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M-Tea* vol.8 no.6 処女の書(六)総索引 杉田直樹

2015.8.29 第八巻 第六号

処女の書(六)総索引
杉田直樹

 美の標準
 均整美
 爽快美
 理性美に真愛美
 季節と婦人
 春と夏の婦人
 秋と冬の婦人
 更年期
 いわゆる老婆心
 老年期
 離婚
 夫婦の倦怠期
 夫婦間の不和の因
 独身婦人の精神病
 老嬢の心理
 同性愛の感傷性
 レズビアンの愛
 結び

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月末最終号:無料 p.134 / *99 出版
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(c) Copyright is public domain in Japan, 2015.

一億総活躍、国民皆兵、国家総動員! あべのままにわがままに 僕は君だけを傷つけない*

 一般に恋愛結婚におきましては、当初から愛の関係のみに重きがおかれていますから、それ以外のことの努力が乏しく、したがってまもなく夫婦間の倦怠が生じてくるのをどうしてもまぬかれません。とにかくに、夫婦関係はそのまま放任しておいても永久に同じ熱心さで続けられていくというはずのものではありません。結婚後五年あるいは十年というところが最も苦しい夫婦生活の倦怠期だといわれています。
 従来の家族制度の生活では、新嫁に対しまして、夫の性格や家業などにその心持ちを適合させるように努力を強いる風習になっていましたのですから、はじめの五年間ぐらいはむしろ苦労の中にあわただしく過ぎてしまうのでありますが、それからのち子どもでもできますと、だんだん家庭の妙味がわいてまいります。しかしこういうことのない場合、自然のままに放任しておいてはどうしても倦怠におちいるのをまぬかれません。さいわいにして、たいていは子どもが家庭に新しい活気と明るさとを添えることになりますので、辛くも倦怠による家庭の悲劇をまぬかれて行けるのであります。子どもの一人もないさみしい家庭で、しかも夫婦間に努力と忍耐とが欠けていましたならば、かならずやこの倦怠期に際して離婚か、あるいは離婚とまではいかなくとも、なにか悲劇的な現象のおこるのをまぬかれないのがむしろ自然でありましょう。(「夫婦の倦怠期」より)

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(朗読:RealMedia 形式 xxxKB、x:xx)
※ お休みしまーす。


杉田直樹 すぎた なおき
1887-1949(明治20.9.1-昭和24.8.29)
精神医学者、医学博士。東京芝に生る。大正元年(1912)東京帝大医科大学卒業。翌2年文部省留学生としてドイツ(ミュンヘン大学)、オランダ、イギリスなどにおいて医学研究を続け、更に同4年アメリカ(ウィスター研究所)にて精神医学を研究、7年帰国、東大医学部講師となった。同10年医学博士の学位を受け、東大助教授、松沢病院副院長をへて、昭和6年(1931)名古屋大学医学部教授(精神医学講座担当)に転じた。『誰か狂へる』『低能児不良児の医学的考察』『異常児童の病理』『大脳皮質の比較研究』『天才児の教育』『最新精神病学』(下田光造と共著)、『治療教育学』『社会病理学』などの著がある。在職中没。

◇参照:『日本人名大事典・現代』(平凡社)。

底本

底本:『處女の書』日本學藝社
   1948(昭和23)年11月15日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/list_inp1853_1.html

NDC 分類:367(社会 / 家族問題.男性・女性問題.老人問題)
http://yozora.kazumi386.org/3/6/ndc367.html

NDC 分類:495(医学 / 婦人科学.産科学)
http://yozora.kazumi386.org/4/9/ndc495.html

NDL 近代デジタルライブラリー収録
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1710349

難字、求めよ

理性美 [りせいび]
真愛美 [しんあいび]
自然天真の美 [しぜん てんしんのび]
燎爛 りょうらん? 燦爛 さんらん?
生殖時期 [せいしょく じき] → 参照:生殖期
起水期 [きすいき]
排卵機能 [はいらん きのう]
経尽期 [けいじんき]
初老期 [しょろうき]
月経閉止 [げっけい へいし] → 参照:月経閉止期、閉経
苦労症 苦労性か?
初老期憂鬱症 [しょろうき ゆううつしょう]
慢性の精神病 [まんせいの せいしんびょう]
卵巣の製剤 [らんそうの せいざい]
情愛生活 [じょうあい せいかつ]
鬼婆根性 [おにばば こんじょう]
睾丸の内分泌 [こうがんの ないぶんぴつ]
エキス剤 [エキスざい] エキスに同じか。
子なきがゆえに去る [こなきがゆえにさる]
性的不和 [せいてき ふわ] → 参照:性的指向
禁断の生活 [きんだんの せいかつ]
強迫観念症 [きょうはく かんねんしょう]
苦悶症 [くもんしょう]
知覚症 [ちかくしょう] 知覚障害に同じか。
老嬢心理 [ろうじょう しんり]
思春前期 [ししゅん ぜんき]
精神変質的の病的素質 [せいしん へんしつてきの びょうてき そしつ]
精神分析療法 [せいしん ぶんせき りょうほう]
特殊精神療法 [とくしゅ せいしん りょうほう]
婦人社会問題 [ふじん しゃかい もんだい] → 参照:婦人問題

むしとりホイホイ

時期にに → 時期に 【に、重複か】
近ずき → 近づき 【づ?】
近ずく → 近づく 【づ?】2か所
名ずくべき → 名づくべき 【づ?】
名ずけて → 名づけて 【づ?】

以上5件。底本は左辺のとおり。

スリーパーズ日記*

書き換えメモ。
コンドム → コンドーム
ヒステリイ → ヒステリー
「ホルモン」 → ホルモン
「ビロード」 → ビロード
「マソキズム」 → マゾヒズム
「サヂズム」 → サディズム
(第一) → 「第一」
(第二) → 「第二」
(第三) → 「第三」
(第四) → 「第四」
「ヒステリー」 → ヒステリー
近ず → 近づ
レスビア → レズビアン
名ずけ → 名づけ
「エキス」 → エキス
「スポーツ」 → スポーツ

大量の難字が発生。適切な医学事典、心理学事典を見つけることができれば確認できそうだけれども、タイムオーバーで今回はここまで。

前回のつづき。

疑問その一:動物の雌雄はもともとメスに近い形態で発生し、胚子が成長するにしたがって一方はオス化し、もう一方はさらにメス化を強くする。そんなふうに教わったと記憶していたのだけれども、今回の『Newton』の特集では、その部分にふれてなかった。

ためしに Wikipedia の「性別」の項を見てみると、「人間の性別分化」のところに「胎児の状態では、遺伝的性別に関係なくその外見は男性の外性器が未発達である事から女性のそれに近い。これをもって、女性こそ人間の本質であると唱える説がある(一時は女性の地位向上の理由とされた)が、科学的根拠に欠ける。なぜなら、男性の精巣・女性の卵巣などの生殖器官はもともと同じ細胞群から分化した相同器官であり、胎児の一段階においてはこれらの細胞群が未分化状態であるため、一見すると男児も女児と同じように見えるということにすぎないからである。」とあって、先の説を否定している。

疑問その二:恋愛心理が感情的・情動的(エモーショナル)優先である理由は?

合理的に考えると、甘い恋愛の先には妊娠・出産や子どもの養育といったリスキーな事態が予期される。恋愛心理がエモーショナルなのは、そういった先々の冷静な損得勘定から予期されるネガティブな条件を一時的に隠す(=意識上にのぼらせない)効果があるため。今春Nスペ『生命大進化』の新垣結衣ちゃんも、松尾堂での中野ノブ子ちゃんも、たしかそういってたと思う。杉田直樹『処女の書』も同じく。

『Newton』では、そこまでつっこんでいなかった。脳科学や心理学の特集はしばしば組まれてきたけれども、人間心理の合理性・非合理性にしぼった特集はまだ見てなかったような気がする。



2015.8.29 公開予定
2015.10.16 公開
しだひろし/PoorBook G3'99
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最終更新:2015年10月16日 21:28