M-Tea* vol.7 no.36 本の未来(一)富田倫生

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M-Tea* vol.7 no.36 本の未来(一)富田倫生

2015.3.28 第七巻 第三六号

本の未来(一)
富田倫生

 まえがき
 第一章 面白うて、やがて悲しき本の世界
  読みたい本が読めない事情
  書き手が受け取る報酬
  本にならない大切な仕事
  書きたい本
  ギターとコンピューター
  断裁された初めての本
  書くことの自分史
  草の根のメディアとしての謄写版
  ルーツとなったエジソンのミメオグラフ



月末最終号:無料  p.146 / *99 出版
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ PDF 形式。Mac OS X 10.4・Acorbat Reader 5.0、Windows 7・Adobe Reader X および SONY Reader(PRS-T2)にて確認済み。
※ この作品は青空文庫にて公開中です。
※ この作品は、クリエイティブ・コモンズ「表示 2.1 日本」でライセンスされています。利用条件は、http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ を参照してください。

PDF マガジン 週刊ミルクティー*

 新しい本の話をしよう。
 未来の本の夢を見よう。
 ずいぶん長い間、私たちは本の未来について語らないできた。ヨハネス・グーテンベルクが印刷の技術をまとめたのが、十五世紀の半ば。だからもう、新しい本を語るのをやめて、五〇〇年以上にもなる。
 あのころ天の中心だった地球は、太陽系の第三惑星になり果てた。光の波動を伝えていたエーテルも、今はきれいさっぱり消え去った。それほどの長い時が過ぎてなお、本は変わらなかった。
 時間をかけて練り上げた考えや物語をおさめる、読みやすくて扱いやすい最良の器は、紙を束ねて作った冊子であり続けた。
 けれど今こそ、本の未来について語るべき時だ。

 私たちは、たいていの人が自分のコンピューターを持って、そのすべてがネットワークされる新しい世界に向かいつつある。国の境や距離の重みが薄れ、望むなら、地球の上の誰とでも大脳皮質を直結できるようになるだろう。
 誰も経験したことのない、わくわくするような奇妙な世界が待っている。
 人々の考えや思いや表現は、電子の流れに乗って一瞬に地球を駆けめぐる。そうなってなお、考えをおさめる器が紙の冊子であり続けるとは、私には思えない。
 本はきっと、新しい姿を見つけるに違いない。

 そんな本の新しい姿を、私は夢見たいと思う。(「まえがき」より)

※ #ref(7_36.rm)
(朗読:RealMedia 形式 xxxKB、x:xx)
※ お休みしまーす。


富田倫生 とみた みちお
1952-2013(昭和27.4.20-平成25.8.16)
広島市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、ライターに。ノンフィクションのさまざまな分野を取材対象としてきたが、次第にパーソナルコンピューターの比重が高まる。ボイジャーのエキスパンドブックを見て電子出版の可能性を本気で信じ込むようになり、「パソコン創世記」と名付けたタイトルを、コンピューターで読むことを前提に制作。このブック上の記述を、インターネット上のさまざまなホームページにリンクさせていくという作業を体験してからは、電子本への確信をさらに深めている。紙で出してきた著書に、「パソコン創世記」(旺文社文庫版、TBSブリタニカ版)、「宇宙回廊 日本の挑戦」(旺文社)、「電脳王 日電の行方」(ソフトバンク)、「青空のリスタート」(ソフトバンク)、「本の未来」(アスキー)がある。

◇参照:青空文庫「作家別作品リスト:No.55」。

底本

底本:「本の未来」アスキー
   1997(平成9)年3月1日初版発行
http://www.aozora.gr.jp/cards/000055/card56499.html

NDC 分類:007(総記 / 情報科学)
http://yozora.kazumi386.org/0/0/ndc007.html
NDC 分類:023(図書.書誌学 / 出版)
http://yozora.kazumi386.org/0/2/ndc023.html

難字、求めよ

ザ・リアクティブ・エンジン
関西フォーク
落書紙
美術謄写
コピーイング・プレス
ミメオグラフ
孔版家
シカゴ万国博覧会
平野欣三郎
リュシアン・フェーブル フランス人。共著『書物の出現』。
アンリ=ジャン・マルタン フランス人。共著『書物の出現』。
堀井耕造 謄写版を発明。三井物産に勤める。
三井物産
志村章子 共著『ガリ版文化史』『ガリ版文化を歩く』。
謄写堂 東京神田。
伊東屋 銀座。
伊藤義孝 伊東屋の会長。
藤田 役場の給仕。

年表

一八〇六 紙にはさんで筆圧で複写をとるカーボン紙の特許がイギリスで成立。
一八八三(明治一六) 新治郎、堀井家に養子に入る。
一八九三(明治二六)一月 堀井新治郎、職を辞して手軽に使える印刷機の開発に専念しはじめる。
一八九三(明治二六)三月 堀井新治郎、印刷機事情を学ぶために渡米。
一八九三(明治二六)五月一日~ シカゴ万国博覧会。
一八九三(明治二六)一一月 堀井新治郎、ミメオグラフを携えて帰国。
一八九四(明治二七)一月 堀井父子、ミメオグラフをもとにした印刷機を作り上げ、七月、東京神田に謄写堂を起こして謄写版の販売を始める。
一八九四(明治二七)八月一日 日清戦争、宣戦布告。九月、謄写堂、初めての注文を大本営から受け、翌年一月には軍から大量の発注を受ける。

一九二三(大正一二)九月一日 関東大震災。
一九四五(昭和二〇)八月 太平洋戦争、敗戦。

一九七六(昭和五一) 富田、大学を卒業。
一九七七 雑誌『COMPUTER』三月号、アラン・ケイ「パーソナル・ダイナミック・メディア」掲載。
一九八三 アップルコンピュータ、リサを発表。翌年、マッキントッシュを発表。
一九八三(昭和五八)五月 富田、会社を辞めて独立。
一九八五(昭和六〇)二月 富田『パソコン創世記』を発行。

◇参照:本文。

スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
ベーシック → BASIC

山形市立図書館に所蔵してあった富田倫生『本の未来』を借りて読んだのは2000年代のはじめころだったと思う。おなじみのお茶の水博士と少年が、半畳もある分厚い本をのぞき込む手塚治虫イラストの表紙。ミニCDが付録についていて、TTZ 形式の本文全テキストと演奏ムービーが収録してあった。たしか、PCにデータをコピーしてたはずと思ってそのころのフォルダを検索してみたりひっくりかえしたりしてみたけれども、なかなか見つからない。

すでに青空文庫へ参加して久しいころで、富田夫妻がドイツのグーテンベルク博物館へ「四十二行聖書」を見に行くくだりと、無着成恭の『山びこ学校』と生活綴方の国分一太郎に関するくだりが目に止まったのを覚えている。



2015.3.28 公開予定
2015-06-10 公開
しだひろし/PoorBook G3'99
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