M-Tea*7_18-地球物理学(四)寺田寅彦

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

M-Tea*7_18-地球物理学(四)寺田寅彦

2014.11.22 第七巻 第一八号

地球物理学(四)寺田寅彦
  第七章 地球の弾性
   第三節 地球の平均剛性
    (一)歳差と地球の剛性
    (二)地殻の潮汐と地球の剛性
    (三)緯度変化と地球の剛性
    (四)地震波の速度と地球の剛性



税込価格:100円(本体税抜93円)  p.171 / *99 出版
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ PDF 形式。Mac OS X 10.4・Acorbat Reader 5.0、Windows 7・Adobe Reader X および SONY Reader(PRS-T2)にて確認済み。
※ この作品は青空文庫にて入力中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、転載・印刷・翻訳などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain, 2014.
※ 表紙画像は、Wikipedia「地球」の「NASA Blue Marble of Eastern Hemisphere」(public domain)。

ピン子の哲学。哲学のピン子。吾輩はピン子である*

 月や太陽の引力と、地球がこれらの天体に対する相対運動から生ずるいわゆる遠心力との結合の結果として地球の海洋に潮汐を起こすは人の知るところである。しかるにこの潮汐を起こす力は、単に海洋のみに作用するものではなく、地球自身をも海面のごとく変形させようとするはもちろんである。それでもし地球がまったく剛性のない液体のごときものであったと仮定すれば、地殻は海と同様に潮汐をおこし、したがって陸地も海洋と同時に起伏するから、あたかも海上に浮かぶ船の上で潮の高低が認められぬと同様に、陸地に住居する人間からみれば海面の昇降・干満はさらに認められぬことになるであろう。もしまた地球が弾性体であって、この力のためにいくぶん変形するものとすれば、陸に対する潮汐の干満は存在するであろうが、その高低の度は地球が完全な剛体である場合よりもいくぶん減少するは明らかなことである。ケルヴィン卿(Lord Kelvin)はこのことに注目し、潮汐の観測を種にして地球の剛性を計算しようと試みた。ここに一つの困難なことは、海洋の潮汐はかならずしも潮汐を起こす力にともなって静力学的に起こらない。詳しくいえば、海洋は自己特有の振動周期を有しているために、力の変化の位相は潮汐の位相と一致せず、また潮汐の高さも簡単に力の大小から計算することができぬのみならず、海陸の分布が複雑であるために潮汐の波は反射回折をおこして不規則となり、とうてい理論的の計算ができぬのである。(「(二)地殻の潮汐と地球の剛性」より)

※ #ref(7_18.rm)
(朗読:RealMedia 形式 xxxKB、x:xx)
※ お休みしまーす。


寺田寅彦 てらだ とらひこ
1878-1935(明治11.11.28-昭和10.12.31)
物理学者・随筆家。東京生れ。高知県人。東大教授。地球物理学を専攻。夏目漱石の門下、筆名は吉村冬彦。随筆・俳句に巧みで、藪柑子と号した。著「冬彦集」「藪柑子集」など。

◇参照:『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)、Wikipedia 日本語・オフライン版(『iP!』2009.4月号、晋遊舎)。

底本

底本:『地球物理學』文會堂書店
   1915(大正4)年2月15日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person42.html

NDC 分類:450(地球科学.地学)
http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc450.html

難字、求めよ

地球の平均剛性
震動波
太陰や太陽の引力の作用
地殻の潮汐
反射回折〔はんしゃ かいせつ〕
調和分析〔ちょうわ ぶんせき〕
半月潮
一月潮
不可圧縮性〔ふか あっしゅくせい〕
ウィーヘルトの比重分布
天体引力〔てんたい いんりょく〕
ジオイドの変形
錘線
地盤の傾斜
長日月
等ポテンシャル面
大陰半日周潮
パシュウヴィッツ型の水平振子
潮時線図〔ちょうじせんず〕
圧縮係数〔あっしゅく けいすう〕 圧縮率に同じか。
液体の層〔えきたいのそう〕 substratum
弾条
分度圏
半日回潮
物体の自由歳差 free precession
験査 けんさ? 検査に同じか。
遠かる とおざかる?
副生 ふくせい? 復生か?
第一初期微動
第二初期微動
表面速度〔ひょうめん そくど〕
走時線〔そうじせん〕 走時曲線に同じか。
弾性常数〔だんせい じょうすう〕 → 弾性係数、弾性率か
ハイデルベルヒ → ハイデルベルクか
地球物理研究所 ドイツ。
ベルリン天文台
上加茂 かみがも? 上賀茂か。
京都上加茂の観測所
万国測地学会 → 国際測地学協会か
ホプキンス Hopkins
オッペンハイム Oppenheim
シュワイダー Schweydar
プレスコット Prescott
プランタムール Plantamour
レボイル・パシュウヴィッツ v. Rebeur Paschwitz
ヘッカー Hecker
ラルマン Lallemand フランス。
志田博士 → 志田 順か
志田 順 しだ とし 1876-1936 地球物理学者。千葉県出身。東京帝国大学卒。京都帝大教授。地震波初動方向の方位的分布に関する法則を発表して学士院恩賜賞を受賞。また、潮汐による地球および地殻の弾性の算定の研究などで知られる。
ヘンネシー Hennesy
オスモンド・フィッシャー Fisher, Osmond (本文 p109)
オイラー Euler
ペータース Peters
フェルスター Foerster
フェルゴラ Fergola イタリア。(本文)
バクホイゼン Van de Sande Bakhuyzen オランダ。(本文)
木村博士 → 木村 栄か
木村 栄 きむら ひさし 1870-1943 天文学者。石川県生れ。水沢緯度観測所創設以来42年間所長をつとめ、その間緯度変化に関するz項(木村項)の発見を行い、万国緯度変化中央局長に就任。文化勲章。
ヘルグロッツ Herglotz
ローシュ Roche
ブリル Brill
ツェプリツ Zoeppritz
日下部博士 → 日下部四郎太か
日下部四郎太 くさかべ しろうた 1875-1924 物理学者。東北帝大教授。岩石の弾性の研究、物理学、地震学に貢献。(人レ)
ベートマン Bateman
ベンドルフ Benndorf
オールダム Oldham

むしとりホイホイ

大陽 → 太陽 【太か】4か所
ゲルヴイン → ケルヴイン 【ケか】
事になり。 → 事になり、 【読点か】
大低 → 大抵 【抵か】
傍の數字を → 傍の數字は 【は?】
あれは → あれば 【ば?】
ならない、 → ならない。 【句点か】
堀つた → 掘つた 【掘か】
廻潮 → 週潮 【週か】
ペータース。 → ペータース 【句点不要か】
Mauhuell → Maxwell 【xwか】
思はれぬ。 → 思はれぬ、 【読点か】
子午線 Oy → 子午線、Oy 【読点か】
距離だげ → 距離だけ 【け?】
事である、 → 事である。 【句点か】
考へられない、 → 考へられない。 【句点か】
あらうか、 → あらうか。 【句点か】
不思儀 → 不思議 【議か】

年表

一八八五 ベルリン天文台のキュストナー、周期的の緯度変化の存在をはじめて確実に認める。これとほとんど同時に米国でチャンドラーが緯度変化の実際の周期を発見し、それが三〇五日ではなくて四二七日であることを見い出す。
一八九〇 万国測地学会におけるフェルスターの動議によって、ヨーロッパとは地軸に対して反対の側にあるハワイで周期的緯度変化の観測をおこなうこととなる。
一八九八 万国測地学会、地球上の種々の経度において、同緯度の上で緯度変化を観測する必要を認め、このことを決定。翌年から規則立って観測をはじめる。
一九〇七 ツェプリツ、走時曲線の図を作る。
一九一〇~一九一一 京都大学の志田博士、京都上加茂の観測所にパシュウヴィッツ型の水平振子をすえて観測。
一九一二 シュワイダー、詳しく地殻の潮汐の問題を解説。

スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
ゼオイド → ジオイド
大陰 → 太陰
大陽 → 太陽
ヂー、エツチ、ダーウイン → G・H・ダーウィン
パシユウイツツ → パシュウヴィッツ
シンシンナチ → シンシナティ
グリニツチ → グリニッジ
レーリイ/レーリー → レイリー
アー、フォン、シュミット → A・フォン・シュミット
豪州 → オーストラリア
画いて → 描いて
解決に近く → 解決に近づく
遠かる → 遠ざかる


11/19 水曜 晴れ
図書館の郷土相談室へ、川崎先生を訪ねる。県内遺跡での降灰出土の件について。

11/27
角二山遺跡

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『角川日本地名大辞典 6山形県』
昭和56.12 角川書店

p.212 かくにやま いせき 角二山遺跡 〈大石田町〉
北村山郡大石田町大字大石田に所在。先土器終末期細石器文化の遺跡。新庄盆地と山形盆地の中間にある尾花沢盆地西部、朧気川と丹生川の中間、国鉄奥羽本線大石田駅の西北約500m、最上川にのぞむ河岸段丘に立地。標高77.5m。周辺の整地作業中に、細石刃文化の包含層が発見され、昭和45年に山形大学によって調査が行われた。最上層はクロボク層で、縄文前期大木6式期の竪穴住居跡や土壙が発見された。細石刃を主体とする文化は、第3層の粘土層最上位から第2層の軽石層基底部まで含まれている。さらにその下層より東山型ナイフなどの石刃が出土している。第2層より出土した石器群は、細石刃1,300点をはじめ彫刻刀・掻器・舟底形細石刃核・稜つきスポール・スキー状スポールなど5,700点を数え、石材の大半は硬質頁岩が用いられ、まれに黒曜石・安山岩・鉄石英・オパールが用いられている。細石刃は幅7mm、長さ3~4cmのものが多く、舟底形細石刃核生産において多くは稜つきスポールとスキー状スポール数本をつくり打面を作出する、いわゆる湧別技法によっている。彫刻刀は荒屋型に属する。これと最も類似した石器の組成をもつ遺跡は、北海道紋別郡白滝遺跡・遠間H地点で、ほかに北海道紋別郡札滑遺跡・本県越中山M地点・同湯ノ花遺跡などがあり、北海道、東北、中部の新潟県までこの種の遺跡が認められる。絶対年代については、包含層の上位をおおう肘折パミスのC14年代などより勘案して1万1,000 B.P.よりも少し古いという結果が与えられるであろう。県内で初めて発掘された細石器文化の遺跡として重要で、県史跡に指定されている。報告書は、小野一彦「大石田町角二山遺跡調査略報」(昭和46年)、宇野修平・上野秀一「角二山遺跡」(日本の旧石器文化2所収、昭和50年)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
肘折カルデラ ひじおり- Hijiori caldera
月山の北東山麓にある直径2kmの小型カルデラ。約1万年前の噴火で尾花沢軽石が東方に降下し、肘折火砕流は谷に沿って約12km流下した。〔宇井忠英〕

パミス pumice 軽石。

◇参照:『新版 地学事典』(2005.5)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
角二山遺跡 かくにやま いせき 現、大石田町大石田上ノ原
 最上川右岸に発達する尾花沢I面洪積段丘の西突端に立地する。標高77.5メートル、最上川の現河床との比高30メートル。県指定史跡。昭和45年(1970)発見、100平方メートルにわたって緊急発掘調査が実施され、三つの文化層が確認された。第一文化層は最上層クロボク土で約60センチの層厚をもつ。縄文時代前期末大木6式期の竪穴住居跡群とフラスコ状竪穴を検出した。第二文化層は肘折パミス(尾花沢軽石層)下の粘土層中にある。細石刃を主体とする石器群が出土した。細石刃石器群はこれまで断片的だった東北の細石刃文化の解明に一石を投じることになった。出土遺物は石器約1800点・剥片4200点、計6000点を超えた。細石刃は約1400点ある。長さ4ー5センチ、幅7ー8ミリ、厚さ1ー2ミリのものが多い。角二山細石刃文化の特徴は、細石刃が特別な技法で製作された点で、細石刃が生産された工程を物語る剥片や細石核との接合資料が得られている。この製作技術は北海道・シベリアにわたって広く分布しており、湧別技法とよばれている。細石刃は木や骨を軸とし、その両側に数個をはめ込んで用いる組合せ道具で、当遺跡ではその溝を刻み込む多数の荒屋型彫刻刀形石器を組成する点も、北海道・シベリア方面と軌を一にする。包含層を覆う軽石(肘折パミス)層の放射性炭素年代測定値は1万ー1万1千年前である。第二文化層より下位20センチより石刃が出土、これを第三文化層と仮称している。遺跡には現在最北高等技術専門学校が建っている。
◇参照:『日本歴史地名体系6・山形県の地名』(平凡社、1990.2)。



2014.11.22 公開
2015.2.20 更新
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
カウンタ: -

名前:
コメント: