「269」(2007/05/06 (日) 12:17:31) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<p><dt><a href="menu:269" target="_top" name="269"><font color="#0000ff">269</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:00:12 <a href="id:269" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B </dt><dd><br />
<br />
「かおりん?」 <br />
私は今天文部の部室に呼び出されている。 <br />
というか、天文部にも部室があるんだな。 知らなかった。 <br />
「今日はね、お願いしたいことがあるの。神楽さん」 <br />
「神楽さん、なんて、馴れ馴れしく呼ばないでくれよ」 <br />
「いいえ、これでも尊敬してるのよ」 <br />
尊敬、か。 かおりんっていえば榊をずっと追っかけてる気がするけど、 <br />
あ、確かにいつも「榊さん」って呼んでるか、どうして私を? <br />
「頼みも頼みだしね」 <br />
「なんだ、早く言えよ」 <br />
そう急かしたのに、かおりんは動かないで私をじっと見ている。 <br />
私の胸を……胸、だって? <br />
「おい、そんなに見つめてるんじゃねえ!」 <br />
まだ止まってる。 目が同じ方向に向いてる。 <br />
超恥ずかしい、もっと、なんていうかさ、すっげー恥ずかしい。 <br />
「やっぱり、似てるわね」 <br />
「似て、」 <br />
「完全にあの人と同じじゃないけど」 <br />
出た、「あの人」。 かおりんの言葉にこの単語が出てきたら、 <br />
それは100%榊のことだ。 そんなに似てるか? <br />
でもなあ、似てるって言われたらちょっとあいつの事が気になるなあ。 <br />
また勝負でも仕掛けてみるか。 今度は負けないぞ。 <br />
「これは榊さんの胸。 これは榊さんの足。 これは榊さんのウエスト」 <br />
意味不明な言葉がお経みたいに聞こえてくる。 <br />
だから、そんなにジロジロ人の体を見るなって……。 <br />
「初めての榊さんの触り心地」 <br />
気づいたら、制服の下に両手が入ってる。 マジでヤバイって。 <br />
まず顔が半端じゃない。半笑いで目線を全然動かさない。 <br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a href="menu:270" target="_top" name="270"><font color="#0000ff">270</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:01:08 <a href="id:270" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B </dt><dd><br />
<br />
「ちょ、やめろよかおりん」 <br />
「何ですか? 私の榊さん」 <br />
「さっきからサカキサカキって、何のために呼んできたんだ」 <br />
あれ、目が動いた。 不機嫌そうな表情をしてる。 <br />
「うるさいわね、練習よ。 イメージトレーニング」 <br />
「私でやるな」 <br />
「実践は大事なのよ? 分かったら黙ってて、想像に集中できないわ」 <br />
かおりんも結構ひどいなあ、一人でやってりゃいいのに。 <br />
「初めての相手は誰ですか」 <br />
もう知らない。 答えてやんねえよ。 勿論いないし必要ないけど。 <br />
「そうですか、私が初めてですか。 うれしいです」 <br />
あーあ、完全に自分の世界に行っちゃったよ。 <br />
って、何背中のホックに手えつけてんだ。 どう考えたってやりすぎだよ。 <br />
「私も榊さんが初めてです。 あなたのために貞操を守り抜いてきました」 <br />
テイソウ……? なんだっけ、手をつけられていない、ってちよちゃんから聞いたな。 <br />
「あなたに私のすべてを捧げますから、」 <br />
他人を使っておいて何を言う。 <br />
「私にも、あなたのすべてを味わわせてください」 <br />
いやっ、何してんだよぉ、手で直接揉むなよ。 <br />
胸が一番苦手なんだって、いくら友達でも、それはだめだってば。 <br />
「全部かっこいいのに、胸は豊かで女性的ですね」 <br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a href="menu:271" target="_top" name="271"><font color="#0000ff">271</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:01:59 <a href="id:271" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B </dt><dd><br />
<br />
触られるのも嫌だけど、大きさを言われるのはもっと嫌だ。 <br />
いいかげんにしてくれよ。 水泳の時なんて特に役に立たないんだから。 <br />
おい、待て、乳首を指で <br />
「いい顔してますね」 <br />
「や、やめぇ、ろっ」 <br />
「息も声も熱いですよ。 もっと良くしてあげます」 <br />
だめ、つよすぎる、はやくとめて。 <br />
「榊さん」 <br />
わたしはさかきじゃない! かぐらだ! <br />
「いいんですね、榊さん」 <br />
「ひゃ、はう、だまれ」 <br />
「そんな事言っちゃって、気持ちいいんでしょ?」 <br />
ひどいよ、ひどいよかおりん。 <br />
おまえが、さかきとつきあったら、あいつにもこんなことするのか? <br />
ひどいよ。 わたしのさかきを…… <br />
<br />
「あなたを神楽さんみたいな人には渡せません」 <br />
<br />
<br />
……わたしの、さかき? <br />
<br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a href="menu:272" target="_top" name="272"><font color="#0000ff">272</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:02:52 <a href="id:272" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B </dt><dd><br />
<br />
「あんな大雑把で頭の悪い人より、私のほうがいいですよね」 <br />
「くそっ、わたしにむかって、あ、んやあっ」 <br />
「榊さんは私のものです」 <br />
わたしの、さかき。 <br />
「この胸とか目つきとか運動能力とかは似てますけど、神楽さんが勝てるわけがありません」 <br />
どうして? こんなにひどいことをいわれているのに、くるしくなくなってきた。 <br />
「万能でかっこよくて、頭も切れて、私を守ってくれる」 <br />
「わたしを、まもって、さかき」 <br />
「榊さんは私の一番です!」 <br />
「いちばん、すきな、さかき」 <br />
<br />
「神楽さんもそう思うわよね?」 <br />
「え」 <br />
待て。 いきなり普通に話しかけてきた、しかも私自身に。 <br />
こんなに榊ばっかりのかおりんが、そんなにすぐ正気に戻れるか? <br />
「やっぱり、そう思うのね」 <br />
「いや、そんなこと、榊の事なんて」 <br />
ヤバい。できるだけ勝負以外考えないようにしてたのに、こんな所で気づかれるなんて。 <br />
しかも、中途半端に動きをやめられた胸が感じすぎて熱い。 <br />
「まんまと引っかかったわね」 <br />
「違う」 <br />
「本当にいい表情しちゃって」 <br />
「違う! わざとだよ、ついだよ!」 <br />
かおりんには知られたくなかった。 <br />
別に他の人に知らせるつもりはなかったけど、かおりんとライバルにはなりたくない。 <br />
この年中榊のことを考えてばっかりいるやつと競ってたら、私もだめになる。 <br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a href="menu:273" target="_top" name="273"><font color="#0000ff">273</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>「あいつ」がどちらなのかは読者の方にお任せします</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:05:14 <a href="id:273" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B </dt><dd>「まあ仕方ないわ。 あなたと違って、私と榊さんの間に共通点はないもの」 <br />
「だから、私はっ」 <br />
「隠してても、そのつもりがないと思ってても無駄よ。 態度でわかるわ。 <br />
榊さんを一番愛してる私に、あなたのような人のことが何もわからないって言うの?」 <br />
私は何も言い返せなかった。 <br />
勝負でも最近の会話でも、何もない時でもいつも榊の事を意識してた。 <br />
あいつが猫ばっかり追っかけてて私の話を聞いてくれない時も、必死で話しかけてた。 <br />
「正直、神楽さんには勝てないかもね。 でも少しだけ分け前をちょうだい。 <br />
何か私を満足させるもの、写真とか口のついたコップとかでもいいから」 <br />
かおりんが嫌いなわけじゃない。 <br />
でも、私が榊に対して正直になっちゃったらこうなるんだ、って考えると怖くて怖くて。 <br />
水泳にも勉強にも集中できなくなりそうなんだ。 <br />
<br />
「下校時間ね。 帰りましょう」 <br />
え、もうそんな時間か。 そういえば部活から着替えて教室に戻ってきたんだっけ。 <br />
「私の部は夜空の観察で延長していいことになってるけど、やめておくわ」 <br />
このまま続けていたところで何になったんだ? <br />
「自分が空しくなってきちゃうからね。 さよなら」 <br />
「じゃ、じゃあな」 <br />
今日のかおりんを榊が知ったらどう思うだろう、いや、正直引くだろうな。 <br />
いつも見てて思うけど、あいつはあまり積極的じゃない。 <br />
私みたいなのと一緒にいられるのはどうしてだろう。 <br />
いや、自分から近寄っていったんだ。 やっぱり、あいつのことが気になってるんだな、私。 <br />
それにしても胸の変な感じが治まらない。誰か助けてくれ。 <br />
できれば榊に……って、かおりんの思考が写ってる、まずい。 <br />
考えれば考えるほどやつの策略にはまっていく。 私をどうするつもりなんだ、かおりん? <br />
<br />
ああ、だめだ、今日は眠れない、榊のことを想ってしないと止められないよ。 <br />
本当に助けて、あいつのせいでおかしくなった私を。 <br />
<br />
<br />
(おわり)</dd></p>
<dl><dt><a target="_top" href="menu:269" name="269"><font color="#0000ff">269</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:00:12<a target="_top" href="id:269"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B</dt><dd><br />
<br />
「かおりん?」<br />
私は今天文部の部室に呼び出されている。<br />
というか、天文部にも部室があるんだな。 知らなかった。<br />
「今日はね、お願いしたいことがあるの。神楽さん」<br />
「神楽さん、なんて、馴れ馴れしく呼ばないでくれよ」<br />
「いいえ、これでも尊敬してるのよ」<br />
尊敬、か。 かおりんっていえば榊をずっと追っかけてる気がするけど、<br />
あ、確かにいつも「榊さん」って呼んでるか、どうして私を?<br />
「頼みも頼みだしね」<br />
「なんだ、早く言えよ」<br />
そう急かしたのに、かおりんは動かないで私をじっと見ている。<br />
私の胸を……胸、だって?<br />
「おい、そんなに見つめてるんじゃねえ!」<br />
まだ止まってる。 目が同じ方向に向いてる。<br />
超恥ずかしい、もっと、なんていうかさ、すっげー恥ずかしい。<br />
「やっぱり、似てるわね」<br />
「似て、」<br />
「完全にあの人と同じじゃないけど」<br />
出た、「あの人」。 かおりんの言葉にこの単語が出てきたら、<br />
それは100%榊のことだ。 そんなに似てるか?<br />
でもなあ、似てるって言われたらちょっとあいつの事が気になるなあ。<br />
また勝負でも仕掛けてみるか。 今度は負けないぞ。<br />
「これは榊さんの胸。 これは榊さんの足。 これは榊さんのウエスト」<br />
意味不明な言葉がお経みたいに聞こえてくる。<br />
だから、そんなにジロジロ人の体を見るなって……。<br />
「初めての榊さんの触り心地」<br />
気づいたら、制服の下に両手が入ってる。 マジでヤバイって。<br />
まず顔が半端じゃない。半笑いで目線を全然動かさない。<br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a target="_top" href="menu:270" name="270"><font color="#0000ff">270</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:01:08<a target="_top" href="id:270"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B</dt><dd><br />
<br />
「ちょ、やめろよかおりん」<br />
「何ですか? 私の榊さん」<br />
「さっきからサカキサカキって、何のために呼んできたんだ」<br />
あれ、目が動いた。 不機嫌そうな表情をしてる。<br />
「うるさいわね、練習よ。 イメージトレーニング」<br />
「私でやるな」<br />
「実践は大事なのよ? 分かったら黙ってて、想像に集中できないわ」<br />
かおりんも結構ひどいなあ、一人でやってりゃいいのに。<br />
「初めての相手は誰ですか」<br />
もう知らない。 答えてやんねえよ。 勿論いないし必要ないけど。<br />
「そうですか、私が初めてですか。 うれしいです」<br />
あーあ、完全に自分の世界に行っちゃったよ。<br />
って、何背中のホックに手えつけてんだ。 どう考えたってやりすぎだよ。<br />
「私も榊さんが初めてです。 あなたのために貞操を守り抜いてきました」<br />
テイソウ……? なんだっけ、手をつけられていない、ってちよちゃんから聞いたな。<br />
「あなたに私のすべてを捧げますから、」<br />
他人を使っておいて何を言う。<br />
「私にも、あなたのすべてを味わわせてください」<br />
いやっ、何してんだよぉ、手で直接揉むなよ。<br />
胸が一番苦手なんだって、いくら友達でも、それはだめだってば。<br />
「全部かっこいいのに、胸は豊かで女性的ですね」<br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a target="_top" href="menu:271" name="271"><font color="#0000ff">271</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:01:59<a target="_top" href="id:271"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B</dt><dd><br />
<br />
触られるのも嫌だけど、大きさを言われるのはもっと嫌だ。<br />
いいかげんにしてくれよ。 水泳の時なんて特に役に立たないんだから。<br />
おい、待て、乳首を指で<br />
「いい顔してますね」<br />
「や、やめぇ、ろっ」<br />
「息も声も熱いですよ。 もっと良くしてあげます」<br />
だめ、つよすぎる、はやくとめて。<br />
「榊さん」<br />
わたしはさかきじゃない! かぐらだ!<br />
「いいんですね、榊さん」<br />
「ひゃ、はう、だまれ」<br />
「そんな事言っちゃって、気持ちいいんでしょ?」<br />
ひどいよ、ひどいよかおりん。<br />
おまえが、さかきとつきあったら、あいつにもこんなことするのか?<br />
ひどいよ。 わたしのさかきを……<br />
<br />
「あなたを神楽さんみたいな人には渡せません」<br />
<br />
<br />
……わたしの、さかき?<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a target="_top" href="menu:272" name="272"><font color="#0000ff">272</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:02:52<a target="_top" href="id:272"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B</dt><dd><br />
<br />
「あんな大雑把で頭の悪い人より、私のほうがいいですよね」<br />
「くそっ、わたしにむかって、あ、んやあっ」<br />
「榊さんは私のものです」<br />
わたしの、さかき。<br />
「この胸とか目つきとか運動能力とかは似てますけど、神楽さんが勝てるわけがありません」<br />
どうして? こんなにひどいことをいわれているのに、くるしくなくなってきた。<br />
「万能でかっこよくて、頭も切れて、私を守ってくれる」<br />
「わたしを、まもって、さかき」<br />
「榊さんは私の一番です!」<br />
「いちばん、すきな、さかき」<br />
<br />
「神楽さんもそう思うわよね?」<br />
「え」<br />
待て。 いきなり普通に話しかけてきた、しかも私自身に。<br />
こんなに榊ばっかりのかおりんが、そんなにすぐ正気に戻れるか?<br />
「やっぱり、そう思うのね」<br />
「いや、そんなこと、榊の事なんて」<br />
ヤバい。できるだけ勝負以外考えないようにしてたのに、こんな所で気づかれるなんて。<br />
しかも、中途半端に動きをやめられた胸が感じすぎて熱い。<br />
「まんまと引っかかったわね」<br />
「違う」<br />
「本当にいい表情しちゃって」<br />
「違う! わざとだよ、ついだよ!」<br />
かおりんには知られたくなかった。<br />
別に他の人に知らせるつもりはなかったけど、かおりんとライバルにはなりたくない。<br />
この年中榊のことを考えてばっかりいるやつと競ってたら、私もだめになる。<br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a target="_top" href="menu:273" name="273"><font color="#0000ff">273</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>「あいつ」がどちらなのかは読者の方にお任せします</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 01:05:14<a target="_top" href="id:273"><font color="#0000ff">ID:</font></a>+tx7KP/B</dt><dd>「まあ仕方ないわ。 あなたと違って、私と榊さんの間に共通点はないもの」<br />
「だから、私はっ」<br />
「隠してても、そのつもりがないと思ってても無駄よ。 態度でわかるわ。<br />
榊さんを一番愛してる私に、あなたのような人のことが何もわからないって言うの?」<br />
私は何も言い返せなかった。<br />
勝負でも最近の会話でも、何もない時でもいつも榊の事を意識してた。<br />
あいつが猫ばっかり追っかけてて私の話を聞いてくれない時も、必死で話しかけてた。<br />
「正直、神楽さんには勝てないかもね。 でも少しだけ分け前をちょうだい。<br />
何か私を満足させるもの、写真とか口のついたコップとかでもいいから」<br />
かおりんが嫌いなわけじゃない。<br />
でも、私が榊に対して正直になっちゃったらこうなるんだ、って考えると怖くて怖くて。<br />
水泳にも勉強にも集中できなくなりそうなんだ。<br />
<br />
「下校時間ね。 帰りましょう」<br />
え、もうそんな時間か。 そういえば部活から着替えて教室に戻ってきたんだっけ。<br />
「私の部は夜空の観察で延長していいことになってるけど、やめておくわ」<br />
このまま続けていたところで何になったんだ?<br />
「自分が空しくなってきちゃうからね。 さよなら」<br />
「じゃ、じゃあな」<br />
今日のかおりんを榊が知ったらどう思うだろう、いや、正直引くだろうな。<br />
いつも見てて思うけど、あいつはあまり積極的じゃない。<br />
私みたいなのと一緒にいられるのはどうしてだろう。<br />
いや、自分から近寄っていったんだ。 やっぱり、あいつのことが気になってるんだな、私。<br />
それにしても胸の変な感じが治まらない。誰か助けてくれ。<br />
できれば榊に……って、かおりんの思考が写ってる、まずい。<br />
考えれば考えるほどやつの策略にはまっていく。 私をどうするつもりなんだ、かおりん?<br />
<br />
ああ、だめだ、今日は眠れない、榊のことを想ってしないと止められないよ。<br />
本当に助けて、あいつのせいでおかしくなった私を。<br />
<br />
<br />
(おわり)</dd></dl>
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: