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*[[No.26 ピザ・メルトダウン>http://www.metro-ink.com/~gris/?module=hoon&action=town&town_id=26]] ---- 僕の名は天才電気ヘッド君。 もちろんそれは本名なんかじゃない。 アンチとして造られた僕に、本名なんて立派なものは存在しない。 ただ、他のアンチと区別するためにそう呼ばれているだけだ。 「君の次の任務は、ガリレオ計画を阻止することだ」 そう告げる人物は、決して姿を見せようとしない。 いつもの事だ。 僕は、この人物の顔も知らなければ本当の目的も知らない。 知らなくていい事だ、と、判っている。 ただ、任務を遂行すればいいだけだ。 そうすれば、僕の命は保障される。……とりあえずの、間は。 ガリレオ計画というものが一体何なのか、そんな事はどうでもいい。 僕には関係の無いことだ。 仲間は二人居るらしい。 ソレが誰か知らされはしなかったが、おそらく会えばわかるのだろう。 ピザ・メルトダウンに到着した。 やけに派手派手しいネオンが、暗い世界に慣れてしまった僕の目には痛い。 『幻燈式ロマンポリタン』 そう書かれた店の扉が、いやに僕の気を引いている。 そっと手をかけると、僕の予想に反して音もなくスムーズに扉は開いた。 「あら、いらっしゃ~い」 媚びるような女の声が、僕の神経にざらざらとした感触を残す。 ──何もかも、ぶち壊してやりたい。 ガリレオ計画も、あの人物の目論見も、……僕自身すらも。 不意に心に浮かんだどす黒い感情を振り払うようにして、僕は店の扉をゆっくりと閉じる。 店内に入ると、いくつかの視線がちらちらと僕を見た。 その中に仲間のものを感じとり、僕はその方向へと足を向ける。 愛想よく話しかけてくる女をそれとなくかわしながら、心の中でだけひっそりと呟く。 君も、この店も、この領域も。 すべて、消えてもらうよ。 ────それが、僕の任務なのだから。 **参加した人も読んだ人も、感想をご自由にどうぞ。 #comment

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