山の科学
森林 と樹木 と動物 (二)
林学博士 日本森林植物帯 の話
(一)森林植物帯 とは何か
高い山に登られた人は、だれでもそれから遠くへかけて旅行するとわかることですが、たとえば
もともと地上の植物が
この、おのおのの位置によって
(イ)
ですから地球が、かりに山がなくて一面の
(ロ)
(二)日本の森林帯
これから日本の森林帯についてお話しましょう。ご
(イ)
(ロ)
(ハ)
(ニ)
しかし九州にはこの
この
(ホ)
本州の
以上のすべての木は、みんな
(ヘ)
高山にはよくそういう
また岩のすき
つぎに草原の
これらの多くの高山植物に色どられている、いわゆるお
(ト)
(三)富士山の森林植物帯
以上で、日本の森林植物帯を水平的にも垂直的にも見てきたわけです。つぎには、どなたにも名前の親しい富士山への登山とその森林帯とのお話をして、森林植物帯のお話を、なおよくわかるようにしておきましょう。富士へ登るには、ふつう
あのひろびろとした富士の
古い古いむかしは、この一帯は暖帯林の上部から温帯林の下部に属する樹木、すなわち常緑の
つまり温帯林の上部に入ったわけで、
ここはつまり
この
富士にかぎらずほかの高山に登るときでも、今お話したような森林植物帯をつぎつぎに見きわめることができます。富士山はほとんど海面からそびえ
山の動物
(一)山の獣
日本は南北に長くつづいていて、ところによる気候の変化もいろいろですから、動物もまたいろいろなものがすんでいます。野生のクマは、本州の山に
北海道のクマはみんなアカグマ〔ヒグマ〕の種類で、
イノシシは、形がブタに似て全身
シカはみなさんもよく見てごぞんじでしょう。シカは本州・四国・九州・
日本のキツネ〔ホンドギツネ〕は日本固有のもので、山の
タヌキは
以上のほか、北海道にはオオカミ〔エゾオオカミ〕が少し残っています。
つぎに、山にすむおもしろい
(二)山の鳥
高原や高山に登る途中、鳥がわれわれの足音におどろいて、ふいに飛び立つことがあります。そのカッコウはホトトギスの
つぎに、
フクロウ(
この鳥は、食物の中で
高山のハイマツ帯にはライチョウ(
(三)山の魚
山岳の以上、わたしがお話してきたことは、山林はわれわれ人間にとってはたいへんに関係が深く、いろいろの意味でずいぶん役に立っていること、それから有用な樹木のこと、日本の森林帯の話、山にすむ
底本:
1982(昭和57)年6月20日発行
親本:
1927(昭和2)年10月3日発行
入力:しだひろし
校正:
xxxx年xx月xx日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
森林と樹木と動物(二)
林學博士 本多靜六山《やま》と人《ひと》
(一)森林《しんりん》の效用《こうよう》
(イ)洪水《こうずい》の豫防《よぼう》。 森林《しんりん》とは山《やま》や丘《をか》の一面《いちめん》に、こんもり木《き》が生《は》え茂《しげ》つて、大《おほ》きな深《ふか》い林《はやし》となつてゐる状態《じようたい》をいふのです。われ/\の遠《とほ》い/\最初《さいしよ》の祖先《そせん》が、はじめてこの地球上《ちきゆうじよう》に現《あらは》れたころには、森林《しんりん》は、そのまゝ人間《にんげん》の住《す》みかでもあり、また食《た》べ物《もの》の出《で》どころでもありました。たゞ今《いま》でも馬來《まれい》半島《はんとう》のある野蠻《やばん》人種《じんしゆ》は、木《き》の枝《えだ》の上《うへ》に家《いへ》を作《つく》つて住《す》んでゐますが、これなどは、今《いま》言《い》つたように、人間《にんげん》がぢかに森林《しんりん》の中《なか》にゐた習慣《しゆうかん》が殘《のこ》り傳《つた》はつた面白《おもしろ》い一例《いちれい》です。ともかく大昔《おほむかし》の人間《にんげん》は、森林《しんりん》に住《す》んで、草《くさ》や、木《き》の實《み》や、野獸《やじゆう》や、河《かは》の魚《さかな》などをとつて、生《なま》のまゝで食《た》べてゐたもので、ちょうど今日《こんにち》の山猿《やまざる》のような生活《せいかつ》をしてゐたのです。
それが、だん/\と人口《じんこう》がふえ、みんなの智慧《ちえ》も開《ひら》けて來《く》るに從《したが》つて、やうやく火《ひ》といふものを使《つか》ふことを知《し》り、食《た》べ物《もの》も※[#「赭のつくり/火」、第3水準1-87-52]《に》たり燒《や》いたりして食《た》べるようになり、また寒《さむ》いときには木《き》を燃《もや》してあたゝまることをおぼえたのです。つまり薪《まき》や炭《すみ》の材料《ざいりよう》として森林《しんりん》を利用《りよう》するようになつたわけです。それに、また一方《いつぽう》では人口《じんこう》の増加《ぞうか》につれてこれまで食料《しよくりよう》にしてゐた草《くさ》や木《き》の實《み》もだん/\足《た》りなくなり、それを補《おぎな》ふために畑《はたけ》をこしらへて、農作《のうさく》をする必要《ひつよう》がおこるし、同時《どうじ》にまた野獸《やじゆう》も、しだいに少《すくな》くなつて來《き》たので、牧畜《ぼくちく》といふことをしなければたちいかなくなりました。その農作地《のうさくち》と牧場《まきば》とを作《つく》るためには森林《しんりん》の一部分《いちぶぶん》を燒《や》き拂《はら》ひ燒《や》き拂《はら》ひしました。ですから彼等《かれら》のゐる村落《そんらく》附近《ふきん》の山林《さんりん》は、後《のち》にはだん/\に狹《せま》く、まばらになつて來《き》て、つひには薪《まき》の材料《ざいりよう》にも不足《ふそく》するようになりました。
なほ人智《じんち》がいよ/\發達《はつたつ》し人口《じんこう》がどん/\増《ま》すにつれて、最後《さいご》には奧山《おくやま》の木《き》までも伐《き》つて家屋《かおく》、橋梁《きようりよう》、器具《きぐ》、機械《きかい》、汽車《きしや》、電車《でんしや》、鐵道《てつどう》の枕木《まくらぎ》、電信《でんしん》、電信《でんわ》[#「でんわ」は底本のまま]の柱《はしら》といふように、建築《けんちく》土木《どぼく》の用材《ようざい》にも使《つか》ふようになりました。それから、大《おほ》きな木材《もくざい》から細《こま》かな纎維《せんい》をとつて紙《かみ》をこしらへたり、その他《ほか》にも使《つか》ふようにもなり、最近《さいきん》では人造《じんぞう》絹絲《けんし》の原料《げんりよう》にも澤山《たくさん》の木材《もくざい》を使《つか》つてゐます。こんな風《ふう》に薪炭用《しんたんよう》、建築《けんちく》土木用《どぼくよう》、木纎維用《もくせんいよう》等《など》のために森林《しんりん》はどん/\伐《き》り倒《たふ》され、深《ふか》い山《やま》、ふかい谷底《たにぞこ》の森林《しんりん》までがだん/\に荒《あら》されるようになりました。かうなると大雨《おほあめ》が降《ふ》るたびに、山《やま》の土《つち》や砂《すな》はどん/\流《なが》れおち、またおそろしい洪水《こうずい》がおこるようになりました。
日本《につぽん》では明治《めいじ》維新《いしん》の後《のち》、森林《しんりん》をむやみに伐《き》つた結果《けつか》、方々《ほう/″\》で洪水《こうずい》に犯《をか》され、明治《めいじ》二十九《にじゆうく》年度《ねんど》には二萬《にまん》九百《くひやく》八十一《はちじゆういつ》町村《ちようそん》といふものが水《みづ》につかり、一千《いつせん》二百《にひやく》五十人《ごじゆうにん》の死人《しにん》と二千《にせん》四百《しひやく》五十人《ごじゆうにん》の負傷者《ふしようしや》を出《だ》した外《ほか》に、船《ふね》の流失《りゆうしつ》三千《さんぜん》六百《ろつぴやく》八十隻《はちじつせき》、家《いへ》の流《なが》れたり、こはれたりしたのが七十二萬《しちじゆうにまん》九千《くせん》六百《ろつぴやく》餘棟《よむね》、田畑《たはた》の荒《あら》されたこと七十八萬《しちじゆうはちまん》五千《ごせん》餘町《よちよう》に上《のぼ》り、そのほか道路《どうろ》の破損《はそん》、橋《はし》の流《なが》れおちたもの等《など》を加《くは》へて、總損失《そうそんしつ》一億《いちおく》一千《いつせん》三百《さんびやく》餘萬圓《よまんえん》、その復舊費《ふつきゆうひ》二千《にせん》四百《しひやく》餘萬圓《よまんえん》を入《い》れると合計《ごうけい》一億《いちおく》三千《さんぜん》七百《しちひやく》餘萬圓《よまんえん》といふ計算《けいさん》でした。つまりその年《とし》、日本《につぽん》が外國《がいこく》へ輸出《ゆしゆつ》した總額《そうがく》の一億《いちおく》一千《いつせん》七百《しちひやく》萬圓《まんえん》よりもまだ遙《はるか》に多《おほ》くの金額《きんがく》だつたので、人々《ひと/″\》はみんな洪水《こうずい》の大慘害《だいさんがい》には震《ふる》へ上《あが》つたものです。
かうした恐《おそ》ろしい洪水《こうずい》はどうして起《おこ》るのかといへば、それはむろん一時《いちじ》に多量《たりよう》の雨《あめ》が降《ふ》つたからですが、その雨《あめ》が洪水《こうずい》になるといふそのもとは、つまり河《かは》の水源《すいげん》地方《ちほう》の森林《しんりん》が荒《あら》されたために、雨水《うすい》を止《とゞ》めためておく餘裕《よゆう》がなくなり、降《ふ》つただけの雨水《うすい》が一《いち》どに流《なが》れ下《くだ》つて、山《やま》にある土《つち》や砂《すな》を河底《かはぞこ》に流《なが》し埋《うづ》めるために、水《みづ》の流《なが》れかたが急《きゆう》に變《かは》つて、あふれひろがるからです。
よく茂《しげ》つてゐる森林《しんりん》では、降《ふ》つた雨《あめ》の四分《しぶん》の一《いち》は枝《えだ》や葉《は》の上《うへ》にたまつて後《のち》にだん/\と蒸發《じようはつ》します。そして殘《のこ》つた四分《しぶん》の三《さん》の雨《あめ》が葉《は》から枝《えだ》、枝《えだ》から幹《みき》へ流《なが》れて、徐々《じよ/\》に地面《じめん》に落《お》ち、そこにある落《お》ち葉《ば》に吸《す》ひ取《と》られるのです。實際《じつさい》の試驗《しけん》によると松《まつ》の落《お》ち葉《ば》は、その目方《めかた》の五倍分《ごばいぶん》の水《みづ》をたゝえ、たもつことが出來《でき》ます。ですから、一貫目《いつかんめ》だけの分量《ぶんりよう》の松《まつ》の落《お》ち葉《ば》は、五貫目《ごかんめ》の水《みづ》を含《ふく》むことになります。なほ松《まつ》より外《ほか》のいろ/\な雜木《ぞうき》、苔類《こけるい》は七倍《しちばい》も十倍《じゆうばい》もの雨水《うすい》を含《ふく》みためることが出來《でき》ますから、森林《しんりん》ではかなりの大雨《おほあめ》があつても一時《いちじ》に洪水《こうずい》を出《だ》すことはなく、雨水《うすい》は數日《すうじつ》かゝつてそろ/\流《なが》れ出《だ》し、また地中《ちちゆう》にも多《おほ》くしみこみます。だから山《やま》に森林《しんりん》が茂《しげ》つてさへゐれば、決《けつ》して洪水《こうずい》の出《で》る心配《しんぱい》はないのです。
[#図版(3_01.png)
(ロ)水源《すいげん》の涵養《かんよう》。 森林《しんりん》はかように雨量《うりよう》を調節《ちようせつ》することが出來《でき》ると同時《どうじ》に一方《いつぽう》では水源《すいげん》の養《やしな》ひとなり、河水《かすい》の涸《か》れるのを防《ふせ》ぎます。くはしくいふと森林《しんりん》の中《なか》は比較的《ひかくてき》濕氣《しつき》が多《おほ》く、温度《おんど》も低《ひく》く、木《き》が茂《しげ》つてゐますから、水分《すいぶん》の蒸發《じようはつ》することも少《すくな》い。またさきほどお話《はなし》したように、落《お》ち葉《ば》や、苔類《こけるい》が水《みづ》を多《おほ》く含《ふく》み、したがつて、地中《ちちゆう》にも多量《たりよう》の水分《すいぶん》をしみこませますから、たとひ旱天《かんてん》が久《ひさ》しく續《つゞ》いても森林《しんりん》はその保《たも》つてゐる水分《すいぶん》を徐々《じよ/\》に流《なが》し出《だ》し、河水《かすい》が涸《か》れないことになるのです。
かういふわけで、森林《しんりん》は洪水《こうずい》の害《がい》を防《ふせ》ぎ、河《かは》の水《みづ》を不斷《ふだん》に絶《た》えず流《なが》し、水田《すいでん》をもからさないといふ點《てん》で、土地《とち》を安全《あんぜん》に保《たも》つてくれる效用《こうよう》があることがわかつて來《き》たので、以來《いらい》はじめて森林《しんりん》を保護《ほご》して育《そだ》てるようになり、なほ國土《こくど》の保安《ほあん》のために森林《しんりん》の一部《いちぶ》を『保安林《ほあんりん》』といふものにして、永久《えいきゆう》に伐《き》らないで置《お》くようにもなつたのです。
その保安林《ほあんりん》だけでは、そこから流《なが》れ出《だ》す河川《かせん》の流域《りゆういき》一帶《いつたい》の人々《ひと/″\》が利益《りえき》をうけるといふのみで、これだけではまだ完全《かんぜん》に一國民《いつこくみん》全體《ぜんたい》が森林《しんりん》を利用《りよう》してゐるとはいへませんでしたが、ついで現《あらは》れて來《き》た水力《すいりよく》電氣《でんき》そのものはすべてこの都市《とし》村落《そんらく》の燈火《あかり》や、いろ/\の動力《どうりよく》にも利用《りよう》せられ、電車《でんしや》、電信《でんしん》、電話《でんわ》、電燈《でんとう》、工業用《こうぎようよう》機械《きかい》動力《どうりよく》をはじめ、朝夕《あさゆふ》の※[#「赭のつくり/火」、第3水準1-87-52]炊《にた》き、すとうぶ[#「すとうぶ」に傍点]や按摩《あんま》、行火《あんか》の代《かは》りにまでも用《もち》ひられるようになり、今日《こんにち》では人間《にんげん》の生活上《せいかつじよう》電氣《でんき》は寸時《すんじ》も缺《か》くことの出來《でき》ない必要《ひつよう》なものとなりました。その水力《すいりよく》電氣《でんき》の水源《すいげん》は森林《しんりん》によつて、はじめて完全《かんぜん》に養《やしな》ふことが出來《でき》るのです。それで、今《いま》では特《とく》に山岳《さんがく》地方《ちほう》の森林《しんりん》は、一《いち》ばんにはこの意味《いみ》の水源《すいげん》を養《やしな》ふのに利用《りよう》され、建築《けんちく》土木用《どぼくよう》の木材《もくざい》や、薪炭《しんたん》材料《ざいりよう》等《など》をとるのは第二《だいに》とされるようになりました。
(ハ)精神《せいしん》の保養《ほよう》。 しかし、ずっと最近《さいきん》では、森林《しんりん》の利用《りよう》を、もっとすゝめて、直接《ちよくせつ》に人々《ひとびと》の健康《けんこう》のために應用《おうよう》することを考《かんが》へつきました。大部分《だいぶぶん》の人《ひと》が生活《せいかつ》してゐる都會《とかい》は、狹《せま》い土地《とち》に大勢《おほぜい》の人《ひと》が住《す》み、石炭《せきたん》の煤煙《ばいえん》や、その他《ほか》の塵埃《じんあい》でもって空氣《くうき》がおそろしく濁《にご》つてをり、また各種《かくしゆ》の交通《こうつう》機關《きかん》が發達《はつたつ》して晝夜《ちゆうや》の分《わか》ちなく、がた/\と騷々《そう/″\》しいので、都會《とかい》に住《す》む人《ひと》は、體《からだ》が弱《よわ》くなつたり病氣《びようき》をしたりします。それで時々《とき/″\》は自然《しぜん》の森林《しんりん》に遊《あそ》んで、すがすがしい空氣《くうき》を吸《す》ひ、精神《せいしん》を保養《ほよう》する必要《ひつよう》があります。都會《とかい》には大小《だいしよう》の公園《こうえん》も設《まう》けられてゐますが、そんなものは完全《かんぜん》な安靜《あんせい》場所《ばしよ》といへません。どうしても町《まち》を遠《とほ》く離《はな》れた美《うつく》しい自然《しぜん》の森林《しんりん》へ出《で》かけるに越《こ》したことはないのです。この意味《いみ》で近來《きんらい》、休《やす》みを利用《りよう》して各地《かくち》で開《ひら》いてゐる林間《りんかん》野營《やえい》や、それから山岳《さんがく》旅行《りよこう》などはまことに結構《けつこう》なことです。お互《たがひ》に身體《しんたい》が丈夫《じようぶ》でなければ何事《なにごと》も出來《でき》ませんから、新《あたら》しい空氣《くうき》の呼吸《こきゆう》と、十分《じゆうぶん》な日光浴《につこうよく》と、運動《うんどう》とによつて食物《しよくもつ》をうまく食《た》べることが一番《いちばん》大切《たいせつ》です。これがために運動《うんどう》や、競技《きようぎ》や、登山《とざん》など家《いへ》の外《そと》で生活《せいかつ》することがはやり、ひいては森林《しんりん》を世人《せじん》の休養《きゆうよう》、保健《ほけん》のため利用《りよう》すること、つまり森林《しんりん》を公園《こうえん》として利用《りよう》することが盛《さか》んになつたわけです。
以上《いじよう》で森林《しんりん》と人《ひと》との密接《みつせつ》な關係《かんけい》、人間《にんげん》が昔《むかし》から森林《しんりん》をいろ/\に利用《りよう》して來《き》てゐるお話《はなし》をしました。この外《ほか》にも森林《しんりん》は人間《にんげん》の生活《せいかつ》にいろ/\の役立《やくだ》ちをしてゐます。
(ニ)氣候《きこう》の調節《ちようせつ》。 山《やま》に木《き》が茂《しげ》つてゐれば、氣候《きこう》の調節《ちようせつ》をはかることが出來《でき》ます。森林《しんりん》でおほはれてゐる土地《とち》は、日光《につこう》は枝葉《えだは》で遮《さへ》ぎられて、地面《じめん》を温《あたゝ》めることが少《すくな》いのと、もう一《ひと》つは、日光《につこう》が直射《ちよくしや》によつて葉《は》の面《めん》の水分《すいぶん》が蒸發《じようはつ》するときに、多量《たりよう》の潜熱《せんねつ》を必要《ひつよう》とします。潜熱《せんねつ》といふのは物體《ぶつたい》が融解《ゆうかい》したり、また蒸發《じようはつ》するときに要《よう》する熱量《ねつりよう》です。そんなわけで森林《しんりん》の附近《ふきん》の空氣《くうき》はいつも冷《ひ》えてゐます。ちょうど夏《なつ》の暑《あつ》い日《ひ》に、庭前《ていぜん》に水《みづ》をまけばにわかに涼《すゞ》しさが感《かん》ぜられるのと同《おな》じりくつです。しかし、夜《よる》になると森林《しんりん》は、枝葉《えだは》で土地《とち》をおほつてゐますから、その地面《じめん》と空氣《くうき》と、熱《ねつ》を放散《ほうさん》するのを妨《さまた》げるので、そこの空氣《くうき》は冷《ひ》え方《かた》が少《すくな》いことになります。
かうして林《はやし》の中《なか》の空氣《くうき》は、常《つね》に林《はやし》の外《そと》と比《くら》べて、晝間《ちゆうかん》は涼《すゞ》しく、夜間《やかん》は温《あたゝ》かで、從《したが》つて晝《ひる》と夜《よる》とで氣温《きおん》が急《きゆう》に變《かは》ることを和《やは》らげます。そして同《おな》じわけで、夏《なつ》を涼《すゞ》しく、冬《ふゆ》を暖《あたゝ》かくして、一年中《いちねんじゆう》の温度《おんど》の變化《へんか》を調節《ちようせつ》します。
(ホ)雪《ゆき》なだれと海嘯《つなみ》の防止《ぼうし》。 それから前《まへ》にお話《はなし》した洪水《こうずい》の豫防《よぼう》や、水源《すいげん》の涵養《かんよう》のほかに森林《しんりん》は雪國《ゆきぐに》ですと『雪《ゆき》なだれ』の害《がい》を防《ふせ》ぐことも出來《でき》ます。雪《ゆき》なだれとは、傾斜地《けいしやち》に積《つも》つた雪《ゆき》が、春《はる》暖《あたゝ》かくなつたために、下側《したがは》の地面《じめん》に氷結《ひようけつ》した部分《ぶぶん》が急《きゆう》に溶《と》けるのでもつて、急《きゆう》に滑《すべ》り落《お》ちるもので、そのために山麓《さんろく》の人畜《じんちく》、農地《のうち》、道路《どうろ》等《など》を破損《はそん》し、土砂《どしや》、岩石《がんせき》等《など》を落《おと》して、恐《おそ》ろしい害《がい》を與《あた》へることがあります。これも森林《しんりん》があれば雪《ゆき》が急《きゆう》に溶《と》けませんし、たとひ、おちた雪《ゆき》も樹幹《じゆかん》で支《さゝ》へられるので、なだれがおきないですむのです。
また森林《しんりん》が海岸《かいがん》にあれば、天災中《てんさいちゆう》の、恐《おそ》ろしい『海嘯《つなみ》』の害《がい》も少《すくな》くなります。かの明治《めいじ》二十九年《にじゆうくねん》の三陸《さんりく》地方《ちほう》の海嘯《つなみ》の被害《ひがい》區域《くいき》は長《なが》さ百五十《ひやくごじゆう》まいるにわたり、死者《ししや》二萬《にまん》二千人《にせんにん》、重傷者《じゆうしようしや》四千《しせん》四百人《しひやくにん》、家《いへ》や、船《ふね》の流《なが》されたもの、農地《のうち》の損失《そんしつ》などで損害《そんがい》總額《そうがく》は數千《すうせん》萬圓《まんえん》に上《のぼ》りました。こんな海嘯《つなみ》などは、到底《とうてい》人間《にんげん》の力《ちから》で防《ふせ》ぎ止《と》めることは出來《でき》ませんが、しかし、もし海岸《かいがん》に浴《そ》[#「浴」は底本のまま]うて帶《おび》のように森林《しんりん》があれば、非常《ひじよう》な速力《そくりよく》でおし寄《よ》せてくる潮水《しほみづ》の勢《いきほひ》を殺《そ》ぎ、從《したが》つて慘害《さんがい》も少《すくな》くなる道理《どうり》です。
かういふ風《ふう》に、森林《しんりん》の效用《こうよう》を上《あ》げれば限《かぎ》りもありません。ところで日本《につぽん》にはかういふ大切《たいせつ》な森林《しんりん》がどのくらゐあるのかといひますと、日本中《につぽんじゆう》の森林《しんりん》面積《めんせき》は總計《そうけい》四千《しせん》三百《さんびやく》九十二萬《くじゆうにまん》町《ちよう》で、實《じつ》に日本《につぽん》の土地《とち》の總面積《そうめんせき》の六割《ろくわり》四分《しぶ》をしめてゐます。これを國民《こくみん》の頭割《あたまわ》りにして見《み》ますと、一人《いちにん》につき平均《へいきん》五反《ごたん》五畝《ごせ》五歩《ごぶ》に當《あた》ります。即《すなはち》、皆樣《みなさま》が五反《ごたん》五畝《ごせ》五歩《ごぶ》の森林《しんりん》の中《なか》に一人《ひとり》づゝ住《す》める勘定《かんじよう》です。
もと/\山《やま》には、高《たか》い山《やま》、低《ひく》い山《やま》、滑《なめら》かな山《やま》、嶮《けは》しい山《やま》とさま/″\ありますが、日本《につぽん》でも、どれにも、はじめは、自然《しぜん》に木《き》が茂《しげ》つてゐたのです。もっとも、富士山《ふじさん》や日本《につぽん》アルプス以下《いか》、すべての高山《こうざん》の頂《いたゞ》き近《ちか》くには、寒《さむ》さが強《つよ》くて樹木《じゆもく》が育《そだ》ちません。このことは後《のち》にくはしくお話《はなし》します。しかし普通《ふつう》の山《やま》では木《き》の育《そだ》つてゐないところはなかつたのです。それが前《まへ》に言《い》つたように人間《にんげん》が多《おほ》くなるにつれて木材《もくざい》がいよ/\多《おほ》く必要《ひつよう》となり、どんどん伐《き》るため、村落《そんらく》に近《ちか》い山《やま》の木《き》はもとより、高《たか》い山《やま》にも青々《あを/\》としてゐた木《き》が無《な》くなつて赤《あか》い山《やま》の地《じ》はだを見《み》せるようになつたのです。こんな赤《あか》はげ山《やま》は、山《やま》としては決《けつ》して立派《りつぱ》なものとはいへません。人間《にんげん》でいへば體《からだ》ばかり大《おほ》きくて徳《とく》も智慧《ちえ》もないとすれば、人《ひと》としててんで品位《ひんい》がないのと同《おな》じです。たとひ低《ひく》い山《やま》でも木《き》がよく茂《しげ》つてゐれば、山《やま》のねうちがあつて、限《かぎ》りない效用《こうよう》をもちます。
つまり山《やま》は高《たか》いばかりが貴《たつと》いのではなく、木《き》が茂《しげ》つてゐるので本當《ほんとう》に貴《たつと》いのです。そのためには、いふまでもなく、お互《たがひ》に十分《じゆうぶん》に山《やま》を愛《あい》して、むやみに木《き》を伐《き》らないようにし、もし伐《き》れば、その跡《あと》に代《かは》りの木《き》を植《う》ゑて仕《し》たてることを忘《わす》れてはなりません。
(二)山《やま》を愛《あい》せよ
以上《いじよう》のわけで一國《いつこく》の山《やま》全部《ぜんぶ》が青々《あを/\》としてゐる間《あひだ》はその國《くに》は盛《さか》んになるのですが、反對《はんたい》に、いくら、必要《ひつよう》だからと言《い》つて、やたらに樹木《じゆもく》を伐《き》るばかりで、荒《あら》しつくしてしまへば、その國《くに》は滅《ほろ》びることにもなります。なほ伐木《ばつぼく》についで用心《ようじん》しなければならないのは恐《おそ》ろしい山火事《やまかじ》です。生《なま》の立《た》ち木《き》はちよっと燃《も》えにくいようにおもへますが、一度《いちど》火勢《かせい》がつけば、こんもりと茂《しげ》つた美《うつく》しい森林《しんりん》もまたゝくまに灰《はひ》になつてしまふのです。春《はる》から夏《なつ》にかけて山《やま》の雪《ゆき》が消《き》えた頃《ころ》が、この山火事《やまかじ》の一番《いちばん》多《おほ》い時《とき》で、煙草《たばこ》の吸《す》ひ殼《がら》や、たき火《び》をした人《ひと》のちよっとした不注意《ふちゆうい》で、百年《ひやくねん》かゝつて出來上《できあが》つた森林《しんりん》も數時間《すうじかん》もたゝない間《あひだ》に、すっかり燒《や》けてしまふわけです。だから山登《やまのぼ》りをする人《ひと》は特《とく》に火《ひ》の用心《ようじん》をすることが大事《だいじ》です。
ついでですが、みなさんは木《き》ばかりでなく、そこいらの町《まち》の中《なか》にある樹木《じゆもく》も大切《たいせつ》にして枝《えだ》を折《を》つたりしないようにして下《くだ》さらなければいけません。春《はる》、美《うつく》しい花《はな》が咲《さ》くのが見《み》たく、夏《なつ》の暑《あつ》いときに涼《すゞ》しい木蔭《こかげ》が欲《ほ》しい以上《いじよう》は、庭《には》の木《き》でも、町《まち》のなみ木《き》でも、同《おな》じように可愛《かわい》がつてやらねばなりません。こないだの關東《かんとう》の大震災《だいしんさい》のときには、淺草《あさくさ》の觀音《かんのん》のお堂《どう》の裏《うら》のいてふ[#「いてふ」に傍点]の木《き》は片側《かたがは》半分《はんぶん》は火《ひ》に燒《や》けても、他《た》の半分《はんぶん》の枝葉《えだは》のために火《ひ》がお堂《どう》に燃《も》えうつるのを防《ふせ》ぎました。ひとりいてふ[#「いてふ」に傍点]に限《かぎ》らず、しひのき[#「しひのき」に傍点]やかしのき[#「かしのき」に傍点]等《など》、家《いへ》のまはりや公園《こうえん》の垣根《かきね》沿《ぞ》ひに植《う》ゑてある木《き》は、平常《へいじよう》は木蔭《こかげ》や風《かぜ》よけになるばかりでなく、火事《かじ》の時《とき》には防火樹《ぼうかじゆ》として非常《ひじよう》に役《やく》に立《た》ち家《いへ》も燒《や》かずに濟《す》み、時《とき》には人《ひと》の命《いのち》すら救《すく》はれることがあることも忘《わす》れてはなりません。
こんなに樹木《じゆもく》でもお互《たがひ》にとつていろ/\な役《やく》に立《た》つことをお知《し》りになつたら、みなさんも道《みち》ばたに遊《あそ》んでる子供《こども》がなみ木《き》の皮《かは》を剥《む》いたり、枝《えだ》を打《う》つたりしてゐるのを見《み》られたらすぐに言《い》ひ聞《き》かせて、とめて下《くだ》さらなければこまります。それはとりもなほさず樹木《じゆもく》を愛《あい》し、引《ひ》いては山《やま》をも愛《あい》することになつて、國家《こつか》の安榮《あんえい》をつくることになるからです。
(つづく)
底本:
1982(昭和57)年6月20日発行
親本:
1927(昭和2)年10月3日発行
入力:しだひろし
校正:
xxxx年xx月xx日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
*地名
(※ 市町村名は、平成の大合併以前の表記のまま。一般的な国名・地名などは解説省略。- [オセアニア]
- マーシャル諸島 マーシャル しょとう (Marshall Islands) 太平洋中央部、ミクロネシアの東部に散在する珊瑚島・環礁から成る共和国。住民はミクロネシア人。第二次大戦まで日本の委任統治領。1947年からアメリカの信託統治領となり、ビキニ・エニウェトク両環礁で核実験が行われた。86年、独立。面積181平方km。人口5万7千(2002)。首都マジュロ。
- カロリン諸島 カロリン しょとう (Caroline Islands) 西太平洋、ミクロネシアの島嶼中、マリアナ・マーシャルの2諸島を除く島々の総称。
- マリアナ諸島 マリアナ しょとう (Mariana Islands) 西太平洋、ミクロネシア北部に位置し、サイパン・テニアン・グアムなど15の島々から成る諸島。主島サイパンには日本の委任統治領時代に南洋庁支庁があった。現在、グアムを除き、北マリアナ諸島としてアメリカの自治領。
- アジア大陸
- [朝鮮]
- [台湾] たいわん
- 新高山 にいたかやま 台湾第一の高山である玉山の日本統治時代の呼称。
- 玉山 ぎょくざん (Yu Shan) 台湾第一の高山。標高3952m。
- 琉球本島 りゅうきゅう ほんとう → 沖縄本島
- 沖縄本島 おきなわ ほんとう 琉球諸島北東部にある最大の島。北東から南西にのびる狭長な形をなす。南西部の那覇市が中心都市。太平洋戦争末期の激戦地。面積1185平方km。おきなわじま。
- 小笠原群島 おがさわら ぐんとう → 小笠原諸島
- 小笠原諸島 おがさわら しょとう 八丈島南方約700kmの太平洋上に南北に散在する諸島。父島・母島・聟島・硫黄の4列島から成り、東京都に属する。1593年(文禄2)小笠原貞頼の発見といわれ、1875年(明治8)日本の領有が確立。第二次大戦後アメリカに施政権が移ったのち、1968年返還。
- [九州]
- [四国]
- 石槌山 いしづちやま → 石鎚山
- 石鎚山 いしづちさん 愛媛県東部、石鎚山脈の主峰。標高1982m。面河川が南流し、面河渓をつくる。修験道の霊場。四国第一の高峰。石槌山。天狗岳。
- 剣山 つるぎやま/つるぎさん 徳島県の西部、剣山地の主峰。標高1955m。中世以降、修験道の霊場。
- [山陰] さんいん
- [山陽] さんよう
- [畿内] きない
- 高野山 こうやさん 和歌山県北東部にある、千m前後の山に囲まれた真言宗の霊地。816年(弘仁7)空海が真言密教の根本道場として下賜を受け、のち真言宗の総本山金剛峯寺を創建。
- 比叡山 ひえいざん 京都市北東方、京都府・滋賀県の境にそびえる山。古来、王城鎮護の霊山として有名。山嶺に2高所があり、東を大比叡または大岳(848m)
、西を四明岳(839m)という。東の中腹に天台宗の総本山延暦寺がある。叡山。天台山。台岳。北嶺。台嶺。 - 日本アルプス にほん アルプス 中部地方の飛騨・木曾・赤石の3山脈の総称。ヨーロッパのアルプスに因んで1881年(明治14)英人ゴーランドが命名。のち小島烏水が3部に区分し、飛騨山脈を北アルプス、木曾山脈の駒ヶ岳連峰を中央アルプス、赤石山脈を南アルプスとした。
- 白馬山 しろうまさん → 白馬岳か
- 白馬岳 しろうまだけ (春、代馬の形に似た岩肌が現われるところから生じた名という)長野・富山の県境にそびえる北アルプス連峰北端の山。杓子岳、鑓ヶ岳とともに白馬三山とよばれる。標高2932m。はくばだけ。
- 上高地 かみこうち 長野県西部、飛騨山脈南部の梓川上流の景勝地。中部山岳国立公園の一部。標高約1500m。温泉や大正池があり、槍ヶ岳・穂高連峰・常念岳・焼岳などへの登山基地。神河内。上河内。
- 梓川 あずさがわ 長野県にある犀川の支流。槍ヶ岳に発源、槍沢を経て上高地の谷を南流、松本盆地に至り、北東流。長さ65km。
- 木曽 きそ 木曾。木曾谷。長野県の南西部、木曾川上流の渓谷一帯の総称。古来中山道が通じ、重要な交通路をなす。木曾桟道・寝覚の床・小野滝の三絶勝があり、ヒノキその他の良材の産地。木曾。
- 御岳 おんたけ 御岳・御嶽。長野・岐阜県にまたがる活火山。北アルプスの南端に位置し、標高3067m。1979年に史上初めて噴火。頂上に御岳神社があり、古来、修験道で屈指の霊峰。きそおんたけ。おんたけさん。
- 駒が岳 こまがたけ 長野県南部、木曾山脈の主峰。標高2956m。木曾駒。西駒。
- 甲斐 かい 旧国名。いまの山梨県。甲州。
- 甲州 こうしゅう 甲斐国の別称。
- 信濃 しなの 旧国名。いまの長野県。科野。信州。
- 信州 しんしゅう 信濃国の別称。
- 駿河 するが 旧国名。今の静岡県の中央部。駿州。
- 相模 さがみ 旧国名。今の神奈川県の大部分。相州。
- 秩父 ちちぶ 埼玉県西端の市。東部の市街地は秩父盆地の中心をなし、荒川上流の形成する河岸段丘上に発達。秩父銘仙を産する。セメント工業が盛ん。人口7万1千。
- 越中 えっちゅう 旧国名。今の富山県。こしのみちのなか。
- 越後 えちご 旧国名。今の新潟県の大部分。古名、こしのみちのしり。
- 三河 みかわ 旧国名。今の愛知県の東部。三州。参州。
- 鳳来寺山 ほうらいじさん 愛知県東部にある火山。標高695m。山頂付近に真言宗鳳来寺がある。コノハズクの生息地としても知られる。
- 富士山 ふじさん (不二山・不尽山とも書く) 静岡・山梨両県の境にそびえる日本第一の高山。富士火山帯にある典型的な円錐状成層火山で、美しい裾野を引き、頂上には深さ220mほどの火口があり、火口壁上では剣ヶ峰が最も高く3776m。史上たびたび噴火し、1707年(宝永4)爆裂して宝永山を南東中腹につくってから静止。箱根・伊豆を含んで国立公園に指定。立山・白山と共に日本三霊山の一つ。芙蓉峰。富士。
- 吉田口 よしだぐち → 富士吉田
- 富士吉田 ふじ よしだ 山梨県南東部にある市。富士山北側の登山口。富士五湖観光の中心地。人口5万3千。
- 御殿場 ごてんば 静岡県北東部、富士山南東麓にある市。富士登山東口、高原別荘地。東富士演習場がある。人口8万6千。
- 大宮口 おおみやぐち → 大宮
- 大宮 おおみや 静岡県富士宮市の地名。旧富士郡大宮町。浅間神社にちなむ。
- 富士宮 ふじのみや 静岡県中部の市。もと富士郡大宮町で、富士山の表登山口。富士大宮の称のある浅間神社がある。製紙・パルプ工業のほか機械・化学工業も立地。人口12万2千。
- 日光 にっこう 栃木県北西部の市。奈良末期、勝道上人によって開かれ、江戸時代以後、東照宮の門前町として発達。日光国立公園の中心をなす観光都市。二荒山神社・東照宮・輪王寺の建造物群と周辺は「日光の社寺」として世界遺産。人口9万4千。
- 白根山 しらねさん 栃木・群馬県境、日光の北西にある二重式火山。標高2578m。前白根山・坐禅山は外輪山をなし、これら山頂群の間に五色沼・阿弥陀ガ池・血ノ池地獄などの湖沼がある。日光白根。
- 男体山 なんたいざん/なんたいさん 栃木県北西部、日光山地にある円錐状成層火山。標高2486m。中腹に中宮祠、山麓に中禅寺湖、山上に二荒山神社奥宮がある。日光国立公園の一部。日光富士。二荒山。黒髪山。
- [秋田]
- 奥羽地方 おうう ちほう 陸奥と出羽。現在の東北地方。福島・宮城・岩手・青森・秋田・山形の6県の総称。
- [北海道]
- 千島 ちしま (→)千島列島に同じ。
- 千島列島 ちしま れっとう 北海道本島東端からカムチャツカ半島の南端に達する弧状の列島。国後・択捉(以上南千島)
、得撫・新知・計吐夷・羅処和・松輪・捨子古丹・温祢古丹(以上中千島) 、幌筵・占守・阿頼度(以上北千島)など。第二次大戦後ロシア(旧ソ連)の管理下にある。クリル列島。 - カラフト 樺太。サハリンの日本語名。唐太。
- サハリン Sakhalin 東はオホーツク海、西は間宮(タタール)海峡の間にある細長い島。1875年(明治8)ロシアと協約して日露両国人雑居の本島をロシア領北千島と交換、1905年ポーツマス条約により北緯50度以南は日本領土となり、第二次大戦後、ソ連領に編入。現ロシア連邦サハリン州の主島。北部に油田がある。面積7万6000平方km。樺太。サガレン。
◇参照:Wikipedia、
*難字、求めよ
- 植物帯 しょくぶつたい (→)植生帯に同じ。
- 植生帯 しょくせいたい (vegetation zone) 帯状に配列する性質を用いた植生の分類。植物の生育に影響する温度と降水量が、緯度や海からの距離に沿い並行的に減少することが、群落の帯状配列をもたらす。植生の垂直分布では主に温度による相観の違いが表われ、下方から上方に丘陵帯・低山帯・山地帯・亜高山帯・高山帯のように植生帯の区分ができる。
- 森林帯 しんりんたい 植生帯のうち、特に森林が帯状に分布する地帯をいう。緯度の変化に基づくものを水平的森林帯と称し、熱帯林・暖帯林・温帯林・亜寒帯林の4種とし、標高の高低に基づくものを垂直的森林帯という。
- 水平的森林帯 すいへいてき しんりんたい
- 垂直的森林帯 すいちょくてき しんりんたい
- 熱帯林 ねったいりん 熱帯地方の森林と森林帯を漠然と指す語。熱帯雨林を中心に森林サバンナなどを含む。
- 暖帯林 だんたいりん 暖温帯によく発達する森林帯。熱帯林と温帯林との中間にあり、常緑広葉樹を主とした森林からなる。日本では本州西部以西に分布する照葉樹林が該当する。
- 温帯林 おんたいりん 温帯気候の地域に発達する森林。落葉広葉樹林(夏緑樹林)が主体。日本では本州の北半部から北海道の南西半部にみられ、ブナ・ミズナラを中心に、シナノキやカエデ科の樹種を多く含む。
- 寒帯林 かんたいりん 気候上の寒帯(厳密には亜寒帯)に生じる針葉樹林。日本では水平的には北海道の北半に存し、樹種はトドマツ・エゾマツなどが代表的。垂直的には亜高山帯と重なる。
- ガジュマル帯 ガジュマルたい
- ガジュマル 榕樹 (琉球語)クワ科の常緑高木。広く熱帯・亜熱帯に産する。日本では沖縄・屋久島に自生、小笠原島などに植栽。幹は多数分岐して繁茂し、気根を垂れる。葉は楕円形または卵形、革質、無毛。黄色または赤褐色のイチジクに似た小形の壺形花序を生ずる。防風林・生垣、また観葉植物とし、材を細工物に使う。ガジマル。ようじゅ。
- ヒルギ 蛭木・紅樹。ヒルギ科のオヒルギ・メヒルギ・オオバヒルギなどの総称。マングローブを形成する。常緑の低木または高木で、呼吸根をもち、胎生種子をつける。耐塩性など特異な生理的・形態的特徴がある。
- 赤榕樹 あこう → 雀榕か
- 雀榕 あこう クワ科の常緑高木。紀伊半島以南の海岸に生える。高さ12〜20m、直径1mに達する。葉は長さ10〜15cm、幅5〜6cmの楕円形または長楕円形で、春、落葉するが落葉とほぼ同時に新芽がでる。雌雄異株で、実のようにみえる球形のいちじく状の花嚢がつく。花嚢は小さい白点をもち、熟すと淡紅白色となり、中に淡紅色の花が密生する。漢名、雀榕。あこぎ。あこみずき。あこのき。
- ビロウ 蒲葵・檳榔。ヤシ科の一属。東南アジア・オーストラリアに約30種が分布。亜熱帯性常緑高木で、檳榔樹と混同されるが別属。ワビロウは九州南部・南西諸島に、オガサワラビロウは小笠原に自生。形はシュロに似、葉は円形で直径約1m、掌状に分裂して幹頂に叢生。雌雄異株。4〜5月頃緑色の花序を出し、黄色の核果を結ぶ。葉は笠・団扇などに用い、繊維をとって縄を作る。若芽・茎の軟部は食用。古く牛車の装飾に用いた。古名、あじまさ。びりょう。ほき。
- タコノキ 蛸の木・露兜樹。タコノキ科の常緑高木。小笠原諸島の特産。高さ数m。幹の下部から多数の気根を斜めに生じ、その状態が蛸に似る。葉は広線形で、枝頭に叢生。雌雄異株。夏、黄色の花を開き、人頭大の集合果を結ぶ。葉はかご・帽子・むしろなどを製し、屋根をふくこともある。タコノキ属(学名パンダヌス)植物は南太平洋に数百種が分布。葉を屋根ふき材・生活用品などに利用。栄蘭。
- コーヒーの樹 コーヒーのき アカネ科の常緑高木。アフリカ原産の2〜3種をもとに、現在は中南米・ハワイなど熱帯各地で大規模に栽培。高さ数m。葉は長卵形。花は白色で香気がある。果実は石果、紅紫色、普通は2個の種子(コーヒー豆)を蔵する。植物学上は同属別種のアラビカ種とロブスタ種に分けられる。
- 椰子 やし ヤシ科植物の総称。澱粉・糖・食用果実を提供し、油脂・酒などの資源とするココヤシ・アブラヤシ・サトウヤシ・ナツメヤシなど。普通にはココヤシを指す。
- 椰子科 やしか 単子葉植物の一科。高木・低木、または長い蔓状で、多くは茎は単一。新・旧両大陸の熱帯に分布。約3300種。葉は互生、掌状または羽状に分裂。花は通常単性、肉穂花序で、大きな総苞をそなえる。果実は液果あるいは核果。ココヤシ・ナツメヤシ・シュロ・トウ・シュロチクなどを含む。
- ゴムの樹 ゴムのき (→)ゴム植物に同じ。
- ゴム植物 ゴム しょくぶつ ゴム質を含有する植物。その幹の分泌液が天然ゴムの原料となる。パラゴムノキ・インドゴムノキなどをいう。ゴムの樹。
- チーク teak (もと南インドのマラヤラム語te
kkaから) クマツヅラ科の熱帯性落葉高木。インド・ビルマ(ミャンマー)・タイなどに分布。高さ約30m。材は堅く、伸縮率が小さく虫害に強いので、船舶・建築・家具用材などにする。 - カシ帯 カシたい 樫帯。植生帯の一つ。亜熱帯と温帯(冷温帯)の間を占める。常緑性のカシ類・シイノキ・タブノキの類を代表的な樹種とする常緑広葉林が発達する。九州・四国はこれに属する。
- 同温線 どうおんせん → 等温線か
- 等温線 とうおんせん (1) 等しい気温の地点を連ねた線。(2) 一定温度の下で、圧力と体積との関係を示す曲線。
- カシ 樫・橿・ (イカシ(厳し)の上略形か) ブナ科コナラ属の常緑高木の一群の総称。暖地に多く、日本では中部以南に約10種ある。同属の高木で常緑でないものをナラと総称。晩春から初夏に小花を密生した穂をつけ、雌花と雄花とがある。果実は「どんぐり」
。材は堅く、器具材その他として重要。シラカシ・アラカシ・ウラジロガシなど。かしのき。 - シイ 椎 ブナ科の常緑高木。ツブラジイ(コジイ)とその変種スダジイ(イタジイ)がある。暖地、特に海岸付近に多く、うっそうとした大木になる。葉は革質で裏面は淡褐色。5〜6月、香りの強い小花を雌雄別々の穂状花序につける。果実は先のとがった卵円形で、食用とし、特にツブラジイの実は美味。材は建築・器具に、樹皮は染料に用いる。また、椎茸栽培の原木とする。しいのき。
- 常緑闊葉樹 じょうりょく かつようじゅ
- 常緑 じょうりょく 植物が1年を通じて緑色の葉をつけていること。
- クロマツ 黒松。マツ科の常緑高木。樹皮は黒褐色、アカマツよりも、葉は太くて剛く、海岸近くに多い。樹形が良いので庭園に植える。4月頃、雌花は新しい枝の先端に、雄花は下部に生じ、球果は翌年の秋熟し、有翼の種子を飛散する。材質堅硬で、建築材料として用い、また、薪とし、樹幹から松脂を採る。雄松。男松。
- クスノキ 樟・楠。(クスは「臭し」と同源か。
「楠」は南国から渡来した木の意) クスノキ科の常緑高木。関東以南の暖地、特に海岸に多い。高さ20m以上に達し、全体に芳香がある。5月頃、黄白色の小花をつけ、果実は球形で黒熟。材は堅く、樟脳および樟脳油を作る。街路樹に植栽し、建築材・船材としても有用。くす。樟脳の木。 - コナラ 小楢 ブナ科の落葉高木。高さ約15m。ミズナラに酷似するが短いながら明瞭な葉柄を持つ点で区別できる。雌雄同株で春に開花。雄花は細長くつき帯黄褐色、雌花には楕円形の堅果を生じ、皿形の殻斗を持つ。材は器具・薪炭などに、樹皮は染料に供する。ナラ。古名、ははそ。
- クヌギ 櫟・椚・橡・櫪。ブナ科の落葉高木。山野に自生し、特に武蔵野の雑木林の主要樹種。高さ約10m。樹皮は暗褐色で深く縦裂。葉は有柄互生、クリの葉に似るが縁の刺が緑色にならない。雌雄同株。初夏、黄褐色の花を穂状につける。果実は「おかめどんぐり」ともいい、大きく球形で、半分が殻斗に包まれる。材は薪炭材としては最高の品質。樹皮や葉は染料・薬用に供する。古名、つるばみ。
- 落葉闊葉樹 らくよう かつようじゅ
- 落葉樹 らくようじゅ 秋、または乾季の始めに葉が落ち、翌春または次の雨季に新葉の萌え出る樹木。大部分は広葉樹で温帯に多い。紅葉・黄葉の美しいものがある。落葉木。←
→常緑樹。 - シイノキ (→)
「しい(椎) 」に同じ。 - ヒノキ 桧・桧木。ヒノキ科の常緑高木。日本特産種。高さ30〜40m。樹皮は赤褐色、葉は小鱗片状で、枝に密生。雌雄同株。春、枝の上に小花を開き、のちに球果を結ぶ。材は帯黄白色、緻密で光沢・芳香があり、諸材中最も用途が広く、建築材として最良。木曾五木の最高位とされる。チャボヒバ・クジャクヒバなど葉の美しい園芸品種もある。古称、ひ。
- スギ 杉・椙。スギ科の常緑針葉樹。日本の特産。アジア各地に広く植林。幹は直立して約50mに達し、樹皮は褐色、繊維質で強靱。葉は針状で小枝に集まってつく。雌雄同株。雄花は米粒大、黄褐色で数個ずつ枝端に群生。雌花は黄褐色の球果となり、鱗片の間に種子を生ずる。花粉が細かく、空中に飛散・滞留するため花粉症の原因となる。材は木理がまっすぐで、柔らかく、脂気に富む。家屋・桶・樽・曲物などに供し、樹皮は屋根などを葺くのに用い、葉は線香の料。古くは神事に用いた。長寿命で、天然記念物の大木も多い。吉野杉・秋田杉・屋久杉など、産地名を冠して呼ばれる。エンコウスギ・オウゴンスギなどの変種は、観賞用にも植栽。古名、まき。漢名、倭木。
- 帯・山毛欅帯 ぶなたい 日本の植生帯の一つ。落葉広葉樹帯を代表する。ブナ・ミズナラを主体に多くのカエデ類を含む。本州中部では標高約700〜1500m。
- ブナ ・椈・山毛欅 ブナ科の落葉高木。やや高い山地に生え、ブナ帯の代表種。特に日本海側山地に多い。幹の高さ約20m。葉は広卵形。5月頃、淡緑色の花を開き、単性で雌雄同株。果実は殻斗内にあって堅く、10月頃成熟し、食用、また「ぶなのあぶら」を搾る。木材は器具材となり、また、クレオソートを含む。樹皮は染料となる。ブナノキ。ソバノキ。シロブナ。
- 植林 しょくりん 山などに苗木を植えて林木を育てること。
- シラカシ 白樫・白橿。ブナ科の常緑高木。各地の山地に自生。幹の高さ約9m、直径60cmに達する。葉は長楕円形、上面は緑色で下面は白色を帯びる。雄花は黄褐色で長い尾状花序をなして下がり、雌花は数花を上向きにつける。10月頃堅果を結ぶ。材質は固くて重く、弾力に富み、器具・薪材用。防風・防火樹、生垣用。樹皮は染色用。
- オオナラ 大楢。ミズナラの異称。
- ミズナラ 水楢。ブナ科の落葉高木。日本の山地のやや高所に普通。高さ約20m。幹には大きな割れ目があり、葉は倒卵形。コナラに酷似するが葉柄がほとんどない。5月頃、黄褐色の単性花を開き、秋、どんぐりを結ぶ。材は建築材・器具材。オオナラ。
- トチノキ 橡・栃。トチノキ科の落葉高木。各地の山地に自生。高さは約25m、周囲は2mに達する。葉は複葉長柄で対生。5月頃、枝頂に白色に紅のかかった花を多数つける。雌花・雄花、両性花がある。果は円錐形で3裂し、光沢ある褐色の種子をもつ。種子からあく抜きして澱粉を採り、また、栃餅・栃粥などに作る。材は板に挽き、また、刳物に用いる。庭木・街路樹ともする。とち。七葉樹。
- サワラ 椹。ヒノキ科の常緑高木。ヒノキに酷似、幹高30mに達する。葉の裏面の白斑がV字形で、ヒノキのY字形と区別できる。花は4月に開き雌雄同株。木曾五木の一つ。材は耐水性に富み香気が少ない。桶・障子・襖の組子の材となる。ニッコウヒバ・ヒヨクヒバなど葉の美しい園芸品種がある。サワラギ。
- ヒバ 桧葉 (1) ヒノキ、アスナロ、クロベ、サワラなどヒノキの仲間で小枝が扁平に分枝し、鱗片状の葉を持つものをいう語。(2) アスナロの別名。
- 針葉樹 しんようじゅ 裸子植物の一群。マツ科・スギ科・ヒノキ科・イチイ科・イヌガヤ科などを含む。葉は針状または鱗片状。普通、常緑で、稀に落葉樹もある。一般に高木で毬果を結ぶ。材は建築材・土木材などとして重要。また、パルプ原料。北半球北部に広大な樹林をなす。松柏類。←
→広葉樹。 - シラベ 白桧。〔植〕シラビソの別称。
- 白桧曾 しらびそ マツ科の常緑針葉樹。亜高山帯に自生。モミに似る。高さ約20m、葉は枝上に2列に並び、下面白色。6月頃雌雄花を同株に開き、秋、円柱形で暗紫色の松かさに似た球果を結ぶ。しらべ。
- トドマツ 椴松。普通にはアカトドマツの称。マツ科の常緑高木。幹高約30m、直径1mに達する。北海道北部・サハリンに自生。樹皮は灰青色、葉は長さ2〜3cm、裏面に2白条がある。雌雄同株。球果は長楕円状卵形で直立し、突出した赤褐色の苞鱗を具える。幼樹はクリスマス‐ツリーとする。材は建築・器具・製紙原料などに用いる。同属に別種アオトドマツがあり、苞鱗の色は緑に近い。トド。アカトド。ネムロトドマツ。
- ブナノキ → ブナ
- エゾマツ 蝦夷松。マツ科の針葉樹。寒地に多く、高さ40mに達し、樹皮は黒褐色で鱗片状をなす。葉は針状。雌雄同株。雄花は円柱形、雌花は長楕円形。球果は緑黄色の円柱形で垂れ下がる。トドマツとともに重要なパルプ用材、建築・船材にもなる。クロエゾマツ。樹皮が赤褐色のアカエゾマツは別種とされる。
- アオモリトドマツ 青森椴松。オオシラビソの別称。青森地方に多い。
- オオシラビソ 大白桧曾。マツ科モミ属の高木。常緑の針葉樹で、日本特産。高さ30mに達するが、高山帯では低木。本州中・北部の亜高山帯針葉樹林で広く見られる。建材・パルプ用。アオモリトドマツ。
- 灌木帯 かんぼくたい (→)低木帯に同じ。
- 低木帯 ていぼくたい 植生帯の一つ。高木限界より上部または寒冷側にみられる。日本ではハイマツ・ウラジロナナカマド・キバナシャクナゲなどが生育。風雪のために幹・根が屈曲するものが多い。
- ハイマツ帯 ハイマツたい
- ハイマツ 這松。マツ科の匍匐性常緑低木。本州中北部の高山および北海道北部・千島などに自生。高山帯に生える代表的な樹林。葉は針状、5本ずつ叢生するいわゆる五葉松の一種。6月頃雄花を叢生、上部に淡紫紅色の雌花をつけ、小形の球果を結ぶ。
- 灌木 かんぼく (1) 枝がむらがり生える樹木。(2) (→)低木に同じ。←
→喬木。 - ニイタカトドマツ
- イワヤナギ 岩柳。(1) キツネヤナギの異名。(2) ユキヤナギの異名。
- シャクナゲ 石南花・石楠花。ツツジ科ツツジ属の常緑低木数種の総称。広くはセイヨウシャクナゲおよびその園芸品種なども含むが、狭義にはアズマシャクナゲおよび西日本のツクシシャクナゲを指す。高山・亜高山に生じ、高さ1〜2m。葉は革質、長楕円形、表面は深緑色で光沢があり、裏面に淡褐色または白色の密毛を生ずる。初夏、ツツジに似た5〜7弁の合弁花を多数開く。色は白色ないし淡紅色。褐色の毛のある果実を結ぶ。卯月花。
- ナナカマド 七竈。バラ科の落葉小高木。山地に生じ、高さ約10m。街路樹のほか庭木として植える。花は小形白色で、7月に群がり咲く。果実は球形で、秋に葉とともに鮮やかに赤く色づき、落葉後も残る。材は堅くて腐朽しにくく、細工物に用い、7度かまどに入れても燃えないという俗説がある。近縁種にウラジロナナカマド・タカネナナカマド・ナンキンナナカマドなどがある。
- ヤマハンノキ 山榛。カバノキ科の落葉高木。山地に自生。高さ17mに達し、葉は大形で円形、切れ込みがある。春、葉に先立って尾状の花穂を出し、紫褐色の細かい花を密生。雌雄異花。果実は褐色、楕円形。果実・樹皮はタンニンに富み、染料とする。材は器具材・土木材とする。
- ベニバナイチゴ 紅花苺。バラ科の落葉小低木。北海道南西部、本州中部以北の高山帯に生える。高さ1m。とげがない。葉は三出複葉。小葉は倒卵形ないし卵状楕円形で縁に二重鋸歯がある。夏、枝の先に径2〜3cmの紫紅色花を一個ずつつける。果実は卵状球形で黄赤色に熟す。学名は Rubus vernus。
- 高山植物 こうざん しょくぶつ 森林限界の上方から雪線の間の高山帯に生える植物。きびしい生育条件に適応し、形は概して矮小化し、地表を這うものもある。イワギキョウ・コマクサ・イワベンケイなど。
- 草本帯 そうほんたい 高山や寒地などのように高木を欠き、主に草木からなる植生帯。いわゆるお花畑はこの部分。高山草原。
- 高山帯 こうざんたい 植物の垂直分布帯の一つ。森林限界と氷雪帯との間。コマクサ・チングルマなど、低木(低木帯)と高山草原または荒原(草本帯・地衣帯)からなる。本州中部では標高約2500m以上でみられる。
- 御花畑・御花畠 おはなばたけ 夏に高山や高原地帯で、種々の高山植物の花が広く密生・群落して、壮麗な景観を呈する所。日本アルプス・八ヶ岳山塊中のものは代表的。
- 乾生植物 かんせい しょくぶつ 砂漠・荒原など水分に乏しい場所に生育し得る植物。多肉で貯水組織が発達しているものが多い。サボテン・ベンケイソウなど。
- 湿生植物 しっせい しょくぶつ 沼沢付近・熱帯降雨林などの空気・土壌が常に湿潤な場所に生育する植物。
- コマグサ/こまくさ 駒草。ケシ科の多年草。著名な高山植物。高さ約10cm。葉は白みを帯びた緑色。7〜8月頃、淡紅色の美花を開き、形が馬の顔に似る。多数の黒色の種子を生じ、古来霊薬として有名。
- ミヤマシオガマ 深山塩竈。ゴマノハグサ科の多年草。北海道・本州中部以北の高山の岩礫地の草むらなどに生える。高さ10〜15cm。根ぎわの葉は長柄があり卵状楕円形で羽状に深裂する。花茎の葉は無柄で輪生する。夏、葉間から花茎を伸ばし頂に10〜20個の唇形花を密生。花冠は紅紫色で下部は筒状。学名は Pedicularis apodochila。
- ミヤマキンバイ 深山金梅。バラ科の多年草。高山植物の一つ。太い地下茎が横に走り、根元から長い柄の3小葉の複葉を束生する。古い葉の枯れた葉柄が地下茎に残る。夏、黄色5弁で直径約2cmの花少数個を茎頂につける。花弁の基部は特に濃色。
- ミヤマツメクサ 深山爪草。ナデシコ科の多年草。高さは〜5cm。
(植レ) - タカネツメクサ 高嶺爪草。ナデシコ科の多年草。本州の中部以北の高山に生える。高さ約3〜7cm。茎は著しく分枝し群がって生え、片側に腺毛をつける。葉は対生。針形で小さく一脈がある。夏、梢上に白い小さな五花弁を一個つける。学名は Minuartia arctica var. hondoensis。
- チシマギキョウ 千島桔梗。キキョウ科の多年草。本州中部以北、北海道以北の高山の岩礫帯に生える。高さ5〜10cm。根生葉は倒披針形、またはへら形で、縁は鈍い鋸歯があり、基部は次第に細まり、葉身と同長の葉柄に移る。8〜9月、茎頂に花茎を出し、披針形または倒披針形の小さな茎葉をわずかにつけ、先端に一個の青紫色の鐘形花をつける。花冠は長さ約3cm、縁と内面に白い長毛があり、先は五裂し、裂片は先がとがりややそり返る。学名は Campanula chamissonis。
- イワギキョウ 岩桔梗。キキョウ科の多年草。アジア東部からアラスカ地方に広く分布する。日本では本州中部以北の高山帯に自生。長楕円形の根生葉を束生し、夏に花茎を直立して茎頂に青紫色のキキョウに似た美花を斜め上向きに開く。乾性お花畑の代表的な構成種。
- イワウメ 岩梅。イワウメ科の常緑矮小低木。北半球の高山帯に広く分布する高山植物。高さ5〜10cm。密生して地面をおおう。葉は小さく、革質で光沢があり、密生。7月ごろ梅の花に似た白色鐘形の花を開き、花後、果を結ぶ。
- ミヤマダイコン ミヤマダイコンソウか。深山大根草。バラ科の多年草。北海道・本州・四国の深山から高山の岩礫地などに生える。高さ約30cm。根葉は羽状に全裂。茎葉の基部は茎を抱き、縁に不規則な鋸歯がある。夏、花茎を伸ばし、ダイコンソウに似た黄色い五弁花が咲く。学名は Geum calthaefolium var. nipponicum。
- ハハコグサ 母子草。キク科の越年草。路傍に普通で、高さ10〜30cm。茎と葉には白い綿毛を密生し、ビロード状。春・夏に、黄色の小頭状花を密につける。春の七草にいう「ごぎょう」で、若い茎葉は食用。ほうこぐさ。漢名、蓬蒿・鼠麹草。
- フランネル flannel 紡毛糸で粗く織ったやわらかい起毛織物。ネル。
- フランネル草 フランネルそう ナデシコ科の多年草。ヨーロッパ原産。茎の高さ70〜80cm。葉は披針形で茎と共に白い柔毛でおおわれる。質感がフランネルに似る。夏、花柄の頂に紅色・白色などの五弁花を開く。観賞用として庭園に栽培。水仙翁。
- ミヤマウスユキソウ 深山薄雪草。キク科の多年草。高さ約10cm。北日本の高山に生え、葉は線形で白毛をかぶる。夏、茎の頂に白色の頭状花数個をつける。エーデルワイスの近似種。
- 腐植土 ふしょくど 腐植質を20%以上含む土層をもつ土壌。作物の生育に適する。
- シナノキンバイ 信濃金梅。キンポウゲ科の多年草。太い根茎があり、茎の高さ約30cm。根出葉は長柄で掌状、茎葉は小形で無柄。花は黄金色で花弁状の5萼片と雄しべが多数ある。本州中部より北の高山草地に生ずる。
- ミヤマキンポウゲ 深山金鳳花。キンポウゲ科の多年草。北海道・本州中部以北の高山に生える。高さ20〜80cm。根出葉は長柄を持ち多数。葉身は腎心形で掌状に五深裂し、裂片はさらに中ほどまで裂ける。夏、花茎の先に黄色の五弁花を数個つける。学名は Ranunculus acris var. nipponicus。
- 金鳳花・毛 キンポウゲ科の多年草。山野・田のあぜなどに普通。高さ約50cm。茎は中空、葉とともに毛が多い。根生葉は長柄をもち、3深裂、茎葉は無柄で線形。晩春から初夏、数花をつける。花は黄色。痩果は多数集まって球状。有毒。ウマノアシガタ。コマノアシガタ。オコリオトシ。
- ハクサンイチゲ 白山一花。キンポウゲ科の多年草。根出葉は長柄あり、掌状複葉。夏、茎頂に数個の白花を付ける。花は花弁状の5萼片あり、梅花状に開く。北半球の寒地や高山に広く分布、日本では中部以北の高山帯に生える。
- イワカガミ 岩鏡。イワウメ科の多年草。山地の林下や高山に自生。茎短く地面を這う。葉は根生で、径3〜6cmの心円形、鋸歯縁で、革質、光沢がある。6〜7月頃、鐘形淡紅色の花を数個つける。
- ミヤマオダマキ 深山苧環。キンポウゲ科の多年草。中部以北の高山に生える。葉は複葉で緑白色。初夏、菫色の花を開き美しい。有毒。園芸種オダマキの母種とされる。
- 雪渓 せっけい 高山の斜面のくぼみや谷に、夏になってもなお雪がとけずに大きく残ったもの。
- 地衣帯 ちいたい 植生帯の一つ。高山帯の最高部、草本帯の上方に位し、雪線に近い地帯。主に地衣類が岩石上に付着し、蘚苔類や若干の草本をまじえる。富士山では9合目付近。水平分布では南北両極帯に当たる。
- 地衣 こけ/ちい (1) 菌類の一つ。(2) (→)地衣類に同じ。
- 地衣類 ちいるい 菌類に属し藻類と共生する。地衣体とよばれる特有のからだを形成し、外形から葉状地衣類・樹枝状地衣類・鱗片状地衣類・固着(痂状)地衣類などに分けられる。地衣体は共生菌の菌糸と藻類からなり、共生藻は同化産物を菌類に供給し、共生菌は藻類に住みかと水分を与える。世界中に広く分布し、高山帯では地衣類が優占する地衣帯とよばれる植生がみられる。ウメノキゴケ・サルオガセ・カブトゴケ・ハナゴケなど。
- ワレモコウ 吾木香・我毛香・吾亦紅。バラ科の多年草。山野に自生し、高さ60〜90cm。晩夏、暗紅紫色の小花を球形の花序に密生。果実も同色。若葉は食用、根は止血・収斂剤。漢名、地楡。
- キキョウ 桔梗。キキョウ科の多年草。夏秋の頃、茎の先端に青紫色または白色の美しい5裂の鐘形花を開く。果実は果。山地・草原に自生し、秋の七草の一つ。根は牛蒡状で太く、乾して漢方生薬の桔梗(根)とし、去痰・鎮咳・消炎薬。古名、おかととき。きちこう。
- カルカヤ 刈萱。(1) イネ科の多年草。山野に自生する。高さ0.5〜1.5m。葉鞘に長毛がある。秋、短い総状花穂を生ずる。鬚根から、たわし・刷毛などを作る。メガルカヤ。(2) (1) に似ているが、やや痩長の多年草。粗毛はなく、花序は円錐状。オガルカヤ。スズメカルカヤ。
- オミナエシ 女郎花。オミナエシ科の多年草。高さ約1m。山野に自生。夏・秋に黄色の小花を多数傘状につける。秋の七草の一つ。漢方では根を乾して利尿剤とする。乾燥すると異臭がある。アワバナ。オミナメシ。チメグサ。
- ススキ 薄・芒。イネ科の多年草。土手・荒地などにしばしば大群落を作る。毎年、宿根から新芽を生じ、高さ2mに達する。秋、花穂は十数枝を分かち、黄褐色を呈する。小穂の下部に絹糸様の白毛がある。
「尾花」と称し、秋の七草の一つ。茎葉は屋根を葺くのに用いる。シマススキなど、観賞用の園芸品種もある。袖振草。 - フジバカマ 藤袴。キク科の多年草。やや湿気のある所に自生。高さ約1m。全体に佳香がある。秋、淡紫色の小さな頭状花を多数散房状に開く。秋の七草の一つ。蘭草。
- ハギ 萩・芽子。マメ科ハギ属の小低木の総称。高さ約1.5mに達し、叢生。枝を垂れるものもある。葉は複葉。夏から秋、紅紫色または白色の蝶形花を多数総状につけ、のち莢を結ぶ。種類が多い。観賞用、また、家畜の飼料。普通にはヤマハギ・ミヤギノハギを指す。秋の七草の一つ。胡枝花。
- 秋の七草 あきのななくさ (1) 秋の野に咲く代表的な七種の草で、萩・薄(尾花)
・葛・撫子・女郎花・藤袴・桔梗の称。万葉集では桔梗のかわりに朝顔を入れるが、この朝顔も桔梗のこと。 - ハシバミ 榛。カバノキ科の落葉低木。高さ約3m。葉は広く、ほぼ円形で先端が急にとがる。しばしば紫色の斑が入る。春、開花し、雌雄同株、小花が穂状につく。雄花は黄褐色、雌花は紅色。果実は葉のような総苞によって下部を包まれ、食用。同属のセイヨウハシバミの実もヘーゼル‐ナッツと呼び食用。
- モミジ
- ケヤキ 欅・槻。(ケヤはケヤケシと同源。木理に基づく名か。キは木の意) ニレ科の落葉高木。山地に多いが、人家の防風林にも使われてきた。高さ20mに近く、周囲約3mに達する。花は早春新葉と共に生じ、淡黄緑色、雌雄同株。果実は3mmくらいの不定形で、複数個つけた先端の小枝ごと散布される。材は黄ばんで堅く、磨けば光沢を生じ、くるいが少ない。建築用装飾材または器具材として賞用。古名ツキノキ(槻の木)。
- カツラ 桂。カツラ科の落葉高木。日本特産。北半球各地で街路樹とする。樹皮は灰色を帯びる。高さ約30m。葉は心臓形。雌雄異株。春さき、葉に先だって暗紅色の小花をつける。果実は円柱形をなし湾曲。材は腐朽しにくく、船材・建築用・器具用。
- ホオノキ 朴の木。
(→)朴の別称。 - ホオ 朴・厚朴。モクレン科の落葉高木。日本の固有種で山地に自生し、高さ15〜25m。葉は大形で有柄長楕円形。5月頃、直径15cmもの帯黄白色で香気の強い9弁の花を開く。果実は長さ約15cm、熟すと糸を引いて赤色の種子を垂らす。材は細工しやすく、版木・建築・器具・木炭に用いる。葉は食物を包むのに用いられた。樹皮は漢方生薬の厚朴で、健胃・整腸・去痰・利尿薬。ホオノキ。ホオガシワ。
- キハダ 黄蘗。(黄肌の意) ミカン科の落葉高木。山地に自生。高さ25mに達する。葉は複葉で葉軸は赤い。雌雄異株。5〜6月頃黄緑色の小花を開く。秋、小球形の黒い実が円錐状の果序に熟する。樹皮の内側が黄色で苦味がある。樹皮の漢方生薬名を黄蘗といい、健胃剤・消炎剤として、また、黄色の染色に用いる。材は光沢があり、家具・細工物にする。きわだ。おうばく。
- ミズキ 水木。ミズキ科の落葉高木。山野に自生。高さ約10m。幼枝は紅色。葉は互生し、広楕円形で裏面は白く、葉脈が隆起。初夏、枝頂に多数の小白色花を散形花序に密生し、紫黒色球形の果実を結ぶ。早春芽をふく時、地中から多量の水を吸い上げるので有名。庭木とし、材は軟らかく緻密で細工物を作る。近似種のクマノミズキは、葉が対生する。
- カバ 樺。(カニハの転) (2) 樺の木。特に、シラカバの別称。かんば。
- シラカバ 白樺 カバノキ科の落葉高木。やや高い山地の陽地に自生。高さ約30mに達し、樹皮は蝋質の白粉を帯び、紙状に剥げる。葉は三角形。春、新葉に先立って黄褐色の尾状花序を下垂する。雌雄同株。小形の堅果は狭楕円形、左右に翼をもつ。材は皮付のまま細工物とし、また蝋分に富むので薪材となる。しらかんば。かんば。樺の木。
- クリ 栗。ブナ科の落葉高木。低山地の落葉樹林に広く分布。樹皮は暗褐色。葉は長さ8〜12cmの長楕円形、刺状の鋸歯があり、互生。6月頃花穂を出し淡黄色の細花をつける。単性花で雌雄同株。果実は「いが」で包まれ、食用・菓子などにする。木材は耐久・耐湿性が強く、家屋の土台、鉄道の枕木、艪・車・運動具などに用いる。
- 蔓生 まんせい 茎が蔓となって生えること。つるだち。
- コミツガ → コメツガか
- コメツガ 米栂。マツ科の常緑高木。高さ20mに達する。葉は線形で扁平、長短2形が混じる。球果はマツカサに似るがはるかに小さい。ツガと同属で葉が小形な点を米にたとえた名。本州中部以北の亜高山針葉樹林に生える。
- トウヒ 唐桧。マツ科の常緑針葉樹。エゾマツの変種。本州の亜高山に自生。鉄道林としても植える。高さ約30m。樹皮は帯赤暗褐色。葉の落ちたあとは枝の表面に葉枕が目立つ。材は建築材・土木用材としてヒノキの代用。
- 蘚苔植物 せんたい しょくぶつ (→)苔植物に同じ。
- 苔植物 こけ しょくぶつ 緑色植物の一門。有性世代(配偶体)と無性世代(胞子体)を規則的に繰り返す(世代交代)。配偶体がよく発達し、その上に形成された胞子体は配偶体から独立しない。この点シダ植物や種子植物と異なる。蘚類・苔類・ツノゴケ類の3群からなるが、それぞれを門とする考えもある。コケ類。蘚苔植物。
- 常緑針葉樹帯 じょうりょく しんようじゅたい
- 落葉針葉樹 らくよう しんようじゅ
- ハンノキ 榛の木。(ハリノキの音便) カバノキ科の落葉高木。山地の湿地に自生。また田畔に栽植して稲穂を干す。高さ約20mに達し、雌雄同株。2月頃、葉に先だって暗紫褐色の単性花をつけ、花後、松かさ状の小果実を結ぶ。材は薪・建築および器具用、樹皮と果実は染料。ハリ。ハギ。
- 砂礫 されき すなと小石。つぶて。しゃれき。
- クマ → ツキノワグマ
- ツキノワグマ 月輪熊。クマ科の一種。体長約1.5m。全身光沢のある真黒色、喉の下に三日月形の白斑がある。アジアに分布し、日本では本州・四国・九州の山にすむ。冬は穴に入って冬ごもりする。母子以外は単独で生活。雑食性。胆嚢は熊胆といって薬用。
- イノシシ 猪 ウシ目(偶蹄類)イノシシ科(広くはペッカリー科を含む)の哺乳類の総称。また、その一種。体は太く、頸は短く、吻が突出している。日本産のものは頭胴長約1.2m、尾長20cm。ヨーロッパ中南部からアジア東部の山野に生息する。背面に黒褐色の剛毛があり、背筋の毛は長い。犬歯は口外に突出。山中に生息、夜間、田野に出て食を求め、冬はかやを集めて眠る。仔は背面に淡色の縦線があるので瓜坊・瓜子ともいう。豚の原種。しし。い。いのこ。野猪。
- シカ 鹿 (
「めか(女鹿) 」に対し牡鹿をいうとも) ウシ目(偶蹄類)シカ科のニホンジカ。体長1.5mほどだが、北のものほど大きい。角は牡のみにあり、成長したものでは40cmほど、毎年生えかわる。アジア東部に広く分布し、日本では北海道から沖縄まで生息するが、いくつかの亜種、または種に分けることもある。夏は褐色の地に白斑があるが、冬は一様に灰褐色となる。草食。神の使いとされ、神社に飼われることもある。秋、牝鹿を呼ぶ牡鹿の声は、詩歌に多く詠まれる。なお、シカ科の哺乳類には約40種があり、アフリカ以外の世界各地に分布、オーストラリアやニュー‐ジーランドには移入されている。か。しし。かせぎ。かのしし。 - カモシカ 氈鹿・羚羊 (かま、すなわち山の険しいところに居る鹿、また氈に織る鹿の意) ウシ科の哺乳類。体長1.5mほどで、一対の短い角を持つ。毛は灰黒色、オレンジ色、ほとんど白色など。山地の森林に生活し、険しい崖でも巧みに登降する。ニホンカモシカは日本特産で、特別天然記念物。以前はその毛で毛氈などを織った。あおしし。くらしし。古名、かましし・かもしし。
- クロクマ
- アカグマ 赤熊。ヒグマの異称。特に樺太産の赤みの強いものをいう。
- ヒグマ 羆。クマ科の一種。体長約2mほど、毛色は褐色ないし黒褐色。水浴びを好む。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ(ハイイログマ)
・北極周辺(アラスカアカグマ)の針葉樹林帯に分布。日本では北海道(エゾヒグマ)にすみ、冬は洞窟内にこもる。胆嚢は薬用、毛皮は敷物などに利用。あかぐま。ひ。 - 犬歯 けんし 門歯と臼歯との間に位置する上下各2個の鋭い歯。食肉獣ではよく発達して牙となるが、草食獣では一般に退化する傾向にある。いときりば。
- 牡鹿 おじか おすの鹿。さおしか。おか。秋に牝を呼ぶ声は、古来、詩歌に詠まれる。
- 牝鹿 めじか めすの鹿。
- 鹿の子 かのこ (1) シカの子。ふつう5〜6月ごろ生まれる。かこ。(4) 「鹿の子斑」の略。
- 鹿の子斑 かのこ まだら シカの毛にある斑のように、全体茶褐色で白い斑点の散在するもの。
- キツネ 狐。イヌ科キツネ属の哺乳類。頭胴長70cm、尾長40cmほど。イヌに似るが、体は細く、尾が太い。耳は大きく、顔は尖る。毛はいわゆる狐色で、飼育品種には銀・黒などもある。北半球の草原から森林に広く分布、主に夜行性。餌はネズミ・小鳥などで、植物も食べる。日本では人をだますとされ、ずるいものの象徴にされてきたが、稲荷神の使いでもある。毛皮用に飼育される。なお、広くはキツネ属および近縁の総称。きつ。くつね。
- ノネズミ 野鼠 原野・森林にすむネズミの総称。ハタネズミ・ヤチネズミ・アカネズミなど。
- タヌキ 狸・貍。イヌ科の哺乳類。頭胴長50〜60cm、尾長15cm。山地・草原に穴を作って巣とし、家族で生活する。毛色は普通は茶褐色で、四肢は黒。毛皮を防寒用・鞴用とし、毛は毛筆に用いる。雑食性。アナグマと混同され両者ともに狢・といわれる。化けて人をだまし、また、腹鼓を打つとされる。たのき。
- ムジナ 狢・貉。(1) (→)アナグマの異称。(2) 混同して、タヌキをムジナと呼ぶこともある。
- アナグマ 穴熊。イタチ科の哺乳類。穴居し、頭胴長約50cm、尾長20cmで、背は褐色、腹は黒色。タヌキに似るが、四肢が短く頑丈で、爪が大きい。ヨーロッパから日本まで広く分布するが、北海道にはいない。ムジナはこの動物を指すことが多い。毛皮は防寒用、毛は毛筆および刷毛の原料。アナホリ。ササグマ。マミ。モジナ。。
- オオカミ 狼。(大神の意) ネコ目(食肉類)イヌ科の哺乳類。頭胴長約1〜1.5m、尾長35〜55cm。毛色は灰色から茶色。イヌの原種と考えられ、体形はシェパードに似る。かつては北半球に広く分布したが、西ヨーロッパ・中国の大部分、日本などでは絶滅。家族単位の集団で生活する。シカなどの大形獣のほか、ネズミなど小動物も食べる。日本本土産は小形系でヤマイヌとも呼ばれたが、1905年奈良県を最後に姿を消し、大形の北海道産(別称エゾオオカミ)も1900年頃絶滅。
- エゾオオカミ
- ヤマイヌ 山犬・豺。(1) 日本産のオオカミの別称。(2) 山野にいる野犬の俗称。
- ニホンオオカミ 日本狼。本州・四国・九州に分布していた小形のオオカミ。頭胴長1m、尾長30cmほど。1905年(明治38)奈良県での記録を最後に、生存は確認されていない。ヤマイヌ。
- ヤマネコ 山猫 (1) ネコ科のうち、小形の野生種の総称。ツシマヤマネコ・イリオモテヤマネコ・ヨーロッパヤマネコなど。
- ムササビ 鼠・鼠 (古くはムザサビとも) リス科の哺乳類。体長40cm。背は黒褐色、腹は白色、頬は白い。前後肢の間に飛膜が発達し、木から木へ滑空する。昼は樹木の空洞内に潜み、夜出て、木の芽・果実などを食う。アジア東部、日本では北海道を除く森林に分布。晩鳥。のぶすま。尾被。
- テン 貂・黄鼬。イタチ科テン属の哺乳類の総称。7〜8種に分けられる。その1種、テンは本州・四国・九州に分布。北海道にはクロテンが分布。いずれも体長40cmほど。本州北部のテンはキテンと呼ばれ、夏毛は全体に黒く、喉が黄色であるが、冬毛は四肢の先端のみ黒く、他は美しい黄色。南部のテンはスステンと呼ばれ、夏は全身褐色で、冬毛もあまり変わらない。山林で単独生活し雑食性。
- ノウサギ 野兎。ウサギの一種。本州・四国・九州の山野に生息。体長50cmほど。毛色は茶色だが、北方のものは冬には耳先のみ黒のままで白化。苗木をかじるので害獣とされる。北海道には類似種のユキウサギがいる。
- リス 栗鼠。(リスは漢字の音読み) ネズミ目リス科の哺乳類の総称。また特にニホンリスのことで、頭胴長20cm、尾長15cmほど。夏毛は赤褐色、冬毛は黄褐色で、腹は白い。森林に生息し、木の実や木の葉、昆虫などを食べる。小枝や葉を集め、枝の間に巣を作る。日本特産。北海道には類似種のキタリスがいる。また各地で、より大形のタイワンリスが野生化。キネズミ。
- 越後ウサギ えちご ウサギ
- ウサギ 兎。(
「う」は兎のこと、 「さぎ」は兎の意の梵語「舎舎迦」の転とする説、朝鮮語起源とする説、鷺とする説とがある)ウサギ目の哺乳類の総称。耳の長いウサギ科と耳が小さく、小形のナキウサギ科とに大別。ウサギ科はオーストラリア・ニュー‐ジーランドなどを除く全世界に分布するが、以前いなかった地域にも移入されて野生化している。日本には北海道にユキウサギ、それ以外の地域にノウサギがいる。また、家畜としてカイウサギを飼育。耳長く、前脚は短く後脚は長い。行動は敏捷・活発で、繁殖力はすこぶる大。肉は食用、毛は筆につくる。おさぎ。 - 保護色 ほごしょく 「隠蔽色」参照。
- 隠蔽色 いんぺいしょく 動物の体の色彩で、周囲の色彩とまぎらわしく、他動物に気づかれにくいもの。被食者の場合は保護色ともいう。ヒョウ・トラの斑紋、カマキリの緑色の類。
- カッコウ 郭公。カッコウ目カッコウ科の鳥。ハトよりやや小形。ほぼ灰褐色で腹には白地にタカに似た細く密な横斑がある。鳴声は「かっこう」と響く。夏、日本に渡来し、モズ・ホオジロ・オオヨシキリ・オナガの巣中に托卵し、これらの鳥を仮親として哺育される。なお、カッコウ科(旧称ホトトギス科)は、世界に約130種。また、古来、和歌などで「ほととぎす」に「郭公」を当てた。閑古鳥。呼子鳥。ふふどり。がっぽうどり。
- ホトトギス 杜鵑・霍公鳥・郭公・時鳥・子規・杜宇・不如帰・沓手鳥・蜀魂。(鳴き声による名か。スは鳥を表す接尾語) カッコウ目カッコウ科の鳥。カッコウに似るが小形。山地の樹林にすみ、自らは巣を作らず、ウグイスなどの巣に産卵し、抱卵・育雛を委ねる。鳴き声は極めて顕著で「てっぺんかけたか」
「ほっちょんかけたか」などと聞こえ、昼夜ともに鳴く。夏鳥。古来、日本の文学、特に和歌に現れ、あやなしどり・くつてどり・うづきどり・しでのたおさ・たまむかえどり・夕影鳥・夜直鳥などの名がある。 - ジヒシンチョウ 慈悲心鳥。(鳴き声が「じひしん」と聞こえるところから) ジュウイチの別称。
- ジュウイチ (
「じゅういちい」と鳴くからいう。俗に「十一」の字を当てる) カッコウ目カッコウ科の鳥。ハトよりやや小さく、小形のタカに似る。背面は暗灰青色、尾羽に褐色の横斑がある。山地の樹林にすみ、オオルリ・コルリなどの巣に托卵する。慈悲心鳥。 - ブッポウソウ 仏法僧 ブッポウソウ目ブッポウソウ科の鳥。カケスよりもやや大きく、頭・風切羽・尾羽の大部分は黒色、その他は美しい青緑色で、嘴・脚は赤い。風切羽の中央に青白色の大斑があり、飛翔時に顕著。本州以南に分布し、山地のスギ・ヒノキなどの大木の高所にすむ。冬は南方へ渡る。霊鳥として名高い。鳴声は、飛ぶときは「ぎゃっ、ぎゃっ」、急降下のときは「げっけけけけ」
。山梨・長野・岐阜・宮崎の各県の生息地では天然記念物。三宝鳥。 - コノハズク 木葉木菟。フクロウの一種。体長約20cmで、日本のフクロウ類では最小。全体淡黄褐色、頭上には耳羽がある。低地および山地の森林にすみ、夜間「ぶっぽうそう」と鳴くので「声の仏法僧」と呼ぶ(ブッポウソウは別種)。九州以北では夏鳥で、冬、南に渡る。本種に似てやや大形のオオコノハズクもあるが、鳴き声は異なる。
- 霊鳥 れいちょう 神聖で不思議な鳥。霊禽。
- フクロウ 梟。フクロウ目フクロウ科の鳥。大きさはカラスぐらい。顔は灰白色、額は褐色。背面・下面共に灰白色の地に褐色の縦斑があり、下面の方が著しく白っぽい。森の繁みや木の洞にすみ、夜出てノネズミなどを捕らえて食う。フクロウ目は世界に約200種、日本には約10種が分布。そのうち、特にミミズクとの対比で耳羽のないものをフクロウと総称するが、分類学上の区別ではない。母喰鳥。
- 鶚 がく みさご?
- 趾 あし あし。あしのゆび。
- 嚢 そのう 鳥類の食道の後端にある袋状部。食物を一時貯え、漸次前胃を経て砂嚢に送る。種子食鳥でよく発達し、昆虫食鳥では小さい。昆虫類・環形動物にも同名で似たものがある。
- ミミズク 木菟・鴟・角鴟。フクロウ目フクロウ科の鳥のうち、頭側に耳のように見える長い羽毛(耳羽)を持つものの総称。ワシミミズク・オオコノハズクなど。ずく。
- トラフズク 虎斑木菟。フクロウ目フクロウ科の鳥。全長40cmほど。ミミズクの一種。全身褐色地で、濃褐色の細長の斑がある。日本では北海道・本州中部以北に分布。主に夜間に活動し、ネズミなどを捕食する。
- ハト 鳩・鴿。ハト目ハト科の鳥の総称。ほとんど全世界に分布し、約300種。全長20〜80cm。嘴は短く厚みがあり、体はずんぐりしている。日本にはカラスバト・キジバト・アオバトなどが分布。また、ヨーロッパ・中東・南アジア原産のカワラバトが家禽化され、愛玩用・観賞用・食用など多くの品種がある。それが野生化し、都市周辺などに多く、ドバトと呼ばれる。平和の象徴とされる。
- カササギ 鵲。(朝鮮語の慶尚南北道方言カンチェギからか) スズメ目カラス科の鳥。カラスよりやや小さい。肩羽と腹面とが白色であるほかは黒色で金属光沢がある。北半球の中北部に広く分布し、日本には17世紀に朝鮮半島から持ち込まれたとされる。佐賀平野を中心に北九州に生息し、天然記念物。村落付近の高木の枝に大きな巣を造る。かちがらす。朝鮮烏。高麗烏。烏鵲。
- ライチョウ 雷鳥。キジ目ライチョウ科の鳥。翼長約20cm。夏羽の背面と咽・胸は黒く、茶色の斑が多い。風切羽・腹面は白く尾羽は大体黒色、眼の上部に朱色の肉冠がある。冬羽は純白で、尾羽の外側と雄の眼先は黒い。脚は趾まで羽毛を被る。日本アルプス地方の高山帯にすむ。氷河時代の生き残り動物の一つ。特別天然記念物。なおライチョウ科は、北半球北部に16種が分布。日本にはライチョウとエゾライチョウの2種が生息。雷鶏。ライノトリ。
- 遅鈍 ちどん 遅くてにぶいこと。気転がきかないこと。
- イワツバメ 岩燕。ツバメの一種。小形で尾羽短く、上面は黒く、下面と腰は白く、趾に羽を生ずる。多く山地の断崖に壺形の巣を造る。山麓の人家の軒にも営巣。ヨーロッパ・アジアに分布。日本には春に飛来。一足鳥。山燕。
- イワヒバリ 岩雲雀・岩。スズメ目イワヒバリ科の鳥。大きさはヒバリぐらい。体は灰褐色で、背には黒褐色の縦斑があり、喉・翼には白色部がある。高山帯の岩上にすみ、ヒバリに似て美声であるが、ヒバリとは科が別。ヨーロッパ・アジアの高山・亜高山帯に分布、日本では本州中部〜北部の高山の岩場にすむ。夏は昆虫、秋冬は種子を食べる。オヤマスズメ。
- イワナ 岩魚。サケ科の硬骨魚。アメマス、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、ゴギの4地方群(亜種)に分けられる。本州以北の河川最上流にすむ陸封魚だが、北の地方にすむアメマスには降海するものも多い。ふつう暗緑色の地に多数の小さな白〜朱色斑点がある。最大全長80cm(ふつう20〜50cm)。渓流釣りの代表的釣魚。美味。ヤマトイワナの紀伊半島産のものはとくにキリクチと呼ばれる。嘉魚。
- ヤマメ 山女 サクラマスの稚魚ないし陸封魚の称。体側に黒色斑紋の並ぶ清楚な魚で、小朱点のないところがアマゴと異なる。西南日本では上流域のみに陸封されるが、東北地方では雌のほとんどが、北海道では雌雄が降海する。陸封魚は全長約20cm。美味。ヤマベ。エノハ。
- ウグイ 石斑魚・。コイ科の硬骨魚。全長約30cm。長い紡錘形で、生殖期には雌雄共に腹部に赤い縦線ができる。淡水または海水にすむ。イダ・アカハラ・アカウオ・ハヤともいう。
- アユ 鮎・香魚・年魚。アユ科の硬骨魚。東アジア、特に日本の名産魚。全長約30cm。稚魚期を海で過ごし、初春川をさかのぼり、急流にすむ。珪藻を食べ、肉に香気がある。寿命は普通1年なので「年魚」の字を当てるが、越年鮎も知られている。あい。
◇参照:
山の科学・山と川
語句索引
- 【あ】
- 赤土 あかつち
- 秋葉神社 あきは じんじゃ → 秋葉講
- 秋葉講 あきはこう
- 油土 あぶらつち
- アリ
- アリ塚 ありづか
- 安山岩 あんざんがん
- 【い】
- 石灰 いしばい
- 印材 いんざい
- 【う】
- 暈式 うんおうしき
- 暈式 うんせんしき
- 雲母 うんも
- 【え】
- 益虫 えきちゅう
- 円頂 えんちょう
- 円頂山 えんちょうざん
- 【お】
- 横圧力 おうあつりょく
- 甌穴 おうけつ
- 横谷 おうこく
- 黄土 おうど → レス
- 鬼御影 おにみかげ
- 御嶽講 おんたけこう
- 【か】
- 海溝 かいこう
- 塊状岩 かいじょうがん
- 海成段丘 かいせい だんきゅう
- 怪石 かいせき
- 外洋 がいよう
- 帰り水 かえりみず
- 角閃石 かくせんせき
- 化合 かごう
- 火口 かこう
- 花崗岩 かこうがん
- 火山 かざん
- 火山彙 かざんい
- 火山岩 かざんがん
- 火山砂 かざんずな/かざんさ
- 火山灰 かざんばい
- 火山礫 かざんれき
- 河成段丘 かせい だんきゅう
- 火成岩 かせいがん
- 化石 かせき
- 河跡湖 かせきこ → 三日月沼
- 河底 かてい
- かなくそ
- 兼平石 かねひらいし
- 河平原 かへいげん
- 釜穴 かまあな
- ガラス glas
- ガラス質 ガラスしつ
- 河流 かりゅう
- 軽石 かるいし → 浮石
- 浮石 かるいし
- カルスト地形 カルスト ちけい → カルスト地貌
- カルスト地貌 カルスト ちぼう
- 川下り かわくだり
- 河床 かわどこ
- カンカン石 かんかんいし
- 岩床 がんしょう
- 岩漿 がんしょう → マグマ
- 岩石 がんせき
- カントラプラスの星雲説 カント ラプラスの せいうんせつ → 星雲説
- 岩脈 がんみゃく
- 【き】
- 奇巌・奇岩 きがん
- 奇景 きけい
- 奇勝 きしょう
- 絹雲母 きぬうんも
- 絹雲母片岩 きぬうんも へんがん
- 丘陵 きゅうりょう
- 凝灰岩 ぎょうかいがん
- 峡谷 きょうこく
- 巨人の釜 きょじんのかま
- 切り割り きりわり
- 金 きん
- 銀 ぎん
- 近生代 きんせいだい
- 金属 きんぞく
- 【く】
- 空気 くうき
- 黒雲母 くろうんも
- 【け】
- 頁岩 けつがん
- 結晶 けっしょう
- 結晶片岩 けっしょう へんがん
- 懸崖 けんがい
- 玄武岩 げんぶがん
- 【こ】
- 鉱業 こうぎょう
- 鉱業家 こうぎょうか
- 黄玉 こうぎょく/おうぎょく
- 高原 こうげん
- 鉱山 こうざん
- 高山 こうざん
- 洪水 こうずい
- 鉱石 こうせき
- 鉱物 こうぶつ
- 鉱脈 こうみゃく
- 紅簾片岩 こうれん へんがん
- 氷石 こおりいし
- 黒曜石 こくようせき
- 腰かけ岩 こしかけいわ
- 湖水 こすい
- 古生代 こせいだい
- ゴロ石 ゴロいし
- 転石 ごろいし
- コンクリート concrete
- 【さ】
- 採掘 さいくつ
- 材木岩 ざいもくいわ
- 砂岩 さがん
- 砂丘 さきゅう
- 砂金 さきん
- 作物 さくもの
- 砂鉄 さてつ
- 砂漠・沙漠 さばく
- サファイア sapphire
- 山彙 さんい
- 酸化 さんか
- 山岳 さんがく
- 三角洲・三角州 さんかくす
- 三角州平原 さんかくす へいげん
- 酸化鉄 さんかてつ
- 山群 さんぐん
- 山系 さんけい
- 酸素 さんそ
- 山脈 さんみゃく
- 山霊 さんれい
- 【し】
- 始原代 しげんだい
- 始生代 しせいだい → 太古代
- 湿地 しっち
- 砂利浜 じゃりはま
- 集塊岩 しゅうかいがん
- 褶曲 しゅうきょく
- 褶曲山地 しゅうきょく さんち → 褶曲山
- 褶曲山脈 しゅうきょく さんみゃく
- 褶曲谷 しゅうきょくこく
- 褶曲山 しゅうきょくざん
- 縦谷 じゅうこく
- 重石 じゅうせき
- 重箱岩 じゅうばこいわ
- 勝地 しょうち
- 鍾乳石 しょうにゅうせき → 鐘乳石
- 鐘乳石 しょうにゅうせき
- 鍾乳洞 しょうにゅうどう
- 滋養分 じようぶん
- 浸食・浸蝕 しんしょく
- 浸食作用 しんしょく さよう
- 浸食谷 しんしょくこく
- 深成岩 しんせいがん
- 新生代 しんせいだい
- 深造岩 しんぞうがん
- 【す】
- 水晶 すいしょう
- 水成岩 すいせいがん
- 錐積層 すいせきそう
- 水選 すいせん
- 水力電気 すいりょく でんき
- 水力発電 すいりょく はつでん → 水力電気
- 錫 すず
- 硯岩 すずりいわ
- 砂浜 すなはま
- 【せ】
- 星雲説 せいうんせつ
- 精製 せいせい
- 石英 せきえい
- 石筍 せきじゅん
- 石炭 せきたん
- 石炭層 せきたんそう
- 石墨片岩 せきぼく へんがん
- 石門 せきもん
- 石灰 せっかい
- 石灰岩 せっかいがん
- 石灰洞 せっかいどう
- 絶壁 ぜっぺき
- 節理 せつり
- セメント cement
- 扇状地 せんじょうち
- 尖塔 せんとう
- 尖塔状 せんとうじょう
- 尖峰 せんぽう
- 【そ】
- 造山運動 ぞうざん うんどう → 造山力
- 造山力 ぞうざんりょく
- 層状岩 そうじょうがん
- 桑滄の変 そうそうのへん
- 滄桑の変 そうそうのへん → 桑滄の変
- 桑田変じて滄海となる そうでん へんじて そうかいとなる
- 【た】
- 太古代 たいこだい
- 堆石 たいせき
- 堆積 たいせき
- 台地 だいち
- 大理石 だいりせき
- 滝 たき
- 滝壷 たきつぼ
- 蛇曲 だきょく
- 蛇行 だこう
- 谷地 たにち/やち
- 段丘 だんきゅう
- タングステン tungsten
- 炭酸ガス たんさん ガス
- 断層 だんそう
- 断層段丘 だんそう だんきゅう
- 断層谷 だんそうこく
- 断層線 だんそうせん
- 【ち】
- 地殻 ちかく
- 地下水 ちかすい
- 地球 ちきゅう
- 地形 ちけい
- 地形図 ちけいず
- 地層 ちそう
- 地貌 ちぼう
- 柱状節理 ちゅうじょう せつり
- 中生代 ちゅうせいだい
- 鳥瞰図 ちょうかんず
- 長石 ちょうせき
- 沈積 ちんせき
- 【つ】
- つりあい岩 つりあいいわ
- 【て】
- 泥土 でいど
- 泥板岩 でいばんがん
- 鉄 てつ
- 鉄平石 てっぺいせき
- デルタ Δ・δ
- 電気石 でんきせき
- 天狗岩 てんぐいわ
- 転石 てんせき
- 天然記念物 てんねん きねんぶつ
- 【と】
- 銅 どう
- 陶器 とうき
- 等高線 とうこうせん
- 陶土 とうど
- 十勝石 とかちいし
- 土壌 どじょう
- 土柱 どちゅう
- 【な】
- 【に】
- 二酸化炭素 にさんか たんそ
- 【ぬ】
- 【ね】
- 粘土 ねばつち
- 粘土 ねんど
- 粘板岩 ねんばんがん
- 【の】
- 【は】
- 瀑布 ばくふ
- 蜂巣岩 はちすいわ?
- パノラマ panorama
- 板状節理 ばんじょう せつり
- 【ひ】
- 燧石 ひうちいし
- 氷河 ひょうが
- 氷河時代 ひょうが じだい
- 氷河期 ひょうがき
- 屏風岩 びょうぶいわ
- 【ふ】
- V字谷 ブイじだに/ブイじこく
- 風化 ふうか
- 風化作用 ふうか さよう → 風化
- 風食・風蝕 ふうしょく
- 富士岩 ふじいわ/ふじがん
- 腐植酸 ふしょくさん
- 噴火口 ふんかこう
- 分水界 ぶんすいかい
- 分水嶺 ぶんすいれい
- 【へ】
- 平原 へいげん
- 平地 へいち
- 餅盤 べいばん → 餅磐
- 餅磐 べいばん
- 平野 へいや
- ペグマタイト pegmatite
- 変質作用 へんしつ さよう
- 変質岩 へんしつがん
- 変成岩 へんせいがん
- 片麻岩 へんまがん
- 【ほ】
- 飽和 ほうわ
- 盆地 ぼんち
- 本御影 ほんみかげ
- 【ま】
- マグマ magma
- まないた岩 まないたいわ
- 万年雪 まんねんゆき
- 【み】
- 御影石 みかげいし
- 三日月湖 みかづきこ → 三日月沼
- 三日月沼 みかづきぬま?
- 三峰講 みつみねこう
- 密林 みつりん
- 峰 みね
- 峰(峯) みね/ホウ
- 嶺 みね/レイ
- ミミズ
- 【む】
- 土竜 むぐらもち
- 【め】
- 【も】
- モグラ → 土竜
- もぐらもち
- 【や】
- 山崩れ やまくずれ
- 山地 やまち/さんち
- 【ゆ】
- 【よ】
- 溶岩・熔岩 ようがん
- 溶岩台地 ようがん だいち
- 【ら】
- ラジウム radium
- 【り】
- 隆起 りゅうき
- 流星説 りゅうせいせつ
- 緑柱石 りょくちゅうせき
- 緑泥片岩 りょくでい へんがん
- 【る】
- ルビー ruby
- 【れ】
- 礫岩 れきがん
- レス loess
- 連山 れんざん
- 連峰 れんぽう
- 【ろ】
- ローム loam
- ロウソク岩 ロウソクいわ
- 【わ】
山の科学・湖と沼
語句索引
- 【あ】
- アイヌ Ainu
- 【い】
- 硫黄 いおう
- 池月 いけずき
- 一夜氷 いちやこおり
- 【う】
- 宇治川の先陣 うじがわの せんじん
- ウレー氏水色標準液 ウレーし すいしょく ひょうじゅんえき
- 【え】
- 塩湖 えんこ
- 【お】
- 御神渡り おみわたり
- 温帯湖 おんたいこ
- 【か】
- 開水面 かいすいめん
- 海跡湖 かいせきこ
- 骸泥 がいでい
- 解氷 かいひょう
- 海棚 かいほう
- 外輪山 がいりんざん
- 火口原湖 かこうげんこ
- 火口湖 かこうこ
- 河床 かしょう
- 夏相 かそう
- 褐色湖 かっしょくこ
- 褐鉄鉱 かってっこう
- カバチェッポ
- カワマス
- 灌漑 かんがい
- 鹹水 かんすい
- 鹹水湖 かんすいこ
- 寒帯湖 かんたいこ
- 寒暖計 かんだんけい
- 旱魃 かんばつ
- 陥没湖 かんぼつこ
- 涵養 かんよう
- 【き】
- 生糸業 きいとぎょう
- 汽船 きせん
- 逆列成層 ぎゃくれつせいそう
- 魚介 ぎょかい
- 【く】
- 【け】
- 珪酸 けいさん → 硅酸
- 硅酸 けいさん
- 珪藻 けいそう
- 硅藻骸泥 けいそう がいでい
- 珪藻土 けいそうど
- 結氷 けっぴょう
- 原始人 げんしじん
- 堅氷 けんぴょう
- 【こ】
- 甲殻類 こうかくるい
- 甲殻類骸泥 こうかくるい がいでい
- 黄色線 こうしょくせん
- 高低表 こうていひょう
- 湖岸線 こがんせん
- 湖沼 こしょう
- 湖沼学 こしょうがく
- 湖底円錐 こてい えんすい
- 湖底扇状地 こてい せんじょうち
- 湖底排水口 こてい はいすいこう
- 湖底平原 こてい へいげん
- 湖畔 こはん
- 湖棚 こほう
- 湖棚斜 こほうしゃ
- 湖盆 こぼん
- 湖盆側壁 こぼん そくへき
- 湖盆底質 こぼん ていしつ
- 【さ】
- 酸化鉄球 さんかてつきゅう
- 三稜 さんりょう
- 三稜洲 さんりょうす
- 【し】
- �状褐鉄鉱 じじょう かってっこう
- 次成鉱物 じせい こうぶつ
- 砂粒 しゃりゅう
- 秋相 しゅうそう
- 受水区域 じゅすい くいき
- 純浄 じゅんじょう
- 春相 しゅんそう
- 蒸留水 じょうりゅうすい
- 塵埃 じんあい
- 人工孵化 じんこう ふか
- 進行波 しんこうは
- 針状氷 しんじょうひょう
- 深水 しんすい
- 深水層 しんすいそう
- 【す】
- 水温躍層 すいおんやくそう → 変水層
- 水色標式 すいしょく ひょうしき
- 水生植物 すいせい しょくぶつ
- 水沢 すいたく
- 水沢地 すいたくち
- 水力発電 すいりょく はつでん
- 【せ】
- 正列成層 せいれつせいそう
- 赤色線 せきしょくせん
- 堰止め湖 せきとめこ
- 石灰 せっかい
- 雪渓 せっけい
- 絶壁 ぜっぺき
- 浅水帯 せんすいたい
- 潜窪 せんわ
- 【そ】
- 【た】
- 沢生植物 たくせい しよくぶつ
- 淡水 たんすい
- 淡水湖 たんすいこ
- 断層 だんそう
- 断層湖 だんそうこ
- 【ち】
- 茶の湯 ちゃのゆ
- 中央火口丘 ちゅうおう かこうきゅう
- 注入河 ちゅうにゅうが
- 注入川 ちゅうにゅうせん
- 沈水植物 ちんすい しょくぶつ
- 【つ】
- 【て】
- 定在波 ていざいは → 定常波
- 底質 ていしつ
- 底質図 ていしつず
- 定常波 ていじょうは
- 泥炭 でいたん
- 泥炭地 でいたんち
- 【と】
- 同温層 どうおんそう
- 橙黄色 とうこうしょく
- 橙黄色線 とうこうしょくせん
- 冬相 とうそう
- 透明度 とうめいど
- 【な】
- 内部定常波 ないぶ ていじょうは
- 【に】
- 二酸化珪素 にさんか けいそ
- 二重氷 にじゅうひょう
- 日中変化 にっちゅう へんか
- 日本人 にほんじん → 大和民族
- 乳氷 にゅうひょう
- 【ぬ】
- 沼 ぬま
- 【ね】
- 熱帯湖 ねったいこ
- 年中変化 ねんじゅう へんか?
- 【の】
- 飲み料 のみりょう
- 【は】
- 排出河 はいしゅつか
- 白色平円板 はくしょく へいえんばん
- 爆裂火口 ばくれつ かこう
- 発動機船 はつどうきせん
- 波浪 はろう
- 【ひ】
- ひびれ
- 氷河 ひょうが
- 氷質 ひょうしつ
- 表水 ひょうすい
- 表水層 ひょうすいそう
- 氷層 ひょうそう
- 氷板 ひょうばん
- 表面定常波 ひょうめん? ていじょうは
- 【ふ】
- 風光 ふうこう
- フォーレル氏水色標準液 フォーレルし すいしょく ひょうじゅんえき → 水色標準液
- 孵化 ふか
- 浮漂 ふひょう
- 浮遊生物 ふゆう せいぶつ
- プランクトン plankton → 浮遊生物
- 噴火口 ふんかこう
- 【へ】
- 変水層 へんすいそう
- 【ほ】
- 【ま】
- 丸木船・独木舟 まるきぶね
- 【み】
- 汀・渚 みぎわ
- 水色標準液 みずいろ/すいしょく ひょうじゅんえき
- 湖 みずうみ
- 【む】
- 【め】
- 【も】
- もめた水 もめたみず?
- 【や】
- 大和民族 やまと みんぞく
- 【ゆ】
- ユッチャ gyttja → 骸泥
- 【よ】
- 溶岩堰止湖 ようがん えんしこ
- 【ら】
- 藍色湖 らんしょくこ
- 藍色線 らんしょくせん
- 藍藻 らんそう
- 藍藻骸泥 らんそう がいでい
- 藍鉄鉱 らんてっこう
- 【り】
- 硫化水素 りゅうか すいそ
- 粒氷 りゅうひょう
- 量水標 りょうすいひょう
- 緑綬褒章 りょくじゅ ほうしょう
- 緑色線 りょくしょくせん
- 【る】
- 【れ】
- 【ろ】
- 漏斗状 ろうとじょう
- 漏斗状坑 ろうとじょうこう
- 【わ】
- 和井内マス わいない マス
山の科学
森林と樹木と動物
語句索引
- 【あ】
- アオギリ 青桐・梧桐
- アオモリトドマツ 青森椴松
- アカグマ 赤熊
- アカマツ 赤松
- 秋の七草 あきのななくさ
- 雀榕 あこう → 赤榕樹
- 赤榕樹 あこう
- アナグマ 穴熊
- アユ 鮎・香魚・年魚
- 行火 あんか
- 行宮 あんぐう
- 【い】
- イチョウ 鴨脚樹・銀杏・公孫樹
- イノシシ 猪
- イワウメ 岩梅
- イワカガミ 岩鏡
- イワギキョウ 岩桔梗
- イワツバメ 岩燕
- イワナ 岩魚
- イワヒバリ 岩雲雀
- イワヤナギ 岩柳
- 陰樹 いんじゅ
- 隠蔽色 いんぺいしょく
- 【う】
- ウグイ 石斑魚
- ウサギ 兎
- 【え】
- エゾオオカミ
- エゾマツ 蝦夷松
- 越後ウサギ えちご ウサギ
- 【お】
- オオカミ 狼
- オオシラビソ 大白桧曾
- オオナラ 大楢
- 御花畑・御花畠 おはなばたけ
- オミナエシ 女郎花
- 温帯林 おんたいりん
- 【か】
- 代闊葉樹 かかつようじゅ
- 鶚 がく
- カササギ 鵲
- 河岸 かし
- カシ 樫・橿
- カシ帯 カシたい
- ガジュマル 榕樹
- ガジュマル帯 ガジュマルたい
- 河水 かすい
- カッコウ 郭公
- 闊葉樹 かつようじゅ
- カツラ 桂
- カナメモチ 要黐
- 鹿の子 かのこ
- 鹿の子斑 かのこ まだら
- カバ 樺
- 花木 かぼく
- カモシカ 氈鹿・羚羊
- カルカヤ 刈萱
- 含水炭素 がんすい たんそ
- 乾生植物 かんせい しょくぶつ
- 寒帯林 かんたいりん
- 干天・旱天 かんてん
- 灌木 かんぼく
- 灌木帯 かんぼくたい
- 涵養 かんよう
- 【き】
- 器官 きかん
- キキョウ 桔梗
- 機状 きじょう
- キツネ 狐
- 擬年輪 ぎねんりん
- キハダ 黄蘗
- 喬木 きょうぼく
- 橋梁 きょうりょう
- キンポウゲ 金鳳花
- 【く】
- クスノキ 樟・楠
- クヌギ 櫟・椚・橡・櫪
- クマ
- クリ 栗
- クロクマ
- クロマツ 黒松
- クロロフィル chlorophyll → 葉緑素
- 【け】
- ケヤキ 欅・槻
- 犬歯 けんし
- 【こ】
- コーヒーの樹 コーヒーのき
- 高山植物 こうざん しょくぶつ
- 高山帯 こうざんたい
- 広葉樹 こうようじゅ → 闊葉樹
- 国有林 こくゆうりん
- 苔植物 こけ しょくぶつ → 苔類/蘚苔植物
- 地衣 こけ/ちい
- 苔類 こけるい
- コナラ 小楢
- コノハズク 木葉木菟
- コマグサ/こまくさ 駒草
- コミツガ → コメツガか
- ゴムの樹 ゴムのき
- コメツガ 米栂
- 【さ】
- 砂丘 さきゅう
- 砂礫 されき
- サワラ 椹
- 【し】
- シイ 椎
- シイノキ
- シカ 鹿
- 湿生植物 しっせい しょくぶつ
- シナノキンバイ 信濃金梅
- ジヒシンチョウ 慈悲心鳥
- シャクナゲ 石南花・石楠花
- ジュウイチ
- 樹幹 じゅかん
- 掌状 しょうじょう
- 常緑 じょうりょく
- 常緑闊葉樹 じょうりょく かつようじゅ
- 常緑針葉樹帯 じょうりょく しんようじゅたい
- 常緑樹 じょうりょくじゅ
- 植生帯 しょくせいたい → 植物帯
- 植物帯 しょくぶつたい
- 植林 しょくりん
- シラカシ 白樫・白橿
- シラカバ 白樺
- 白桧曾 しらびそ
- シラベ 白桧
- 人造絹糸 じんぞう けんし
- ジンチョウゲ 沈丁花
- 針葉樹 しんようじゅ
- 森林帯 しんりんたい
- 【す】
- 垂直的森林帯 すいちょくてき しんりんたい
- 水平的森林帯 すいへいてき しんりんたい
- 水力電気 すいりょく でんき
- 水力発電 すいりょく はつでん → 水力電気
- スギ 杉・椙
- スズカケノキ 篠懸の木
- ススキ 薄・芒
- 【せ】
- 槭樹 せきじゅ/かえで
- 雪渓 せっけい
- 蘚苔植物 せんたい しょくぶつ
- 潜熱 せんねつ
- 【そ】
- 草本 そうほん
- 草本帯 そうほんたい
- 嚢 そのう
- 【た】
- タイワンサワラ 台湾花柏
- タイワンヒノキ → 紅桧
- タカネツメクサ 高嶺爪草
- タコノキ 蛸の木・露兜樹
- タヌキ 狸・貍
- 炭酸ガス たんさん ガス
- 炭酸同化作用 たんさん どうかさよう → 炭素同化作用
- 炭水化物 たんすい かぶつ → 含水炭素
- 炭素同化作用 たんそ どうかさよう
- 暖帯林 だんたいりん
- 【ち】
- チーク teak
- 地衣帯 ちいたい
- 地衣類 ちいるい
- チシマギキョウ 千島桔梗
- 【つ】
- ツキノワグマ 月輪熊 → クマ
- 津波・津浪 つなみ
- 【て】
- 低木帯 ていぼくたい → 灌木帯
- テン 貂・黄鼬
- 澱粉 でんぷん
- 【と】
- 等温線 とうおんせん → 同温線
- 同温線 どうおんせん
- 冬芽 とうが
- トウヒ 唐桧
- トチノキ 橡・栃
- トドマツ 椴松
- トラフズク 虎斑木菟
- 【な】
- ナナカマド 七竈
- 【に】
- ニイタカトドマツ
- ニホンオオカミ 日本狼
- 【ぬ】
- 【ね】
- 熱帯林 ねったいりん
- 年輪 ねんりん
- 【の】
- ノウサギ 野兎
- ノネズミ 野鼠
- 【は】
- ハイマツ 這松
- ハイマツ帯 ハイマツたい
- ハウチワカエデ 羽団扇楓
- ハギ 萩・芽子
- ハクサンイチゲ 白山一花
- ハシバミ 榛
- ハゼ → ハゼノキ
- ハゼノキ 黄櫨・櫨・梔
- 伐木 ばつぼく
- ハト 鳩・鴿
- ハハコグサ 母子草
- ハンノキ 榛の木
- 【ひ】
- ヒグマ 羆 → アカグマ
- ヒノキ 桧・桧木
- ヒバ 桧葉
- ヒルギ 蛭木・紅樹
- ビロウ 蒲葵・檳榔
- 【ふ】
- フクロウ 梟
- フジバカマ 藤袴
- 腐植土 ふしょくど
- 扶桑 ふそう
- 扶桑木 ふそうぼく
- ブッポウソウ 仏法僧
- ブナ 椈・山毛欅
- 帯・山毛欅帯 ぶなたい
- ブナノキ → ブナ
- フランネル flannel
- フランネル草 フランネルそう
- 【へ】
- ベニバナイチゴ 紅花苺
- 紅桧 べにひ
- 【ほ】
- 保安林 ほあんりん
- 防火樹 ぼうかじゅ
- ホオ 朴・厚朴
- ホオノキ 朴の木
- 保護色 ほごしょく
- ホトトギス 杜鵑・霍公鳥・郭公・時鳥・子規・杜宇・不如帰・沓手鳥・蜀魂
- 保養 ほよう
- 【ま】
- マンサク
- 蔓生 まんせい
- 【み】
- ミズキ 水木
- ミズナラ 水楢
- ミミズク 木菟・鴟・角鴟
- ミヤマウスユキソウ 深山薄雪草
- ミヤマオダマキ 深山苧環
- ミヤマキンバイ 深山金梅
- ミヤマキンポウゲ 深山金鳳花
- ミヤマシオガマ 深山塩竈
- ミヤマダイコン ミヤマダイコンソウか 深山大根草
- ミヤマツメクサ 深山爪草
- 【む】
- ムササビ 鼠・鼠
- ムジナ 狢・貉
- 【め】
- 【も】
- モミジ
- 紅葉・黄葉 もみじ
- 【や】
- 椰子 やし
- 椰子科 やしか
- ヤマイヌ 山犬・豺
- 山火事 やまかじ
- ヤマザクラ 山桜
- ヤマネコ 山猫
- ヤマハンノキ 山榛
- ヤマメ 山女
- ヤマモミジ 山紅葉
- 【ゆ】
- 【よ】
- 陽樹 ようじゅ
- 葉緑素 ようりょくそ
- 葉緑粒 ようりょくりゅう
- 【ら】
- ライチョウ 雷鳥
- 落葉闊葉樹 らくよう かつようじゅ
- 落葉針葉樹 らくよう しんようじゅ
- 落葉樹 らくようじゅ
- 【り】
- リス 栗鼠
- 緑色素 りょくしょくそ
- 林間野営 りんかん やえい
- 【る】
- 【れ】
- レーヨン rayon
- 霊鳥 れいちょう
- レンギョウ 連翹
- 【ろ】
- ロウバイ 蝋梅・臘梅
- 【わ】
- ワレモコウ 吾木香・我毛香・吾亦紅
*後記(工作員 日記)
書きかえメモ。
ふくろ → フクロウ
伐《き》る → 切る
コマグサ → コマクサ
石槌山 → 石鎚山
クログマ → クロクマ
も一《ひと》つ → もう一つ
三作品とも小さいながら専門に特化した内容なので、その分野の用語が頻出する。それをひとまとめにすることは作業的にはそのぶんラクになるけれども、利用者・検索者的にはあまりおいしくない。
おなじく、地名索引・人名索引も今回はパス。もともと「山と川」が三分冊、
p.32 外岡秀俊(元朝日新聞編集委員)
・神戸市が、全国の自治体のモデルとなるような都市開発を進め、それが逆に大きな被害を生み出したのではないか。
p.119(成田)
1941(S16)長野地震
1943(S18)鳥取地震
1944(S19)東南海地震
1945(S20)三河地震
1946(S21)南海地震 ……戦後。問題。
1948(S23)福井地震 ……記録あり(北原)
p.56(赤坂憲雄)
柳田国男「潟に関する聯想」
p.139 小川琢治 おがわ たくじ 1870-1941 地質学者。湯川秀樹の父。
p.122 天災・地妖
・
・
・
p.173(北原糸子)
・スラムクリアランス(貧民街一掃)
*次週予告
第五巻 第四五号
日本周囲民族の原始宗教(一)鳥居龍蔵
第五巻 第四五号は、
二〇一三年六月一日(土)発行予定です。
定価:200円
T-Time マガジン 週刊ミルクティー* 第五巻 第四四号
森林と樹木と動物(二)本多静六
発行:二〇一三年五月二五日(土)
編集:しだひろし / PoorBook G3'99
http://www33.atwiki.jp/asterisk99/
出版:*99 出版
〒994-0024 山形県天童市鎌田2丁目
アパートメント山口A−202
販売:DL-MARKET
※ T-Timeは(株)ボイジャーの商標・製品です。
- T-Time マガジン 週刊ミルクティー* *99 出版
- バックナンバー
※ おわびと訂正
長らく、創刊号と第一巻第六号の url 記述が誤っていたことに気がつきませんでした。アクセスを試みてくださったみなさま、申しわけありませんでした。(しょぼーん)/2012.3.2 しだ
- 第一巻
- 創刊号 竹取物語 和田万吉
- 第二号 竹取物語小論 島津久基(210円)
- 第三号 竹取物語の再検討(一)橘 純一(210円)
- 第四号 竹取物語の再検討(二)橘 純一(210円)
「絵合」 『源氏物語』より 紫式部・与謝野晶子(訳) - 第五号
『国文学の新考察』より 島津久基(210円)- 昔物語と歌物語 / 古代・中世の「作り物語」/
- 平安朝文学の弾力 / 散逸物語三つ
- 第六号 特集 コロボックル考 石器時代総論要領 / コロボックル北海道に住みしなるべし 坪井正五郎 マナイタのばけた話 小熊秀雄 親しく見聞したアイヌの生活 / 風に乗って来るコロポックル 宮本百合子
- 第七号 コロボックル風俗考(一〜三)坪井正五郎(210円)
- シペ物語 / カナメの跡 工藤梅次郎
- 第八号 コロボックル風俗考(四〜六)坪井正五郎(210円)
- 第九号 コロボックル風俗考(七〜十)坪井正五郎(210円)
- 第十号 特集 コロボックル考 喜田貞吉
- 日本太古の民族について / 日本民族概論 / 土蜘蛛種族論につきて
- 第十一号 特集 コロボックル考 喜田貞吉
- 東北民族研究序論 / 猪名部と佐伯部 / 吉野の国巣と国樔部
- 第十二号 日高見国の研究 喜田貞吉
- 第十三号 夷俘・俘囚の考 喜田貞吉
- 第十四号 東人考 喜田貞吉
- 第十五号 奥州における御館藤原氏 喜田貞吉
- 第十六号 考古学と古代史 喜田貞吉
- 第十七号 特集 考古学 喜田貞吉
- 遺物・遺蹟と歴史研究 / 日本における史前時代の歴史研究について / 奥羽北部の石器時代文化における古代シナ文化の影響について
- 第十八号 特集 考古学 喜田貞吉
- 日本石器時代の終末期について /「あばた」も「えくぼ」、
「えくぼ」も「あばた」― ―日本石器時代終末期― ― - 第十九号 特集 考古学 喜田貞吉
- 本邦における一種の古代文明 ―
―銅鐸に関する管見― ― / - 銅鐸民族研究の一断片
- 第二〇号 特集 考古学 喜田貞吉
「鐵」の字の古体と古代の文化 / 石上神宮の神宝七枝刀 / - 八坂瓊之曲玉考
- 第二一号 博物館(一)浜田青陵
- 第二二号 博物館(二)浜田青陵
- 第二三号 博物館(三)浜田青陵
- 第二四号 博物館(四)浜田青陵
- 第二五号 博物館(五)浜田青陵
- 第二六号 墨子(一)幸田露伴
- 第二七号 墨子(二)幸田露伴
- 第二八号 墨子(三)幸田露伴
- 第二九号 道教について(一)幸田露伴
- 第三〇号 道教について(二)幸田露伴
- 第三一号 道教について(三)幸田露伴
- 第三二号 光をかかぐる人々(一)徳永 直
- 第三三号 光をかかぐる人々(二)徳永 直
- 第三四号 東洋人の発明 桑原隲蔵
- 第三五号 堤中納言物語(一)池田亀鑑(訳)
- 第三六号 堤中納言物語(二)池田亀鑑(訳)
- 第三七号 堤中納言物語(三)池田亀鑑(訳)
- 第三八号 歌の話(一)折口信夫
- 第三九号 歌の話(二)折口信夫
- 第四〇号 歌の話(三)
・花の話 折口信夫- 第四一号 枕詞と序詞(一)福井久蔵
- 第四二号 枕詞と序詞(二)福井久蔵
- 第四三号 本朝変態葬礼史 / 死体と民俗 中山太郎
- 第四四号 特集 おっぱい接吻
- 乳房の室 / 女の情欲を笑う 小熊秀雄
- 女体 芥川龍之介
- 接吻 / 接吻の後 北原白秋
- 接吻 斎藤茂吉
- 第四五号 幕末志士の歌 森 繁夫
- 第四六号 特集 フィクション・サムライ 愛国歌小観 / 愛国百人一首に関連して / 愛国百人一首評釈 斎藤茂吉
- 第四七号
「侍」字訓義考 / 多賀祢考 安藤正次- 第四八号 幣束から旗さし物へ / ゴロツキの話 折口信夫
- 第四九号 平将門 幸田露伴
- 第五〇号 光をかかぐる人々(三)徳永 直
- 第五一号 光をかかぐる人々(四)徳永 直
- 第五二号
「印刷文化」について 徳永 直- 書籍の風俗 恩地孝四郎
- 第二巻
- 第一号 奇巌城(一)モーリス・ルブラン
- 第二号 奇巌城(二)モーリス・ルブラン
- 第三号 美し姫と怪獣 / 長ぐつをはいた猫 楠山正雄(訳)
- 第四号 毒と迷信 / 若水の話 / 麻薬・自殺・宗教 小酒井不木 / 折口信夫 / 坂口安吾
- 第五号 空襲警報 / 水の女 / 支流 海野十三 / 折口信夫 / 斎藤茂吉
- 第六号 新羅人の武士的精神について 池内 宏
- 第七号 新羅の花郎について 池内 宏
- 第八号 震災日誌 / 震災後記 喜田貞吉
- 第九号 セロ弾きのゴーシュ / なめとこ山の熊 宮沢賢治
- 第一〇号 風の又三郎 宮沢賢治
- 第一一号 能久親王事跡(一)森 林太郎
- 第一二号 能久親王事跡(二)森 林太郎
- 第一三号 能久親王事跡(三)森 林太郎
- 第一四号 能久親王事跡(四)森 林太郎
- 第一五号 能久親王事跡(五)森 林太郎
- 第一六号 能久親王事跡(六)森 林太郎
- 第一七号 赤毛連盟 コナン・ドイル
- 第一八号 ボヘミアの醜聞 コナン・ドイル
- 第一九号 グロリア・スコット号 コナン・ドイル
- 第二〇号 暗号舞踏人の謎 コナン・ドイル
- 第二一号 蝦夷とコロボックルとの異同を論ず 喜田貞吉
- 第二二号 コロポックル説の誤謬を論ず 上・下 河野常吉
- 第二三号 慶長年間の朝日連峰通路について 佐藤栄太
- 第二四号 まれびとの歴史 /「とこよ」と「まれびと」と 折口信夫
- 第二五号 払田柵跡について二、三の考察 / 山形県本楯発見の柵跡について 喜田貞吉
- 第二六号 日本天変地異記 田中貢太郎
- 第二七号 種山ヶ原 / イギリス海岸 宮沢賢治
- 第二八号 翁の発生 / 鬼の話 折口信夫
- 第二九号 生物の歴史(一)石川千代松
- 第三〇号 生物の歴史(二)石川千代松
- 第三一号 生物の歴史(三)石川千代松
- 第三二号 生物の歴史(四)石川千代松
- 第三三号 特集 ひなまつり
- 雛 芥川龍之介 / 雛がたり 泉鏡花 / ひなまつりの話 折口信夫
- 第三四号 特集 ひなまつり
- 人形の話 / 偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道 折口信夫
- 第三五号 右大臣実朝(一)太宰 治
- 第三六号 右大臣実朝(二)太宰 治
- 第三七号 右大臣実朝(三)太宰 治
- 第三八号 清河八郎(一)大川周明
- 第三九号 清河八郎(二)大川周明
- 第四〇号 清河八郎(三)大川周明
- 第四一号 清河八郎(四)大川周明
- 第四二号 清河八郎(五)大川周明
- 第四三号 清河八郎(六)大川周明
- 第四四号 道鏡皇胤論について 喜田貞吉
- 第四五号 火葬と大蔵 / 人身御供と人柱 喜田貞吉
- 第四六号 手長と足長 / くぐつ名義考 喜田貞吉
- 第四七号
「日本民族」とは何ぞや / 本州における蝦夷の末路 喜田貞吉- 第四八号 若草物語(一)L.M. オルコット
- 第四九号 若草物語(二)L.M. オルコット
- 第五〇号 若草物語(三)L.M. オルコット
- 第五一号 若草物語(四)L.M. オルコット
- 第五二号 若草物語(五)L.M. オルコット
- 第五三号 二人の女歌人 / 東北の家 片山広子
- 第三巻
- 第一号 星と空の話(一)山本一清
- 第二号 星と空の話(二)山本一清
- 第三号 星と空の話(三)山本一清
- 第四号 獅子舞雑考 / 穀神としての牛に関する民俗 中山太郎
- 第五号 鹿踊りのはじまり 宮沢賢治 / 奥羽地方のシシ踊りと鹿供養 喜田貞吉
- 第六号 魏志倭人伝 / 後漢書倭伝 / 宋書倭国伝 / 隋書倭国伝
- 第七号 卑弥呼考(一)内藤湖南
- 第八号 卑弥呼考(二)内藤湖南
- 第九号 卑弥呼考(三)内藤湖南
- 第一〇号 最古日本の女性生活の根底 / 稲むらの陰にて 折口信夫
- 第一一号 瀬戸内海の潮と潮流(他三編)寺田寅彦
- 瀬戸内海の潮と潮流 / コーヒー哲学序説 /
- 神話と地球物理学 / ウジの効用
- 第一二号 日本人の自然観 / 天文と俳句 寺田寅彦
- 第一三号 倭女王卑弥呼考(一)白鳥庫吉
- 第一四号 倭女王卑弥呼考(二)白鳥庫吉
- 第一五号 倭奴国および邪馬台国に関する誤解 他 喜田貞吉
- 倭奴国と倭面土国および倭国とについて稲葉君の反問に答う /
- 倭奴国および邪馬台国に関する誤解
- 第一六号 初雪 モーパッサン 秋田 滋(訳)
- 第一七号 高山の雪 小島烏水
- 第一八号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(一)徳永 直
- 第一九号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(二)徳永 直
- 第二〇号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(三)徳永 直
- 第二一号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(四)徳永 直
- 第二二号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(五)徳永 直
- 第二三号 銀河鉄道の夜(一)宮沢賢治
- 第二四号 銀河鉄道の夜(二)宮沢賢治
- 第二五号 ドングリと山猫 / 雪渡り 宮沢賢治
- 第二六号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(六)徳永 直
- 第二七号 特集 黒川能・春日若宮御祭 折口信夫
- 黒川能・観点の置き所 / 村で見た黒川能
- 能舞台の解説 / 春日若宮御祭の研究
- 第二八号 面とペルソナ / 人物埴輪の眼 他 和辻哲郎
- 面とペルソナ / 文楽座の人形芝居
- 能面の様式 / 人物埴輪の眼
- 第二九号 火山の話 今村明恒
- 第三〇号 現代語訳『古事記』
(一)上巻(前編) 武田祐吉(訳)- 第三一号 現代語訳『古事記』
(二)上巻(後編) 武田祐吉(訳)- 第三二号 現代語訳『古事記』
(三)中巻(前編) 武田祐吉(訳)- 第三三号 現代語訳『古事記』
(四)中巻(後編) 武田祐吉(訳)- 第三四号 山椒大夫 森 鴎外
- 第三五号 地震の話(一)今村明恒
- 第三六号 地震の話(二)今村明恒
- 第三七号 津波と人間 / 天災と国防 / 災難雑考 寺田寅彦
- 第三八号 春雪の出羽路の三日 喜田貞吉
- 第三九号 キュリー夫人 / はるかな道(他)宮本百合子
- 第四〇号 大正十二年九月一日よりの東京・横浜間 大震火災についての記録 / 私の覚え書 宮本百合子
- 第四一号 グスコーブドリの伝記 宮沢賢治
- 第四二号 ラジウムの雁 / シグナルとシグナレス(他)宮沢賢治
- 第四三号 智恵子抄(一)高村光太郎
- 第四四号 智恵子抄(二)高村光太郎
- 第四五号 ヴェスヴィオ山 / 日本大地震(他)斎藤茂吉
- 第四六号 上代肉食考 / 青屋考 喜田貞吉
- 第四七号 地震雑感 / 静岡地震被害見学記(他)寺田寅彦
- 第四八号 自然現象の予報 / 火山の名について 寺田寅彦
- 第四九号 地震の国(一)今村明恒
- 第五〇号 地震の国(二)今村明恒
- 第五一号 現代語訳『古事記』
(五)下巻(前編) 武田祐吉(訳)- 第五二号 現代語訳『古事記』
(六)下巻(後編) 武田祐吉(訳)
- 第四巻
- 第一号 日本昔話集 沖縄編(一)伊波普猷・前川千帆(絵)
- 第二号 日本昔話集 沖縄編(二)伊波普猷
- 第三号 アインシュタイン(一)寺田寅彦
- 物質とエネルギー / 科学上における権威の価値と弊害 /
- アインシュタインの教育観
- 第四号 アインシュタイン(二)寺田寅彦
- アインシュタイン / 相対性原理側面観
- 第五号 作家のみた科学者の文学的活動 / 科学の常識のため 宮本百合子
- 第六号 地震の国(三)今村明恒
- 第七号 地震の国(四)今村明恒
- 第八号 地震の国(五)今村明恒
- 第九号 地震の国(六)今村明恒
- 第一〇号 土神と狐 / フランドン農学校の豚 宮沢賢治
- 第一一号 地震学の角度から見た城輪柵趾 今村明恒
- 第一二号 庄内と日高見(一)喜田貞吉
- 第一三号 庄内と日高見(二)喜田貞吉
- 第一四号 庄内と日高見(三)喜田貞吉
- 第一五号 私は海をだきしめてゐたい / 安吾巷談・ストリップ罵倒 坂口安吾
- 第一六号 三筋町界隈 / 孫 斎藤茂吉
- 第一七号 原子力の管理(他)仁科芳雄
- 原子力の管理 / 日本再建と科学 / 国民の人格向上と科学技術 /
- ユネスコと科学
- 第一八号 J・J・トムソン伝(他)長岡半太郎
- J・J・トムソン伝 / アインシュタイン博士のこと
- 第一九号 原子核探求の思い出(他)長岡半太郎
- 総合研究の必要 / 基礎研究とその応用 / 原子核探求の思い出
- 第二〇号 蒲生氏郷(一)幸田露伴
- 第二一号 蒲生氏郷(二)幸田露伴
- 第二二号 蒲生氏郷(三)幸田露伴
- 第二三号 科学の不思議(一)アンリ・ファーブル
- 第二四号 科学の不思議(二)アンリ・ファーブル
- 第二五号 ラザフォード卿を憶う(他)長岡半太郎
- ラザフォード卿を憶う / ノーベル小伝とノーベル賞 / 湯川博士の受賞を祝す
- 第二六号 追遠記 / わたしの子ども時分 伊波普猷
- 第二七号 ユタの歴史的研究 伊波普猷
- 第二八号 科学の不思議(三)アンリ・ファーブル
- 第二九号 南島の黥 / 琉球女人の被服 伊波普猷
- 第三〇号
『古事記』解説 / 上代人の民族信仰 武田祐吉・宇野円空 - 第三一号 科学の不思議(四)アンリ・ファーブル
- 第三二号 科学の不思議(五)アンリ・ファーブル
- 第三三号 厄年と etc. / 断水の日 / 塵埃と光 寺田寅彦
- 第三四号 石油ランプ / 流言蜚語 / 時事雑感 寺田寅彦
- 第三五号 火事教育 / 函館の大火について 寺田寅彦
- 第三六号 台風雑俎 / 震災日記より 寺田寅彦
- 第三七号 火事とポチ / 水害雑録 有島武郎・伊藤左千夫
- 第三八号 特集・安達が原の黒塚 楠山正雄・喜田貞吉・中山太郎
- 第三九号 大地震調査日記(一)今村明恒
- 第四〇号 大地震調査日記(二)今村明恒
- 第四一号 大地震調査日記(続)今村明恒
- 第四二号 科学の不思議(六)アンリ・ファーブル
- 第四三号 科学の不思議(七)アンリ・ファーブル
- 第四四号 震災の記 / 指輪一つ 岡本綺堂
- 第四五号 仙台五色筆 / ランス紀行 岡本綺堂
- 第四六号 東洋歴史物語(一)藤田豊八
- 第四七号 東洋歴史物語(二)藤田豊八
- 第四八号 東洋歴史物語(三)藤田豊八
- 第四九号 東洋歴史物語(四)藤田豊八
- 第五〇号 東洋歴史物語(五)藤田豊八
- 第五一号 科学の不思議(八)アンリ・ファーブル
- 第五二号 科学の不思議(九)アンリ・ファーブル
- 第五巻
- 第一号 校註『古事記』
(一) 武田祐吉- 第二号 校註『古事記』
(二) 武田祐吉- 第三号 校註『古事記』
(三) 武田祐吉- 第四号 兜 / 島原の夢 / 昔の小学生より / 三崎町の原 岡本綺堂
- 第五号 新旧東京雑題 / 人形の趣味(他)岡本綺堂
- 第六号 大震火災記 鈴木三重吉
- 第七号 校註『古事記』
(四) 武田祐吉- 第八号 校註『古事記』
(五) 武田祐吉- 第九号 校註『古事記』
(六) 武田祐吉- 第一〇号 校註『古事記』
(七) 武田祐吉- 第一一号 大正十二年九月一日の大震に際して(他)芥川龍之介
- オウム―
―大震覚え書きの一つ― ― - 第一二号 日本歴史物語〈上〉
(一) 喜田貞吉- 第一三号 日本歴史物語〈上〉
(二) 喜田貞吉- 第一四号 日本歴史物語〈上〉
(三) 喜田貞吉- 第一五号 日本歴史物語〈上〉
(四) 喜田貞吉- 第一六号 校註『古事記』
(八) 武田祐吉- 第一七号 校註『古事記』
(九) 武田祐吉- 第一八号 校註『古事記』
(一〇) 武田祐吉- 第一九号 校註『古事記』
(一一) 武田祐吉- 語句索引 / 歌謡各句索引
- 第二〇号 日本歴史物語〈上〉
(五) 喜田貞吉- 第二一号 日本歴史物語〈上〉
(六) 喜田貞吉- 第二二号 日本歴史物語〈上〉索引 喜田貞吉
- 語句索引 / 人名索引 / 地名一覧
- 第二三号 クリスマスの贈り物/街の子/少年・春 竹久夢二
- 第二四号 風立ちぬ(一)堀 辰雄
- 第二五号 風立ちぬ(二)堀 辰雄
- 第二六号 風立ちぬ(三)堀 辰雄
- 第二七号 山の科学・山と川(一)今井半次郎
- 第二八号 山の科学・山と川(二)今井半次郎
- 第二九号 山の科学・山と川(三)今井半次郎
- 第三〇号 菜穂子(一)堀 辰雄
- 第三一号 菜穂子(二)堀 辰雄
- 第三二号 菜穂子(三)堀 辰雄
- 第三三号 菜穂子(四)堀 辰雄
- 第三四号 菜穂子(五)堀 辰雄
- 第三五号 山の科学・湖と沼(一)田中阿歌麿
- 第三六号 山の科学・湖と沼(二)田中阿歌麿
- 第三七号 恐怖について / 寺田先生と僕(他)海野十三
- 第五巻 第三八号 電気物語(一)石原 純
- 緒言
- 一、電気および磁気に関する古代の知識
- 二、電気学および磁気学研究の曙光
- 三、電気に関する最初の仮説
- 四、電気の重要な基本現象
- 五、電池の発明
- 今日の世の中は「電気の世界」であるといってもよいほどに、われわれは日常の生活で電気を取りあつかい、始終これに接触するようになっている。誰でも電灯のスイッチをひねらないものはないだろうし、電話器を手に取らないものもまれである。家の中や往来でラジオの発声を聞くのも普通であるし、電車の走ることなどはもう、どんな子どもでも不思議がらない。大きなビルディングへ行くと、どこでもエレベーターがわれわれを運んでくれるし、電熱を利用した暖炉や煮沸器などもだんだんおこなわれてくる。電気はまったくわれわれ人間にとって便利な必需品になってしまった。だが、電気がどうしてこんな作用を持つのであろうか、電気とはそもそも何であるか、また、どうしてこれらの応用が発明されるようになったか、そういう疑問に対して一般の人々はまだまだそれほど明瞭には答えることができないであろう。わたしはここで、電気の性質についてできるだけわかりやすく物語ってみたいと思う。電気のいっさいの取りあつかいを学者や技術者だけに任せきりにした時代はすでに過ぎ去っているので、われわれの家庭の中にまで電気器械が入りこんでくるようになると、誰でもこれに対するひととおりの知識をそなえて、少しぐらいの故障は自分でなおしたり、漏電などの災害に対する予防にも注意することが必要になるのである。また、すでに電気について学んだ人々にしても、その知識をいっそう正確にして自然の不思議な本質についてじゅうぶんの理解を得るようにすることは、はなはだ望ましいしだいである。この物語がこれらの意味でなんらかの役に立てばさいわいであるとわたしは思っている。
( 「緒言」より)
- 第五巻 第三九号 電気物語(二)石原 純
- 六、電流の法則
- 七、電流の化学作用
- 八、電流による熱と光、熱電流
- 九、電流の磁気作用(一)
- 一〇、電流の磁気作用(二)
- 電気分解の現象は、最初ドイツのグロートゥス(一八〇五年)によって、ちょうど磁石の極が鉄に力をおよぼすと同様に、分解せられる各成分が両極から引力および斥力を受けるためであると解せられ、また、イギリスのハンフリー・デヴィーによって同様の解釈があたえられたが、成分がなにゆえに電気力に働かれるかについてじゅうぶん明らかでなかった。ところが一八三三年にいたってファラデーがはじめて、溶液内では電解質の分子成分が最初から解離して存在しており、すなわち、おのおの陽および陰電気を有する二種のイオンを形づくっていることを仮定し、これらが電流の通過にともなう電位差のためにそれぞれ陰極および陽極に運ばれるのであると説明してから、今日までこのイオン解離説が信ぜられている。
(略) - 電気分解は種々の実用に応用せられる。硫酸銅・硝酸銀・塩化金などの溶液を分解すると、それぞれ銅・銀・金などの金属が陰極に集まるから、陰極導体の表面はこれらの金属でメッキせられる。このばあいに陽極としてはメッキする金属の板をもちいて溶液から費消せられる金属をおぎなうようにする。また電鋳術〔電気鋳造〕ではロウや石膏で木板または彫刻などの型を取り、その表面に石墨を塗って導体としたものを陰極とし、電気メッキと同様にしてその表面に銅を厚く付着させ、電気銅版や銅像などをつくる。さらに電気冶金としては、金属化合物の溶液から電気分解によって金属を陰極に析出させ、これを精製する目的にもちいられ、またこの方法で種々の物質の純粋結晶をつくることもできる。
( 「七、電流の化学作用」より)
- 第五巻 第四〇号 電気物語(三)石原 純
- 一一、磁気および電気の場、地球磁気
- 一二、媒質論の発展
- 一三、感応電流
- 一四、電流の自己感応および交流
- 一五、放電
- 一六、電気振動、電波
- 一七、真空放電、陰極線
- 一八、陽放射線
- ライデン瓶の放電やそのほかの火花放電を肉眼で見ると、一瞬時のあいだしか続かないで、その短い時間に電気がひと飛びに中和してしまうように思われるけれども、これを非常に早く回転する回転鏡に映してみると、両極のあいだに多くの往復振動をなして漸次に減衰するものであることがわかる。
- この事実は、一八四二年にアメリカのジョセフ・ヘンリーがはじめて鋼鉄針の不規則な磁化によってあきらかにしたのであり、その後、一八五三年イギリスのケルビン卿〔ウィリアム・トムソン〕によって理論的に研究せられ、一八五八年ドイツのフェツ・ダーセンによって回転鏡による実験が工夫せられたのであった。これはちょうど、振子の球を鉛直からはずして離すばあいに直接に静止の位置に達することなく、かえって数回の往復振動をくり返して漸次に止まるのとまったく同様の現象であり、振子の球と等しく電気の運動に対しても一種の惰性の存在するためであることが確かめられる。電流の自己感応もまた、かような惰性のためにおこることはすでに述べたところであるが、交流を断絶したさいに電流が同様の減衰振動をなして後に〇(ゼロ)に達することも実験的に示される。
( 「一六、電気振動、電波」より)
- 第五巻 第四一号 電気物語(四)石原 純
- 一九、X線および放射能
- 二〇、光電気効果、リチャードソン効果
- 二一、電気素量、電子の性質
- 二二、物質の電子論およびその発展
- 二三、電子の波動性
- 二四、宇宙線
- 一九〇二年に、ラザフォードおよびソッディーはこれらの事実にもとづいて、放射性物質の変脱理論を提出し、物質元素に関する従来の化学上の見解に対してまったく新しい変革をあたえた。すなわち放射性物質の原子は、放射線を放出するとともに異なった原子に崩壊変脱してゆくものであるというのである。この理論は実際に、かような変脱によって生成せられてゆく多くの物質が実験的に確定せられ、その原子量や化学的性質や光のスペクトルなどがあきらかにせられるにしたがって漸次、動かすことのできないものとなった。今日われわれは変脱系列として、ウラニウム・ラジウム系列、トリウム系列、アクチニウム系列の三つを知り、それらの中にそれぞれ十数個の元素を見い出すにいたった。そして変脱の最後において、これらの系列のいずれもが鉛を生ずることは一つの注目すべき事実である。
( 「一九、X線および放射能」より)
- 第五巻 第四二号 電気物語(五)総索引 石原 純
- 語句索引 / 人名索引 / 地名一覧
- 第五巻 第四三号 森林と樹木と動物(一)本多静六
- (一)森林の効用
- (二)山を愛せよ
- 樹木の話
- (一)伝説の巨木
- (二)大きさによる樹木の区別
- (三)葉の形による樹木の区別
- (四)春のおとずれ
- (五)新緑
- (六)夏の景色
- (七)秋の紅葉
- (八)冬の森
- (九)老樹・名木の話
- また森林が海岸にあれば、天災中の、おそろしい「津波」の害も少なくなります。かの明治二十九年(一八九六)の三陸地方の津波の被害区域は長さ一五〇マイル〔およそ二四〇キロメートル〕にわたり、死者二万二〇〇〇人、重傷者四四〇〇人、家や船の流されたもの、農地の損失などで損害総額は数千万円にのぼりました。こんな津波などは、とうてい人間の力で防ぎ止めることはできませんが、しかし、もし海岸に沿うて帯のように森林があれば、非常な速力でおし寄せてくる潮水のいきおいをそぎ、したがって惨害も少なくなる道理です。
( 「(一)森林の効用」より) - 海岸には、枝ぶりのうつくしいクロマツがつらなり生えたりしています。同じマツでもアカマツは山に適していますが、クロマツは潮風にもっとも強い木です。その林があるので、ただに景色がいいばかりでなく、前にもお話したように津波の害を防ぐこともできます。また海のつよい風は浜辺の砂を吹き飛ばして砂丘をつくったり、その砂丘の砂をまた方々へ吹き運んで、だいじな田や畑や、ときによると人家までもうずめてしまうことがあります。海岸のクロマツの林は、そういう砂の飛来を防ぎとめる役目をもするのです。
( 「(六)夏の景色」より)
※ 定価二〇〇円。価格は税込みです。
※ タイトルをクリックすると、月末週無料号(赤で号数表示) はダウンロードを開始、有料号および1MB以上の無料号はダウンロードサイトへジャンプします。(更新の都合上、新刊リンク URL が無効のばあいがあります。ご了承ください)