M-Tea* vol.7 no.33 桜島の噴火(一)大森房吉

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M-Tea* vol.7 no.33 桜島の噴火(一)大森房吉

2015.3.7 第七巻 第三三号

桜島の噴火(一)
大森房吉

 第一章 噴火の概況
  緒言
  鹿児島湾および桜島
  噴火の前徴および状況
  噴火の来歴
  桜島噴火現象今後の予想
  鹿児島市と噴火、鹿児島県下の地震
  鹿児島における微動計観測
 第二章 噴火の概況(つづき)
  降灰区域
  古里における微動計観測
  本邦近時噴火の概勢
  桜島噴出の溶岩および灰の比重
  溶岩流の面積



100円(本体税抜93円)  p.169 / *99 出版
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(c) Copyright is public domain in Japan, 2015.

PDF マガジン 週刊ミルクティー*

【有珠山破裂の例】かつて明治四十三年(一九一〇)七月二十五日、北海道有珠山の噴火に先だち、数日前より地震鳴動をはじめたれば、当時の室蘭警察署長たりし飯田警視は噴火の前兆なりとし英断をもって付近の住民に退去を命じたるも、住民中容易に応ぜざるものありしをもって村会議員などを集めて、明治三十五年(一九〇二)鳥島噴火の後に余が警監学校においてなせる地震・噴火に関する講演の筆記を朗読し、退去を強行命令的に遂行したる結果一人の負傷者もなきを得たりき。今回、桜島の破裂に関しても余らが、今いっそうの注意をはらい置きたりしならんには多少は有珠山の場合のごとく前知し得べかりしならんに、事これに出づるに至らざりしは同島民に対して謝するに辞なしとするところなり。
 安永六年(一七七七)には前記せるごとく大島の噴火あり。二年をへて安永八年の桜島噴火となりたるが、今回もまた明治四十五年(一九一二)の大島噴火より二年をへて本年の桜島大破裂を見たるのみならず浅間山も近時大活動をなすなど、まったく天明前後の噴火状態をくり返せるものというべし。

※ #ref(7_33.rm)
(朗読:RealMedia 形式 xxxKB、x:xx)
※ お休みしまーす。


大森房吉 おおもり ふさきち
1868-1923(明治元.9.15-大正12.11.8)
福井生まれ。1890年東京大学物理学科卒。92年震災予防調査会の設立とともにその委員となる。97年東大教授。1906年学士院会員、長い間震災予防調査会幹事。地震学上の業績は、1) 各種地震計の考案、2) 地震帯の発見、3) 余震頻度の公式、4) 初期微動と震源距離との関係、5) 脈動、6) 潮位・津波の研究、7) 火山の観測、8) 建築物の振動測定など。(地学)/明治・大正時代の地震学の権威。理学博士。福井市に生まれる。大学予備門を経て、明治23年東京帝国大学理科物理学科を卒業、大学院に止まり地震学と気象学を専攻した。翌年濃尾地震の刺激により、菊池大麓の発議で文部省内に震災予防調査会が設立されるや、その幹事に任ぜられ、画期的な報告書を起草した。27年、万国震災予防調査会委員として渡欧し、帰朝後、明治30年東京帝国大教授となり、翌年理学博士の学位をうけた。爾来、東京、京都、福岡の各帝大理科の教授講師を兼任しつつ、内地の地震、津浪、噴火などの調査ならびに海外の大震災調査に出張すること四回、国際会議に幹部として渡航すること六回におよんだ。日本における地震学の創始者ともいうべき〈恩人〉。地震学に関する研究論文はきわめて多く、震災予防調査会報告記載の分だけでも邦文103篇、欧文で9篇を数え、殊に大なる功績は大森式各種地震計の考案にある。著書『地震学講話』『日本噴火志』『地震験測法一班』『日本に於ける津浪に就きて』など。(日本人名)

◇参照:『新版 地学事典』(平凡社、2005.5)、『日本人名大事典』(平凡社)。

底本

底本‥『地學論叢 第六輯』東京地學協會
   1915(大正4)年9月6日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/list_inp1836_1.html

NDC 分類:453(地球科学.地学 / 地震学)
http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc453.html

難字、求めよ

裂溝〔れっこう〕
火山学
震噴火災〔しんふん かさい〕
窟み 屈む(かがむ)か。
焼音 爆音か?
空気波〔くうきは〕
弱線〔じゃくせん〕
地裂線〔ちれつせん〕
積加〔せきか/せっか〕
微動計〔びどうけい〕
地動観測〔ちどう かんそく〕
前き揺れ
地方測候所
溶岩屑 ようがんさい?
噴灰 ふんかい?
纏える まとう、まとえる、か。(漢和)
簡単微動計
甚小〔じんしょう〕
験測〔けんそく〕
深床〔しんしょう〕
燃崎 もえさき? 島の南西端に突出する。野尻村付近。(本文)
辰崎 たつざき? 南岸古里付近。(本文)
大燃崎 おおもえざき? 島の東北岸。(本文)
有村島
権現祠 桜島の西方半腹。(本文)
割石崎
戸柱鼻
愛宕山神社
大隅元海岸
国分小島
牛根島
鹿児島港
安永諸島/安永島
岩島
灰島 軽石島。
鹿児島測候所
鹿児島半島
新島 「しんしま」か。
鹿児島県庁
度量衡検定所 鹿児島県庁構内。
鹿児島専売支局
真幸 まさき、か → 真幸院
真幸院 まさきいん 現えびの市と小林市・西諸県郡にまたがる広域を占める。/[えびの市]県の西端部に位置する。九州山系にほぼ囲まれており、真幸盆地または加久藤盆地と呼称される盆地を形成している。総面積の約62%が林野。
信濃高原
島原温泉岳 → 雲仙岳か
富士山系火山
本邦東南の太平洋底
琉球大島の南東沖
結城 写真師。
鹿児島県知事
飯田警視 室蘭警察署長。
警監学校
黒阪助手
鹿児島測候所員
錦丸 船名か。
鹿児島大林区署
松本 技師。鹿児島大林区署。
渡辺 技師。鹿児島大林区署。
『三国名所図会』 → 『三国名勝図会』か
『三国名勝図会』 さんごく めいしょう ずえ 60巻。五代秀尭・橋口兼柄ら編。鹿児島藩主・島津斉興の命を受けて編纂され、天保14年に完成した鹿児島藩の総合地誌。内容は網羅的・詳細で、近世後期の鹿児島藩の歴史・地理を知るうえで最も基礎的で最高の地誌となっている。

むしとりホイホイ

所以なるべし」 → 所以なるべし、 【読点か】
燒音 → 爆音 【爆か】
一千分 → 一千分一 【一か】
のみならす → のみならず 【ず?】
鳥島 → 烏島 【烏か】
比量 → 比重 【重か】
鎔岸 → 鎔岩 【岩か】
ものなるく → ものなるべく 【べ?】
見るべし即ち → 見るべし、即ち 【読点か】

以上9件。底本は左辺のとおり。

年表

寛文年間(一六六一~一六七三)有珠山破裂。
宝永四(一七〇七)大なる破壊的地震(非噴火的)。南海地震のことか。
安永六(一七七七)七月二九日より伊豆国大島の破裂。
安永八年九月二九日 桜島、地震を発することはなはだしく。
安永八年一〇月一日(一七七九年十一月八日) 桜島、島中の井水ことごとく沸騰し、ところどころ水ほとばしり出づ。海水紫色に変ず。桜島噴火。燃島ほか四島、海中より涌出。
安永九(一七八〇)伊豆国青ヶ島の噴火開始。
天明三(一七八三)浅間山大噴火。
寛政四(一七九二)肥前国島原温泉岳の破裂。
文政年間(一八一八~一八三一)有珠山破裂。

安政元(一八五四)大なる破壊的地震(非噴火的)。安政南海地震のことか。
明治元(一八六八)ハワイ島マウナ・ロア火山、破裂。
明治二一(一八八八)磐梯山噴火。

明治三五(一九〇二)鳥島噴火。大森、警監学校において地震・噴火に関する講演。
明治三九(一九〇六)四月一八日 サンフランシスコ大地震。M8.3。
明治四〇(一九〇七)一二月 信濃・飛騨国境の焼岳、爆発をはじめる。
明治四一 浅間山、活動を開始。
明治四三(一九一〇)七月二五日 北海道有珠山噴火。数日前より地震鳴動。当時の室蘭警察署長たりし飯田警視、噴火の前兆なりとし付近の住民に退去を命じる。
明治四四(一九一一)焼岳、夏期において最盛時期に達し、爾後ひとまず鎮静に帰す。
明治四五(一九一二)三月・四月 伊豆大島・三原山、噴火。
大正元(一九一二)九月・一〇月 伊豆大島・三原山、溶岩の大噴出。


大正二(一九一三)

春     大島三原山、小活動を示せるのみにて長く沈静の状にあり。
 五月一九日より 霧島山麓の加久藤・真幸などの地方に地震を頻繁に発生。
 六月   大森、書を鹿児島県知事に送る。
 六月下旬 鹿児島半島伊集院地方にも強震を発する。
一一月八日 霧島山、爆発。
一二月九日 霧島山、爆発。


大正三(一九一四)

一月 八日 霧島山、爆発。
一月一〇日 桜島、地震を発し、一一日にはすでに頻繁となる。
一月一一日 午前三時より一二日朝六時までに三三七回の地震。
一月一二日 脇村・有村の海浜より熱湯を噴出。桜島の大破裂。
一月一四日 大森房吉、東京を発する。
一月一六日 以降、鹿児島県庁構内の度量衡検定所に出張のさい携帯せる震災予防調査会の簡単微動計(倍率二〇〇倍)を据えつけ、黒阪助手をして不断観測に従事。
一月一七日 大森、鹿児島市と噴火の関係について意見を発表。
一月二〇日付 大森、発表。
一月二二日 大森、視察。
一月二三日 大森、桜島におもむく。
一月二四日 瀬戸海峡、幅十二、三間〔二三メートル前後〕の狭水道をあますのみ。
一月二八日 大森、帰京。
一月二九日 瀬戸海峡、閉塞。
二月 九日 簡単微動計を桜島古里に移し、鹿児島測候所員の担任により爾後数か月間観測を継続。
二月一三日 鹿児島県、硫黄島(一名、鬼界島)噴火。
三月二三日ごろ 鹿児島県、下諏訪之瀬島の噴火。
四月 七日~一九日 ふたたび鹿児島地方に出張。桜島噴火の調査。
五月一六日 三原山、ふたたび噴火を開始。
六月    海軍水路部、溶岩流の面積を実測。


◇参照:本文、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。

スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
火孔 → 火口
噴孔 → 噴口
十分一 → 十分の一
柢抗 → 抵抗
東々南 → 東南東
西西北 → 西北西
破裂孔 → 破裂口
噴出孔 → 噴出口

おぼえがきメモ。
本文中、「大正元年一月十日より地震を發し十一日には既に頻繁となり、【温泉の異常】十二日午前八時半頃に及びては島の南岸脇村、有村の海濱より熱湯を噴出せるあり」とある。桜島の噴火は大正三年(一九一四)一月十二日のはずだから、「大正元年」とあるのは「大正三年」の誤植か?

15.2.17 山形新聞 p.23
異質の文明描くのは間違い
風刺画で宮崎駿監督
16日放送、TBSラジオのニュース番組
荒井強啓デイ・キャッチ!
青木理インタビュー。

15.2.24 山形新聞 p.24
草津白根山で地震増
昨年8月以来の規模
23日、火山性地震増加
噴火警戒レベル2を維持



2015.3.7 公開予定
2015-06-05 公開
しだひろし/PoorBook G3'99
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