M-Tea*5_48-日本周囲民族の原始宗教(四)鳥居龍蔵

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M-Tea*5_48-日本周囲民族の原始宗教(四)鳥居龍蔵

2013.6.22 第五巻 第四八号

日本周囲民族の原始宗教(四)
鳥居龍蔵

  民族学上より見たる済州島(耽羅(たんら))
   一、総説
   二、済州島(チェジュド)の称呼
   三、歴史上に現われたる済州島
   四、自然地理・地質学上より見たる済州島
   五、土俗学上より見たる済州島
    住居
    習俗
    言語
    生業
    宗教
    柑橘類(かんきつるい)と済州島
    神話・伝説
   六、結論



【週刊ミルクティー*第五巻 第四八号】
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/231865
※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。
(832KB)

定価:95円 (税込 100 円)  p.165 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(100項目)p.732
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0208・ttz 形式。第五巻 第四四号より JIS X 0213 文字を画像埋め込み形式にしています。
※ この作品は青空文庫にて入力中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.

せーまん、しゃーまん、週刊トルハルバン!

(略)水田は水がとぼしいところであるから、わずかに水のある場所だけでやっている。飲用水は非常に困難であって、海岸の潮の干(ひ)いたときに岩から噴き出る水があってそれをくんでくるのである。(略)海岸の漁師は筏(いかだ)を組んで、それに乗って沖へ出て漁りをするのである。近ごろだいぶ船が入ったが、済州島固有のものは筏である。そうして男は筏に乗ってこれをこぎ、女は海女(あま)をする。海女は頭を手ぬぐいでしばって、体には半股引(ももひき)様のものをつけて海中に入る。このときは、そのそばに大きなヒョウタンを上方だけ切って、中ほどから残っているものに網をつけたものを浮かしておく。そうして海底に入りアワビなどを取って上に浮き上がり、この網に入れるのである。この瓢(ひさご)はなかなか沈まない。この瓢が五ツ六ツあればまさしく船の代用をする。彼の新羅の伝説の瓢公が瓢に乗ってきたということも、こんな風習から出た話ではあるまいか。余の郷里の四国では、水練の稽古をするときに紺のふんどしをしめるが、このばあいにヒョウタンの画を染め出す風がある。それらも何か関係があると思う。(「生業」より)

(略)この女がこない以前というものは、穀物の種もなければまた家畜もなかった。主に猟をして生活をしておった。女が来たがために、持ってきたところの五穀をまき、また家畜を育った。
 その女はどこからきたかというと、日本からきたというのである。最初着いたところはどこかというと、済州島の南の延婚浦の鳬桶(オルトン)という海岸である。小さい湾になっているところへ一つの櫃(ひつ)が着いたというのである。それであるから済州島の人間は、日本人に対しては他の朝鮮人とちがって非常に親密な感じを持っている。祖先が一緒であるために、なつかしい感じがする。(「神話・伝説」より)

5_48.rm
(朗読:RealMedia 形式 396KB、3:13)
milk_tea_5_48.html
(html ソーステキスト版 208KB)

鳥居龍蔵 とりい りゅうぞう
1870-1953(明治3.4.4-昭和28.1.14)
人類学者・考古学者。徳島の人。東大助教授・上智大教授などを歴任。中国・シベリア・サハリンから南アメリカでも調査を行い、人類・考古・民族学の研究を進めた。晩年は燕京(えんけい)大学教授として遼文化を研究。著「有史以前の日本」「考古学上より見たる遼之文化」。

◇参照:Wikipedia 鳥居龍蔵、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。

底本

底本:『日本周圍民族の原始宗教』岡書院
   1924(大正13)年9月20日発行
   1924(大正13)年12月1日3版発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1214.html

NDC 分類:163(宗教/原始宗教.宗教民族学)
http://yozora.kazumi386.org/1/6/ndc163.html
※2013.7.5 現在、リンク先のページなし。

難字、求めよ

大唐楽 だいとうがく?
耽羅楽 たんらがく?
耽羅薄鰒 とらのいか
グナイス 鉱物名。
リヤ 植物名。
フジの実
浦村人
山村人
pit-dwellers
元軍民総官府
阿幕
乳柑 ニュウカン?
洞庭橘 ドウテイキツ?
青橘 セイキツ?
瓶橘 ビンキツ?
山橘 サンキツ?
唐柚子 トウユズ?
倭橘 ワキツ?
大橘 ダイキツ?
唐金橘 トウキンキツ?
石金橘 セキキンキツ?
世次
薨れ かくれ?
南部シナ人
續がらない 「つながらない」か?
白鹿潭 漢拏山の頂上の湖。(本文)
延婚浦
鳬桶 オルトン
済州の城内
金盛山
金寧窟
大静山 済州島の西南。
全羅道 ぜんらどう
多島海
度羅の島
鍬子島 → 楸子群島か
白狼国
伊呂島 いろしま?
カムチャツカダール
火流浦 ひるのうら? ひながれのうら?
玉那湾
多婆那国
脱解王 脱解尼師今(だっかい にしきん)か。
犬養連手繦 いぬかいのむらじ たすき? 大使。
川原連加尼 かわらのむらじ かね? 小使。
小藤博士
小倉文学士 → 小倉進平か
小倉進平 おぐら しんぺい 1882-1944 言語学者。宮城県仙台の生まれ。京城帝国大学教授、東京帝国大学教授を歴任。朝鮮語の科学的研究に尽力し、優れた業績を挙げた。著書に「郷歌及び吏読の研究」「朝鮮語方言の研究」など。
瓢公
三宅連 みやけむらじ
但馬諸助 → 多遅麻毛理か
高乙那
良乙那
夫乙那
藤井貞幹 → 藤貞幹(とう ていかん)か
藤貞幹 とう ていかん 1732-1797 江戸後期の考証学者。京都の人。無仏斎・亀石堂・好古と号。古文書・金石文を研究、日本書紀の紀年の捏造を指摘。著「衝口発」「好古日録」など。
藤村光鎮
『韓昌黎集』
『三国志』『魏志』「東夷伝」「馬韓伝」
『高麗史古記』
『耽羅志』
「春耕」 しゅんこう? 正月元旦に、済州島の巫人が大勢集まっておこなう舞踏。黙劇。(本文)

むしとりホイホイ

要 る → 要する 【す?】
遺はした → 遣はした 【遣か】
關係のの → 關係の 【「の」不要か】
三十人  → 三十人、 【読点か】
どん  → どんな 【な?】
浬  → 浬の 【の?】
少さな → 小さな 【小か】
鍬子島 → 楸子島 【楸か】
楊子江 → 揚子江 【揚か】
此 火山 → 此の火山 【の?】
推茸 → 椎茸 【椎か】
所 もの → 所のもの 【の?】
如る → 居る 【居か】
筑前  → 筑前、 【読点か】
裙  → 裙の 【の?】
やつたか → あつたか 【あ?】
 温州) → (温州) 【(か】
たじまもと → たじまもり 【り?】
橘  → 橘は 【は?】
求めるか → 求めるが 【が?】
といふ者。 → といふ者、 【読点か】
肥  → 肥前 【前か】
あびこ → あひこ 【ひ?】相子(あいこ)か
居るまいか、 → 居るまいか。 【句点か】
ひなだ → ひなぐ 【ぐ?】
有明灣 → 有明海 【海か】
矮人傳 → 倭人傳 【倭か】

※ 有明湾は志布志湾(鹿児島・宮崎間)の別称。有明海は長崎・佐賀・福岡・熊本にまたがる湾。筑紫の海。

スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
Basalt → basalt
富士山形 → 富士山型
Ethnography → ethnography
鍬子島 → 楸子島
一所 → 一緒
Pit-dwellers → pit-dwellers
フオネチック → フォネティック
グランマー → グラマー
ボカボラリー → ボキャブラリー

 本文中、『続日本紀』天平三年(七三一)条からの引用で、「耽羅楽六十二人」というものと「耽羅の楽人六十四人」という二つの表記がある。『続日本紀』本文にあたっていないので、どちらの数字が正確かは未確認。

 これまでも、北朝鮮と中国の国境にある白頭山(長白山)については何度か言及してきたが、そのほかに北東アジアで注意しておきたい火山はどこか、それを確認しておきたい……というのが今シリーズの裏テーマ。
 地震学や歴史学に精通している人ほど、それらサイエンスの限界にも気がついているはずで、それをおぎなうものとして口頭伝承(フォークロア、民俗学)がひとつあり、それから原始宗教の研究がある。神話や伝承、慣習のなかには、意識的/無意識的に過去の大きな出来事を記憶しているふしがある。
 学問どうしのあいだに壁をつくってしまうのも人間だし、学問と非学問とのあいだに壁をつくってしまうのも人間。じゃあ、その「壁」とは何なのかというと、じつは「ウチとソトを認識するためにつごうよく設定された、実態のないもの」。
 見えない何かを恐怖するのは、どうやら現代人も古代人も大差ない。その原因を何に関連づけるか。関連づけの手続きの違いだけということか。

 さて、朝鮮周辺で主要な火山は、つぎの三か所。

 ・鬱陵島           (最終噴火、約9300年前)
 ・白頭山(長白山)      ( 〃  、10世紀)
 ・済州島、漢拏山(ハルラサン)( 〃  、11世紀初頭)

漢拏山は地質学上、第三紀に噴火した火山であり、周辺には360個の側火山が形成されており、最終噴火は11世紀初頭(高麗時代)であると見られている。(略)韓国国内には火山が少なく、主なものは漢拏山と鬱陵島のみである(北朝鮮には白頭山がある)。頂上に火口湖の白鹿潭がある。(Wikipedia「漢拏山」)

今から約9300年前に鬱陵島は大規模な噴火を起こしたことが明らかになっている。このときの噴火の火山灰は日本各地に降り積もり、広域テフラの一つ(鬱陵隠岐 (U-Oki))として年代測定の材料の一つとして使われている。(Wikipedia「鬱陵島」)

白頭山は10世紀に過去2000年間で世界最大級とも言われる巨大噴火を起こし、その火山灰は偏西風に乗って日本の東北地方にも降り注いだ(白頭山苫小牧テフラ(B-Tm))。また最近9世紀にもかなりの規模の噴火があったことが明らかになりつつあり、この噴火と渤海滅亡との因果関係が指摘されている。(Wikipedia「白頭山」)




あたまに毛が三本の弓矢。
てらこった、あべらった、アベQ。
月夜のぱくんぱくん。
2013.6.21:公開
2013.8.8:更新
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
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  • 図版を微妙に修正しました。 -- しだ (2013-08-08 19:15:57)
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