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M-Tea*5_45-日本周囲民族の原始宗教(一)鳥居龍蔵

2013.6.1 第五巻 第四五号

日本周囲民族の原始宗教(一)
鳥居龍蔵

  序言
  日本周囲民族の原始宗教
   一、緒言
   二、東北アジア民族の宗教
    東北アジア民族の分類
    カムチャツカ 付 アラスカ、ベーリング
     チュクチ、コリヤーク、エスキモー、ツリンキツト、
     ハイダ、チムシャン
    千島、北海道、カラフト
     アイヌ、ギリヤーク、オロッコ
    極東シベリア
     ツングース、オロッコ、ゴリド
    満州
     満州人
    朝鮮
     朝鮮人
    沖縄諸島
     沖縄人
    モンゴル
     モンゴル人
    中部シベリア 付 露領トルキスタン
     ソロン、バラカ、ブリヤート、ヤクート、トルコ人

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【週刊ミルクティー*第五巻 第四五号】
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/231849
※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。
(1.1MB)

定価:95円 (税込 100 円) p.182 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(152項目)p.997
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0208・ttz 形式。第五巻 第四四号より JIS X 0213 文字を画像埋め込み形式にしています。
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おきゅぱいハダニ、週刊アカダニ!

(略)シャーマンには二種あり、一つはファミリー・シャーマン、一つはプロフェッショナルのシャーマンである。前者には時に巫人として神に仕える専門的のものなく、各自の家々にて祈祷・禁厭(きんえん)をおこない病気をなおすのであって、これを家族的のシャーマンといい、後者の職業的シャーマンは、この家族的シャーマンの一歩進んだもので、専門的の巫人があって神に仕えることをして、一般民衆のために加持・祈祷・占いなど種々のことを営むのである。チュクチ、コリヤークのシャーマンは全く家族的シャーマンに属するのであって、たとえば一家に病人のあるばあいには、その家の娘が主なる巫人となり、両親が神に供物(くもつ)をささげたり、太鼓を打ったりする役をつとめてシャーマンの儀式が成り立つので、きわめて簡単である。太鼓は自家に持っているものもあるが、多くは一村共通で、ある場所に備えつけてあるのを諸所の家から借りにくるのである。この太鼓は、彼らの間には神聖な威力を持ったものと考えられておって、シャーマンには必須のつきものである。悪魔は太鼓の音を聞けば退散するという。(略)
 しかるに神というのは何であるかというに、その形は人間の目に見えないものであるが、石を見ると石そのものを神とし、海岸の岩に対して供物などをささげ、岩石と神とを区別しない。木・川・海などの神もまたそうである。これらの物質そのものと神そのものとの区別の立たぬのがおもしろいところで、新シベリア族のほうでは、たとえば石・岡・山・川・木などにしても、それらの内にそれぞれの神が宿っているのであるという思想を持っている。チュクチ、コリヤークになるとこれよりもいっそう原始的であって、物質と神との区別を認めないのである。(「二、東北アジア民族の宗教――東北アジア民族の分類」「カムチャツカ」より)

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milk_tea_5_45.html
(html ソーステキスト版 208KB)

鳥居龍蔵 とりい りゅうぞう
1870-1953(明治3.4.4-昭和28.1.14)
人類学者・考古学者。徳島の人。東大助教授・上智大教授などを歴任。中国・シベリア・サハリンから南アメリカでも調査を行い、人類・考古・民族学の研究を進めた。晩年は燕京(えんけい)大学教授として遼文化を研究。著「有史以前の日本」「考古学上より見たる遼之文化」。

◇参照:Wikipedia 鳥居龍蔵、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。

底本

底本:『日本周圍民族の原始宗教』岡書院
   1924(大正13)年9月20日発行
   1924(大正13)年12月1日3版発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1214.html

NDC 分類:163(宗教/原始宗教.宗教民族学)
http://yozora.kazumi386.org/1/6/ndc163.html
※2013.7.5 現在、リンク先のページなし。

難字、求めよ

ベーリング島
アラスカ海岸
ハイダ島
永陵 えいりょう? 興京の別称か。
奉天宮殿
多島海
南山 なんざん? 京城(ソウル)。
鷺梁津 ノリャンジン 京城より仁川へ行く途中。(本文)
清寧宮 せいねいきゅう?
中部シベリア
バラカ 民族名。モンゴル人。(本文)
後貝加爾州
ヤクート州
エニセイ州
荒井さが子
『魏志』「馬韓伝」
タマリ社
巫人 ふじん? みこ?
植物尊拝
原始的道教
未来の夜見の国
古シベリア族
新シベリア族
偏鄙 辺鄙(へんぴ)か。
ツリンキット人
家根 屋根か
チムシャン
サバウドベ
エムシュ
トスクル
鞦 しりがい? 鞭(むち)か。
帯んで おんで?
神杆 しんかん?
腰鈴 こしすず?/ようれい?
清寧殿 せいねいでん?
懸軸 かけじく?
ケストの制 朝鮮の民衆の階級。(本文)
天下大将軍
ノロクメ

むしとりホイホイ

述べるた → 述べたる 【たる?】
教である、抑々 → 教である。抑々 【句点か】
世界がある、 → 世界がある。 【句点か】
家根 → 屋根 【屋か】
一族 み → 一族のみ 【の?】
チムシヤント → チムシヤンと 【と?】
入つたのであらう。 → 入つたのであらう、 【読点か】
が多い、 → が多い。 【句点か】
カムチツヤカ → カムチヤツカ 【ヤツ】
シヤーヤン → シヤーマン 【マ】
ツグース → ツングース 【ン】
鞦 → 鞭 【鞭?】
之 を → 之等を 【等?】
過ぎない、 → 過ぎない。 【句点か】
之れ  → 之れは 【は?】
繩を漲る → 繩を張る 【張か】
 始 → 原始 【原か】
遣つて → 遺つて 【遺か】
儀式  → 儀式は 【は?】
人々  → 人々が 【が?】

スリーパーズ日記*

書きかえメモ。
這は → これは
偏鄙 → 辺鄙
シユープレム → スプリーム

 『長岡半太郎隨筆集 原子力時代の曙』(朝日新聞社、1951.6)。前半の随筆は入力がすんで青空文庫へ送ってあるものの、後半の鼎談部分は未着手。渡辺 寧(やすし)・藤岡由夫(よしお)ともに1976年没。
 しかしこの鼎談内容が、じつに興味深い。
 二名の著作権保護期間が経過するのを待ちきれないので、長岡半太郎の発言部分にかぎって、二、三を引用してみる。


藤岡由夫 ふじおか よしお 1903-1976 大正・昭和期の物理学者。東京教育大学教授、国連原子力局アイソトープ部長。専門は理論物理で、分光学を研究。政治力のある異色の学者である。著書に「物理学ノート」など。

渡辺 寧 わたなべ やすし 1896-1976 大正・昭和期の電気・電子工学者。東北大学教授、電気学会会長。半導体、トランジスタを研究。著書に「空間電荷伝導論」など。

◇参照:『人物レファレンス事典』(日外アソシエーツ、2000.7)。


ぼくはしかし、漢學者の讀まないものを讀んでいます。讀むものもやつたけれども、讀まないものを讀んだ。『莊子』とか、『准南子』(抱朴子)というものを讀んだ。その中にはシナ人のサイエンスが出ている。『莊子』を讀んで驚いたのは、『莊子』の中に雷のことが書いてあるが、それがいまの學説とほとんど一致しているんです。陰と陽です。ポジティヴとネガティヴと、陰陽ところを失うから雷が起る。雨のどしや降りの時に稻光りがする。これは水中火ありだという。二、三行だが、ちやんと説明が書いてある。それから『莊子』で驚いたのは、空が青いのは本色かということを問うている。ブルー・スカイというものは、天の本色であるか、それともほかのものであるか、こういうことは前世紀の一八八四年ごろにロード・レーリーがはじめて説明したものです。それを二千三百年前に問題にしているんだからね。面白いですよ。それから面白いのは、ハーフ・アクティヴィティーの原理をもとにして、莊子自身じやないが、惠施という人の議論に、棒を一つとつてそれを半分に割る。その半分をまた半分に割る。そうして行くと、いくらいつても終るところがない。すなわちインフィニティシマル(無限小)の考えです。實に鋭い頭をもつて、戰國の人は自然を論じているんです。そういうものをぼくは讀んだ。(p.196-197)

つい先月見つけ出したのは、地球がだん/\まるくなつて行つて、二つ交叉するものと考えて、その交叉するところが緯度三十五度二十一分というところになる。そういうところに一番大きな地震がなければならんということは前から考えていたんだが、このごろちやんと正式に勘定してみると、三十五度二十一分何秒ということになる。それが何ぞはからん、富士山と相模灣の沿岸に當るんです。關東大地震のようなものがしば/\あるのは當然だつたんです。ある人はそれをまだのみ込まん人がある。それから中國の一番大きな地震で明の嘉靖年間に起つた地震があるが、黄河と渭水の交叉するところです。あそこに當時世界一の大地震があつた。今から約五百年前のことです。それからサンフランシスコの地震もやゝそれに近い。その他いろ/\ある。いまそれをちようど發展させつゝあるんです。日本人は地震について、何か日本の中の地震を論じなければ承知しないようなあんばいである。それが大なる間違いじやないかと思う。(p.206-207)

まあ、これからアトミック・エージ(原子力時代)になるんだからインダストリーなんかの方面もそつちのほうになるでしよう。最近讀んだ報道によると、アメリカ全體の一年間の電氣のパワーはどのくらいですかね。何千萬キロワットでしようが、アトミックに供給し得るウラニウムの分量は、わずかに四十五トンだという。アメリカの何千萬キロワットの電氣を四十五トンのウラニウムでやれるというんです。たゞ窒素がカーボンにかわり、金が水銀になるというような、厄介なことがある。そのカスをどう處分するかということですね。ビキニーあたりのリディアクティヴ(放射)状況が今日まで存續しているんだから、そんな方面のlアトミックの方面のことをやるべきだと思います。ウラニウムを使わずしてやる方法も考えるべきだ。(p.211)



2013.5.25:公開 玲瓏おきゅぱい。
2013.8.8:更新
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
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  • 今号より、定価:95円 (税込 100 円) にしまーす。 -- しだ (2013-07-05 11:40:16)
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最終更新:2013年08月08日 19:03