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M-Tea*5_36-山の科学・湖と沼(二)田中阿歌麿

2013.3.30 第五巻 第三六号

山の科学・湖と沼(二)
田中阿歌麿
 湖沼(こしょう)の研究
  (九)透明度
 (一〇)水温
 (一一)湖面の結氷(けっぴょう)
 (一二)水質
 (一三)変遷(へんせん)と消滅
 湖沼の利用
  (一)飲料水
  (二)交通
  (三)漁業
  (四)農業
  (五)工業
  (六)発電水力

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【週刊ミルクティー*第五巻 第三六号】
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月末最終号:無料 p.170 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(76項目)p.526
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
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さーもくらいん。週刊、午後の効果!

 (四)農業
 川の水は旱魃(かんばつ)が続くとすっかり減(へ)りますが、湖沼の水にはたいしてそういう変化がありません。湖沼の水を水田の灌漑(かんがい)に使うことは、農耕のおこったはじめからおこなわれていたにちがいありません。現今でも、ほとんどそれに使っていない湖沼はないくらいです。湖沼はそれだけ水が豊富であるばかりでなく、大洪水のときなどには一時(いちじ)に湖に水がたまるので、耕地に水害をおよぼすことが少なくなります。仙台付近の平地にある広淵沼(ひろぶちぬま)や品井沼(しないぬま)、あるいは関東平野の湖沼、または淀川流域にある巨椋の池〔おぐらのいけ〕などは、この水害をなくするのにいちじるしく役立っています。また宍道湖(しんじこ)・諏訪湖・野尻湖などのごとく湖沼の水には肥料分の多いのがあって、耕作地の肥料の一部分をおぎなっています。
 また、渓谷の水は非常に冷たいので、それを灌漑に使うと稲の発育を害しますが、湖沼の水は相当に熱をたもっているために、そういう害がありません。そのためにひどく冷たい河水(かすい)は、一時(いちじ)湖沼または溜池(ためいけ)にため入れて、それから灌漑に使うように工夫されています。また、浅い湖沼を干(ほ)して田地を作ることもあります。湖底に沈積した泥土(でいど)はいい肥料になるので、この事業も非常に有利なわけです。以上のとおり湖沼は農業方面にも非常に役立つのですが、いま言った浅い湖沼を干(ほ)すについてはいろいろ注意しなければならないことがあります。それは、湖沼に洪水のときなどは水を一時(いちじ)たたえる働きをするのですから、それを干すとその働きがなくなり、したがってできた田はもちろんのこと、ほかの耕地までが洪水で荒らされることがあります。それでこの計画には、湖沼ができている理由と現在の状態をよく調査してからかからないと、取り返しのつかない失敗をまねくことがあります。

5_36.rm
(朗読:RealMedia 形式 416KB、3:21)
milk_tea_5_36.html
(html ソーステキスト版 228KB)

田中阿歌麿 たなか あかまろ
1869-1944(明治2-昭和19)
地理学者。田中不二麿の子。東京生れ。中央大教授。日本陸水学会を創設。/1884年スイスに留学。その時にした観光で地理学の面白さにとりつかれる。フランスの地理学者のエリゼ・レクルスにつき人文地理学を学びアフリカの地理研究にも2年にわたって従事。1895年帰国し、日本に湖沼学を紹介。

◇表紙:恩地孝四郎 おんち こうしろう 1891-1955
 図版:岡 落葉 おか らくよう 1879-1962

◇参照:Wikipedia 田中阿歌麿、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)、『人物レファレンス事典』(日外アソシエーツ、2000.7)。

底本:『山の科学 No.47』復刻版 日本児童文庫、名著普及会
   1982(昭和57)年6月20日発行
親本:『山の科學』日本兒童文庫、アルス
   1927(昭和2)年10月3日発行

NDC 分類:K450(地球科学.地学)
http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndck450.html
※ 2013.2.6 現在、該当ページなし

難字、求めよ

粥 「のり」?
岡谷町(おかやまち)
菅沼 すがぬま 「すげぬま」か。群馬県利根郡片品村東小川。
赤城大沼 あかぎ おおぬま 「おの」。赤城山山頂カルデラ内にある火口原湖。
城沼 しろぬま 「じょうぬま」か。群馬県館林市街地東部。
千蛇が池 せんじゃがいけ 福井市三宅町か。
平賀湖 ひらがこ
帝室林野局 ていしつ りんやきょく
正列成層 せいれつせいそう
逆列成層 ぎゃくれつせいそう
同温層 どうおんそう
二重氷 にじゅうひょう
乳氷 にゅうひょう
沢生植物 たくせい しよくぶつ
もめた水
カバチェッポ カパチェッポ? 和井内マス。

むしとりホイホイ

琶琵湖 → 琵琶湖 【琵琶】
男潟《をとこがた》 → 男潟《おがた》 【「おがた」か】
女潟《をんながた》 → 女潟《めがた》 【「めがた」か】
城沼《しろぬま》 → 城沼《じょうぬま》 【「じょう」か】
余吾湖 → 余呉湖 【呉、か】
外《ほと》 → 外《ほか》 【「ほか」か】
巨椋《おほむく》 → 巨椋《おぐら》 【「おぐら」か】
琵琶湖畔《ばわこはん》 → 琵琶湖畔《びわこはん》 【び】
三方湖《さんぽうこ》 → 三方湖《みかたこ》 【「みかたこ」か】

以上9件。底本は左辺のとおり。

スリーパーズ日記*

「粥《のり》」はそのままにした。

 いま、ちまたでなにかと話題の「せいき表現」について(^^)。

 ^  行頭と一致
 \r  改行と一致

 T-Time は基本 html なので、上の2つは最も使用頻度が高いもの。素文を書いたあと、エディタの検索/置換で「正規表現」にチェックを入れて、検索「\r」置換「<br />\r」。これで html の最低限の体裁が整う。
 検索「^」置換「<li>」。これはリスト文のための行頭の置換。もくじや、表組み、地名・人名・難字などのデータベースリストの部分も、これで一括処理。

 ([^()]*)
 《[^《》]*》

 このフェイスマークのできそこないのような表現もつぎに頻度の高いもの。( )もしくは《 》でかこまれた部分を検索するさいに使用。カッコでかこまれた部分、たとえば西暦年号やルビを選択したいときに使う。
 ([^()]*)は、「カッコにかこまれた、カッコ以外の文字集合の0回以上の繰り返し」を意味する。単純な表現なので、ネスト(入れ子状態、カッコのなかにカッコが重複しているばあいのこと)にはヒットしないが、九割がた、これでまにあう。

 検索:\(([^()]*)\)
 置換:<font xsize=90%>\1</font>

 これは、上の([^()]*)を「\(」と「\) 」でかこんでグループ化したもの。「\1」は直前の検索でヒットしたグループ化した表現テキスト。たとえば「平成二五(二〇一三)……」のうち(二〇一三)の部分にだけヒットし、その前後に「<font xsize=90%>」と「</font>」を追加した状態で出力することができる。

 たとえば「青空文庫全」の「作家別テキストファイル」の中から、「地震」の項目を全文検索したいとする。エディタの「複数ファイル検索」をチェックして、対象フォルダを指定、検索ボックスに「地震」と入力して検索を開始する。
 検索したい言葉が「津波」のばあい、「波」と「浪」の両方を同時に検索したいと思うこともある。そういうときは「正規表現」にチェックを入れて、検索のボックスには「津[波浪]」と入力する。[ ](ブラケット)にかこまれた表現は、「文字集合のいずれか(一字)に一致」を意味する。

 \t  タブ文字と一致

 これは、タブ区切りの表組み、たとえば新字新かな変換辞書「シン弐くん」の辞書を編集するばあいに使用。テキストの誤変換に気がついたとき、誤変換テキストの頭に「\t」を追加して検索する。

 青空文庫の入力や校正をしてるぶんには正規表現を使うことはなかった。なんといっても青空テキストを利用して、T-Time で電子出版をはじめたことが大きなきっかけだろう。とくに、テキスト変換ソフト「ConvChar 0.8.2」や「検索置換ラクダv1.01」を多用してること、html ファイルをじかに編集する必要にかられたこと、かなと。
 厳密には、html が「3」から「5」になって、かつ epub 仕様へと変更対応をせまられてるわけだけれども、根がずぼらなもので、なかなか T-Time を手放す気になれなくて・・・。こまったもんです。じぶん。



ラピュタ王に、おれはなるぅー!!!
2013.3.28:公開 おきゅぱい迷人。
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
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最終更新:2013年03月30日 17:49