M-Tea*5_32-菜穂子(三)堀 辰雄

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M-Tea*5_32-菜穂子(三)堀 辰雄

2013.3.2 第五巻 第三二号

菜穂子(三)堀 辰雄
 菜穂子
  一~十一


【週刊ミルクティー*第五巻 第三二号】
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/223510
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(436KB)

定価:200円  p.168 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(8項目)p.99
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて公開中です。著作権保護期間を経過したパブリック・ドメイン作品につき、引用・印刷および転載・翻訳・翻案・朗読などの二次利用は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.

どなどな、ねどねど、週刊ぜつぼー!

 その輝《かがや》かしい少年の日々は、七つのとき両親を失くした明をひきとって育ててくれた独身者の叔母《おば》の小さな別荘のあった信州のO村と、そこですごした数回の夏休みと、その村の隣人であった三村家の人々、――ことに彼と同じ年の菜穂子とがその中心になっていた。明と菜穂子とはよくテニスをしに行ったり、自転車に乗って遠乗りをしてきたりした。が、そのころからすでに、本能的に夢を見ようとする少年と、反対にそれから目醒《めざ》めようとする少女とが、その村を舞台にして、たがいに見えつ隠《かく》れつしながら真剣に鬼ごっこをしていたのだった。そしていつもその鬼ごっこから置きざりにされるのは少年のほうであった。……

「かわいそうな菜穂子。」それでもときどき彼女は、そんな一人でいい気になっているような自分をあわれむように独り言をいうこともあった。「おまえがそんなに、おまえのまわりから人々を突き退けて大事そうにかかえこんでいるおまえ自身が、そんなにおまえにはいいのか。これこそ自分自身だと信んじこんで、そんなにしてまで守っていたものが、他日気がついてみたら、いつのまにか空虚だったというような目になんぞ逢ったりするのではないか……」
 彼女はそういうとき、そんな不本意な考えから自分をそらせるためには、窓の外へ目を持って行きさえすればいいことを知っていた。
 そこでは風がたえず木々の葉をいい匂いをさせたり、濃く淡く葉裏を返したりしながら、ざわめかせていた。「ああ、あのたくさんの木々。……ああ、なんていい香りなんだろう……」

5_32.rm
(朗読:RealMedia 形式 340KB、2:46)
milk_tea_5_32.html
(html ソーステキスト版 192KB)

堀 辰雄 ほり たつお 1904-1953(明治37.12.28-昭和28.5.28)
◇参照:Wikipedia 堀辰雄、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。

底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
   1988(昭和63)年6月1日初版第1刷
底本の親本:「堀辰雄全集 第二巻」筑摩書房
   1977(昭和52)年8月30日初版第1刷発行
http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card4805.html

NDC 分類:913(日本文学 / 小説.物語)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html

むしとりホイホイ

なんだが → なんだか 【か】 底本は左辺のとおり。
愉《た》しい → 愉《たの》しい 【の】 底本は「愉《たの》しい」。
過ぎた, → 過ぎた。 【。】 底本は「過ぎた。」
附添が入る → 附添が要る 【要、か】 底本は左辺のとおり。

以上4件。底本確認ずみ。

スリーパーズ日記*

 T-Time 5.5。Windows 7 へインストールすると、縦組み、画像表示、字送り、インデントなど基本的な体裁は、そつなくこなしている。ソフトの起動時間、ページ送りも快適。
 ところが、どうも、それを読む気にならない。
 Mac の T-Time と Windows の T-Time。この差はなんなんだろうと、漠然と失望していたんだけれど、Windows の最大の急所は「フォント」だったんじゃないだろうかという思いに到る。

 Windows になくて Mac にあるのがヒラギノフォント。これが T-Time の縦組みとの相性がバツグンで、T-Time だけじゃなく、横組みのブラウザーでもエディターでも表示フォントにヒラギノの丸ゴシックを指定している。丸ゴのいいところは、レティナ・ディスプレイ以前の解像度の高くない環境でもストレスなく見れること。
 なぜ「丸ゴ」かというと、文字の級数を下げても明朝体のように横棒の細いラインがとばない。フォントのボディに対してずんぐりむっくりに、おおぶりに作ってあるので文字のつぶれもない。

「級数を下げても文字がつぶれずに読める」という条件は、書体にとってごくあたりまえの、とるにたらないことかもしれない。が、これがことパソコンやタブレットや電子書籍端末になると印刷本にくらべて解像度が低いぶん、シビアな評価をくだされることになる。
 表示級数に2つないし3つぐらいのバリエーションがあると、一冊の書籍としての表情がかなり豊かになる。なおかつルビは、「本文級数の半分のサイズ」になるから、ラインがとんだりつぶれて読めないフォントではその意味をなさない。

 市販のフォントを買いたせば、Windows だって条件は同じはず。
 たぶん、そう考えたのがマイクロソフト陣営の甘いところ。買いたす人とそうでない人の格差が、テキスト表示の質の格差にもなり、PC上での読書ストレスの格差にもなる。ただでさえ、うつろいやすい電子テキストなのに、もっともメジャーであるはずの環境で、安定感をそぐようなことをマイクロソフトはしてこなかっただろうか。OSを交換するたびに、テキストが変わったり、フォントがあったりなかったりとか。
 問題は Windows だけでなく、電子書籍端末でもタブレットでもスマートフォンでもたぶん同じ。

 さて、アップルのこれまでの強さのひとつにフォント「ヒラギノ」があったとすれば、ヒラギノに匹敵するような読みやすいフォントを自分で作って提供してしまえば、ユーザーの環境に関係なく、作り手の意図にほぼ忠実な再現ができるんじゃないか……なあんて。



3.6 高田松原、かんちがいの一本松、復元。
3.7 かんかぜの、いはくにのけいちつの、おすぷれっそ。
2013.3.2:公開 おきゅぱい迷人。
目くそ鼻くそ、しだひろし/PoorBook G3'99
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