「147」(2007/05/06 (日) 11:56:57) の最新版変更点
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<p><dt><a href="menu:147" target="_top" name="147"><font color="#0000ff">147</font></a> 名前:<strong><a href="about:blank#142" target="_top"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 01:47:00 <a href="id:147" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>vnrafs+A </dt><dd>お目汚し失礼。昨日から妄想が止まりません <br />
個人的には神楽は純愛が好きです <br />
<br />
<br />
私は今日の朝見たことを暦と智に尋ねるかどうか悩んでいた。 <br />
<br />
朝、早くに目が覚めると私の隣で寝ているはずの暦の布団が不自然に盛り上がっていた。 <br />
目を凝らすとどうも2人が重なっているようだ。上に乗っているのは・・・智だ。 <br />
智は去年のこの旅行で隣で寝ていた榊に抱きついたほどの寝相だ。 <br />
智のやつ、暦の方へ転がってきたんだな・・・と思った瞬間、二人の唇が重なった。 <br />
<br />
とっさに寝たふりをしたが、正直私はそんなに驚いてはいなかった。 <br />
普段から仲の良い二人だ。 <br />
表面上は冗談や悪戯や喧嘩ばかりだが、二人の間からは幼馴染や腐れ縁といったもの以上の何かが感じ取れた。 <br />
そのことを聞くのは簡単である。冷やかしてやろうかとも思う。 <br />
しかし私はもっと他に知りたいことがあった。 <br />
おそらく、二人の関係を確認した後すぐ質問するのがいいだろう。 <br />
こういうことはタイミングが大事である。 <br />
智に聞くべきか・・・。暦に聞くべきか・・・。 <br />
考えるまでも無く暦に聞くのが無難だと判断した私は、昼過ぎに暦を散歩に誘った。 <br />
<br />
<br />
<br />
</dd><dt><a href="menu:148" target="_top" name="148"><font color="#0000ff">148</font></a> 名前:<strong><a href="about:blank#142" target="_top"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 01:47:53 <a href="id:148" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>vnrafs+A </dt></p>
<p><dd>外に出てすぐにでも話を振ろうと思っていたのだが・・・いざ聞くとなると意外と緊張するものである。 <br />
しばらくは他愛も無い話をしながら、砂浜までの道を下る。 <br />
やっとその質問をしたのは、暦が砂浜を引き返そうとしたときだった。 <br />
「・・・あのさ、今日の朝のことなんだけど」 <br />
暦はしばらく黙っていたが、少し笑って言った。 <br />
「そうか。やっぱり起きていたか」 <br />
どうやら暦も私が起きていたことに気付いていたようである。 <br />
「あのさ、なんていうか、・・・その、付き・・・合ってるわけ?」 <br />
言った自分の顔が熱くなっていくのがわかった。 <br />
「付き合ってるなんて改めて言われると恥ずかしいもんだな」 <br />
暦は悪戯っぽく笑っている。 <br />
私はこういうときでも冷静な暦をひどく大人っぽく感じた。 <br />
「みんなには話さなきゃと思ってたんだ。いい機会だし戻ったら発表するよ」 <br />
私の顔をしっかり見て受け答えする暦の目には、顔を真っ赤にした私が写っていたのだろうか。 <br />
「・・・あんまり気にするなよ。別に今までと変わりゃしないよ。それに気を使われたらこっちだってやりにくいんだ」 <br />
そんなことはわかっている。私だって子供じゃない。 <br />
私が聞きたいのはもっと別のことだ・・・。 <br />
「さぁ、戻ろうか。神楽。すぐ発表会だ」 <br />
戻ろうとする暦に、私はこのタイミングしかないと感じた。 <br />
「待ってくれ!相談に乗ってほしいことがあるんだ・・・」 <br />
「相談・・・?なんだこんなときに」 <br />
この気持ちを他人に打ち明けることができるとは夢にも思わなかった。 <br />
「私、榊が好きだ」 </dd></p>
<p><dt><a href="menu:151" target="_top" name="151"><font color="#0000ff">151</font></a> 名前:<strong><a href="about:blank#142" target="_top"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 23:04:05 <a href="id:151" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>rAL5NpKp </dt><dd>暦は少し驚いているようだったが、私は間を置かずに頭に浮かぶこと全てを口にした。 <br />
「その・・・よみととものことがあったから、影響されたとかいうんじゃないんだ。榊はずっとライバルで・・・憧れてて・・・ <br />
最近それだけじゃない別の感情に気付いたんだ・・・。 <br />
でも、女同士なんて変だと思って・・・ずっと考えないようにしてた。だけどよみが・・・ともとそういう経験のあるよみが <br />
相談に乗ってくれれば・・・。聞いてくれるだけでもいいんだ。 <br />
・・・榊に伝わらなくてもいいんだ。よみに何か言ってもらえれば気持ちがすっきりするような気がして・・・」 <br />
暦は驚いた顔のまま聞いていたが、やがて穏やかな表情になって言った。 <br />
「私達は・・・女同士だから特別どうしてるってわけでもないんだ。普通の恋愛と変わらないと思ってる。だから経験があ <br />
るって言ったって、月並みなアドバイスしかできないと思う・・・。“伝えないよりは伝えたほうがいい”とかさ」 <br />
この答えは少し予想外だった。それはどちらかというと智の口から出てきそうな答えだ。 <br />
「・・・ちょっと意外だな。よみはそういうのすごく気にしそうだからいろんな話も聞けると思ったのに」 <br />
暦の穏やかな笑顔は変わらない。 <br />
「ともやお前達を信頼してるからな」 <br />
「私達を信頼?」 <br />
「そう。そんなことくらいでどうにかなる仲間じゃないと思ってる。現に神楽、お前そんなに驚いてないだろう」 <br />
確かに、どちらかといえば驚きよりも祝福の気持ちが強い。 <br />
「榊もきっとそうだよ。お前の気持ちを受け入れるかどうかは別として・・・それを聞いてその後の関係が破綻するような <br />
仲じゃない・・・。なら“伝えないよりは伝えたほうがいい”だろう?」 <br />
「月並み・・・だな!あはは、肝心なとこはうやむやじゃないかよ」 <br />
「それはお前の努力しだいだろう?まぁ協力はしてやるって」 <br />
言って歩き出すと、心が晴れわたるようだった。 <br />
<br />
<br />
</dd><dt><a href="menu:152" target="_top" name="152"><font color="#0000ff">152</font></a> 名前:<strong><a href="about:blank#142" target="_top"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 23:04:51 <a href="id:152" target="_top"><font color="#0000ff">ID:</font></a>rAL5NpKp </dt><dd>別荘に戻ると、そのまま智と暦の発表会が開かれた。 <br />
案の定、榊も大阪もさほど驚いていないようだった。 <br />
ちよちゃんだけは少しぽかんとしていたが、何かを感じ取った様子で、笑顔で <br />
「おめでとうございます~!」 <br />
と言った。あいかわらずよく出来た子だと思う。 <br />
「あ~、でも私はちょっとそんな感じは気付いとったで?・・・あ、この感じはあれに似とるなぁ。バンド内でボーカルと <br />
ギターが付き合いだした時のベースの気分。・・・なんや嬉しいような、うらやましいような」 <br />
「大阪何言ってんだよ?」 <br />
「・・・ところでいつ頃からなんや~?」 <br />
「それはよみがー」 <br />
なんだか嬉しそうに説明する智を暦は静かに見守っていた。<br />
</dd></p>
<dl><dt><a target="_top" href="menu:147" name="147"><font color="#0000ff">147</font></a>名前:<strong><a target="_top" href="about:blank#142"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 01:47:00<a target="_top" href="id:147"><font color="#0000ff">ID:</font></a>vnrafs+A</dt><dd>お目汚し失礼。昨日から妄想が止まりません<br />
個人的には神楽は純愛が好きです<br />
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私は今日の朝見たことを暦と智に尋ねるかどうか悩んでいた。<br />
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朝、早くに目が覚めると私の隣で寝ているはずの暦の布団が不自然に盛り上がっていた。<br />
目を凝らすとどうも2人が重なっているようだ。上に乗っているのは・・・智だ。<br />
智は去年のこの旅行で隣で寝ていた榊に抱きついたほどの寝相だ。<br />
智のやつ、暦の方へ転がってきたんだな・・・と思った瞬間、二人の唇が重なった。<br />
<br />
とっさに寝たふりをしたが、正直私はそんなに驚いてはいなかった。<br />
普段から仲の良い二人だ。<br />
表面上は冗談や悪戯や喧嘩ばかりだが、二人の間からは幼馴染や腐れ縁といったもの以上の何かが感じ取れた。<br />
そのことを聞くのは簡単である。冷やかしてやろうかとも思う。<br />
しかし私はもっと他に知りたいことがあった。<br />
おそらく、二人の関係を確認した後すぐ質問するのがいいだろう。<br />
こういうことはタイミングが大事である。<br />
智に聞くべきか・・・。暦に聞くべきか・・・。<br />
考えるまでも無く暦に聞くのが無難だと判断した私は、昼過ぎに暦を散歩に誘った。<br />
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</dd><dt><a target="_top" href="menu:148" name="148"><font color="#0000ff">148</font></a>名前:<strong><a target="_top" href="about:blank#142"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 01:47:53<a target="_top" href="id:148"><font color="#0000ff">ID:</font></a>vnrafs+A</dt><dd>外に出てすぐにでも話を振ろうと思っていたのだが・・・いざ聞くとなると意外と緊張するものである。<br />
しばらくは他愛も無い話をしながら、砂浜までの道を下る。<br />
やっとその質問をしたのは、暦が砂浜を引き返そうとしたときだった。<br />
「・・・あのさ、今日の朝のことなんだけど」<br />
暦はしばらく黙っていたが、少し笑って言った。<br />
「そうか。やっぱり起きていたか」<br />
どうやら暦も私が起きていたことに気付いていたようである。<br />
「あのさ、なんていうか、・・・その、付き・・・合ってるわけ?」<br />
言った自分の顔が熱くなっていくのがわかった。<br />
「付き合ってるなんて改めて言われると恥ずかしいもんだな」<br />
暦は悪戯っぽく笑っている。<br />
私はこういうときでも冷静な暦をひどく大人っぽく感じた。<br />
「みんなには話さなきゃと思ってたんだ。いい機会だし戻ったら発表するよ」<br />
私の顔をしっかり見て受け答えする暦の目には、顔を真っ赤にした私が写っていたのだろうか。<br />
「・・・あんまり気にするなよ。別に今までと変わりゃしないよ。それに気を使われたらこっちだってやりにくいんだ」<br />
そんなことはわかっている。私だって子供じゃない。<br />
私が聞きたいのはもっと別のことだ・・・。<br />
「さぁ、戻ろうか。神楽。すぐ発表会だ」<br />
戻ろうとする暦に、私はこのタイミングしかないと感じた。<br />
「待ってくれ!相談に乗ってほしいことがあるんだ・・・」<br />
「相談・・・?なんだこんなときに」<br />
この気持ちを他人に打ち明けることができるとは夢にも思わなかった。<br />
「私、榊が好きだ」</dd><dt><a target="_top" href="menu:151" name="151"><font color="#0000ff">151</font></a>名前:<strong><a target="_top" href="about:blank#142"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 23:04:05<a target="_top" href="id:151"><font color="#0000ff">ID:</font></a>rAL5NpKp</dt><dd>暦は少し驚いているようだったが、私は間を置かずに頭に浮かぶこと全てを口にした。<br />
「その・・・よみととものことがあったから、影響されたとかいうんじゃないんだ。榊はずっとライバルで・・・憧れてて・・・<br />
最近それだけじゃない別の感情に気付いたんだ・・・。<br />
でも、女同士なんて変だと思って・・・ずっと考えないようにしてた。だけどよみが・・・ともとそういう経験のあるよみが<br />
相談に乗ってくれれば・・・。聞いてくれるだけでもいいんだ。<br />
・・・榊に伝わらなくてもいいんだ。よみに何か言ってもらえれば気持ちがすっきりするような気がして・・・」<br />
暦は驚いた顔のまま聞いていたが、やがて穏やかな表情になって言った。<br />
「私達は・・・女同士だから特別どうしてるってわけでもないんだ。普通の恋愛と変わらないと思ってる。だから経験があ<br />
るって言ったって、月並みなアドバイスしかできないと思う・・・。“伝えないよりは伝えたほうがいい”とかさ」<br />
この答えは少し予想外だった。それはどちらかというと智の口から出てきそうな答えだ。<br />
「・・・ちょっと意外だな。よみはそういうのすごく気にしそうだからいろんな話も聞けると思ったのに」<br />
暦の穏やかな笑顔は変わらない。<br />
「ともやお前達を信頼してるからな」<br />
「私達を信頼?」<br />
「そう。そんなことくらいでどうにかなる仲間じゃないと思ってる。現に神楽、お前そんなに驚いてないだろう」<br />
確かに、どちらかといえば驚きよりも祝福の気持ちが強い。<br />
「榊もきっとそうだよ。お前の気持ちを受け入れるかどうかは別として・・・それを聞いてその後の関係が破綻するような<br />
仲じゃない・・・。なら“伝えないよりは伝えたほうがいい”だろう?」<br />
「月並み・・・だな!あはは、肝心なとこはうやむやじゃないかよ」<br />
「それはお前の努力しだいだろう?まぁ協力はしてやるって」<br />
言って歩き出すと、心が晴れわたるようだった。<br />
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</dd><dt><a target="_top" href="menu:152" name="152"><font color="#0000ff">152</font></a>名前:<strong><a target="_top" href="about:blank#142"><font color="#800080">142</font></a></strong>[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 23:04:51<a target="_top" href="id:152"><font color="#0000ff">ID:</font></a>rAL5NpKp</dt><dd>別荘に戻ると、そのまま智と暦の発表会が開かれた。<br />
案の定、榊も大阪もさほど驚いていないようだった。<br />
ちよちゃんだけは少しぽかんとしていたが、何かを感じ取った様子で、笑顔で<br />
「おめでとうございます~!」<br />
と言った。あいかわらずよく出来た子だと思う。<br />
「あ~、でも私はちょっとそんな感じは気付いとったで?・・・あ、この感じはあれに似とるなぁ。バンド内でボーカルと<br />
ギターが付き合いだした時のベースの気分。・・・なんや嬉しいような、うらやましいような」<br />
「大阪何言ってんだよ?」<br />
「・・・ところでいつ頃からなんや~?」<br />
「それはよみがー」<br />
なんだか嬉しそうに説明する智を暦は静かに見守っていた。<br />
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