自分のターンが来たら再びビッドできます。誰かがビッドをした後、他プレイヤー全員がパスをした場合、ビッドしたプレイヤーがディクレアラーとなり、コントラクトが成立します。 「カポ」は特殊なコントラクトで、カポを宣言したプレイヤーの所属するチームは全てのトリックで勝たなければいけません(パートナーのサポートが重要になるでしょう)。カポが宣言されたら、オークションは即座に終了し、このコントラクトが成立します。 コントラクトが宣言された場合、相手チームは通常通りにビッドするほかに、コントラクトの達成が無理だと予想することができます。その場合には「カウンター」を宣言します。カウンターを宣言すると、その時点でコントラクトが「ビッドされたトランプスートで直前のコントラクトの達成は不可能」というものになり、同時にコントラクトチームも入れ替わります。例えば、クラブで160というコントラクトに対してカウンターを宣言すると、「このラウンドでのトランプスートはクラブ、もともとビッドしていたチームは160点を取ることができない」というコントラクトをすることになります。BGAではカウンターが宣言されると、剣のトークンが置かれます。 カウンターが宣言された場合のみ、もともとビッドしていたチームのプレイヤーは「オーバーカウンター」という宣言ができます。なお、一度カウンターが宣言された場合は、オーバーカウンターを宣言するか、パスをするかのどちらかしかできません。 オーバーカウンターを宣言すると、コントラクトは「カウンターコントラクトは達成できない」とうものになり、同時にコントラクトチームも入れ替わります。BGAではオーバーカウンターが宣言されると2本の剣トークンが置かれます。 なお、カウンターやオーバーカウンターは手番以外のプレイヤーでも宣言することができます。 &ref(カウンタートークン.png) (カウンターやオーバーカウンターを宣言すると、このようなトークンが置かれます) &bold(){例} &ref(オークション3.png) 敵チームがクラブで130点とビッドしており、自分以外のプレイヤーはパスをしています。この場合、選択肢は次のようになります 1.パス:パスをすると、敵チームのクラブで130点というコントラクトが成立します。 2.ビッド:140点以上の点数をビッドしなければいけません。トランプスートは自由に選択できます カウンターやカポを宣言することもできます。 今回はパスをすることにしました。 ・得点計算 コントラクトが達成された場合、コントラクトチームはコントラクトで宣言した得点を勝利点として獲得します。(コントラクトで宣言した得点より多くの得点を獲得しても、コントラクトの得点分の勝利点のみ得ます) コントラクトが達成されなかった場合、ディフェンスチームはコントラクトで宣言された得点を勝利点として獲得します。 なお、「カウンター」が宣言されていた場合はコントラクトで宣言された得点の2倍の勝利点を獲得します。 「オーバーカウンター」が宣言されていた場合はコントラクトで宣言された得点の4倍の勝利点を獲得します。 &bold(){例} &ref(オークション4.png) 先の例のコントラクトが成立しました。コントラクトチームはこのラウンドで174点の得点を獲得し、コントラクトを達成しました。そのため、コントラクトチームは130点を勝利点として獲得します。ディフェンスチームはコントラクトの阻止に失敗したので、勝利点を獲得できません。 *用語集 ・コントラクト:このラウンドのトランプは○○!このラウンドで○○点取る!という契約のこと。コントラクトを成立させたプレイヤーをディクレアラーと呼ぶ。ディクレアラーはコントラクトを達成することで勝利点を得られる。ディクレアラーの相手はディクレアラーがコントラクトを達成することを阻止する。 ・スート:ハートやスペードなどの、いわゆるマークのこと ・トランプ:切り札のこと ・トリック:トリックテイキングでの1つの単位。各プレイヤーが1枚ずつカードを場に出し、全てのプレイヤーが1枚ずつカードを出すと1トリックが終了する ・ランク:カードの強さを表すもの。たとえば数字などのこと

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