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<p><dt><a href="menu:259" target="_top" name="259"><font color="#0000ff">259</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:30:18 <a href="id:259" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH </dt><dd>今日神楽ちゃんが遊びにくるらしい。 <br /> 「あー、明日神楽が来るって言ってた!」 <br /> 智ちゃんが思い出したんは昨日の晩御飯のときやった。 <br /> もう、そういうことはもっと早う言うて欲しいわ。 <br /> 掃除とかせなあかんのに…。 <br /> 「智ちゃん、いつ頃来るて言うてたん?」 <br /> 「んー…午前中ぅ?」 <br /> まだ半分寝とる。 <br /> …でもなんで突然遊びにくることになったんやろか。 <br /> 智ちゃんの言い方やと、神楽ちゃんの方から来るって言うたみたいやったけど。 <br /> 「おー!ホットケーキ焼いたの?すげー」 <br /> 粉があるから簡単にできるんやけど、智ちゃんは喜んでくれる。 <br /> 「うめー」 <br /> 私の料理をおいしそうに食べる智ちゃんを見とるのは最高に幸せや。 <br /> あ~、ずっとこの笑顔を見とりたいなぁ…。 <br /> 「なー、今日は何で神楽ちゃん来ることになったん?」 <br /> 「ん?いや、なんか突然行っていいかって言われて…榊ちゃんと何かあったんじゃないの?」 <br /> 神楽ちゃんは、榊ちゃんとのことを時々智ちゃんに相談しとるみたいやった。 <br /> 一緒に住んどる私らと違って、なかなか先へ進めへんのやって。 <br /> 「ごちそうさま!でももしそうだったらからかってやろうぜ」 <br /> 「あかんて~。神楽ちゃん泣いてまうで」 <br /> 智ちゃんは笑いながら台所へお皿を持っていった。 <br /> 前は当番制やった皿洗いを、最近は全部してくれる。 <br /> 「ご飯つくってもらってるから」なんて言うとるけど、私は知ってんねん。 <br /> 私がハンドクリーム買うてきた日からしてくれるようになったんやもん。 <br /> 優しい智ちゃん。 <br /> 「大好きやで」 <br /> 「え?」 <br /> さて、今のうちに掃除をしてしまおかな。 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:260" target="_top" name="260"><font color="#0000ff">260</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:31:26 <a href="id:260" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH </dt><dd>神楽ちゃんが来たのは午後になってからやった。 <br /> 旅行用みたいな大きい鞄を持っとる。 <br /> 「昼までに来るんじゃなかったっけ?」 <br /> 「午後って言ったはずだけどなぁ…」 <br /> リビングでお茶を飲みながらお互いの近況について話す。 <br /> 水泳の話とか、大学の話とか、…当然恋愛のことも。 <br /> 榊ちゃんのことを話す神楽ちゃんは、恥ずかしがりながらも嬉しそうやった。 <br /> 笑顔がいつもより可愛い。 <br /> 私も智ちゃんのことを誰かに話しとるときは可愛くなっとるんやろか。 <br /> 「でさ、明日榊とデートなんだよ…」 <br /> 「ええな~」 <br /> 智ちゃん、私らもどっか行こよ。 <br /> 「いや、いいんだけどさ…」 <br /> 神楽ちゃんは下を向いてしもた。 <br /> 「何だよ~。デートなんか初めてじゃないだろ?私らも一緒に行くか?」 <br /> お!それは名案や。榊ちゃんとも久しぶりに…。 <br /> 「いやそうじゃなくてさ…、あの・・・服、選んでくれないかな?」 <br /> 「服?」 <br /> 「うん…できるだけ可愛く…」 <br /> 神楽ちゃんは持ってきた大きな鞄から何着も服を取り出した。 <br /> 「それで、もしこの中に良いのがなかったら…お前らのやつ、貸してくれないかな」 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:261" target="_top" name="261"><font color="#0000ff">261</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:32:17 <a href="id:261" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH </dt><dd>「でも、何で突然?」 <br /> ――神楽ちゃんが言うには。 <br /> 前から榊ちゃんが可愛いもん好きなのは知っとった。 <br /> で、この前冗談で猫耳つけてみたらいつも見れないような反応が見れたので、今回も驚かせたい。 <br /> ・・・だいたいこんな感じや。 <br /> 話しとる間神楽ちゃんはずっと恥ずかしそうやった。 <br /> 智ちゃんは・・・時々笑ろてた。 <br /> 「えー、でも無理して可愛らしくしなくてもいいと思うけどなあ」 <br /> 一応真面目にアドバイスしとるなあ。 <br /> 「別に無理してるわけじゃなくて・・・、榊が・・・」 <br /> ・・・は!神楽ちゃん! <br /> 神楽ちゃんは榊ちゃんの喜ぶ顔が見たいんやね。 <br /> 「智ちゃん!これは協力したらなあかん」 <br /> 「何だよ突然・・・」 <br /> そうやねん。 <br /> こんな健気な女の子をほっとくわけにはいかん。 <br /> 好きな人の喜ぶ顔はちょっとでも多く見たいねん。 <br /> 「本当?ありがとう!」 <br /> 神楽ちゃん、今の笑顔はすごい可愛いで。 <br /> その笑顔、明日榊ちゃんに見せられるようにしたるからな! <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:262" target="_top" name="262"><font color="#0000ff">262</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:32:58 <a href="id:262" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH </dt><dd>とは言うても、神楽ちゃんの持ってきた服はTシャツとジーンズばっかりやった。 <br /> 「んー、やっぱ私らの服出してくるか」 <br /> できるだけ可愛く・・・か。 <br /> 「でも私は結構カジュアルなの好きだからな~。やっぱあゆのやつかな」 <br /> 女の子っぽくするんやとスカートははずせへんよなぁ。 <br /> 「あー、これ着とけよ。一枚でも十分おしゃれだし」 <br /> 「あかんて智ちゃん。もうちょっと真面目に選んであげやな」 <br /> 下着姿の神楽ちゃんを、あーだこーだ言いながら着せ替える。 <br /> 最後にはたんすの中のものはほとんど外に出とった。 <br /> <br /> 結局ほぼ全部を試着して、私のピンクのワンピースを着ていくことになった。 <br /> 袖の短い、襟のついたやつや。 <br /> 縦にフリルが入ってて、腰にはリボンがついとる。 <br /> 神楽ちゃんはすごい恥ずかしそうやったけど、満足そうやった。 <br /> 「あとは髪の毛もきれいにしていかな。神楽ちゃん普段なんかつこてる?」 <br /> 髪型は高校のときから変わってへん。 <br /> 多分長いと泳ぐとき邪魔なんやろ。 <br /> 「ううん。寝癖なおしてるだけ」 <br /> 「じゃあ、ワックスだけでもつけとけよ。やり方教えてやるから」 <br /> こっからは智ちゃんのほうが得意や。 <br /> 自分のワックスを鏡の前の神楽ちゃんの髪につけてあげとる。 <br /> 私は出しっぱなしの洋服を片付けて・・・もう六時や。 <br /> 「神楽ちゃん、ご飯食べてくやろ?」 <br /> 「ああ、なんか悪いな・・・今度なんかお礼するよ」 <br /> 鏡の中の神楽ちゃんが答える。 <br /> 可愛い服着て、髪の毛整えてもらって・・・。 <br /> 「結婚式みたいやね」 <br /> 神楽ちゃんは「ありがとう」とだけ言うて目を閉じた。 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:263" target="_top" name="263"><font color="#0000ff">263</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:35:41 <a href="id:263" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH </dt><dd>「大阪、料理すごい上手なんだなー!」 <br /> 神楽ちゃんは普段の格好に戻っとる。 <br /> 私のワンピースは鞄の中や。 <br /> 「だろー?どんどん美味くなってくんだよ」 <br /> 今日はまたお好み焼きや。 <br /> 「でもお好み焼きにベーコンが入ってるのは初めて見た。美味いけど」 <br /> 「バーカ。好きなもん入れるからお好み焼きって言うんだよ」 <br /> 智ちゃんの笑顔は最高に可愛い。 <br /> 私のこと話してくれとるからかな。 <br /> 「でもさ、智も大阪に頼りっぱなしだと料理できないままなんじゃないの?」 <br /> 私もたまには智ちゃんの料理食べたいかも。 <br /> 「いいの!一生あゆに作ってもらうから」 <br /> !! <br /> ・・・智ちゃん。 <br /> 胸がきゅんてなる。 <br /> 今すぐにでも飛びついて、ありがとうって、大好きって言いたい。 <br /> ・・・ええかな。 <br /> 神楽ちゃんなら許してくれるかな。 <br /> <br /> </dd><dt><a href="menu:264" target="_top" name="264"><font color="#0000ff">264</font></a> 名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:36:58 <a href="id:264" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH </dt><dd>「ごちそうさま!ごめんな。遅くまでお邪魔して。大阪、服ありがと」 <br /> 私の考えをよそに、神楽ちゃんは立ち上がった。 <br /> 「あれ?もう帰んの?」 <br /> 鞄を持って玄関へ歩き出してしまっとる。 <br /> 「うん。今日は早く寝て・・・明日髪の毛整えなきゃいけないだろ?」 <br /> 顔は赤いけどいつもの明るい笑顔や。 <br /> 「うまくいくとええな」 <br /> 「ありがとう。じゃあな!今日はホント世話になったよ」 <br /> 扉ががちゃっと閉まる。 <br /> 私は鍵をかけて、先に部屋に戻ろうとしとった智ちゃんの背中に飛びついた。 <br /> 「うわ!びっくりした」 <br /> 「えへへ」 <br /> 腕を首に巻きつけて、頭を智ちゃんの肩に預ける。 <br /> 「プロポーズやんね」 <br /> 「・・・え?」 <br /> 「ええよ。一生ご飯つくったげる」 <br /> そしたら、一生智ちゃんの笑顔を独り占めしたるねん。</dd></p>
<dl><dt><a target="_top" href="menu:259" name="259"><font color="#0000ff">259</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:30:18<a target="_top" href="id:259"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH</dt><dd>今日神楽ちゃんが遊びにくるらしい。<br /> 「あー、明日神楽が来るって言ってた!」<br /> 智ちゃんが思い出したんは昨日の晩御飯のときやった。<br /> もう、そういうことはもっと早う言うて欲しいわ。<br /> 掃除とかせなあかんのに…。<br /> 「智ちゃん、いつ頃来るて言うてたん?」<br /> 「んー…午前中ぅ?」<br /> まだ半分寝とる。<br /> …でもなんで突然遊びにくることになったんやろか。<br /> 智ちゃんの言い方やと、神楽ちゃんの方から来るって言うたみたいやったけど。<br /> 「おー!ホットケーキ焼いたの?すげー」<br /> 粉があるから簡単にできるんやけど、智ちゃんは喜んでくれる。<br /> 「うめー」<br /> 私の料理をおいしそうに食べる智ちゃんを見とるのは最高に幸せや。<br /> あ~、ずっとこの笑顔を見とりたいなぁ…。<br /> 「なー、今日は何で神楽ちゃん来ることになったん?」<br /> 「ん?いや、なんか突然行っていいかって言われて…榊ちゃんと何かあったんじゃないの?」<br /> 神楽ちゃんは、榊ちゃんとのことを時々智ちゃんに相談しとるみたいやった。<br /> 一緒に住んどる私らと違って、なかなか先へ進めへんのやって。<br /> 「ごちそうさま!でももしそうだったらからかってやろうぜ」<br /> 「あかんて~。神楽ちゃん泣いてまうで」<br /> 智ちゃんは笑いながら台所へお皿を持っていった。<br /> 前は当番制やった皿洗いを、最近は全部してくれる。<br /> 「ご飯つくってもらってるから」なんて言うとるけど、私は知ってんねん。<br /> 私がハンドクリーム買うてきた日からしてくれるようになったんやもん。<br /> 優しい智ちゃん。<br /> 「大好きやで」<br /> 「え?」<br /> さて、今のうちに掃除をしてしまおかな。<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:260" name="260"><font color="#0000ff">260</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:31:26<a target="_top" href="id:260"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH</dt><dd>神楽ちゃんが来たのは午後になってからやった。<br /> 旅行用みたいな大きい鞄を持っとる。<br /> 「昼までに来るんじゃなかったっけ?」<br /> 「午後って言ったはずだけどなぁ…」<br /> リビングでお茶を飲みながらお互いの近況について話す。<br /> 水泳の話とか、大学の話とか、…当然恋愛のことも。<br /> 榊ちゃんのことを話す神楽ちゃんは、恥ずかしがりながらも嬉しそうやった。<br /> 笑顔がいつもより可愛い。<br /> 私も智ちゃんのことを誰かに話しとるときは可愛くなっとるんやろか。<br /> 「でさ、明日榊とデートなんだよ…」<br /> 「ええな~」<br /> 智ちゃん、私らもどっか行こよ。<br /> 「いや、いいんだけどさ…」<br /> 神楽ちゃんは下を向いてしもた。<br /> 「何だよ~。デートなんか初めてじゃないだろ?私らも一緒に行くか?」<br /> お!それは名案や。榊ちゃんとも久しぶりに…。<br /> 「いやそうじゃなくてさ…、あの・・・服、選んでくれないかな?」<br /> 「服?」<br /> 「うん…できるだけ可愛く…」<br /> 神楽ちゃんは持ってきた大きな鞄から何着も服を取り出した。<br /> 「それで、もしこの中に良いのがなかったら…お前らのやつ、貸してくれないかな」<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:261" name="261"><font color="#0000ff">261</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:32:17<a target="_top" href="id:261"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH</dt><dd>「でも、何で突然?」<br /> ――神楽ちゃんが言うには。<br /> 前から榊ちゃんが可愛いもん好きなのは知っとった。<br /> で、この前冗談で猫耳つけてみたらいつも見れないような反応が見れたので、今回も驚かせたい。<br /> ・・・だいたいこんな感じや。<br /> 話しとる間神楽ちゃんはずっと恥ずかしそうやった。<br /> 智ちゃんは・・・時々笑ろてた。<br /> 「えー、でも無理して可愛らしくしなくてもいいと思うけどなあ」<br /> 一応真面目にアドバイスしとるなあ。<br /> 「別に無理してるわけじゃなくて・・・、榊が・・・」<br /> ・・・は!神楽ちゃん!<br /> 神楽ちゃんは榊ちゃんの喜ぶ顔が見たいんやね。<br /> 「智ちゃん!これは協力したらなあかん」<br /> 「何だよ突然・・・」<br /> そうやねん。<br /> こんな健気な女の子をほっとくわけにはいかん。<br /> 好きな人の喜ぶ顔はちょっとでも多く見たいねん。<br /> 「本当?ありがとう!」<br /> 神楽ちゃん、今の笑顔はすごい可愛いで。<br /> その笑顔、明日榊ちゃんに見せられるようにしたるからな!<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:262" name="262"><font color="#0000ff">262</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:32:58<a target="_top" href="id:262"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH</dt><dd>とは言うても、神楽ちゃんの持ってきた服はTシャツとジーンズばっかりやった。<br /> 「んー、やっぱ私らの服出してくるか」<br /> できるだけ可愛く・・・か。<br /> 「でも私は結構カジュアルなの好きだからな~。やっぱあゆのやつかな」<br /> 女の子っぽくするんやとスカートははずせへんよなぁ。<br /> 「あー、これ着とけよ。一枚でも十分おしゃれだし」<br /> 「あかんて智ちゃん。もうちょっと真面目に選んであげやな」<br /> 下着姿の神楽ちゃんを、あーだこーだ言いながら着せ替える。<br /> 最後にはたんすの中のものはほとんど外に出とった。<br /> <br /> 結局ほぼ全部を試着して、私のピンクのワンピースを着ていくことになった。<br /> 袖の短い、襟のついたやつや。<br /> 縦にフリルが入ってて、腰にはリボンがついとる。<br /> 神楽ちゃんはすごい恥ずかしそうやったけど、満足そうやった。<br /> 「あとは髪の毛もきれいにしていかな。神楽ちゃん普段なんかつこてる?」<br /> 髪型は高校のときから変わってへん。<br /> 多分長いと泳ぐとき邪魔なんやろ。<br /> 「ううん。寝癖なおしてるだけ」<br /> 「じゃあ、ワックスだけでもつけとけよ。やり方教えてやるから」<br /> こっからは智ちゃんのほうが得意や。<br /> 自分のワックスを鏡の前の神楽ちゃんの髪につけてあげとる。<br /> 私は出しっぱなしの洋服を片付けて・・・もう六時や。<br /> 「神楽ちゃん、ご飯食べてくやろ?」<br /> 「ああ、なんか悪いな・・・今度なんかお礼するよ」<br /> 鏡の中の神楽ちゃんが答える。<br /> 可愛い服着て、髪の毛整えてもらって・・・。<br /> 「結婚式みたいやね」<br /> 神楽ちゃんは「ありがとう」とだけ言うて目を閉じた。<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:263" name="263"><font color="#0000ff">263</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:35:41<a target="_top" href="id:263"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH</dt><dd>「大阪、料理すごい上手なんだなー!」<br /> 神楽ちゃんは普段の格好に戻っとる。<br /> 私のワンピースは鞄の中や。<br /> 「だろー?どんどん美味くなってくんだよ」<br /> 今日はまたお好み焼きや。<br /> 「でもお好み焼きにベーコンが入ってるのは初めて見た。美味いけど」<br /> 「バーカ。好きなもん入れるからお好み焼きって言うんだよ」<br /> 智ちゃんの笑顔は最高に可愛い。<br /> 私のこと話してくれとるからかな。<br /> 「でもさ、智も大阪に頼りっぱなしだと料理できないままなんじゃないの?」<br /> 私もたまには智ちゃんの料理食べたいかも。<br /> 「いいの!一生あゆに作ってもらうから」<br /> !!<br /> ・・・智ちゃん。<br /> 胸がきゅんてなる。<br /> 今すぐにでも飛びついて、ありがとうって、大好きって言いたい。<br /> ・・・ええかな。<br /> 神楽ちゃんなら許してくれるかな。<br /> <br /> </dd><dt><a target="_top" href="menu:264" name="264"><font color="#0000ff">264</font></a>名前:<font color="#228b22"><strong>名無しさん@秘密の花園</strong></font>[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 00:36:58<a target="_top" href="id:264"><font color="#0000ff">ID:</font></a>jC83mLoH</dt><dd>「ごちそうさま!ごめんな。遅くまでお邪魔して。大阪、服ありがと」<br /> 私の考えをよそに、神楽ちゃんは立ち上がった。<br /> 「あれ?もう帰んの?」<br /> 鞄を持って玄関へ歩き出してしまっとる。<br /> 「うん。今日は早く寝て・・・明日髪の毛整えなきゃいけないだろ?」<br /> 顔は赤いけどいつもの明るい笑顔や。<br /> 「うまくいくとええな」<br /> 「ありがとう。じゃあな!今日はホント世話になったよ」<br /> 扉ががちゃっと閉まる。<br /> 私は鍵をかけて、先に部屋に戻ろうとしとった智ちゃんの背中に飛びついた。<br /> 「うわ!びっくりした」<br /> 「えへへ」<br /> 腕を首に巻きつけて、頭を智ちゃんの肩に預ける。<br /> 「プロポーズやんね」<br /> 「・・・え?」<br /> 「ええよ。一生ご飯つくったげる」<br /> そしたら、一生智ちゃんの笑顔を独り占めしたるねん。</dd></dl>

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