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M-Tea*5_4-兜/島原の夢/昔の小学生より/三崎町の原 岡本綺堂

2012.8.18 第五巻 第四号

兜 / 島原の夢 / 昔の小学生より / 三崎町の原
岡本綺堂

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【週刊ミルクティー*第五巻 第四号】
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/203656
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(552KB)

定価:200円 p.179 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(19項目)p.92
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ 現代表記版に加えてオリジナル版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
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おともだち作戦! 週刊オスプレッソ*

 わたしはこれから邦原君の話を紹介したい。邦原君は東京の山の手に住んでいて、大正十二年(一九二三)の震災に居宅と家財全部を焼かれたのであるが、家に伝わっていた古い兜が不思議に、ただひとつ助かった。
 それも邦原君自身や家族の者が取り出したのではない。その一家はほとんど着のみ着のままで目白の方面へ避難したのであるが、なんでも九月なかばの雨の日に、ひとりの女がその避難先へたずねてきて、震災の当夜、お宅の門前にこんな物が落ちていましたからお届け申しますと言って、かの兜を置いて帰った。そのとき、あたかも邦原君らは不在であったので、避難先の家人はなんの気もつかずにそれを受け取って、彼女の姓名をも聞きもらしたというのである。なにぶんにもあの混雑の際であるから、それもよんどころないことであるが、彼女はいったい何者で、どうして邦原君の避難先までわざわざ届けにきてくれたのか、それらの事情はいっさいわからなかった。
 いずれそのうちにはわかるだろうと、邦原君も深く気にも留めずにいたのであるが、その届け主は今にいたるまでわからない。焼け跡の区画整理はかたづいて、邦原君一家は旧宅地へ立ち戻ってきたので、知人や出入りの者などについて心あたりをいちいち聞きただしてみたが、誰も届けた者はないという。そこでさらに考えられることは、平生ならともあれ、あの大混乱の最中に身許不明の彼女が、たとい邦原家の門前に落ちていたとしても、その兜をすぐに邦原家の品物と認めたというのが少しく不審である。第一、邦原家の一族は前にもいうとおり、ほとんど着のみ着のままで立ち退いたのであるから、兜などを門前まで持ち出した覚えはないというのである。(「兜」より)

5_4.rm
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milk_tea_5_4.html
(html ソーステキスト版 252KB)

岡本綺堂 おかもと きどう
1872-1939(明治5.10.15-昭和14.3.1)
劇作家・小説家。本名、敬二。東京生れ。戯曲「修禅寺物語」「番町皿屋敷」、小説「半七捕物帳」など。

◇参照:Wikipedia 岡本綺堂、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)。


底本:「鷲」光文社文庫、光文社
   1990(平成2)年8月20日初版1刷発行
初出:「週刊朝日」
   1928(昭和3)年7月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card45482.html

島原の夢
底本:「綺堂むかし語り」光文社時代小説文庫、光文社
   1995(平成7)年8月20日初版1刷発行
初出:『随筆』
   1923(大正12)11月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card1306.html

昔の小学生より
底本:「綺堂むかし語り」光文社時代小説文庫、光文社
   1995(平成7)年8月20日初版1刷発行
初出:『時事新報』
   1927(昭和2)10月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card1306.html

三崎町の原
底本:「綺堂むかし語り」光文社時代小説文庫、光文社
   1995(平成7)年8月20日初版1刷発行
初出:『不同調』
   1927(昭和2)1月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card1306.html

NDC 分類:913(日本文学 / 小説.物語)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc913.html
NDC 分類:914(日本文学 / 評論.エッセイ.随筆)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc914.html

難字、求めよ


むしとりホイホイ

そめほか → そのほか 【の?】「兜」
勿諭 → 勿論 【論?】「三崎町の原」

以上2件。底本未確認。

スリーパーズ日記*

 予想どおりというか、『古事記』上巻を三回にわけて連載したところでスケジュールが大きくずれこむ。中巻に入る前に、岡本綺堂の再登場。関東大震災の前後に執筆された作品や、当時を回顧する随筆を集めてみた。
 八月四日(土)晴、山寺駅で一夜をすごす。東の空、二口峠の方向に十三夜の月。汗ばんだ肌に、寒いくらいの夜風。翌日、本堂前にて磐司祭。獅子踊り。午前中から気温上昇、猛暑日。聞きはさんだところでは、演者二名が熱中症で救急車搬送。
 松岡正剛『連塾・方法日本 II・侘び・数寄・余白』(春秋社、2009.12)、読了。
 カレーの残りを温めなおして無理に食べたところ、予想どおりというか、深夜に嘔吐。直前にしょっぱい唾液がくちいっぱいに広がる新鮮な経験。自分の意志とはまったく関係なくはたらく身体の防衛本能に感動。

 桜島が活発。一八日、九州で震度4。十和田湖観光汽船が 倒産
 ん、鬱陵島も火山島かあ。



イラン、M6.4, M6.3。
ペルセウス座流星群、金星食、雷雨。
2012.8.19:公開 玲瓏迷人。
2012.10.2:更新
竹島、魚釣り、オスプレッソ。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
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  • 訂正:十和田湖観光汽船は「平成24年8月17日青森地方裁判所に民事再生手続き開始申立をし、即日裁判所より受理」。現在も事業は継続中とのこと。ブログより。 -- しだ (2012-10-02 14:15:38)
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最終更新:2012年10月02日 14:19