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M-Tea*7_16-地球物理学(二)寺田寅彦

2014.11.8 第七巻 第一六号

地球物理学(二)寺田寅彦
  第五章 ジオイド
   第一節 水準面
   第二節 水準測量
   第三節 重力の測定
   第四節 重力の分布とジオイドの形
   第五節 垂直線の異常とジオイドの形
   第六節 アイソスタシーの説

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税込価格:100円(本体税抜93円) p.168 / *99 出版
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(c) Copyright this work is public domain, 2014.
※ 表紙画像は、Wikipedia「地球」の「NASA Blue Marble of Eastern Hemisphere」(public domain)。

赤毛のタヌキ。

 さて、アイソスタシーがはたして事実であるとすれば、これは物理的にいかなる意味を持っているかということを考えてみよう。いま、第十八図 P, Q, R, S, T のごとき比重相異なる柱状の物体を相並べて液体の上に浮かべれば、もし P, Q, R などの比重についてアイソスタシーの関係があれば、その底面が正しく一平面を形づくるようになるのはもちろんである。ゆえにもし地下 120 キロメートル以下に液体が存していれば、だいたいにおいて地殻はアイソスタシーを示すはずである。もっとも小区域の凹凸は地殻の弾性でじゅうぶん維持することができることはラヴ(Love)らの研究によっても明らかであるが、広区域にわたってもしアイソスタシーに反すれば、地殻は破れてかくのごとき均衡的状態を保たんとするわけである。それで完全なアイソスタシーが実存していれば、それは現在か、もしくは少なくとも過去のある時代において地下が液体をなしていたことを示すように見えるのである。もっとも、かならずしも普通の液体でなくても、長い間の力に対しては液のごとき性質を示すいわゆる粘性の物質であればよいのである。(「第六節 アイソスタシーの説」より)

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※ お休みしまーす。


寺田寅彦 てらだ とらひこ
1878-1935(明治11.11.28-昭和10.12.31)
物理学者・随筆家。東京生れ。高知県人。東大教授。地球物理学を専攻。夏目漱石の門下、筆名は吉村冬彦。随筆・俳句に巧みで、藪柑子と号した。著「冬彦集」「藪柑子集」など。

◇参照:『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)、Wikipedia 日本語・オフライン版(『iP!』2009.4月号、晋遊舎)。

底本

底本:『地球物理學』文會堂書店
   1915(大正4)年2月15日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person42.html

NDC 分類:450(地球科学.地学)
http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc450.html

難字、求めよ

潮位基準面〔ちょうい きじゅんめん〕
重力の等ポテンシャル面
等ポテンシャル面
精密水準測量
三角術的水準法
天頂角〔てんちょうかく〕
幾何学的水準法
水準機 水準器? 水準儀?
ジオイド面 ジオイドめん
懸灯 かけとう? けんとう?
ボルダの振り子 ボルダのふりこ
比較測定 ひかく そくてい relative measurement
ステルネックの振り子 ステルネックのふりこ
重錘
コインシデンスの方法 method of coincidence
重力分布〔じゅうりょく ぶんぷ〕
沸点計〔ふってんけい〕hypsometer
偽似 疑似・擬似(ぎじ)か。
水準スフェロイド すいじゅん スフェロイド (独 Niveauspheroid)
平地換算の補正 reduction to horizontal terrain
地形補正 topographical correction
ストークスの定理
ブーゲー、ヤング、ポアソンの補正
凹入 おうにゅう?
負号の質量〔ふごうの しつりょう〕
垂直線偏差 deflection of the vertical
観過しがたい みすごしがたい? かんかしがたい? 看過?
地殻質量の分布〔ちかく しつりょうの ぶんぷ〕
重線〔じゅうせん〕
正切面〔せいせつめん〕
錘線 すいせん? 垂線に同じか。
地殻浮泛説 ちかく ふはんせつ?
均衡面 きんこうめん layer of compensation
地下液層説〔ちか えきそうせつ〕
沸点寒暖計〔ふってん かんだんけい〕
異常質量の水平移動
楔形部 せっけいぶ?
地殻の弾性 ちかくの だんせい
普通岩石 ふつう がんせき
モレ Mo〔r'〕e ヒマラヤ山地。(本文)
ミシシッピー平原
アパラキアンの山地 アパラチアに同じか?
地球物理研究所 ドイツ。
ポツダム観測室 ドイツ。
ウインナ Vienna ウィーンか
プラネット号 Planet
ラルマン Lallemand
リシエー Richer 天文学者。(本文)
ステルネック Sterneck
ヘッカー Hecker
田中館博士 → 田中館愛橘か
田中館愛橘 たなかだて あいきつ 1856-1952 物理学者。岩手県生れ。東大教授。貴族院議員。地球物理学の研究、度量衡法の確立、光学・電磁気学の単位の研究、航空学・気象学の普及など、日本の理科系諸学の基礎を築き、また熱心なローマ字論者。文化勲章。
長岡博士 → 長岡半太郎か
長岡半太郎 ながおか はんたろう 1865-1950 物理学者。長崎県生れ。阪大初代総長・学士院院長。土星型の原子模型を発表。光学・物理学に業績を残し、科学行政でも活躍。文化勲章。
ルツキー M. P. Rudzki (本文 p84)
ガルレ A. Galle → Galle, J. G.(ガレ)か?
プラット Archdeacon Pratt
オスモンド・フィッシャー Fisher, Osmond (本文 p109)
ダットン Dutton
ヘイフォード Hayford 米国。
ボウイー
キルバート Gilbert

地、物、日本国語、
外国地名コン
岩波西洋、国史、地、

むしとりホイホイ

平均海面と → 平均海面を 【を?】
ゼオイト → ゼオイド 【ドか】
生し得る → 生じ得る 【じ?】
團塊である → 團塊である。 【句点か】
ヘルヘルト → ヘルメルト 【メか】
引力を加へ。 → 引力を加へ、 【読点か】
河岸 → 海岸 【海か】
第六節第一節 → 第六章第一節 【章か】
第五節 アイソスタシーの説 → 第六節 アイソスタシーの説 【六か】
少さい → 小さい 【小か】
太洋 → 大洋 【大か】
あつたが。 → あつたが、 【読点か】

年表

一八八〇(明治一三) メンデンホール、東京と富士山で重力を観測。その後、田中館博士〔田中館愛橘か〕その他の人々が沖縄や小笠原島などで絶対測定をおこなう。
一八九九(明治三二) 以来、長岡博士〔長岡半太郎か〕その他の学者の手によって、全国にわたった大規模の測定がおこなわれる。
一九〇一 ヘルメルト式、完成。

スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
ゼオイド → ジオイド
零 → 0《ゼロ》
価 → 値
成効 → 成功
函数 → 関数
近く程 → 近づくほど
少さい → 小さい
アパラキアン → アパラチア
仏国 → フランス
葡国 → ポルトガル
西国 → スペイン
液態 → 液体

山形県埋蔵文化財センター
2014/10/28 20:11

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山形県埋蔵文化財センター 年報 平成24年度
平成25年(2013)5月
Y210.0:ヤ-12(天)

p.20- 蔵増宮田遺跡

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山形県埋蔵文化財センター調査報告書209集
蔵増宮田遺跡 発掘調査報告書
2014.3.
Y210.0:ヤ-209(天)

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第140集
小深田(こふかだ)遺跡 (遊佐町)
山形県教育委員会 H元(1989).3月
Y210.0:ヤ:140(天)

p.3「また東隣りの浮橋遺跡や、小深田遺跡でも確認され、庄内地方の平野部では初めて遺構内覆土に伴う火山灰が見つかり、地方的規模の噴火による降灰との鑑定が得られた。」

p.19 SK156土壙 「層序は自然堆積の様相を示し、覆土は3層に分かれる。覆土1層からは、粒子状で全体に混入する灰白色の火山灰ブロックが確認された。」

p.23 SK276土壙 「中位のF3〓層中には一部火山灰が認められた。」

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第141集
浮橋(うきはし)遺跡・下長橋(しもながはし)遺跡
山形県教育委員会 H元.3月
Y210.0:ヤ:141(天)

p.10 SE11 井戸跡 「井桁内の覆土は4層からなる。F6層は火山灰と推定されるオリーブ灰色粘質土がレンズ状に入る。」

p.10 SE12 井戸跡 「覆土は6層に分けられる。最下層(F6)黒褐色粘質土に灰色砂質土が混入しており火山灰と推定される。」
SE13 井戸跡 「覆土は8層に分けられる。F6層は黒褐色微砂質土にオリーブ灰色粘質が混入しており、SE11・12と同様に火山灰と推定される。」

p.45 IV まとめ
「SE11・13及びSK181は、覆土内に火山灰と考えられる灰白色の堆積層がみとめられる。」
「次に今回の調査で注目されるものに、地震によるものと考えられる横滑りの土層がある。それは、SD100からSB1の範囲に広がり、厳密な角度ではないが、ほぼ北西ないし西向きへずれと一部東向きの状況が観察できた。上記の祭祀遺構や火山灰及びこれと類似する様相が、本遺跡西側に位置する「下長橋遺跡」の第2次調査でも確認され、時期的関係等今後の比較検討が望まれる。」

(例言)「9 本書の作成については、火山灰及び地震について阿子島功氏(山形大学教育学部助教授)(略)の御教授を得た。」

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第146集
熊野田(くまのだ)遺跡・第3次発掘調査報告書
(酒田市)
山形県教育委員会 H元(1989)3月
Y210.0:ヤ:146(天)

p.20 SK1 土壙 「覆土は5層に分かれ、黄褐色シルトを基調としている。第1層・第5層には火山灰を少量含んでいる。」

p.25 SK2 土壙 「覆土は7層に分かれ、黒褐色シルトを基調としている。各土層にわたり、木炭粒子を含み、4層では火山灰粒子を少量含んでいる。」

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第165集
東田(ひがしだ)遺跡 (遊佐町)
山形県教育委員会 H3(1991)3月
Y210.0:ヤ:165(天)

齋藤主税、安部実

p.5 A区検出遺構
「上層の遺構は幅が20から50cmの溝跡多数と幅1mほどのやや広い溝、約10基の土壙とピット状遺構が検出された。上層の遺構は第VI層で確認され、SK22土壙・SD33・50溝跡を図示した。SK22土壙の土層1・4は白色の火山灰や炭化物が混入し、2・3は炭化物が多く混入する黒色土層である。(略)覆土は炭化物を多量に含むシルト質である。(略)」

p.6 (B区)掘建柱建物跡
「SB2建物跡は調査区の東寄りに位置し周辺にはピットや中世の土壙が多く検出された。柱間距離は梁行では1m前後から2.2m、桁行では1.4~2.4mで不等間隔だが、ほぼ梁行3間桁行4間である。柱穴は径20~30cm、深さ15~30cmと小型で、埋め土は黒色シルトである。EB10柱跡の埋め土は灰褐色で白色火山灰粒子が混入している。出土遺物はEB14柱跡から赤焼土器坏が1片出土している。」

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第184集
石田遺跡 (遊佐町)

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第185集
中田浦(なかたうら)遺跡 (遊佐町)
山形県教育委員会 H5(1993)3月
Y210.0:ヤ:185(天)

p.15 第8図 SE15井戸跡
「F5 10YR3/3暗褐色粘土質シルト火山灰を含む。」

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山形県埋蔵文化財調査報告書 第186集
木原(きはら)遺跡 (遊佐町)
山形県教育委員会 H5(1993)3月
Y210.0:ヤ:186(天)

阿部明彦、植松暁彦

  • 『新版 標準土色帖』(小山・竹原 1970)

p.4 2 遺構と遺物の分布
「また、遺物の分布は火山灰を伴う土坑内覆土などを中心として調査区全域に認められたが、特に調査区南西半部のSX938・977など不整な落ち込み遺構に見られたような10世紀前葉~中葉段階にかかる時期の多量の土器群が二次的な流れ込みや投・廃棄とも考えられる状態で出土するあり方が注目された。」

p.11 2 井戸跡
SE30 「覆土は井戸枠内が3層で川砂などの自然堆積層が主体となる。堀方の埋土は8層からなり全体に火山灰の小ブロックを含む特徴が認められた。出土遺物は僅少で、図化できたのは掘り方から出土した須恵器の蓋(第17図19)程度でに留まっている。」

p.13 3 土坑
SK302 「覆土は7層からなり、中位の4層には火山灰が厚さ2~4cmで堆積する。また、長径30cm前後の偏平な河原石が4・5個廃棄されており、土器等を押し潰していた。遺物は4層の火山灰層を挟んで、第18図1~24に示すあかやき土器坏を主体とする9世紀末~10世紀初めの土器群が纏まっていた。」

p.15 4 落ち込み遺構
SK938・977 「プラン不定で黒色の泥炭質土中には多量の土器が2か所で集中していた。(略)長径5.6m以上、短径1.4m以上の南北に延びる溝状の落ち込みである。覆土は黒色の泥炭質の粘質土でまばらに火山灰の塊を含んでいた。(略)」

p.24、25

p.37 VII まとめ ◎

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月マガ。ふでかげ最終回。

11/08 土曜 はれ
西沼田へ。


2014.11.8 公開
2015.2.20 更新
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
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最終更新:2015年02月20日 21:58